Nepenthes gracilis  Korth.




全体的にほっそりしていて、最も普通に見られる種のひとつです

ネペンテス グラシリス  本種の種小名は、ラテン語の gracilis(薄い、細長い)に由来し、袋や葉の形を象徴しています。
 海抜 0-1,100m の様々な自生地に地生しますが、通常は 250m 以下に分布します。
 茎は分岐して攀じ登り、長さ8m にも達します。
 本種は、スンダ地方に自生するごくありふれた低地性種で、袋には、襟がごく薄いほかは、これといった特徴もありません。
 葉はほっそりとしていて、普通 小さな袋をたくさん着けます。色の違う様々なフォームのものがあります。
 袋が緑色のものはあまり人気が無いようですが、きれいな赤い斑点のついたものやピンク色がかったものもあります。また、蝦茶色や黒色の袋を持つものもあります。
 広範囲に分布している種ですが、自然交配種は極めて稀です。

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 本種は Sunda 地域において、おそらく、最も広範囲に分布し、普通に見ることの出来る Nepenthes である。ボルネオ西部では、道端の溝でも見ることが出来るほどで、土壌の種類や光量、水量、植生などにかかわらず、どこにでも生えている。
 本種は、ピート湿地林、低木林、田んぼの あぜ、タールの染み出しているところなどで、普通に見られる。そして、低地の常緑雨林の中を通る小道の粘土質土壌の上にも生えている。
 海抜 750m のところまで分布するが、圧倒的に 100m 以下に多い。

 本種のシノニムや変種には特に重要なものはないと言われているが、実際に本種の変異はほとんど無い。
 本種は全体的にほっそりしているのが特徴であるが、大きなフォームのものは N.reinwardtiana と間違える可能性もある。両種とも、茎の断面は三角形で、袋の形も大体同じである。しかし、一番はっきりと違うところは、N.reinwardtiana では袋の内側に2つの目玉のような模様があることで、このようなものは本種にはない。
 両種の間では花序も異なっており、本種は小花柄を持った総状花序、N.reinwardtiana は花が2つで不完全な花柄を持った総状花序である。そして後者の花茎は、通常本種の2倍の大きさである。
 一般に、本種が、N.reinwardtiana と同じ大きさ になることは少なく、実際に混乱が起こることは少ない。

 たいていのものは平凡な緑色の袋を付けるが、下の袋が赤色、上の袋が緑色といったフォームもいくつか知られている。そして、濃い紫色の袋を付ける魅力的なフォームも1つだけある。
 襟は、ほとんど常に緑色であるが、時に赤褐色のこともある。ふたは袋の外面と同じ色であるが、下側に赤い斑点を持つこともしばしばある。袋の内側は通常白色であるが、淡紫色または褐色の斑点が付いていることもある。花茎は非常に短くて、コンパクトである。

 本種は非常にありふれた種であるにかかわらず、自然交配種は思ったより少ない。これは、本種の花の咲く時期がボルネオの他の Nepenthes とは、ずれているためと考えられる ( ただし、N.ampullaria は例外 )。 しかし、中には花の時期が通常より早かったり遅かったりする個体があって、他の種との交配が起こる可能性が出てくる。

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