過去のノート
2000・12
 まず、ペレットの栄養成分のビタミンAとDの数字を誤認するというミスを見つけたのでお詫び致します。かなり拙速に書いているので、引用ミスなど平気で犯している可能性が極めて高いので、お気づきの時は、メールでお叱り頂ければ有り難いです。
 次に、ボレー粉とエンバクの葉っぱ(猫草として売られているもの)の成分表示を見つけましたので、『文鳥問題』の『食べ物の話』に載せました。珍しいと思うので、興味のある方は参考にしてください。またボレー粉の洗浄による変化も「その後」に付け加えました。
 獣医さん批判というのは獣医さんの間でやってもらいたいと思っていたのですが、久しぶりにプラプラとHPめぐりをしていたら、少し腹が立ってきたので、こりずに書いてしまいました。これは異見も多いのではないかと思います。
 以前にスキャナーで取りこんだヘイスケの写真で汚いものを、スキャンし直して張替えました。写真がたまったので写真館をかえようと思いつつ手を出せずにいます。

 第2次産卵期間は、皆元気であった。前回かなり調子を崩したフネも今回は別状なかった。彼女は粒エサに混ぜるとボレー粉を食べるのかもしれない。みんなと一緒に温州みかんにかじりついている。

 五代目の2羽。弟のオマケは「チューボー」段階を脱し、言い寄るばかりか手も出す?ようになった。ま、普通の男の子と言っていい。問題はゴンだ。ついに尻尾を振ってガブと交尾動作をするようになった。ではメスなのだろう、ですめば良いが、卵を産む気配はない。本格的にニューハーフの道を突き進みだしたのではなかろうか。もしかしたら両性とも持っているのかもしれない。ま、希少価値と言うことで・・・。
 来年はこの両君のいずれかに嫁を迎えるので、どこで買うべきか、早くもペットショップ巡礼を少ししてみた。横浜市の南の果てにある小鳥屋さんは、前に行った時に休みだったと思うので、あらためてのぞいてみた。小さなお店で、人の良さそうなおジイさんがいた。古び果てたような店内だが清潔で、角張った感じが少しする数羽の文鳥は、皆きれいな色つやをしていた。来年までこのお店が存在することを祈るのだった。
 次に北方、東京都の最南端にある小鳥屋さんのはずだが、店先にけたたましく並んだ十姉妹らの群れの後ろに迷惑そうにしているウサギが数匹。
 「確かに、1羽、2羽とも数えるが・・・」
 底にエサくずが散乱している店先の鳥カゴ、そのすべてに文鳥はいなかった。ゆうに10羽を越える十姉妹の中に、何やらいろんな種類の小鳥が1羽、2羽、と混ざっている。そんな大きめの鳥カゴがいくつも並ぶ店先の盛大さに比べて、圧倒的に狭い店内に置かれているのかもしれない。しかし、もはや入りこむ気力も起きずに駅に引き返す。この店には二度と近づくまい。

 小鳥屋さんはすぐ消えてしまったりする。ヒナのヘイスケを買った小鳥屋さんは跡形もない。ブレイを買った怪しい鳥屋は、いつの間にやら貧相な金魚屋に宗旨がえしていた。あれでは時間の問題だろう。横浜最南端のお店を冷やかしただけで、何にも買わなかったことを後悔する。

 さて、ヘイスケは満5歳、すでに老けてきても良いはずだが、なぜか今だに一番素早い。相変わらず落着きなく、キョトキョト、ガサガサと巣材集めに励んでいる。中に何枚か残ったポケットティッシュなどをくわえてカゴまで持っていき、入り口でひっかかって取り落としてしまう。どうして自分より大きな物体を口にくわえて飛ぶ事が出来るのか、力よりもその飛行バランスは天才ではないかと思ってしまう。
 一方、ブレイは一歳年下のはずだが、何やら老いてきた。相変わらず「ホッポポチーヨ」とさえずり踊っているが、何しろ気持ち良くメスにさえずっていても、気がつくとガブやグリ、オマケに取り囲まれている。この若い連中はブレイのさえずりを師事しているので聞きにくるのだが、邪魔なことこの上ない。元々片脚が曲がっているし(若い時に脚弱症状になった後遺症と思うのが普通だが、我が家に来た当初はそれ程でもなかったので、怪しいものを食べていた禁断症状ではないかと疑っている〉、羽毛の先端が白っぽくなり、まさに背中がすすけた感じをかもし出している。「ブレイチョップ」をして手に乗せてみる(彼はその理由は不明だが、手のひらを出すと逃げ、手の甲を上にして突き出すと乗る)。
 「お前、年ごま化してるだろ」
 答えはない。真相は闇の中だ。

2000・11
 もっぱら『文鳥問題』の見直しをしていました。ペレットについては思いつく点があったので補強しましたが、いろいろ詳しくなるほど否定的要因が多いです。また文鳥生産地の話で、文鳥のヒナの外国からの輸入はないものと考えていましたが、年間2万羽の輸入を示す資料を見つけたので、これも追記致しました。さらに、食品成分表の「玄穀」=からつきエサ、「精白」=からむきエサの栄養価とするのはおかしい気がしてきたので、食べ物の話にその旨を追記しました。近く配合エサについて考えたいと思っています(4日にUP)。
 特に『文鳥問題』は、かなりの誤字脱字がありました。書き散らかしているので、少し整理しなければならないと思います。その内に写真館の写真も張り替えたいと思っています。

 せっせと卵を産んでいるが、これはもう細かく言うまい。今年は一羽も孵す予定はないのだ。参考までに卵の重さを計ってみた8個で18g(顔色一つかえずにクルが産んだもの)、1つあたり2.25gであった。一方少し遅れて産卵をはじめたフネはフラフラで、軟卵に近い卵を産んでいる。彼女はあまりボレー粉を食べないようなのでカルシウム不足となっているものと考える。ボレー粉を普通のエサに混ぜ、ハイペット社のカルシウムペレットも半月型エサ入れで与えてみる。こちらの方が食べるようだ。文鳥は好き嫌いもさまざまだ。

 五代目の2羽。弟のオマケは繁殖期となって、メスにさえずっているものの、さて、さえずった後どうして良いものかわからない。たたずんでいる。まだほんの小僧、「チュ―ボー」(中学生の坊や)と言ったところか。それでは兄のゴンはどうしよう。相変わらずさえずらず、オスのガブに好意を寄せ・・・、それどころか、交尾を迫られ、ブレイやグリにも迫られている。若くてきれいなニューハーフ?そんなものが文鳥に存在して良いものだろうか。やはり実はメスなのではないか、体重30g近い巨体で、メスの追いかけをし、拍子木を打つような調子でさえずり(「がなる」と言う表現の方が近い)、尻尾を振らず、背中に乗っかられるものの産卵する様子はない。やはりオカマだ。実に興味深い。
 オマケの奴は養子先だったゴキブリ住居から連れ出すと、右腕と左腕の間を何度も往復したり、人の肌をつねったりしたものだが、そう言った行動をしなくなった。あれは彼なりに精一杯のお愛想だったのだろう。かの家ではつぼ巣を破壊しつくしていたが、全然それもしなくなった。ストレスのはけ口としてかじっていたのかもしれない。つまり、今の彼にはストレスはないようだ。ちょこまか歩きつつずっこけている。手のひら水浴びもするようになった。みんなが終わるとやってきて、手のひらに汲んだ水を親指でパシャパシャはじくと近づいて入浴する(他のは指を動かすと逃げる)。おかげで、指が動いていると思い出して、水がなくともに入浴の動作をする。条件反射、パブロフの犬のようだ。なかなか興味深い。

 この五代目の両君はヘイスケが祖父であり、曽々祖父でもある。競馬的に言えばヘイスケの2×4のインブリード(二親等と四親等に同じ先祖がいる近親交配)、奇跡の馬と言われたラムタラというサラブレットと同じなのだが、近親交配が怪しい影響を与えたのかもしれない。

 さて、最近八百屋のおばちゃんに行動パターンが読まれるようになった。
 「小松菜とネギとキャベツを下さい」
 「小松菜はどれにする、100円と130円と、鳥だから100円でいいか。ネギは100円と、150円と・・・、100円のでいいね。キャベツは100円からあるけど、それでいいよね」
 100円ショップみたいな八百屋だ。しかし私はその八百屋ばかり行っているわけではない。小松菜は天候に左右されて値段も質も乱高下する。その対策として、あらかじめ安くてうまそうな小松菜を売る店を何件もチェックしてあったりする。そしてわかったのは、小松菜は八百屋のポリシーを具現化しているということであった。ちょっとそこらの主婦ではこんな事は考えないだろう。
 まず重視するのが質か量かが千差万別に違うし、産地は違うわ、並べ方も違えば、仕入れの時間差まで見えてくる。上記の100円ショップみたいな八百屋など、天候不順で200円以上(冬季は250円くらいか)となる場合は仕入れないという明確なポリシーを垣間見せてくれる。また、あるところでは、あまり高くなると間引きして量を減らすと言う離れ技をやってのける。安価を標榜する全国的に有名な商店街にある八百屋など、高くなるとこっそりと店の奥の影に隠すように置いたりする。逆に安くなると3束150円などとやりだす。しおれようと何だろうと山積みしたままのところもあれば、少し水を打ったりするところ、さらには底に水をはって立てて並べる丁寧さを示すところもある。うーむ、奥が深い。
 以上、もちろん冗談だが、結構それぞれの八百屋の特性を知っておくと、文鳥むきの青菜の王様小松菜も、都市部において安く手にはいるような気はしないでもない。

2000・10
 文鳥の配合事例を教えていただこうと思い、アンケートのページを作りました。その入力フォームをいじっている過程で、カウンターを取り除くというポカを起こしました。閲覧者数は目安くらいのものだと思いますが、また一からカウントされるとなると、以前の5000超がむなしくもなってしまいます。しかしあれは無いとさびしいし、「記念品もあるよ」というふりが出来なくなってしまうので、とりあえず下の方に移動して存続させました。それに伴い表紙を少し変えました。
 先月『問題』の追加は無いものとしたのですが、食べ物の一つとして考察していたペレットの話が多岐にわたってしまったため、明確に別項目としました。内容は現状の製品の多面的な批判です。理屈のある擁護論をお待ちしています。
 なお、先月「unknown」となり返信出来ないとしたところ、再びメールを頂きましたが、やはり返信すると「unknown」となるので、この際この場で返事してしまいます。
            →→→ その返信のようなもの

 憂鬱なことだが繁殖シーズンのようだ。9月も中旬となるとはっきり認めざるを得なくなった。オスのさえずりにナツが尻尾を振っている。その様子を見てヘイスケが怒ってナツをつつく「お前、はしたないぞ」。年下の女房を持つと気苦労も多いのかも知れぬ。ナツは卵を産んだ。また春まで、私は卵回収業者にならねばならないようだ。
 残暑が続いていたし換羽も遅れていたので、粟玉のようなものは与えず、出来る限り産卵開始を遅らせようと思っていたのだが、こうなると仕方がない。せいぜい栄養を摂ってもらおう。冷蔵庫にアマランサスと言う目新しい穀物が余っていた。いろいろな栄養素を含んだアンデス地方原産の穀物だが、文鳥が食べると言うので試しに買ったのだが、我が家の文鳥連はあまり食べず、残ってしまっていたのだ。これに卵を混ぜて粟玉代わりにしてしまうことにした。卵の味で食べるかもしれない。
 200g超残っていたアマランサスに玉子の黄身を一個半溶いて混ぜ合わせる(この量はいい加減で理由は無い)。それを新聞紙の上に広げて数時間放っておく。オコシみたいに固まっているのをふるいにかけて、バラバラにする。完成。命名「玉ランサス」。ダジャレの趣味は無いが「たまらんさす」とは栄養飼料としてもってこいではないか。これを、半月エサ入れにいれて、各カゴに設置する。惜しげも無く取り替えて与えたが、余り評判は良くなかった。結局市販の粟玉を買ってくることにする。無駄骨だ。

 ナツは5つの卵を率先して産んだものの、夜遊びは欠かさない。ヘイスケは妻が遊びに出ていると気づくと、大急ぎで巣に戻り、一所懸命偽卵を温めている。なぜ手乗りのオスがカゴにいて、非手乗りのメスが外に出ているのか解せないが、とにかくヘイスケは偉い。しかしナツの方は「どーせあっためても孵えりゃしないわよ」と見切りをつけて適当にやっている気がしないでもない。とすると、ヘイスケはあきらめが悪いだけとも言える。しかし、趣味の手のひら水浴びやおやつの魅力を振り捨て、巣にこもる姿はやはりいじらしい。

 下旬、今年も5つの巣箱を設置した。

 話の種に計量器を買ってきた。『タニタ』の1g単位でデジタル表示される優れもの(ただし誤差が±2gもあるので小鳥を計るには不正確なもの)約3000円。このようなものでまめに体重を計って一喜一憂するのは全然無意味だと思うが、個体間にどれくらい体重差があるのか興味があったのだ。
 見た目で体格差のはっきりしているガブとソウの夫婦。ソウ23g、ガブ30g。同じ鳥カゴで同じエサを食べていてこういうことになる。機械ではないのだから平均体重(24〜26gらしい)など目安に過ぎない。ちなみにガブの兄のグリは27gだったりする。その妻フネは24g。見た目やせているサムも24gだ。この辺は体格差というものだろう。同じ50kgの人間でも身長が180cmか150cmかで持つ意味が違う。大食漢のゴンが29g、弟の偏食オマケが24g、この二羽は卵の時から大きさが違ったが、後天的にも逆転は難しそうだ。あとはハン22g、これが最小。彼女は確かに見た目も細い。その姉のマセが25g、思ったほど大きくない。ヘイスケも25g、その妻のナツは27g、そんなにあるようには見えないが・・・。
 無理してはからず、計量機の上(巣つぼを置いてカムフラージュしてある)にのるのを待っているので、残りは10月になってようやく計測できた。
 ブレイが26g、最近スリムになったようだ。8月に病院ではかった時は24gだったガツは25g、これは誤差範囲か。チビとクルが29g。これは重すぎると思っていたら、23gだったソウが25gになっている。お腹に卵があるのでメスは体重が2、3g多くなっているものと判断する。ナツ、チビ、クルの数字は割り引いて考えた方がよさそうだ。
 この数値からダイエットさせようなどという単純な発想は微塵もないが、メスの体重の増減はなかなか興味深そうだ。

2000・9
 この更新記録と月報を兼ねたようなノートの過去分を、保管する場所を作りました。『文鳥問題』では桜文鳥について生意気にも繁殖家に物申す感じになりました。かなりこみいった話になってしまって本人もうんざりですが、こういうのも刺激になって良いかなと思います。「野生文鳥」については、まだまだ調査を要すると思います。
 とりあえず、これで当初予定していたテーマは尽きたので、今後あまり追加はないものと思います。「お騒がせしました。異論、反論などがあれば、よろしく。」です。
 なお、『default』さんから底の新聞の敷き方の技をメールで伝授して頂きましたが、「unknown」で返信が戻ってしまうため、この場でお礼致します。有難うございました。

 また蛇だ。大きい(直径2cm強)なぜかカゴの中に入りこみ、ガツをかじったところで飼主に捕獲された。夜の11時半、翌々日ガツを動物病院に連れていく。その際、斜めに考えたことは別の機会に譲って、ともかく外傷のみだった。獣医さんの指示どおり、しばらく養生のため隔離して薬(化膿止めの抗生物質)を飲ませることで直ってくれた。
 許せないのはむしろその心理的後遺症だった。ガツと同居していたマセとハン、特に換羽中のハンが帰宅拒否症になった。怖くて嫌だというのだろう。一羽帰らないと、集団行動では他に影響する。みな帰宅拒否。普段は、一羽ずつ手に止まらせカゴの前にもっていくと帰ってくれるのだが、もはやそんな従順さはない。パニック状態で逃げ回る。無茶苦茶な飛び方で危ない。
 ついに飼主は怒りにまかせて実力行使に打って出る。問題のある奴の羽を片っ端から半減させた。ハン、ソウ、ガブ、フネ、ブレイ、そしてオマケ。

 なぜオマケが? 彼は姉の家に養子にやっていたのだが、ろくな飼い方をしないし、夏休みだとかでオマケを連れ出したら、底に敷いてある新聞紙の中が虫の巣(家全体が小型ゴキブリの巣であるらしい)であったりと、許せないものがあるため返さないことにした。つまり出戻り。
 非常に神経質なオマケは羽を切られたことを二、三日気にしてションボリしていたが、あっさり立ち直り、生意気に色気づいてきてメスに興味をしめしはじめた。
 「ホッポコチーヨ・ホッポコチーヨ・ホッポコチーヨ、ガー」
 を繰り返しながら、怪我が全快して最高の色つやのガツに迫っている。最後の「ガー」は調子を整えるためのもので、彼のさえずりには必須のものらしい。人間にもしゃべる時にやたらとせき払いする人がいるが、それと同じなのだろう。「たんが絡んでいけねえ、アー、アーッ」といった感じだ。なぜかいつも頭の毛を逆立たせ加減にして、そそっかしい江戸っ子のようにチョロチョロと動き回っている。おっとり屋の兄ゴンとは何もかも正反対だ。

 こうした性格の違いは、人間以上に生まれつきの先天的要素が強いようだ。蛇後遺症でパニックになった時も、わけもなく騒ぎ逃げ回る文鳥たちを尻目に、ヘイスケ・グリ・ゴンは涼しい顔で、むしろ「飼主は何をイラついてるのやら」とこちらの様子をうかがいつつ、適当に他の文鳥と調子を合わせている。ヘイスケは別として(彼は飼主の弟子)、グリ(弟ガブ)やゴン(弟オマケ)は兄弟と幼少期はまったく同じ環境で育ったはずなのに、まるで個性が違ってくるから面白い。

2000・8
 先月はたて続けに『文鳥問題』を更新しました。おかげで他のことには手が回りませんでした。文鳥飼育に関する部分では、結構今まで何となく攻撃されてきた側の視点から、理屈つきで反論しているというイメージを自分では持っています。また何となく常識であったことに批判の眼を向けたり、普通余り考えないことを考えていきたいと思います(ただしもう在庫は尽きた)。医療技術の専門家や繁殖技術の専門家はいても、自分の文鳥を飼育する専門家は飼主だけなので、いろいろ自分で考えてみるきっかけにしてもらえれば、少しは意味があるかと思っています。
 なお、先月は『文鳥博士の研究室』と『TONKO&TONTON』とリンクさせて頂きました。リンク先からいろいろたどっていけると思うので、こちらからリンク依頼するのはやめようと思っています。

 カメラが壊れてしまった。3倍ズームの全自動カメラ。「こないな扱いやってられまっかいな」なぜか関西弁であいそつかしをされた気がした。

 関西弁であったかは定かでないが、とにかくシャッターはおりない、フラッシュはついたまま、どうにもならない。
 このままでは何となく毎月撮っている文鳥写真の継続が不可能になる。しかしあいにく懐には寒風が吹きすさんでいた。夏だと言うのに・・・。とりあえず、そこらへんでホコリをかぶっていた初代のオートボーイ(20年近く昔大ヒットしたキャノンの全自動カメラ)でお茶を濁しながら(ズームが出来ないのが致命的であった)、買い替えの機種を考えることにした。

 やはりこの際デジカメにしよう。フィルムも現像も不要、HPに写真を載せるのには都合が良い。動画も録音も出来る機種まである。これは使える。しかし値段が少し高いし、記憶媒体がごちゃごちゃしているし、信頼性に疑問もある気もする。見送り。
 結局片手で卓上の文鳥を撮影するには、普通の全自動カメラで良いという保守的な考えに落ち着き、いろいろある中で、形も気に入ったので、またオートボーイにすることにした(壊れたものもオートボーイシリーズ、別にキャノンに義理はない)。
 懐に春風のそよぎを感じたので、量販店に買いに行く。数日前より値段が上がってるような気がしたので、言ってみたら、露骨に嫌な顔をされた。どうも核心をついてしまったらしい。前に見た数字は何らかのミスだったに違いない。
 それでもヨドなんとかもビックなんとかも同じ値段なので、三万円くらいのそれを買う。 銀色のボディー、小さすぎず適当な大きさ、120mm3倍望遠、43cmまで近接撮影が可能。

 「さあ諸君、写真をとってやろう」、私は文鳥連中に呼びかけた。しかし遺憾ながらその意味は通じなかった。彼らはレンズの前でポーズを取ろうとせず、銀色に輝く物体を怪しみ逃げ回る始末だ。
 慣れるのを待つしかあるまい。

 さて、その文鳥たち。産卵報告を書いてしまった飼主をあざ笑うように、チビとナツが5個ずつ産み足してくれた。これで総計329個。ナツの卵の一つがやけに大きいので、計ったら2.3cmあった。普通大きくても2cmくらいではなかろうか。この卵が孵化したら、きっと恐怖の巨体に成長するに違いない。好奇心は現在の文鳥数を忘れさせた、そのままにしておいたが、結局無精卵だった。残念、かつ助かった気分だ。
 その後、チビもナツもその夫たち(ブレイとヘイスケ)も換羽し始めたので、今度こそこれで産卵は最後と思う。ご苦労様と言っておこう。

 妻の換羽中に実の息子ゴンと恋仲になっていたガブは、妻のソウが換羽を終え、美しさを取り戻すと、手のひらを返すようにゴンを邪険に扱いだした。ゴンの方はわけのわからない様子をしている。文鳥にも身勝手な奴はいるのだ。

2000・7
記 録 喪 失(単純な記録もれ)
2000・6
 いろいろいじりました。定期的とも言える更新を行った他に、『さらに有閑…』に余計な三択クイズを加え、『文鳥の歴史』を少し手直しし、『飼育法』はメールで頂いた疑問を参考に補足を加えました。ちなみに、クイズの不正解時に出てくる蛇舌の画像のモデルはブレイです。目が赤く、猫背で顔にあばたがあったりします。そして調子に乗って『住民』の紹介画像を一部マンガ化し、マセの巨大パタパタ画(※100kbもある)をつくり自己満足に浸っていました。さらにゴンの写真を加工しながら「こんなキレイな文鳥がいるものだろうか」と親ばかにふけっていました(→その画像)。またさえずりの音声を試験的に公開致しました。
 この一年、あまりに他の文鳥関係ホームページを見ないできてしまったのを反省し、リンク先を三件ほど拡張しました。ご許可頂いた皆様有難うございました。

 養子先からオマケを連れてきて、昼夜とっくりと遊んだ。外見はヒナの時に思っていた程にはゴマ塩化せず、完璧に桜文鳥だが、やはり白い差し毛も多い。性格の方は腕白の甘えん坊そのままで、育ての親(給餌スポイトの商品名ではない)を忘れずベタベタと離れない。これで人の皮膚をつねる癖さえなければ、手乗り愛好者にはたまらない存在なのだが、扱い方がわかっていない義兄以外の二人の子ども(姪)とアホ姉には「凶暴」の烙印を押されているようだ。三人に教育的指導を与える。
 これからもたまに連れ出そうと思うが、かって知ったる実家でオマケは兄のゴンを追い掛け回し、この箱入り息子を恐怖のどん底に叩き落してしまう。一緒にいた時からその傾向はあったが、人間を独占したいわけだ。そういうオマケはかわいいのだが、あまり一緒にいると静かな兄ゴンの方がノイローゼになりそうな気もする。

 「兄」のはずのゴンは相変わらずさえずらない。カゴの中で他の鳥のさえずりを耳にすると、「ギャッ!ギャッ!」と相槌をいれているだけだ。こんなことをメスがするとは思えない。メスのハンを追いかけまわし、首を下げたり伸ばしたりしてにじり寄っていく様子はオスそのものなのだが…。容姿は抜群なのに世の中うまくいかない。

 うまくいかないことは他にもあった。まだ卵を産んでいるのだ!チビ5、ナツ7、クル5、フネ6、三姉妹10個。粟玉を与えず、夜遊び時間にも豆苗など野菜を主にしたりしたが、集団産卵促進効果の前では所詮無駄な抵抗であった。実は二ヶ月前に産卵数の累計を出してみて目を回していたのだが、もはや瀕死状態となっている。
 ただ、ソウは産卵を止めたらしいので、いい加減他のもこれをシーズン最後としてくれるものと思いたい。ところで、常々熱帯出身の文鳥の繁殖期が涼しい季節なのか疑問だったが、換羽に関係がある気がしてきた。何しろ唯一産卵を止めたソウの夫ガブが、はでな換羽に突入(文鳥はニ三年に一度、全身剥げ落ちるような換羽をするようだ)しているのだ。文鳥団地一の体格を誇る彼は、今や全身ハゲハゲの状態で子づくりどころではないものと思われる。

2000・5
 カウンター記念品にするマウスパッド用の絵を加工しました。『系譜』の連載が終了するのに伴って、『さらに有閑…』に中表紙をつくり、さらに全体の体裁が混乱してきたのを整えるのに壁紙をいじりました。また、『系譜』の後のシリーズを書くのは精神的な苦痛を伴うので、憂さ晴らしに『ジャクボーの納戸』を復活させてしまいました。これについては後悔しています。

 4月1日につぼ巣にかえて、産卵行動は終止符を打つかに思われたが、はかない夢に終わった。中旬に産卵が再開してしまった。チビ・ナツ・クルが6個ずつ、ソウ・フネが4個、三姉妹が10個。その間、フネが卵づまり的になったが大事にはいたらなかった。全体に産卵数は減少しているので、これが最後になるものと期待している。

 さえずらないゴンは相変わらずハンを追いかけている。擦り寄ったりするくせに、エサがあると独占しようとして追い払う。身勝手だ。この辺はヘイスケ的なのかもしれない。
 一方、白文鳥「フクの呪縛」によってごま塩文鳥化が懸念されていたオマケは、養子先で立派な桜文鳥になったようだ。ヒナ毛の段階ではほおが白く、頭にも白い差し毛があったが関係なかったらしい。呪縛の力も尽きたというところだろうか。それにしても、桜文鳥というのは実に奥が深い。
 なお、T氏に養子に出したゴンの兄弟たちもごま塩文鳥化せず立派な桜文鳥となり、さらに二羽ともオスだったという。ガブとソウの子供は三羽がオスで、中性が一羽。ヘイスケの子供がメスばかりだったのとは正反対になっている。それにしても、中性のゴンは貴重だ。

 暖かくなったので台所での手のひら水浴びが復活した。ヘイスケが旋回飛行をして水浴びを要求する。ゴンはハンと混浴しようとする。この習慣はこれから激しさを増していくことだろう。

2000・4
 文鳥の歴史について調べたことを小出しにしようと思っていたのですが、面倒になったのですべてを一括して載せました。参考文献もあげてあるので、興味のある方は表紙のアニメヘイスケをクリックしてご覧いただき、何か情報がありましたら御教示ください。また、先月は住民に五代目ゴンを加え、写真入りの系図も別途作ってみました。

 五代目のゴンは相変わらずさえずろうとしない。養子にやった一ヶ月遅生まれのオマケは毎日グチュグチュとぐぜり続けていると言うが・・・。メスなら前代未聞の巨体、頭でかの女の子で喜ばしいのだが、どうもそうでもないらしい。メスのハンにストーカー行為をし、オスのサムがさえずると唱和(?)している。どうもグチュグチュとのどを鳴らすことなしに、さえずろうとしているようだ。地鳴きからさえずりが作れるものだろうか。さえずらないオスになるのかもしれない。繁殖は期待できないかもしれないが、手の中で眠っているので許そう。

 今年は産卵のピークなのかもしれない。文鳥の産業繁殖では、卵を産ませるのは生後三年までの鳥で、三年が経過すると繁殖能力が低下するので売り飛ばすと言うが、我が家のメスは一歳が2羽、二歳が5羽、三歳が1羽の8羽が適齢期だったのだ。
 止められないのなら、出来るだけ栄養をつけ卵を産ませてしまおうという方式で臨み、今月もやたらに産んでくれた。ナツが1個(先々月の続き計7個)と7個、チビが2個(計6個)1個(生みはじめ)、ソウが6個、クルが6個、フネが4個、三姉妹が17個、いつまでも産み続けそうなので、4月1日に大掃除をし巣箱からつぼ巣に一斉に替える。環境の変化で産卵が停止するかもしれない。

 つぼ巣に替えると、みんなで不平を並べ立て抗議をしているが、完全に無視する。つぼ巣も7個設置するのも大変だが、そろえるのだけでも苦労したのだ。中型のつぼ巣5個、小型のつぼ巣2個(1個はオマケ用)三姉妹用に横巣1個が必要となる。中型は近所のスーパーで売っていたので、棚にあるだけ4つ買う。何かのついでに横浜駅の百貨店に行くと小型だけ売っている。しかし高いので買わない。散歩がわりに小鳥屋さんやペットショップに行くと閉まっていたり、すぐにバラバラになりそうな巣ばかり。買わない。
 熱帯魚がメインらしいお店の店先につぼ巣が積まれている。物色すると小型の巣だけがない。おばさんが抜け目なく「いかがですか」などと声をかけるので、小型の巣がないという。おばさんは探しながら数日後に入荷するという。それまで待つ気は全くなかったが、どこも閉まっていたり気に食わなかったりで、数日後結局またその店に行く。約束どおり、小型もあった。250円と貼られている。ずいぶん安い。2個、中型1個、350円と貼られた横巣(これも安い)1個を持って店内に入る。商売熱心なおばさんではなくおじさんがいた。レジ、困ったことに中型には値が貼られていない。どうするかと見ていたら、ちょっといじった後おじさんは店先に確かめにいこうともせずに300円とはじいた。面倒なので250と350の間をとったのだ。個人的にはこうした感覚は大好きだが、奥さんがいなければこの店はつぶれていたに違いない。

記 録 喪 失
(パソコンがクラッシュ)
1999・10
 役に立つホームページのふりをしようと思いたち、今、飼育法のページをつくっています。さらに文鳥のさえずりを音声で聴けるようにもしたいと思っています。

 延々と続く残暑の中、文鳥たちは巣作りにはげんでいる。今年は五つのカゴに巣箱がすえつけられ、壮観である。

 夜の遊び時間も日々に喧騒を加えている。今年はガツがブレイの愛人となりべったり寄り添ったりしている。どうも独身の三姉妹の存在は、風紀上よろしくない。妻以外のメスには興味を示さないのはサムだけ、ところがその妻のクルは相変わらず他のオスのさえずりにうっとりしているだから、世の中うまくいかない。そのクルが、新人ガブ(実は息子)のさえずりに聞きほれている様子を、離れたところで見かけた去年の情夫(実は祖父)ヘイスケは、突如飛んでいって、クルに噛みついた。あきらかに殺意あり。「尻軽め!」と思ったのだろうか、彼はやたら人間くさい身勝手な行動をする。クル以外のメスは浮気をしないので助かるが、あまり混乱するようだと、遊び時間を分けるなどの処置が必要かもしれない。

 この時期になると生き生きするブレイだが、よく似た孫のガブも暴れている。メスと見ると追いかけ、何の前提もなく交尾を迫る。それでいて、妻(ソウ)には頭が上がらないところまで祖父に似てしまっている。

 ヘイスケが例年どおり飼い主の口笛を無視しだし、しみじみ繁殖シーズンの到来を感じるようになった9月27日、早くもチビが卵を産んだ。10月6・7日、いよいよラッシュ始まる。ナツ、クル、そしてソウも卵を産む。孵れば5代目になる。

1999・9
 表紙を自作キャラクターに変え、画像にコメントをつけ、さらに写真館にバックミュージックを設定してみました。ちなみに目の中に目があるキャラクターのモデルはヘイスケで、頭の毛がたってます。

 今年も繁殖シーズンになろうとしている.オスがメスを追いかけ始めた.それにしても、文鳥団地にはメスが八羽いる.彼女たちが春までに三回三羽ずつ卵を孵すとすると、3×3×8=72羽となり、下手する百羽を超えてしまう。なんと恐ろしく、おぞましい悪夢なのだろうか。また人(鳥)口調節することになってしまう。
 代重ねを追及する飼い主としては、ソウ・ガブ、グリ・フネのカップルのヒナだけを望んでいる。それでも、五代目が生まれたら、文鳥団地を拡張しないと置き場所がない。憂鬱になってきた。
 五代目誕生となれば、ヘイスケにとっては玄孫(やしゃご)、彼は人間の金さん銀さんを超えることになる。しかし彼はふけこみを見せず、相変わらず飛び回り、メスのお尻を追っかけている・・・憂鬱になってきた。

 『アウターバードバス』の底に色を塗って数週間.手のひら水浴びをしない鳥たちは、サムを除いて水浴びをするようになった。まずまずの成功であろう。

 サムは我が家に来て一年以上経つのに、妻のクル以外を近づけず、他の鳥たちもサムには近づかない。非手乗りでもナツや、フネがやたら夜遊び慣れしてるのに、彼はめったに表に出ない。インドアな宇宙人(鳥)と言ったところだろうか。

1999・8
 水浴び文鳥対策には『アウターバードバス』、しかし、この商品に文鳥が慣れるには時間がかかる。底が半透明なので、不安なのかなかなか入って水浴びしない。大胆不敵な小鳥というのは得がたく、文鳥は特に神経質なのだ。
 我が家では四代目のグリ・ガブと嫁のフネが顔あびしか出来ない。四代目の両君は幼いころにはバシャバシャやっていたのに、いつのまにか入れなくなった。この際底の部分に色を塗ってしまうことにする。大体透明である必要がないじゃないか。箱に、透明なので、水浴びの様子が見れて楽しいといった宣伝文句があったような気がするが、手のひら水浴びの本場なので、そんな姿は見えなくていい。色は無難に緑。実行。
 数日後、かえって水浴びしていた鳥まで、怖がって近づかなくなっている。一ヶ月ほど様子を見ようと思う。

 最近女房(チビ)以外には嫌われ者だったはずのブレイに、ガツが擦り寄っている。奴は末娘にもてるらしい。
 ヘイスケのはげ頭部分から毛が生えてきた。話題の『リアップ』(発毛剤)でも塗ったのかと思っていたら、今度はほっぺの羽毛がすっかり抜けてしまった。彼氏の換羽は長期間をかけ、時々劇的に進行していくようだ。

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