個人投資家生活研究所【掲示板】での株式投資に関する質問・回答、投稿記事を掲載します。
日経平均先物のテクニカル分析は全滅か?
投稿者:エンドウ 投稿日:2008/07/08(Tue) 17:16 No.979
投資の銘柄物色はいろいろ悩ましい問題だと思います。
高いボラティリティを狙ってITベンチャー銘柄を選択すると、、極端な騰落や仕手の思惑が入り乱れたり、
一昨日はデイトレーダーたちの資金が集結したかと思えば、今日はさっぱりとか、
逆に食品・薬品・電力ガスといったディフェンシブ銘柄で3D投資法での投資を狙っても
今まで「我関せず」で小幅なボックスチャートを描いていたと思ったら、ある日突然、
”外資参入、業界再編、食品偽装、原発事故”など、考えもしなかった突発材料が出て
てんやわんやの大騒ぎになったりします。
その点、日経平均は多種多様な225種の銘柄の平均値であるがゆえに、
私が調べた限りではさまざまなテクニカル指標を根拠にしたテクニカル売買で良好な結果が得られやすい、
という性質を持っていると思われます。
実際、よく知られた手法としてごく簡単な売買手法ではありますが、
日経平均先物を1枚だけ扱って、
大引け成りで買い、翌日寄り成りで手仕舞い。
寄り成りで売り、大引け成りで手仕舞い。
これを繰り返すだけで1990年から2006年までの17年間で年間マイナスはたった2回(1994年、1997年)
しかもそのマイナスの幅はプラスの年の幅よりもずっと小さく、前年・翌年の成績で十分カバーでき、
17年間のトータルは大幅なプラスというパフォーマンスが得られます。
(年間平均4937千円、17年間トータル83930千円、1994年の赤字は490千円、1997年の赤字は200千円)
つまり、日本株というのはいつの時代も、
「寄り付きは前日比プラスで寄り付く確率が高い、あるいはギャップダウンよりギャップアップの幅の方が大きい。」
「場中は徐々に下げる相場展開が多い、あるいは寄り付きより騰がってもそこそこ、しかし寄り付きよりも落ちるときは大幅に落ちる。」
という不変的な性質を持っているものと思われます。
日経平均先物でトレードする人たちは、この手法に独自にロスカットラインを加えたり、ある条件下に限って売りで持ち越したり、寄りで買ったり、ということをしているようです。
その日経平均先物の指標である日経平均株価が先週末の7月4日で日経平均の続落記録が12日間となり
歴代単独3位記録となりました。
1 1954/04/28 - 1954/05/18 15日間
2 1949/11/14 - 1949/11/29 13日間
3 2008/06/19 - 2008/07/04 12日間
出典 日経新聞社HPより
(http://www3.nikkei.co.jp/nkave/about/down.cfm)
連続下落記録が始まったのは、6/19からですが、あれほど安定性を持っていた日経平均先物に対する
各種のテクニカル分析が非常に苦戦続きなのです。
連続下落記録中は言うに及ばず、その前触れのように6月始めからテクニカル分析が狂いだしました。
月曜日の反発で連続記録が途絶え、一安心している投資家も多いようですが、私は別のことを危惧しています。
もしかしたら、今年後半、今までに無いような日経平均の乱れが発生するかもしれません。
それは日経平均という指標だけでなく、日本株の性質そのものが変革のときを迎える事なのかもしれません。
なお、私が調べた限りでは日経平均先物がテクニカル分析で安定した結果が得られる以上に、
東証全体を対象としたTOPIX先物のほうが安定度は高いようです。
しかし、6月の波乱でこちらもどうなるか判らなくなってきました。
今後分析してみますが、何か興味深い結果が得られたらまたご報告します。
長文、失礼しました。
色々な売買ルールがある
管理人やすまろ - 2008/07/09(Wed) 10:18 No.980
こんにちは。
> 日経平均先物を1枚だけ扱って、
> 大引け成りで買い、翌日寄り成りで手仕舞い。
> 寄り成りで売り、大引け成りで手仕舞い。
上記のような売買ルールが機能していたことは知りませんでした。
色々な投資法があるものですね。
私は日経平均先物の投資経験が無いのですが、興味深い話として拝読しました。
大市場ほど収斂化すると思います
エンドウ - 2008/07/10(Thu) 17:42 No.981
ご返信ありがとうございます。
テクニカル分析の本にはよくある初心者の質問として
「移動平均線のGC/DC、MACD、一目均衡表など、いろいろなテクニカル売買方法がありますが一番有効なものは何ですか?」
というのが載っています。
私は、個別銘柄において、全ての期間で有効に機能するテクニカルは無い、と思います。個別銘柄というのは、確かにその銘柄が属するセクターに準じた相場を形成する特徴を持っています。明地氏の発案した3D式や3点チャージ、超スピード式などはどれも高い勝率、回収率をあげていますが、それはそれぞれの分析法にマッチする銘柄を対象とするからであり、投資法にあわない銘柄を選択してもよい成績はあげられません。
(例
3D式=いわゆるディフェンシブ銘柄。
3点チャージ式=国際優良銘柄、証券銘柄。
超スピード式=IT/ベンチャー銘柄。)
しかし、投資法ごとに銘柄を選定しても万全ではありません。個別の突発材料や同業他社に大材料が出た場合はそれに振り回される事になり、そのときの損失はかなり大きくなります。
このように、テクニカル売買というのは対象銘柄と使用テクニカルをよく吟味する必要があり、また突発材料には対応できず、決して”万全な物指”ではないことを踏まえておく必要があると思います。
一方、日経225先物は日本を代表する225種の銘柄を独自の計算式で平均化した指標なので、ある一つの銘柄に個別の突発材料が発生してストップ高、ストップ安が起きても日経225への影響は限定されます。(というよりストップ高安を起こすような銘柄はそもそも採用されない)
そうした背景を持つ日経225、および日経225先物にテクニカル指標を当てはめてみますと短期・長期にわたって、有効な成果を得られるテクニカルというのがいくつか見えてきます。前述の単純な売買方法もその一つです。
日経225先物よりTOPIX先物を扱う証券会社、商品先物会社は少ないので、TOPIX先物に対するテクニカル分析が語られる場は少ないようですが、私が調べた限りでは日経225よりもTOPIXのほうが、テクニカル売買の有効性が高いようです。理由は日経225が225種の株価の指標であるのに対し、TOPIXは東証一部上場全銘柄を対象にした指標であるため、
「より平均化され、長期にわたって一定の相場特徴を持った指標である」
といえるのではないか?と思っています。
明地氏の新書はFXの投資法ということですが、FX=外国為替に対しては、日経225、TOPIXよりももっと大人数が大袈裟に言えば全世界の機関投資家が注目・投資している大市場なので、これに対しても短期・長期にわたって有効なテクニカル指標が見つかったのではないかな? と思います。私も読んでみます。
長文失礼しました。
相場のトレンドとテクニカル
管理人やすまろ - 2008/07/14(Mon) 09:57 No.982
以下の意見には私も同感です。
> 個別銘柄において、全ての期間で有効に機能するテクニカルは無い
相場のトレンドによって、当該テクニカル指標が有効に機能する局面と機能しない局面とがあります。
トレンドを明確に認識できれば良いのですが、近年は乱高下する局面があったりして、トレンドの認識はなかなか難しいものです。
新井邦宏さんは著書の中で、
個人投資家はトレンドがしばらく継続するような分かり易い局面で投資するべきで、それ以外の分かり難い局面では休むべき。
という趣旨のことをおっしゃっています。
信用取引であれば売りも買いも出来るので、理論上はあらゆるトレンドの局面で利益を上げることは可能です。
しかし実際には信用取引で利益を上げている人よりも損失を出している人の方が圧倒的に多い様に思います。
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