おひるね日和に載せている写真は
これまで僕が旅先で出会い
思い出に残った風景ばかりです。

そこに写った情景を眺めれば
その時の風の鼓動
そして自分の心の移ろいが
今でも鮮やかに蘇ってきます。

そんな素敵な思い出が色あせないように
これまでおひるね日和に掲載した写真を
小さなギャラリーにしてみました。






2004年夏 白馬塩の道
夏の日差しに誘われて、唐松岳を下りた後、塩の道をぶらぶら歩きました。道の途中には足湯や由緒ある寺院が点在し、その場所場所に謂れがあって、山歩きとはまた違った魅力を感じることが出来ます。できるならば自転車に乗って、風を感じながらから辿りたい道です。

白馬塩の道 雨 神奈川 泉の森 冬
横殴りの雨の中、白馬から神城に続く古(いにしえ)の塩の道を歩きました。雨男の僕は、少々の雨にはもう慣れっ子になっていて、傘の下から覗く、雨に光る緑の田園に優しい美しさを感じながら、信濃に流れる姫川の源流を目指してのんびりと歩きました。 土と石ころと緑が、幼い心に何かを話しかけています。坊やの幼い心はどんな声を聞いているのでしょうか・・・。その言葉は、坊やがずっと大きくなってから、きっと心の奥から湧き出てきて、少年が生きていくために小さな光を照らすのでしょうね。

神城 塩の道街道 夏 湘南 江ノ島水族館
唐松岳に登った翌日、白馬から神城までの塩の道を歩きました。道のほとんどは舗装さて、かつての歴史の面影はほとんど見つけることが出来ませんでしたが、ガスに煙る後立山をバックに広がる青々とした田園風景をぼんやり眺めているだけで煙草で汚れた自分の肺が清められた気持ちになりました。 陰鬱な雰囲気だった江ノ島の水族館が見事にリニューアルして、大らかな明るい水族館に生まれかわりました。イルカのショーも楽しいですが、僕は一点を見つめて佇み続けるペンギンを眺めているのが大好きです。この子たちはいったい何を考えて、何を見つめているのでしょうか。この子たちの見つめる未来を少しだけ覗いてみたいものです。

大和 泉の森 朝 安曇野 春
梅雨とは思えない快晴の朝、泉の森公園でコーヒータイムと洒落込みました。木漏れ日の中、木々を通して流れる風が爽やかで、普段あまりコーヒーを口にしない僕も、何時の間にか満足顔でカップを口に運びます。すぐ近くでシジュウカラが綺麗な声で鳴いています。 安曇野の金掘村道の駅の横にある広大な畑は、四季折々の花が咲き、しかもバックに安曇野の象徴である有明山と見事な三角錐の常念岳が見事に聳えるため、恰好の撮影ポイントになっています。この写真は5月。満開の菜の花に残雪の常念岳が綺麗です。

鎌倉文学館 秋 大和 泉の森
鎌倉は日本を代表する文学者達と深い関わりを持った街です。旧前田侯爵家の別邸を改築したこの文学館からは鎌倉の町並みと由比ケ浜を見渡すことができ、そのゆったりとした空気の中で大佛次郎の直筆原稿などを眺めると、万年筆の匂いが漂ってくるような錯覚を覚えます。 何時の間にか小川って少なくなっちゃいましたね。僕が子供の頃は、竹で作った釣竿と網を手に、泥んこになって、どじょうやザリガニを採りに行ったのものなのですが・・・。でも、探してみれば、今でも自然と接する子供の遊び場はけっこうあるのです。僕には男兄弟がいないので、こんな光景を見ると羨ましくさえなります。

熱海玄岳 箱根 金時山
熱海玄岳、山頂への中間点、伊豆スカイラインの上を通過したところで休憩した時に撮った自分の登山靴。当時お気に入りだったザンバランの軽登山靴です。足をぶらぶらさせながら食べたおにぎりが美味しかった。 金時山でのスナップ。なんだかとてもイイ雰囲気のカップルでした。ふたりが見つめる先にはどんな未来があるのかな。僕にもあんな若い時期があったな・・・なんて妙に感傷的になってシャッターを切りました。

地蔵堂 うるし亭 十国峠から岩戸山に向かう
金時山、矢倉岳の登山口になる地蔵堂そばにある茶屋「うるし亭」で、ニャンコといっしょにアイスコーヒーを飲みました。古い民家の客間で甘味をいただくこのうるし亭は、地蔵堂のすぐそばにありながら、その気になって探さなければ見つからない隠れ家です。見つけてみれば「なんだこんなところに」・・・。地蔵堂に行ったら探してみてね。 十国峠の広い広い山頂で出会った女性が、岩戸山に向かう僕の後姿を写真に収めてメールで送ってくれました。この日、十国峠には青空が広がっていたのですが、時に小雪が舞うという不思議な天気の中の山歩きになりました。

信州 高ボッチ高原 夏 木曽中山道 夏
塩尻に宿を取ってのんびり歩いた高ボッチ高原。山頂の広い芝生に並ぶ大きな背中と小さな背中。仲良く眼下に煌く諏訪湖を眺めていました。青空の下、見ているこちらまで幸せな気持ちになる素敵な光景でした。 雨上がりの馬篭宿から妻籠宿までを歩いた旧中山道。悪天の翌日のせいか、静かな旅になりました。そんな中で、後になり先になり歩を進めた二人連れの男性ハイカーの後ろ姿をパチリ。ここまで来れば、あと僅かで妻籠宿です。

上州武尊山 冬 北アルプス蝶ヶ岳 初秋
気のおけぬ仲間と過ごした上州武尊のワンゲル小屋の一夜。翌朝、冬山装備で武尊岳に向かう数名のメンバーを見送った後、人気のないスキー場をふらりと散歩しました。パウダースノーの上ににつけられた小動物の足跡を追って・・・。 三俣から蝶ヶ岳に登る山道で出合った柴犬のゴン君です。可愛いカウベルを下げ、元気にアルプスを登っていました。犬連れの山行については意見が分かれるようですが、自然の中の犬の伸びやかな表情を見るたびに、僕は微笑ましい気持ちになってしまいます。

信州鉢伏山 夏 大和泉の森 春
高ボッチ高原から続く鉢伏山の草原で、風に揺れる一本の松の木にレンズを向けてみました。この日の信州塩尻には抜けるような青空が広がっていて、何時もよりずいぶんと空が高く見えました。牧歌的な景色が広がる鉢伏山は、僕のお気に入りの山のひとつです。 横浜の外れにある泉の森公園に住むカワセミ君です。求愛の季節なのか、オスが一生懸命に餌を運んで、メスの気を引いていました。くちばしの下がオレンジ色なのがオスなのだそうです。果たしてふたりの恋の行方は・・・。

大和泉の森 春 上高地 嘉門次小屋 いろり部屋
カワセミの後ろ姿が好きです。小さくてユーモラスだけど、真っ直ぐ引かれた背中のコバルトブルーに何処となく孤高を感じます。お気に入りの枯れ木の上で5分ほど毛繕いをした後、チィと一声鳴いて森の方へ飛び去りました。 上高地の嘉門次小屋の囲炉裏部屋のランプが暖かいオレンジ色が懐かしくて、思わずスローシャッターで一枚切り取りました。嘉門次小屋といえば、岩魚の塩焼きが名物ですが、出来れば囲炉裏部屋で暖かい炎を見つめながら食べたいものです。何時行っても混んでいるんですけどね

遠野 民話の里にて 丹沢前衛 松田山の昼下がり
遠野の古い民家の縁側で話し込むふたりの姿が微笑ましくて、そっとカメラを向けました。長い間、憧れの地だった遠野を、駅前で借りた自転車でのんびりと巡り、忘れかけていたゆったりと時間が流れる生活を、少しだけ思い出した気がしました。今年の収穫の話でもしているのかな。 松田山に続く舗装道路の登りに、うんざりし始めた時に出会ったお洒落な老人です。手のひらサイズの小さな画帳に、森の緑を静かに写し取っていました。老人の周りに流れていた空気が柔らかで、挨拶をしてすれ違った後、思わず振り向いて写真を撮らせていただきました。




Photo by Junpei
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