Nepenthes clipeata  Danser



丸い葉と変わった形の袋を持つ稀少種

ネペンテス クリペアタ  本種が栽培されるようになったのは、比較的最近のことです。
 N.truncataも変わった形の葉を持っていますが、本種の葉も変わっていて、葉はほとんど円形をしています。 N.truncataでは、袋の形は平凡ですが、本種では袋の形も変わっていて、球と円錐形をくっつけたような形をしています。袋の色は、赤い斑点の入ったオリーブグリーンです。
 蔓は上には伸びず、自生地では崖にへばりつくようにして生えています。垂直近い岩壁を、ただ一本の頼りない縄ばしごにつかまって登っていったところに、本種が生育しています。本種の自生地はただ1ヶ所しか知られていなかったのですが、珍しいがゆえの乱獲と、更には近年の山火事で壊滅的な被害を受けており、絶滅が危惧されています。N.campanulata に境遇が似ています。
 誰もが栽培してみたいと思う魅力的な種で、入手はヨーロッパ方面から組織培養苗が供給されています。栽培自体はそれほど困難ではないようです。

[ご注意] お使いのブラウザ / システムでは、情報を正しく表示できません。

 最も変わった Nepenthes のうちのひとつ。西カリマンタンの Kelam 山の垂直に近い花崗岩の岩壁に自生するものだけしか知られていない。岩壁のクレバスに草や水苔と共に生えている。
 現在では、Kelam 山で本種を観察するのはとても難しい。非常識なコレクターが手に届くところにある植物を全て盗ってしまったからである。本種は挿し木により簡単に増殖するので、もし、コレクター達が植物全体ではなくて茎の一部だけを採っていたなら、絶滅しないだけの個体数が残ったであろう。
 最近、Kelam山の多くの個体が山火事で焼けてしまい、本種の唯一の自生地がダメージを受けた。そして、乱獲された個体数が増えるのも難しくなった。その結果、本種は自生地での絶滅という重大な危機に瀕している。Kelam 山付近の他の山にも本種が自生しているのかどうかは、分かっていない。

 本種の茎は比較的細くて、上によじ登ることはなく、長く伸びると下に垂れ下がる。葉は、岩壁に背を向けるように付いていて、袋は通常その陰になっている。葉の上側を除いて、植物体全てが、濃密に毛に覆われている。
 袋は同じタイプのものしか作られない。下 1/3 が球形に近い形で、残りの部分は円錐形で、口の方が広くなっている。
 ふたは丸くて真ん中が高くなっており、袋の縁に接しており、わずかな隙間しかないことが多い。これは、袋の中の液体の蒸発を防ぐためと考えられる。本種の多くは、むき出しの岩壁に寄り添うようにして生えているが、そこは日中はかなり熱くなるであろう。

 茎と葉柄は赤色で、葉は緑色である。袋は白色であるが、内側の上の方には赤い斑点が付いている。本種の花は、短くて直立した花茎に付き、互いに接するほど間が詰まっている。 本種が Nepenthes の中で、最も印象的で変わった形を持つもののひとつであることに異存のある人はいないだろう。

 本種はその円形の葉が特徴で、つるは葉の先端ではなく、葉身の下面から伸びている。袋は大きく、高さ 30cm にも達する。袋の基部は球形で、上の部分はわずかにトランペット形。本種は、1種類の袋しか着けず、茎は攀じ登らず、長さ 2m ほどにしかならない。花序は小さく、25cm を越えることは稀である。植物体のすべての部分が長い褐色の毛で密に覆われている。

 本種は、とりわけその円形の葉と、太くて短く決して曲がらないつるが葉の先端から離れて着き、独特な形の袋には翼がなく、強くアーチ型になったふたが特徴である。葉の形も尋常ではなく、これだけ変わっているものは、フィリピン産の N.truncata ぐらいしかない。本種がどのようにして生育するのかは良く分かっていない。

 本種の変種やフォームは記載されていない。

ホーム| 種名検索| このページの見方| 参考文献
© 1998 - 2009  JIPS, KNAKAI