学習方法と記憶法を池谷裕二さんの著書から学ぶ
学習方法と記憶法に関する池谷裕二さんの著書、脳科学から見た睡眠の役割と記憶との関係、睡眠と記憶に対する誤解、学習したことをしっかり記憶する方法、について解説してます。
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学習方法と記憶法に関する池谷裕二さんの著書
東京大学大学院准教授・池谷裕二さんの著書「脳は何かと言い訳する 」の中に、脳科学から見た睡眠の役割、睡眠と記憶との関係について興味深い話が書かれていました。
以下はポイントの抜粋です。
脳科学から見た睡眠の役割と記憶との関係
睡眠は脳内の情報を整理する
何かを習得するためには、ひたすら勉強すればよいわけではない。
睡眠を取ることもまた肝心である。
最近の脳科学によれば、寝ているときには、脳内で、身の回りに生じた出来事が再現されているらしい。
夢はまさにそうした記憶の脳内再生の例である。
睡眠中に保管すべき情報を整えているのだ。
むろん、情報の再生は昼間でも行なわれているのだが、外部情報がシャットアウトされた「睡眠」という状態は、情報の整理に集中できる格好の時間帯となる。(p.190)
夢は記憶を再構成する
夢は、記憶の断片を繋ぎ合わせて、新しいストーリーを作っています。
夢は「記憶情報の整合性」をはかるためにあるのではないか、と言っている研究者もいます。
浅い眠りのときに、いろいろな組み合わせを試して、「これぞ!」という組み合わせが出来たら、深い眠りのときに情報を圧縮して、大脳皮質に送り返しているらしいのです。
そして、海馬でなく、大脳皮質で記憶は蓄えられることになるのです。(p.196~197)
睡眠は記憶を補強する
つまり睡眠とは忘れかけた情報を呼び起こして記憶を補強する効果があるのだ。(p.284)
直近の記憶ほど強化される
より最近の記憶が選択されて強化されるのであって、すべての情報が強められるのではないということだ。(p.285)
睡眠は記憶のためにある
睡眠は記憶のためにあるのだという研究者がいます。
この説には一部には反論もあるようなのですが、しかし私は、少しでも可能性があるのならばと、寝る前に必ず、本や論文を読んだり、英語を聞いたりしています。
バラエティー番組を見たりするのは、できるだけ控えて、仕事や勉学に必要な情報を睡眠直前に仕入れるようにしています。(p.286)
<抜粋終わり>
睡眠と記憶に対する誤解
私は従来、睡眠の役割は、疲労を回復するもの、体内細胞の成長や再生を促進するものと考えていました。生きる為に睡眠は必要なものと分かっていましたが、記憶に関してはネガティブに考えていました。
つまり睡眠を取ると勉強したことや覚えたことをある程度忘れてしまうと考えていました。しかし実際は逆で、睡眠は記憶の定着を促進する役目があったのです。
また、研究者が夢の中で発明のヒントを得たとか、作家が夢の中で創作のアイデアを得たというような話を何かで読んだり聞いたりしたことがあります。これも池谷さんの本を読んだ後なら納得がいきます。
夢は記憶の断片を繋ぎ合わせて新しいストーリーを作るので、普段の生活では考え付かないような奇抜な組み合わせやアイデアを生み出す可能性があるということです。
本書を読んで、睡眠は学習したことを効率的に記憶したり、独創的なアイデアを発想するために役立つことが分かりました。また、睡眠をもっと積極的・肯定的に考えて取ろうと思うようになりました。
学習したことをしっかり記憶する方法
- 睡眠を取る前に、資格試験の学習対象の本や、自分の研究分野の本を読んだり、興味がある音声CDを聞いたりして、情報をインプットすると夢に影響を与え易い。
- 睡眠中に夢を見ることによって記憶の断片が再構成され、必要な情報が記憶として定着化する。
- 夢の副次的な作用として、記憶断片の再構成の際に、通常では有り得ないようなパターンの組み合わせが生じることで、独創的な発想やアイデアが得られる可能性がある。
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更新日:2014年08月06日 水曜日
作成日:2008年02月27日 水曜日