AYAKO'S GALLERY

 空間づくり □ 小宇宙へ

一週間という短い間にいろんな人が来ていろんな想いを残していってくれた。同じ
空間でいろんなことが起こった。泣いた人、やわらかくなった人、考え込んだ人・・
・。今はもう皆の記憶の中にしかない一週間だけ存在した空間。寒い寒い冬にあった
かい部屋を創りたかった。私は寒がりだけど冬が好きだ。いろんなあたたかさを幸福
と感じてかみしめることができるから。そんな冬の日に私も訪れた人に幸福を感じて
貰えるようなあったかい部屋を創りたくてこの時期にした。身も心もほうっとやわら
かになるような、そんな空間。音楽、光、物、ことば、それぞれがもつぬくもりを合
わせて。
自分が創ったその空間にいろんな人が入ってその人なりの感じ方でなにかを感じ
る。それを垣間見る私。とてもぜいたくな楽しみだった。たくさんこころのごちそう
をもらった。ありがとう。ほんとうに。
これだから個展はいい。個展をひらくにはお金がかかるし、もうけや宣伝効果を気
にする人もいるけれどこんなぜいたくな時間を持てたらそんなこと考えつきさえしな
いだろう。見も知らない人の日常に偶然の確立で入り込むことができるのだから。と
ても楽しかったし嬉しかった。来てくれたみなさんありがとう。いつか実現させたい
空間にまた一歩近づいた気がする。今回来てもらえなかった方にもいつの日か実現さ
せた私の空間という作品の中に入ってもらえたらと想う。(文)

詩のある空間
はらだ文子個展
『小宇宙へ』