バズー!魔法世界

バズー!魔法世界は、93年ホットビィ制作の、ロールプレイングゲーム。
その華麗なイラストと、幻想的なシナリオで、ゲーム界に燦然と輝いた・・・かもしれない。
運が悪いのか、大作ソフトとかち合い、また、評価が分かれたため、いまいち人気が当時はなかったみたいでした。

私としては、みひらきの、華麗なイラストと、そのものすごいタイトル、主人公が魔法使いという設定に惹かれました。
ただ、私には、ゲームをたくさんする暇も金も腕もなく、忘れられていくのみでした。
いつものごとく・・・。
時々、中古ソフトを見ては、欲しいなぁーと思っていただけでした。

今回、ネット周りをしていて、評価が高かった為、買ってみました(笑)。
難しい、とは聞いていたものの、今の自分には、たぶん平気・・・と思ったので、購入したのです。
ここまでくると、意地ですねー。

最初、ソフトが汚れていたので、立ちあがらなく、キレイにしてからプレイしたものの、いつ消えるかビクビクでやってました。
だから、短期クリアーを目指しました。

ソフトを電源入れて、惹かれたのは、まず、音楽。
このごろ、中古での音楽が、イマイチだったので、なんだかなーと思っていたのですが、もうタイトルから惹かれました。
荘厳というより、これから始まる物語の深さ、広さを感じさせる、良い曲。
色々ゲームが進むにつれ、音楽は、良いほうだと思ってます。
世間的には評価が低いけれど・・・??
ダンジョンもいいし、町の曲、フィールドもいいし、船の曲も、全体マップも最高なんです。
どこがいいかというと、雰囲気。
フィールドのほのぼのとして情緒あふれていることろとか、
全体マップの、旅をしている雰囲気とか。
音源が悪く、チープなので、音色での評価がきつくなってしまったのだと思いますが、
ハーモニーと、主旋律は、とても良いほうだと思います。
結構グラフィックに容量使ってそうなので、音源は、これでもしょうがないと思ってしまう自分。

わたしは、主人公は、女のコでスタートしました。
ヒロインだと思っていた女のコは、主人公だったのでした。
のっけから、いい感じで始まるセリフ達。
うーん、買いのソフトだ。
と、わたしは、ここだけでひとまず満足したのでした。

ただ、その後。
のっけから、ザコで主人公死亡。
さすが、難しいといわれるだけあるわい。
次から、主人公は防御で、他のパーティに戦わせてみた。
これが、なかなかサクサクと進む。

・・・このゲーム、難しいといわれていますが、プレイのし方で、とても楽になります。

戦闘は、とても特徴あって、何スクロールもある、横画面での戦闘シーン。
いちいちキャラを移動させて、攻撃しあうのです。
前列の敵にしか攻撃できないのです。
魔法はできるけど。
こんなもので、魔法対戦が始まるのです。
前列に、堅いキャラを置いておけば、あとは、魔法をガンガンうてばいいので、楽に進めることが出来ます。
しかも、魔法ダメージが、主人公の強さに比例するタイプなので、
終盤でも弱いのが使えるのです。
固定ダメージでないというところに、システムの優秀さがあると思いました。

また、逃げるシステムも良いです。
どうやら、すばやさと、レベルで決まるみたいで、主人公達のレベルを上げておけば、ダンジョンの中、一回も戦闘しないでボスと戦闘なんて、ナイスなことも。

レベル上げは、きちんと、ここが上げ場ですよ、といわんばかりのポイントをもうけてあるみたい。
フィールドの敵が、可変なのがいいです。シナリオの進み具合で変わるのですけれど、これがダンジョンのより、強め、経験値高めの設定。
レベル稼ぎもバッチリです。

このゲームを、簡単に解きたいと思ったら、レベル上げですね。
主人公のレベルだけ、高めが必要です。
他のキャラは、主人公のレベル近くに設定されてきます。
たぶん、ロマールもそうじゃないのかな・・・。
もう、ここが!!というところで、レベルをがんがん上げておけばオッケーです。

装備のシステムは、買う前に、きちんと強さがわかるし、こまかいところに調節がきいていて、良いバランスです。
ダンジョンが、ちょっと広めで、セーブに困ったのですが、終盤では、これでもかとセーブポイントが設けられてあって、なんだか嬉しかったのでした。

世間的には、難しすぎるなんて言っていますが、これは、プレイのしようなんではないのですかね。
まだ、良い方だと思います。
確かに、ラストダンジョンは、難しすぎるけれど、直前セーブポイントが設けてあるから、きちんと解けってことなんでは(笑)。

キャラも、いいですよー。
一番人気にロマールというキャラがいるのです。
コイツが、馬鹿なくらい、騎士道を重んじていて、セリフがカッコイイ。
そう、キャラごとのセリフが、いいんですよねー。
それぞれのキャラの個性があって。
主人公だって、男と女で、印象がずいぶん違います。

キャラクターの印象がかぶらなくて、このあたりがいいですね。
パーティは、結構強制に組まされるのですが、
最後は自分で決めることができるので、おきにいりでかためることができるのです。
ただし、最後の最後は、メンバーが選べなくなってしまいますけれど・・・。
個人的には、ロマールではなく、ナッシュが好きです(笑)。

ゲームをやっていて、楽しい!!と思ったのは、このゲームの密かなウリである、魔法選択システムと、マップ移動でした。

魔法は、自分で見つけた巻物を使って覚えるのですが、これが、豊富すぎて楽しかったです。
敵の使った魔法を見て、次はこれ覚えようかなーとか思ったり。
どれがレベル上げに向いているかしら・・・と思ったり。
魔法には、結構こだわっている自分がいました。

マップ移動ですが、地域の幅をもたせるためか、部分フィールドと、全体マップ移動があるのです。
部分フィールドでは、戦闘があるのですが、全体マップでは、自動移動です。
この移動が、長い旅をしていることを実感させます。

初めに、一緒に旅をするフィールという人が、「だいたい5日かかるよ」といってから、この全体マップになるので、そこらへんの演出が気に入ってしまいました。
こういう、こまかい所が、バズー!の雰囲気であり、魅力なんだなーと思っています。

最後に、ストーリィについて。
このゲームの最大のウリは、これなんですよね。たぶん。

基本的には、主人公を魔法使いにすることなんですが、
後半から変わっていきます。
ダークエルフである、ベラニード族が、人間界を支配しようとしていて、それを阻止するのです。
魔法使いの職務である、探索という、古の魔法を探す旅。
それを続ける主人公は、いつしか、ベラニード族の野望に気づきます。
それに対して、ちらりと見える、バズー!という、不思議な響きのある、言葉。
ベラニード族を追う主人公達は、バズー!というものの正体に興味を持ちます。

最終的には、バズー!というものの真実をつきとめる為に、古代都市パメラに向かうのですけれど・・・。

ベラニード族は、魔王を復活させ、それを倒すという設定は、ファンタジーっぽいんですけれど、バズー!という得体の知れないものへと恐怖とか、興味とか、そういうものが、このゲームの不思議な魅力となっています。

結構、評価とかに、バズー!というものの、よくある的なオチであるとか言われているんですけれど、私にとっては、それがテーマではないと思います。
結局、バズー!によって引き起こされた結果への警鐘というより、主人公達の生き様のほうがテーマになっていると思うのですが・・・。

ネタバレになるので、明言は止めますが、興味を持った方は、プレイをオススメします。

2005/07/10 up