Nepenthes faizaliana  J. H. Adam et Wilcock




N.boschiana に近縁な稀少種です

ネペンテス ファイザリアナ  本種は、ボルネオ島サラワクのムル山国立公園の石灰岩の崖に固有の種です。N.boschiana に非常に近縁です。
 N.stenophylla のシノニムとする説もあるようです。

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 本種は最近記載されたもので、サラワクのムル山国立公園の石灰岩山地に固有の種である。現時点においては、本種の地位が確立しているわけではない。
 本種は、花崗岩の露頭や剥き出しの尾根の頂上に、地生または着生している。他の種と近接して自生しているにもかかわらず、自然交配種は知られていない。
 本種は、一般の登山者がなかなか立ち入らない場所に自生しているので、Api 山の頂上の小道で容易に観察できる。

  まず、本種が N.fusca と密接な関係があると示唆する説がある。その理由の一つに袋のふたの形が類似しているということがある。両種を区別する基準として、花序の構造、上の袋における消化腺の分布範囲、表面に生えている毛の違いが挙げられている。加えて、本種では円形のふたを持つが、N.fusca は非常に細長いふたを持つ。

 その一方で、本種の袋のふたが丸いことから、本種を N.stenophylla のシノニムとする説もあった。
 しかし、本種は N.stenophylla とは明らかな違いがあると思われる。本種はより皮針形の葉を持ち、襟も色彩に富み広くて後ろへの反り返りも少なく、蜜腺(存在する場合)も構造が異なっている。上の袋はしばしば下の部分が膨らんでいて、花序も大きく、2花性の小花柄よりも小包葉のある花柄を持つ。加えて、本種は N.stenophylla と違って、腺の形が異なっていて、下の袋の下部は概して球根状である。それゆえ、本種は独立した種なのである。
 N.fallax が、N.stenophylla のシノニムだとする学者もいれば、別々の種だとする学者もいるが、N.stenophylla だと見なされている植物が、実際には N.fallax であることもある。

 本種ともっとも近縁なのは、南カリマンタンに産する N.boschiana であろう。両種を区別するのは困難で、このことが両者が非常に類似していることの確証であろう。
 本種の表面に生える毛は極めて良く発達しているが、N.boschiana はほとんど無毛である。両種の袋の形はほとんど同じだが、N.boschiana の下の袋は、基部がもっと膨らんでいて、襟も幅が広い。下の袋は比較しがたいが、N.boschiana の方が通常幅の広い口を持つ。

 そうは言っても、これらの差異は大きなものではなく、両者を正式に区別するためには、自生地での詳細な比較研究が必要だろう。両種に密接な関係があることは、驚くことではない。ムル山国立公園と Maratus 山脈の石灰岩層は、ボルネオで最も高い地点にあり、それぞれが各々の種の唯一の自生地であるからである。

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