Nepenthes dubia  Danser




N.inermis に良く似た稀少種です

ネペンテス デュビア  まだ栽培されているのは稀なようですが、特に上の袋は N.inermis に似た珍しい形をしています。袋の色は黄緑色です。
 近縁種の N.inermis とは、上の袋に襟があるかどうかで区別できます。両種は共にスマトラ産です。

[ご注意] お使いのブラウザ / システムでは、情報を正しく表示できません。

 本種は、タラマウ山で採集された標本を基に、Danser によって記載された。N.inermis と非常に近縁であるが、空中の袋が良く発達した襟を持つこと、ふたに腺が多いこと、ふたが口から 180°以上反り返っていることが異なっている。このふたの反り返る角度は首尾一貫していて、他物に邪魔されない限り 180°以下にはならない。襟以外には、両種の相違点は少ないが、タラマウ山においては、本種の変異は少なく、ふたの反り返る角度は、分類する上で本種の安定した形質である。

 本種は、タイプ標本の山地でしか知られていなかったが、近年になって、Talang山、Payakumbuh 付近の Tjampo 地域の山々でも発見された。それによって本種の分布範囲はおおいに広がった。N.tenuis のタイプ標本とされた Meijer の標本は、躊躇を持って本種のシノニムとされた。しかし、両種間の違いは明らかなので、ここでは別種として扱う。Kurata の標本は、N.inermis × N.talangensis という自然交配種である。この交配種の上の袋は本種に良く似ているが、本種には含めない。なぜなら、口が全体的に水平ではなく、襟が平たく、ふたが卵形で、かつ、90°以上反り返っていないからである。事実上、Talang山の標本を本種に含めることは、本種が N.talangensisN.inermis の自然交配種に由来すると考えることを要求するもので、承服しがたい。他の N.inermis × N.talangensis の標本は、2001年に N.pyriformis として記載されている。

 本種は、タラマウ山の自生地で、二つの全く異なった環境に自生している。標高 1,800 - 2,300m では、他の山に生える N.inermis のように、鮮苔林の樹冠にもっぱら着生して生えている。しかし、標高 2,400m 以上では、植生は極めて貧弱で、高さ 3m を超えることは稀である。この地帯では本種は、地面のすぐ上の苔の塊に地生または着生している。袋はとりわけ上品で、つるの先から急に膨らんでいて、下部は対称的なカーブを描き、水平な口に向けて大きく広がっている。袋は通常、全体的に淡緑色から黄色であるが、オレンジ色や赤色のフォームも観察されている。下の袋は、N.inermis のものと非常に類似していて、良く発達した襟と比較的広いふたの両方を持つ。

 本種は非常に近縁なスマトラの低山地帯の Nepenthes の一員で、その中には N.flavaN.inermisN.jacquelineaeN.jambanN.talangensisN.tenuis が含まれる。これらの種は、上の袋がトランペット形で、消化液の粘度が高いことが特徴である。
 本種は、N.inermis に最も近縁であると考えられる。袋と葉の主な形態はそっくりである。異なっているのは、良く発達した襟を持つことと、ふたの下面の腺が多いこと、ふたが180°以上反りかえっていること、である。このふたが本種のユニークな点で、障害物がない限り常に180°以上反りかえる。

ホーム| 種名検索| このページの見方| 参考文献
© 1998 - 2014  JIPS, KNAKAI