Nepenthes eustachya  Miq.



N.alata に似ています

ネペンテス ユースタシャ  本種は、スマトラ島の北はトバ湖近辺から、南はパダン地域にまで分布します。森林の縁の、海抜 0m - 1,600mまでの範囲に自生しています。
 N.alata と同一であるという説もありました。

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 本種は、Teijsmann によって Sibolga 付近で採集された標本を基に、Miquel によって記載された。Danser はこれを、N.alata のシノニムとしたが、1997年に再び種としての地位を獲得した。その際の研究によると両種にはいくつかの相違点がある。これらは、距と毛の生え方のほかに、葉柄、葉の先端、葉身の形と構造に関するものである(詳しくは下の表に示す)。N.alata が持っている高度な多形性によって、これらの相違点を解釈するのは困難で、N.alata の中には、これらの分類基準を一つか二つ破る個体もたまにある。しかし、これらの分類基準を全部組み合わせて用いれば、その性質は安定していて、トレーニングさえ積めば識別は困難ではない。フィールドでは両者を混同することはないであろう。なぜなら、本種はスマトラに固有で、N.alata はフィリピンにしか自生しないからである。Danser はマレー半島も N.alata の自生地としたが、これは Tahan山で採集された標本の誤った解釈の上に成り立っている。

 本種は、Sibolga から Padang高原にかけての開かれた砂岩の露頭で普通に見られるが、時折深い茂みを形成している。N.mirabilis と混同されるかもしれないが、本種には下の袋に翼がないこと、短いシュートの葉の縁に糸状の突起のないこと、葉が皮質であることによって区別できる。

 本種の袋の色は、しばしば白色か明るいピンク色で、無数の赤やピンクの斑点で覆われている。斑点は概して内側の表面に限られるが、袋の上部では外面にも現れる。ふたの下面は、しばしば色彩に富んでいて、非常に美しい。下の袋は通常、下部が幅の広い卵形で、上部が円筒形となっており、翼がない。上の袋は全ての点で類似しているが、下部はもっと目立つ球形をしていて、一番上の後部はわずかにフード状になることがある。これらの点から本種の上の袋は、外見上、ボルネオの N.clipeata やニューギニアの N.klossii に似ている。しかし、これらの種と他に共通点がほとんどなく、お互いに地理的に離れていることから、容易に区別できる。

 本種は、N.alata とはいくつかの形態学的な特徴が異なっている。本種の葉身は披針形で、先端は円形なのに対し、N.alata では披針形から卵形で、先端は鋭形または漸尖形である。葉柄も両種では異なっている。本種では、翼がわずかにあるか全くないが、N.alata では、幅の広い翼がある。本種の距は単一か二股なのに対し、N.alata では単一で先端にとがった付属物がある。本種の成熟した個体は無毛であるが、N.alata では赤みを帯びたあるいは白味を帯びた毛がある。袋の基部にも違いがあり、本種では角張っていて木質で、つるに向けて徐々に漸尖形になっている。一方、N.alata では、袋の他の部分と同様な構造で、つるに向けて急に漸尖形になっている。

 N.alata は、その分布範囲の中で大きな変異があるため、上述の記載から逸脱する個体もあるかもしれない。しかしながら、上述の形態学的特徴を全て組み合わせて考慮すれば、両種の線引きは安定してできるであろう。

本種と N.alata との相違点
性質N.alata N.eustacya
葉身披針形から卵形披針形
葉の先端鋭形あるいは漸尖形円形からやや盾形
葉柄幅の広い翼がつく翼がわずかにあるか全くない
シンプルで先が尖っているシンプルあるいは二股に分かれる
赤みのかったあるいは白身のかった毛全くない
袋の基部の構造袋のほかの部分の組織と同じで、つるに向かって急に漸尖形 角張っていて木質、つるに向かって徐々に漸尖形

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