N. clipeata  

 Nepenthes clipeata Danser
 ネペンテス クリペアタ

ネペンテス クリペアタ の自生地 ケラム山
©  Johannes Marabini

Mt.Kelam
ケラム山 ( クリペアタ の自生地 )

 N.clipeata の自生地である、ボルネオの Kelam 山です。西カリマンタンの シンタン の近くにあります。
 本種は、植物そのものも変わっていて、栽培家の憧れの的ですが、自生地もかわっています。
 平坦な地形の中に、高さ 800m もある巨大な花崗岩塊が聳え立っているのです。山頂に登る路は一本しかなく、南米ギアナ高地のテプイに似ています。

 かつては、登山道の脇の急斜面に生育していましたが、山火事によりそこに生えていた植物は焼き尽くされてしまいました。
 本種は、知られている唯一の自生地において、絶滅してしまったものと思われます。

ネペンテス クリペアタ の自生地 ケラム山
©  Joachim Nerz

Mt.Kelam
ケラム山 ( クリペアタ の自生地 )

 N.clipeata を見るためには、この梯子を登っていくしかありません (でした)。

ネペンテス クリペアタ
©  Joachim Nerz

N.clipeata
ネペンテス クリペアタ

 大きな個体の群生。

ネペンテス クリペアタ
©  Joachim Nerz

N.clipeata
ネペンテス クリペアタ

 N.clipeata の個体。

 この写真には、本種の特徴が良く現われています。円形の葉の中央から短いつるが伸びて捕虫袋が付きます。捕虫袋は、30cm 以上にもなり、クリーム色で、アーチ型のふたが特徴です。
 植物体全体が、短いビロード状の毛で覆われています。

ネペンテス クリペアタ
©  Ch'ien C. Lee

N.clipeata
ネペンテス クリペアタ

 本種は、ボルネオ島の西カリマンタンのひとつの山にしか自生しておらず、絶滅の危機に瀕しています。円形の葉を持つのは、Nepenthes の中でも本種だけです。

ネペンテス クリペアタ
©  Johannes Marabini

N.clipeata
ネペンテス クリペアタ

 本種は、葉が円形で、その真ん中から蔓が延びており、捕虫袋も独特な形をしているなど、植物全体がとても興味深いものです。
 ドイツでは、雌雄両方の N.clipeata が、数は少ないながら栽培されており、開花、交配による種の保存が期待されています。

 また、インドネシア政府が本種の産地の山を登山者向けに閉鎖したということが、もうひとつの望みです。

ネペンテス クリペアタ
©  Andreas Wistuba
(Dr. Andreas Wistuba is the author
and copyright-holder of this photograph.)

N.clipeata
ネペンテス クリペアタ

 本種は、結構難物だとの噂があります。Andreas Wistuba 氏によると、経験上それは違うと言えるそうです。
 成長はそんなに早くないですが、N.maxima のような高地性と低地性の中間的な Nepenthes と同様の管理をすれば、割と栽培は簡単とのことです。
 日本では、夏場どれだけ涼しくしてやれるかどうかが、栽培のポイントとなりそうです。

 Andreas Wistuba 氏は、Nepenthes の栽培に ピート、粒状粘土、発泡スチロール を、1:1:1 の比率で混合した用土を使用されていますが、本種の苗もそれで良く育っているそうです。

 本種の幼苗を入手された方の多くが、葉の形やつるの付き方が、いつも写真で見ているものとは違うことから、自分の苗は本物の N.clipeata だろうかと心配されるようです。
 これは、N.rajah でも言えることですが、成長してある程度の大きさにならないと、その種本来の特徴は現われません。

 この写真は、Andreas Wistuba 氏が、組織培養から育てたものです。
 氏が "clone 3" と呼んでいる植物ですが、葉の形は典型的な円形(盾形)です。植物体は直径 15cm で、蛍光灯で育てています。

 解説



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