手作りパン酵母


はじめに

 パン酵母を自分で育てて、それでパンを焼きました。

 

パン酵母の作り方

 

 天然酵母には、フルーツ酵母、ヨーグルト酵母、野菜酵母、雑穀酵母などがありますが、ここでは、レーズンから酵母エキスを採ってみました。


1.レーズンから酵母エキスを採る

<材料>

 オーガニックレーズン  200g (オーガニックでないとダメ)
 天然水          400cc (ミネラルウォーター、pH7以上の鉱物水)
 密閉できるガラスビン (1リットル程度、ネジ式のフタ付きのもの)

<手順>

 1)ビンの中へ、レーズンと水を入れる。

 2)ビンを密閉し、室温で静置する。ガスが発生するので、1日1回、ビンのフタを開けてガス抜きをする。再び密閉し、ビンごと振って混ぜる。

 3)1週間程度でレーズンが浮き上がり、泡が出てくる。フタを開けると、プシュと音がして、なんとも良いアルコール臭が漂う。(飲んでも可、美味しい飲み物)。この段階で酵母菌が採集されてエキス採りが完了。20度で約2週間で出来上がる。判断はなめてみておいしかったらでよい。


2.酵母エキスを使ってパン種を作る

<材料>

 採取した酵母エキス 100cc (絞って冷蔵庫に保管する)
 全粒粉 強力粉    125g+200g+50g+・・・
 天然水         110cc+30cc+・・・
 ガラスビン (2リットル程度、フタは不要)

<手順>

 1)1日目。酵母エキスと全粒粉125gを手こねし、丸くまとめてビンの中へ入れる。ビンの口には、ラップを巻き、輪ゴムで留める。(フタは使わない)

 2)2日目。パン種をビンから出して、強力粉200gと天然水110ccを手こねし、ビンの中へ入れる。

 3)3日目。パン種をビンから出して、強力粉50gと天然水30ccを手こねし、ビンの中へ入れる。

 4)4日目以降。3の手順を毎日繰り返す。約5日で出来上がる。パン種は、適当に発生したガスによる隙間ができて、乳酸とアルコールのよい香りが漂えばよい。
パン種は2週間以内に使い切ること。


3.パンを作る (バターフレンチ)

<材料>

 強力粉  200g
 薄力粉  50g
 打ち粉(強力粉)  適量
 パン種  150g
 水    130cc
 塩    小さじ1/2
 粗糖   大さじ1/2
 バター  20g
 トッピング用のバター、粗糖 適量
 ボール
 ふるい
 ビニール袋(厚みのあるスーパーの袋など)
 かみそり

<手順>

 1)ボールで強力粉と薄力粉を混ぜる。

 2)ふるいでふるう。

 3)塩、粗糖を入れて混ぜる。

 4)水を入れる。真ん中に生地を折り込むように混ぜる、順次ボールを回転していき、まんべんなく混ぜる。混ぜ具合は簡単でよい。

 5)ボールの中で、生地を平たくし、その上にパン種を載せて、折り込むように混ぜる。天然酵母は温度が上がりすぎると死滅するので、イーストのようにたたいてしっかりとこねてはならない。

 6)ボールの中で、生地を平たくし、その上にバターを載せて、折り込むように混ぜる。全体に混ざり合っているかを確認する。指で生地を押してみて、へこんでも戻れば混ぜ終わり。

 7)ボールごとビニール袋で包み、一次発酵を行う。一次発酵は、常温で行うのがよい(適温は27度)。15度(常温)で12時間、20度で10時間もかかる。一次発酵を温めて行っては味が落ちる。よい発酵状態は、生地の真ん中が高く、裾がボールについてなく、だれてない。

 8)板に打ち粉をして、その上に生地を置いて、手のひらで押さえて、まんべんなくガス抜きをする。

 9)きれいな面が出るようにまるめて、その上にぬれ布巾をかぶせて5分間置く(ベンチ)。

 10)生地の半径を切って、横に広げて、60gごとに切っていく。

 11)60gの生地を長方形にして、上下から真ん中に折り、その接合部分をつまみ、ひっくり返して軽く転がして形を整える。楕円になる。

 12)オーブン皿に載せて、ビニール袋で包み、二次発酵を行う。二次発酵は、常温で1.5〜2時間、生活熱で40分〜1時間。発酵後は約2倍の大きさになる。

 13)オーブンを余熱しておく。

 14)生地の天に楕円の縦軸に沿ってかみそりで切れ目を入れ、棒状のバターと粗糖を好みに応じて置いていく。

 15)一度に生地300g以内まででオーブンを使う。入りきらないときは複数回に分けて焼く。オーブンは180度で10〜13分。

 16)食べ頃は出来上がり後2日目頃が一番おいしく、5日まで食べられる。食べるときは、オーブン180度で4〜5分で焼き直すとおいしくいただける。

 

水に浸けたレーズン

5日目ごろから、泡がブクブク出始め、やがて音が聞こえるくらいに活発になります。

底に溜まってきた。

さらにしばらくすると泡が弱くなり、底に何やら溜まってきた。出来上がりかな。

酵母エキス

 酵母エキス。非常にきれいな色です。この液体も、取り出した後のレーズンも、おいしいです。この酵母の味がパンの味になるので、ここでおいしくなかったら出来上がりのパンもおいしくないでしょう。

酵母エキスに粉を混ぜたところ 酵母エキスと全粒粉を混ぜ合わせたところ。
中種 それを、1日置くと、こんなに膨らみます。放置しすぎるとアルコール臭が出て、だれてくる。
焼きたてのパン これは、上の作り方にあるバターフレンチではありません。
何も味付けしていないプレーンのパンです。オーブンで200度18分で焼き上げました。コネ回数は私の場合は今は300回程度です。多くこねればパンがやわらかくなるようです。どこにも売っていない、自分の味、自分好みのやわらかさのパンの出来上がりです。

ホームにもどる  更新2002年3月31日