農塾1(日本の農業と食べ物の安全性)

保田茂 氏
神戸大学農学部教授
著書「日本の有機農業」

食べものづくりをする人の数が減っている→食べものづくりをする人をみんなでして、手助けしていける場づくりをしていく

人口1億人を超す国で、食料を海外にゆだねてよいことになる前提条件

  1. 世界人口は増えない。
  2. 世界の気候が安定、異常気象がない。
  3. 世界の耕地が減らない。地力がこれ以上低下しない。
  4. 石油はいつまでも安く使える。
  5. 工業文明は永遠に繁栄・発展する。
  6. 世界は平和であり続ける。
日本は人、水、森が資源である。

アメリカは、大借金国だが、自国で石油を掘っていない。中東の石油がなくなれば、アメリカは石油を支配するつもり。アメリカはどれだけ借金があっても、食料があるので安心していられる。

農業

1960年1995年
日本の食料自給率(カロリー計算)79%42%(世界最低レベル)
農家戸数606万戸344万戸
農業人口1196万人327万人(半数が65歳以上)

林業

1965年1995年
木材輸入率28.6%79.5%

水産業

1965年1995年
魚介類自給率109%74%(日本の船がとったもの、遠洋のものも含まれる)

杉は80年
植えたら奉仕をする。次の世代になってやっと売れる。

杉の枝を放っておくと森は暗くなる→草が生えない→水の吸収はしなくなる→地下水が不足する→川が汚れる

食生活(1人が1年間で食べる量)(kg)

果実肉類鶏卵牛乳・乳製品
1960年11522.35.26.322.2
1995年67.840.631.317.691.3

食べる人も支える人だ。こういう食べ方をしていては日本の農業はダメ。肉、油を減らし、米を大事にする
作ることと食べることは車の両輪だ。

現在、減反率40%というのは、4割が田んぼを作れないこと。

農薬中毒、母乳汚染、化学肥料(使いすぎで野菜の中に発ガン物質ができる)のため、1971年有機農業が起こる

共存の世界のあるところには、虫などが異常発生しない。山の雑木林が共存している原理を畑に再現する。つまり、畑にいろいろな種類のものを作る。
消費者の皆さんには何でも食べてもらう。農家にとっては、何を作っても同じ利益・収入になるようにする。そのために値段は生産者がつけるべきである。弱い立場の生産者はバカな値段はつけないのだから。


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