一升瓶での精米と「京の田舎民具資料館」


京の田舎民具資料館

お米の籾摺り機を探して、京都にある「京の田舎民具資料館」にやってきました。
私の興味のある農具を写真(名前をクリックしてください)でご紹介します。

名前
説明
鍬(くわ)、鋤(すき) 三つ又のが備中鍬。
馬具 馬につける道具類。
馬鍬(まぐわ) 牛や馬で土を砕き、ならす。
唐犂(からすき) 牛や馬で土を掘り起こす。
苗かご 苗を運ぶかご。
田下駄 田んぼの中でをこれを履いて歩くのだろう。
草取り機 など 田植えした後、除草に使ったりする。
肥桶 肥を入れる。
龍骨水車 低いところから高いところに水を上げる。大人数人がかりで半日は動かし続けるため大変な労働だった。これは名前の通り、龍のような形でめずらしい型らしい。
龍尾車(踏み車) 龍骨水車よりか優れていて、一人でも動かせる。
田舟 田んぼの中でこれにのるのだろうか。
稲刈機 鎌で刈るよりも楽なんだろうか。
千羽扱き(せんばこき) 稲を脱穀する。
唐竿(からさお) これで穂を叩いて、籾や麦を落とす。
手廻し扇風機  
麦打ち台(むぎかちだい) 穂を叩きつけて実を落とす。
もみとおし 名前の通り、籾が網の下に落ちるのだろうか。籾とわらくずを分けるためのもの。
万石(まんごく) 千石どおし。
木摺り臼

お米の籾摺り用の臼。今まではなかなか実物を発見出来なかったが、ついにこの目で拝見できました。

写真1写真2

写真3・・・うまい具合に1ヶ所からお米が出てくるようになっている。
写真4写真5(持ち上げたところ)・・・ 持ち上げると、中は斜めに溝がついていて溝の間は土で固められている。溝がすり減ってくると周囲に巻き付けている竹をはがしていけば溝がまた深くなる。所々に籾殻が散らばっているのが見える。

木臼は 手入れが大変そう。早い段階で機械化により使われなくなり、探してもなかなかお目にかかれなくなったのでしょう。

唐臼(からうす)

シーソーのような原理で足で踏んで、杵(きね)で臼の中に入れた米をついて、精米する。
約2500回?は踏むらしい。

写真1・・・臼の部分
写真2・・・足で踏む部分
この写真の唐臼は、土の上に踏み台が出ているが、実際は土の中に埋め込まれているものが多かったらしい。こんな大きなものだと保管も大変そうなので、捨てられてしまって、探してもなかなかお目にかかれなくなったのでしょう。

唐箕(とうみ) ハンドルを回して風を起こして、重さの違いによる飛距離の違いを利用して、稲とわらくずを選別する。
縄を編む機械  
一升瓶 これは戦時中か戦後に実際に使われていたもの。農家はもっと大がかりな(唐臼のような)ものを使ったが、町の人が少量を精米するのに使ったらしい。
木臼 下の方はねずみ返し。この上に俵を積む習慣があったため、こういう工夫が凝らされている。
餅臼 餅をついたり、粟(あわ)、黍(きび)、稗(ひえ)の精白などに使った。
石臼、粉ひき臼 米、麦、そば、豆などを粉にするのに使った。
唐櫃(からと) 米をこの中に入れていた。

 

京の田舎民具資料館
〒607−8107 京都市山科区小山小川町2番地
TEL 075−581−2302

 


一升瓶での精米

一升瓶での精米

一升瓶と棒を用意して、自分で、精米をやってみた。それまでは籾摺り機がないと精米が大変だと思っていたが、思ったより簡単だった。

下の写真のようにお米を籾のまま一升瓶に入れて、ただただ棒でつついた。力加減とかは分からなかったが適当にやった。回数も見当もつかなかったが、1秒に1回つつくとして1時間くらい(3000回)はつついたような気がする。見えにくくなってきたので、途中で1度だけ一升瓶から籾を取り出して籾殻を取り除き、もう一度入れ直した。

お米と籾殻の分け方は、屋外でうちわで扇いで風を起こし、軽い籾殻を遠くに飛ばして、実の詰まっている重いお米は遠くに飛ばないので、飛距離で分けた。そして見事に成功。写真は籾摺りした後の黒米である。

これをもって、長かったお米作りは一通り終了した。石油や電気や機械を使わずに、この私の手だけで、籾を蒔いてお米を育て収穫し、そして籾摺りを終え、今、ようやく食べられる段階にまでたどり着けた。


ホームにもどる  更新2001年6月29日