N. lowii  

 Nepenthes lowii Hook. f.
 ネペンテス ローウィ

ネペンテス ローウィ
©  Johannes Marabini

N.lowii
ネペンテス ローウィ

 本種は、ボルネオのキナバル、トラスマディ、ムル、ムルード、メンコボ のような少数の山で、普通に見られます。高度 1,800m 以上で多く見られるようです。

 Johannes Marabini 氏 が撮影した、自生地の写真です。

 本種は、その独特な捕虫袋の形のために、多くの栽培家の憧れの的ですが、残念ながら、日本では、夏季の高温のため冷房設備無しでうまく栽培するのは困難です。

ネペンテス ローウィ
©  Andreas Wistuba
(Dr. Andreas Wistuba is the author
and copyright-holder of this photograph.)

N.lowii
ネペンテス ローウィ

 こちらは トラスマディ 山のものですが、独特な捕虫袋がたくさんぶら下がっているのは壮観です。

 ふたの下面 (とは言っても反り返って上を向いていますが) からは砂糖のような甘い物質 (固体!) が分泌され、それを舐めに来た 小鳥のような小動物の排泄物を栄養分として利用しているとの説もあります。
 確かに、こうして見ると N.ventricosa 以上に便器に似ている気がします。

ネペンテス ローウィ
©  Andreas Wistuba
(Dr. Andreas Wistuba is the author
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N.lowii
ネペンテス ローウィ

 こちらも トラスマディ 山のもので、花茎を出しています。

 この産地のものは、ムル 山のものに比べて小型ですが、捕虫袋の形はこちらの方が面白いそうです。産地により栽培の難易度に差があるようです。
 高地性 Nepenthes の環境があれば、栽培は簡単ですが、7cm くらいの大きさになるまでは結構時間がかかります。

ネペンテス ローウィ
©  Andreas Wistuba
(Dr. Andreas Wistuba is the author
and copyright-holder of this photograph.)

N.lowii
ネペンテス ローウィ

 この写真は、ムル山のものですが、なかなか良いタイプです。捕虫袋はムルード山のものほど肥えてはいませんが、トラスマディ山のものよりかなり丈夫です。
 ふたの下から出ている白い分泌物に注目してください。

ネペンテス ローウィ
©  Andreas Wistuba
(Dr. Andreas Wistuba is the author
and copyright-holder of this photograph.)

N.lowii
ネペンテス ローウィ

 こちらもムル山のもので、未成熟なまだ開いていない袋です。

ネペンテス ローウィ
©  Borneo Exotics

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 上の袋、自生地 )

 本種は、ひときわ目立つ丈夫で緑色の、細くくびれた上の袋を着け、袋の内面は濃赤色です。異常なほどに細くくびれているのは、雨水によって消化液が薄められるのを防ぐためだと考えられます。
 こちらは、まだ開いて間もない上の袋です。

ネペンテス ローウィ
©  Borneo Exotics

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 下の袋、自生地 )

 上の袋とは対象的に、下の袋は外面が赤色で、ふたの下面には分泌物を覆うように長い剛毛が生えています。
 ボルネオの標高 1,600 - 2,600m の範囲の、鮮苔林や剥き出しの尾根に自生します。

 成長が遅く、冷房設備なしでは栽培は困難で、排水性の良い用土を必要とします。

ネペンテス ローウィ
©  Johannes Marabini

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 こちらは、Johannes Marabini 氏 の栽培品の写真です。
 N.ephippiata 同様、ふたの下面に剛毛が生えているのが特徴で、蜜を分泌しています。
 氏は、ピート、セラミス、硅砂、松の樹皮からなる特別な用土で栽培し、年間を通して潅水は控えめだそうです。

ネペンテス ローウィ
©  Johannes Marabini

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 こちらも、Johannes Marabini 氏 の見事な栽培品の写真です。
 氏の息子さんが手に持っているのは、N.rajah ですが、その上方に、本種の捕虫袋が 4つあるのが分かります。
 ほんとにうらやましい限りの見事な栽培品です。

ネペンテス ローウィ
©  JIPS

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 本種は Nepenthes を栽培する人にとっては憧れの植物で、「よく見て見たい!」という方のご要望に答え、実物の写真を何枚か掲載することにしました。
 捕虫袋上部が枯れかかってきているのはご容赦ください (^_^;)
 袋の開口部は開いてしばらくすると、茶色い色になります。単に枯れているから茶色いわけではありません。。。

ネペンテス ローウィ
©  JIPS

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 この写真は捕虫袋を下の方から見たものです。
 上の写真で開口部がとても広いのに反して、袋の中央部は大きくくびれていて、非常に細くなっています。  本種が他の Nepenthes のように単に昆虫などを採ることを目的にしていないことをうかがわされます。

ネペンテス ローウィ
©  JIPS

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 ふたの部分のアップです。ふたの下面 (180度反り返っているので、写真では上側) には、多数の剛毛が生えています。
 剛毛の間に白い物質が見えますが、これは植物から分泌される糖の一種で、小動物がこれを舐めに訪れると言われています。

ネペンテス ローウィ
©  JIPS

N.lowii
ネペンテス ローウィ ( 栽培品 )

 捕虫袋の開口部を上から覗き込んだところです。
 襟は多少の凹凸はあるものの、袋の内面と滑らかにつながっています。袋は堅牢で、内面はつるつるしています。
 ふたについた糖を舐めるために小鳥等がここに止まり、排泄物が中へ落ちていくと言われています。
 確かに、虫が入るにはちょっと穴の大きさは小さすぎるようで、穴は袋の開口部の左右の幅の 1/6 もありません。

 解説



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