資格試験を受験する理由
最近、何か勉強をしていますか? 学生だった頃は、学生生活が終わって就職先が決まると、試験を受けることは少なくなるのかなと考えていましたが、実際には社会人になってからの方が試験を受ける機会は増えたように思います。
私は以前にSE(システムエンジニア)として働いていました。当時は情報処理技術者の資格を取得するように会社から奨励されました。
第二種情報処理技術者と第一種情報処理技術者とを取得しましたが、その上位資格の特種情報処理技術者(後のアプリケーションエンジニア)は何度も受験しましたが結局取れずじまいでした。
仕事が忙しいのを言い訳にして、あまり勉強せずに試験だけを惰性で受験することが度々ありました。今にして思えば、試験に合格出来なかった理由は、以下の2つが考えられます。
1.絶対合格したいというモチベーションが不足していた。
2.勉強方法が間違っていた。
私はこれまでの人生の中で、試験勉強というものの取り組み方や受験結果が必ずしも満足のいくものでは無かったので、中年に差し掛かってやたらと勉強したくなって来ました。
今まで充分に取り組んでいなかったことに対する不満足感とか欲求不満が高まって来て、何か取り戻せるものなら取り戻したいと思うようになりました。
過ぎ去った時間は取り戻せないので、何か別の形でもいいから充実感とか達成感を味わいたいという衝動にかられて、2007年から資格取得に取り組んでおります。
日常生活に役立つ資格試験
資格を取得すると言っても、それまで資格試験の勉強をして来なかった人が、いきなり税理士とか司法書士などの難関試験を目指そうとしても無理が生じます。
これまでの業務経験や業務知識と無関係であったり、合格までに長期間を要したりすると、モチベーションを維持するのが難しいからです。
そこで、まずは日常生活に役立ちそうで、気軽に勉強が始められる資格から取得することにしました。
2007年10月に宅建主任者試験、2008年1月にFP技能士3級試験を受験し、各々合格出来ました。資格試験の勉強をする中で気付いたこと、重要だと思ったことは以下の2点です。
1.資格試験の参考書には、合格し易い参考書と落ち易い参考書とがある。
2.資格試験の勉強法には、合格し易い勉強法と落ち易い勉強法とがある。
1項の合格し易い参考書と落ち易い参考書というのは、資格試験の種類や受験者のレベルによって異なり、一概には言えないのですが、各資格毎に有効な参考書というのは存在すると思います。
宅建主任者試験を例にすると、らくらく宅建塾シリーズ は初学者にとって抜群に分かり易い参考書だと思っています。不動産取引の業務経験や民法等の法律学習経験が無かった私でも独学で合格出来ました。
2項の合格し易い勉強法と落ち易い勉強法というのは、資格の種類が異なってもある程度共通的な法則があると思われるので、今回の話のテーマとしてみます。
資格試験に合格する勉強法
書店に行くと資格試験のコーナーがあると思います。その隣には公務員試験コーナーがあったりします。ある日何気なく見ると「公務員試験 受かる勉強法 落ちる勉強法 」という本が平積みされていました。
今更公務員試験は関係無いので、中身を見ることはなかったのですが、後日ブックオフで前記書籍の2007年度版が105円で売られているのを見つけて、面白そうな内容だったので買いました。
「公務員試験 受かる勉強法 落ちる勉強法」は、
1.公務員試験の参考書の選び方
2.公務員試験の勉強方法
の2点について解説しています。
1項の公務員試験の参考書は、私には関係無いので今回は無視するとして、2項の公務員試験の勉強方法は、一般の資格試験においても通用すると思われる内容でした。
以下は勉強方法のポイントの抜粋です。
資格試験の勉強方法のポイント
- 最後に過去問は☓、最初に過去問が◯。(p.24)
- 参考書の理解→問題集で確認という常識は捨てよう。(p.44)
- 過去問をやった後のほうが参考書も頭に入る。(p.45)
受かる受験生のパターン(以下p.67)
- 過去問からスタートする。
- 模試を何度も受験し、徹底的にマスターしている。
落ちる受験生のパターン
- まず参考書から読む。
- 自分でノートをまとめる。
- 繰り返しが嫌いで、次々と新しい教材に手を付ける。
(抜粋終わり)
上記のポイントに私なりの解釈を加えてみます。
ポイント |
私の解釈 |
最後に過去問は☓、最初に過去問が◯。
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資格試験の学習で陥り易い失敗は、知識のインプットに時間を掛け過ぎて、アウトプットである過去問の対策が不十分になることです。それを防ぐ為には学習の初期段階から過去問に取り組むことです。
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参考書の理解→問題集で確認という常識は捨てよう。
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私たちは小学生の頃から、教科書できちんと学習してからドリルなどの問題集を解きなさい、と言われた習慣の呪縛に囚われているように思います。
しかしテキストを何回読んだらインプットとして充分なのか、どの程度理解したら問題集に進んでいいのかという基準は特に無いので、完璧主義だといつまで経っても問題集に進めません。
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過去問からスタートする。
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初学者なのにテキストを読まずにいきなり過去問を解ける訳が無いと思われる方がいらっしゃると思います。
資格試験の種類によっては入門書で概要を掴んでから過去問に入った方が良い場合があるでしょう。
要はテキストを全く読むなという話ではなくて、インプットは最小限にして過去問から出題傾向を早めに把握した方が効率的であるということだと思います。
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資格試験に落ちる学習方法
上記の内容を読んで、私が過去に大学受験や資格試験に失敗したケースによく当てはまると思いました。私が試験に失敗した典型的なケースは以下の通りです。
- テキストを読んで理解しようと時間を掛ける。
- 知識のインプットに時間が掛かり過ぎて過去問対策が不十分となる。
- 得点力が不十分なまま試験当日を迎える。
- 不合格となる。
資格試験に合格する効率的な学習方法
従って限られた期間で資格試験に合格する為には、以下の点に注意して学習を進めることが効率的です。
- 過去問中心の学習をする。
- 過去問から逆算する形で、試験に必要な知識と、試験で問われる論点とを把握する。
- 時間を掛け過ぎない形で、必要に応じてテキストで知識を補強する。
- 模試を複数回受けて、現状の得点力と弱点とを分析する。
- 模試で間違えた弱点分野を重点的に復習する。
- 模試を複数回受けて、平均点が合格点を上回るような、得点力を身に付ける。
私は合格率が1~2%のような超難関試験は受けた事が無いので、上記の過去問中心の学習方法が全ての資格試験に当てはまるかどうかは分かりませんが、大半の資格試験に対応可能ではないかと思います。
資格試験の受験実績
今後の資格試験の受験予定は以下の通りです。
- FP技能士3級の知識を発展させる形で「FP技能士2級」を受験する。
- 宅建主任者の知識を発展させる形で「マンション管理士」及び「管理業務主任者」を受験する。
「テキストを理解してから→問題集を解く」という学習手順を、「過去問優先で学習し→必要に応じてテキストを読む」に変えるだけで学習効率が飛躍的に向上する可能性があります。
今まで、インプットに重点を置いた学習方法でうまくいかなかった場合は、学習手順を逆にしてみては如何でしょうか。全く違う世界が待っているかも知れません。
- 追記1(2009/05/24)
- 2008年5月にFP技能士3級試験を受験、2008年12月に管理業務主任者試験を受験し、各々合格出来ました。マンション管理士試験は2008年11月に受験しましたが不合格でした。2009年はマンション管理士試験に再挑戦します。
- 追記2(2012/07/22)
- 2009年にマンション管理士試験に合格しました。
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