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明地文男さんが考案された3点Vチャージ投資法について、過去の株価データを使用して仮想売買を行い損益を検証しました。
本来、3点Vチャージ投資法に適する銘柄は、ディフェンシブ銘柄、国際優良銘柄などで、日経225銘柄全てを対象とすることは無理があります。しかし、3点チャージ投資法の検証(日経225銘柄)と同じ銘柄で損益を比較してみたかったので、日経225銘柄を対象として検証しました。
明地式投資法公式サイトにおける3点Vチャージ投資法の解説
買い条件
買い条件として、以下の3つのテクニカル指標の条件を同時に満たした時に、買いシグナルが出たものとして買い出動します。購入株数は3点チャージ投資法の検証と同じで、一単元(購入可能な最小株数)です。
テクニカル指標 |
条件 |
備考 |
乖離率 |
-5%以下 |
26日周期 |
ボリュームレシオ(VR) |
100%以下 |
25日周期 |
相対力指数(RSI) |
30%以下 |
14日周期 |
※乖離率の条件は本来、-4.5%以下ですが、検証ソフトのパイロン
では乖離率の指定は整数値のみなので、-5%以下としました。
売り条件
利食い…評価益が+4%以上となったとき。
損切り…無し。
投資期間…買い出動してから暦日数で30日を経過したら強制的に手仕舞う。
※利食い条件は本来、+3.5%以上ですが、検証ソフトのパイロンでは利益率の指定は整数値のみなので、+4%以上としました。
投資成績(日経225銘柄)
日経225銘柄を売買対象として、過去の株価データを使用した仮想売買による損益の検証結果です。
3点Vチャージ投資法の損益(対象銘柄:日経225銘柄) |
投資期間 |
トレード数 |
1トレード
平均損益 |
年間損益 |
勝率 |
平均保有
日数 |
2006/01/01~2006/12/31 |
752 |
\5,573 |
\4,191,152 |
66% |
18 |
2005/01/01~2005/12/31 |
319 |
\-9,288 |
\-2,962,795 |
65% |
21 |
2004/01/01~2004/12/31 |
658 |
\78,411 |
\51,594,306 |
72% |
18 |
2003/01/01~2003/12/31 |
546 |
\26,224 |
\14,318,572 |
75% |
16 |
2002/01/01~2002/12/31 |
903 |
\6,175 |
\5,576,007 |
66% |
17 |
2001/01/01~2001/12/31 |
892 |
\-3,609 |
\-3,219,023 |
63% |
17 |
2000/01/01~2000/12/31 |
754 |
\26,530 |
\20,003,567 |
74% |
14 |
1999/01/01~1999/12/31 |
733 |
\13,017 |
\9,541,160 |
67% |
15 |
1998/01/01~1998/12/31 |
784 |
\3,944 |
\3,092,292 |
64% |
15 |
1997/01/01~1997/12/31 |
954 |
\-5,920 |
\-5,647,661 |
55% |
17 |
1996/01/01~1996/12/31 |
409 |
\1,416 |
\579,275 |
56% |
19 |
1995/01/01~1995/12/31 |
610 |
\-985 |
\-600,637 |
58% |
19 |
1994/01/01~1994/12/31 |
283 |
\8,582 |
\2,428,630 |
61% |
22 |
1993/01/01~1993/12/31 |
554 |
\-3,045 |
\-1,687,174 |
60% |
19 |
1992/01/01~1992/12/31 |
867 |
\3,516 |
\3,048,329 |
67% |
17 |
1991/01/01~1991/12/31 |
616 |
\7,163 |
\4,412,180 |
63% |
18 |
1990/01/01~1990/12/31 |
944 |
\-44,215 |
\-41,738,696 |
57% |
18 |
合計 |
11,578 |
- |
\62,929,484 |
- |
- |
平均 |
681 |
\5,435 |
\3,701,734 |
64% |
17 |
考察
3点Vチャージ投資法と3点チャージ投資法との検証結果比較を以下に示します。
項目\投資法 |
3点Vチャージ |
3点チャージ |
年間平均トレード数 |
681 |
116 |
1トレード平均損益 |
\5,435 |
\16,904 |
年間平均損益 |
\3,701,734 |
\1,962,834 |
平均勝率 |
64% |
60% |
平均保有日数 |
17 |
38 |
年間平均トレード数は681でかなり多いです。同時期に多数の銘柄で買いシグナルが発生することが考えられます。検証では資金の上限を設定していないので成り立ちますが、実際に売買するとなると大量の資金を要するので、現実的でない面があります。
年間平均トレード数が多いのは、日経225銘柄の中には日経平均株価の値動きより振幅が大きい銘柄がかなりあるので、少しの株価調整で買いシグナルが頻発する為だと思われます。従って、株価下落の初期段階で買いシグナルが出て、買い出動後に更に値下がりするケースがかなりあると思われます。
平均年間損益は\3,701,734となりました。年間の利益がこれだけあれば非常に結構ですが、金額だけを鵜呑みにすることは出来ません。
1トレード平均損益は\5,435で、3点チャージ投資法の検証における\16,904よりかなり少ないです。年間平均トレード数が681と多い為に、「1トレード平均損益×年間平均トレード数=年間平均損益」で算出される年間平均損益が、見かけ上大きくなっています。
17年間で損益がマイナスの年が6回あります。また、年間損益最高額は2004年の\51,594,306、年間損益最低額は1990年の\-41,738,696で、ばらつきが大きいです。これでは天国と地獄で、売買を継続するにはかなりの忍耐力を要します。
平均勝率は64%です。3点チャージ投資法の検証における勝率60%より向上しています。これは損切りを無しとした関係で、買値から値下がりして本来なら損切りに引っかかるものが、投資期間1ヵ月の間にリバウンドしたものがある為に、勝率が向上したものと思われます。
以上をまとめると日経225銘柄を対象とした3点Vチャージ投資法は、
(1)トレード数が多過ぎる。
(2)必ずしも安値で買い出動出来ない。(買いシグナルの精度が悪い。)
(3)損益のばらつきが大きい。
という特徴があり、損益を安定させる為には、3点Vチャージ投資法に適した銘柄に対象を絞る必要があると言えます。
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