JIPS 「 食虫植物 データベース 」 に
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 福岡県の 猪熊 清隆 氏は、氏の撮影された美しい写真を、皆さんに紹介することを快く承諾して下さいました。この場を借りて、猪熊 清隆 氏に深く感謝いたします。

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猪熊 清隆 氏の自己紹介 〜 食虫植物との出会い

 私が食虫植物と出会ったのは小学校高学年の頃だったと思います。商店街の一角にある小さな園芸店の軒先に、風変わりな瓢箪の様な嚢を鈴なりにした植物がぶら下がっているのを見て、何んと変わった植物だろうと思いました。店員さんに尋ねたところ「これは食虫植物で虫を食べるのだよ」と聞いて、そんな植物がこの世に有るのかと驚いたことを覚えています。我が家では祖母も父も植物好きだったせいか、私も小さい頃から自然に植物に愛着を持つ様になっていたのではないかと思います。
 その園芸店の食虫植物は、ネペンテス・アラータ(ひょうたん種)だったと思いますが、当時名前すら知らなかったのです。だって生まれて初めて見た食虫植物でしたから。私の中ではとても衝撃的な出会いでした。何としてでも手に入れたかったのですが、当時の小遣いが月に500円位でしたので、1、200円もする植物を買えるはずも有りませんでした。当然親にねだっても無理で、諦めざるをえませんでした。

 その後、中学、高校、社会人となって、食虫植物のこともすっかり忘れてしまっていましたが、社会人3年目位の時に、偶然地下街の園芸店にそれは有ったのです。後先を全く考えずに即刻衝動買いをしてしまいました。32年前の当時はヒブリダの誤名で流通していたアラータでした。しかし、当時は食虫植物の参考書も非常に数が少なく、ましてインターネットなんて無い時代でしたから、育て方も分からず何度か買ったものの枯らしてばかり。しかも仕事は出張が多く世話もまともにできず、いつの間にか遠ざかってしまいました。

 第二の転機は、22年前に開催された花博でした。仕事の都合上週に2〜3回会場に出入りしていましたので、仕事が終わった後に、咲くやこの花館によく通いました。そこで見たのがネペンテスブースでした。しぼんでいた食虫栽培の気持ちが一気に膨らみました。ちょうど咲くやこの花館を出た正面に園芸店があり、アラータ(ひょうたん種)が販売されていました。この頃は仕事にも多少は余裕ができ、栽培についての知識もある程度勉強できましたので、即刻入手しました。これが私の食虫植物ネペンテスの本格的な栽培開始となったのです。 その後徐々に種類も増えていきましたが、何せマンション住まいでしたので、ベランダに置いたワーディアンケース2棟での栽培でした。順調に栽培をしてきましたが、平成7年の阪神大震災でワーディアンケースのガラスが割れ、長期停電と相まって、8割程度の植物を枯らしてしまいました。残った2割位の種類はそれからも枯れずに頑張って成長してくれましたので、引き続き栽培する意欲が湧いてきたように思います。

 第三の転機は昨夏庭付きの住宅に転居した折、念願の温室を建てることができたことです。その後は色々な種類を分譲していただき、既に置き場所に困る事態に陥っており、日々嬉しい悲鳴を上げながら栽培を続けている状況です。

( 2012年12月現在 )


猪熊 清隆 氏の栽培環境のご紹介

【温室設備】

≪温室本体≫ アルミ温室:陽だまりC-3型(6坪) (写真[1])
(間口3600 奥行5546 棟高3119o)
■両天窓・出入口2箇所・両側面2段サッシ標準仕様
■被覆材:ポリカーボネート(中空板)6o透明

≪温室オプション≫
■自動天窓開閉器(両天窓用)SOPW-70A=1台 (写真[2])
■園芸用石油暖房機 SP-527A(煙突セット付・60HZ) (写真[6])
■石油タンク(84L) OT-90S=1台
■攪拌扇 SKF-25A=2台 (写真[2])
■フラワースタンド(2段棚)
 EM-1680H(2)=4台
■鉢吊りパイプ(4m)=4本

≪自営設備≫
■2連蛍光灯×3 (写真[2])
■2極アース付き2連コンセント×5
■エキスパートマリンRO水生成器×1 (写真[4])
■水道設備、二股蛇口×1 (写真[5])
■ワーディアンケース×2棟(20年以上前の物) (写真[3])
写真[1] アルミ温室外観

(1)遮光と通風

 現在、約20uの温室内で主として低地性のネペンテスを栽培しています。温室はポリカーボネート中空板仕様(写真[1])ですので、温室全体の遮光はしていません。ポリカ自体が20%前後の遮光率があることと、高湿度になると、ポリカの層が結露し太陽光を乱反射させ、30%程度の遮光率になることによるものです。
写真[2] 自動天窓開閉器&撹拌扇&蛍光灯 唯単にずぼらなだけかもしれませんが、撹拌扇(写真[2])を2台稼働させ、空気の対流を図ることで、特に葉焼け等も起こさずに育っている様に思います。 又、自動天窓開閉器(写真[2])を使用し、室内の温度調節を図っています。
写真[3] 温室内部ワーディアンケース ----- 22年前にホームセンターで購入 以上、温室自体は無遮光ですが、最近少しずつ手を付け始めた高地性種や、入手直後の順化が必要な個体などは、温室内に設置している2棟のワーディアンケース(写真[3])に入れ、適度の遮光、湿度保持を図る様にしています。
写真[4] エキスパートマリン浄水器 ----- 逆浸透膜を使ったRO浄水器

(2)潅水

 転居前までは潅水に関して特に問題はなかったのですが、転居後は水質に悩まされました。散水すると葉が真っ白になる等、塩基類が非常に多くPHが高いので、食虫植物には不向きな水質です。実際、今まで全く問題が無かったのが10種類ほど枯死するに至りました。そこで濾過装置(写真[4])を入手しRO水を潅水することで、事なきを得ました。潅水は全て手作業ですので、1時間程度要します。従って早起きををしないといけないのが少し辛いところです。
写真[5] ミスト装置(黒い縦棒)----- 黒いポールの先端からミストが出ます

(3)加湿

 湿度を保つため、当初は水道管直結でタイマー稼働させるミスト装置(写真[5])でシリンジしていましたが、水質の問題があり、半年程度で止めてしまいました。
写真[6] 暖房機の貯水槽 現在は全て手動でのシリンジと、暖房機の貯水槽(写真[6])に水を張ることと、加湿器を使用し湿度を保っています。又、RO水を生成する過程で思った以上に排水が出ますので、これも床面に散水するなど利用しています。これで昼間暖房が非稼働の状態で温室の天窓が閉じている時は、90%以上の湿度が確保できます。又、夜間等暖房稼働中は70〜80%程度になりますが、特に問題無いように思います。
写真[7] 温室内部の植物 ----- ご参考、現在の温室内部一部分

(4)保温

 温室内の温度について、最低温度は9月〜10月が20℃、11月は18℃、12月は17℃、1月〜2月が16℃、3月が17℃、4月が18℃、5月が20℃程度と段階的に調整しております。又冬場は保温のため0.1mm農園用ビニールを内張りしています。16℃設定だと高温を好む種は途端に着袋しなくなりますが、致し方ありません。燃料費との兼ね合いでぎりぎりの温度に設定していますが、本当のところ最低20℃程度は保ちたいものです。

猪熊 清隆 氏の栽培種類

 当初は低地性種のみ栽培していましたが、これも人の性でしょうか、高地性種には魅力のある品種が多いので、最近少しずつですが、耐暑性のある種を中心に集める様になってきました。現在、我が家の温室には冷房装置が有りませんので、如何に涼しい環境を作ってやるのかがもっぱらの課題です。ボチボチ試行錯誤して良い環境作りに努めていきたいと思っています。


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