Nepenthes densiflora  Danser




美しい赤色系の袋をつける魅力的な高地性種です

ネペンテス デンシフロラ  本種は、スマトラ島のアチェ地方に産します。スマトラ産の Nepenthes で本種と混同しやすいのは、N.bongso ですが、上の袋が口の下で狭まっていることが異なります。
 同じ地域に産する N.diatas とは、堅い木質の膨らんだ管状の袋をつけることで区別できます。

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 2001年の段階で、本種はアチェ州内に 3つの自生地のみが知られている。Kemiri山、Goh Lembuh、そして、Pucuk Angasan と Leuser山の間の山々である。現存する標本の殆どは、Pucuk Angasan 産のタイプ標本を含めて、van Steenis が 1930年代の探検で収集したものである。1,700m 台の低い高度の場所で記録されているのだが、本種の自生地は一般に 2,500m 以上で、鮮苔林か高原の草原に限られる。二つの異なる生育環境が一般に知られており、これらは植物が育っている自生地のタイプに関係があると考えられる。鮮苔林では、茎は良く攀じ登り、7m にも達する。下の袋も上の袋も良く着き、容易に区別できる。しかし、草原では、成熟した個体でも茎の長さが 50cm を超えることはなく、1種類の袋しか形成されない。それらはしばしば、下の袋と上の袋の中間のタイプである。

 本種の下の袋は非常に美しいことが多い。タイプ標本の得られた自生地では、通常下の部分が卵形で、上部が円筒形、幅広の襟を持ち、縁歯は非常に長い。それらは通常深赤色である。上の袋はトランペット形で、N.bongso のものに似ている。草原に自生している生育の良くない植物では、しばしば基部が幅の広いトランペット形で、上部が卵形である。Kemiri山の植物は、Leuser山、Pucuk Angasan、Goh Lembuhの植物とは、外観が幾分異なっていて、下の袋はとてもすらっとしていて、下の部分がトランペット形である。上の袋は通常トランペット形であるが、稀に円筒形で、N.diatas に似ている。Kemiri山の植物には、より濃くて丈夫な毛が、葉や袋、つるに生えている。しかし、これらの違いはそれほど重要ではなく、他の全ての点から見ても、Kemiri山の植物は、本種の記載に合致している。

 Danser は、本種が N.spathulata と関連があると考えた。その種からは、トランペット形の上の袋(一方は円筒形)で区別できる。この点では両種はある程度オーバーラップしているが、本種の中には、円筒形の上の袋を持ち、トランペット形の下の袋を持つものもわずかにある。N.spathulata ではそのようなことはない。また、N.bongsoN.spathulata より本種に非常に近縁であるという説もある。その説によれば、本種は N.bongso と上の袋で区別できるという。本種の上の袋はつるから突然に生じ(それに対して、N.bongso では徐々に生ずる。しかし、この性質はフィールドでいつも見られるものではない)、幅が狭くて耳形ではない葉の基部(対して、幅が広く、耳形である)を持ち、ふたの腺が大きい。こうした違いは微妙なもので、花序の構造と両種の分布範囲の地理的な分断は、フィールドで両者を区別する簡単な方法となる。N.bongso は、北スマトラの Sorik Merapi山の北部に自生することが知られておらず、本種はアチェ州の Kemiri山より南には産しない。(しかし、Ketambe山のような、Alas渓谷よりも南側の他の山に自生する可能性はある。)本種はまた、N.ovata にも外観上非常に良く似ている。

 本種は、Kemiri山では他の Nepenthes とは共生しないが、Pucuk Angasan では、N.angasanensis と一緒に自生しているとの記録があり、両者の自然交配種が報告されている。

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