<豊胸手術ミス>医師に1億7000万円賠償命令 東京地裁判決

豊胸手術後に植物状態になった埼玉県内の女性(29)らが「適切な麻酔を行わなかったのが原因」として、美容外科医院「アクアクリニック」(東京都渋谷区)を経営する布施信彦医師に約1億7800万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は28日、約1億7000万円の支払いを命じた。前田順司裁判長は「
責任を逃れるため事故後、診療録や麻酔記録をねつ造しており、極めて悪質な行為を行った責任は重い」と批判した。

判決によると、布施医師は01年、全身麻酔をかけて手術したが、女性は意識を失い、慶応大病院に転院したが、
植物状態になった。

慶応大病院の記録では手術終了時刻が正午なのに、アクア側の診療録や麻酔記録には午後1時56分と記載されていた。時刻の食い違いについて判決は、アクアからの救急車要請時刻を午後2時41分と認定したうえで「『手術後間もなく救急要請した』と有利な内容にするため、
ねつ造した」と認定した。そのうえで「震えなどがあったのに、術後2時間41分も女性を放置し、症状を悪化させた」と麻酔後の管理に過失があったと認めた。さらに「できあがりの美しさや手術の痛みがないことだけを宣伝して客を集めている」と経営姿勢に疑問を投げ掛けた。

アクア側は「女性の症状は悪性高熱という病気によるもので、麻酔管理は適切だった。記録は改ざんしていない」と主張していた。【小林直】(毎日新聞)

[2003年11月28日22時38分更新]