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Junpei



ニックネーム 【安曇潤平】
インチキ&病弱山男 雨降らし大明神 超不良サラリーマン
生まれ 10月15日東京の片田舎(戌年)即横浜に移住 
生息地 横浜の片隅・・・丹沢へ40分 鎌倉へ30分 三浦半島へ50分
性格 心配性の楽天家 好奇心旺盛 子供っぽい 放浪癖有 落ち着きがない ひとりが好きな寂しがりや 情緒不安定
特技 根拠のない自信を振りまき周りの人間を惑わす事 ちょっと目を離した隙にすぐ居なくなる事 旅先で美味い店を見つける動物的感 勇気なき撤退
苦手 高い場所 暗い場所 人の多い場所 生のタマネギ 大きな蛾
うろつく場所 登山用品店、本屋、文房具屋、玩具屋、路地裏、下町の商店街
好きなもの 馬刺し アン肝豆腐 タンメン 山菜天ぷら ゴジラ 鉄人28号 題名に「山」の字が付く本 美味しい水 美味しいお酒 柔らかい空気が漂う人 ほっぺの丸い女の子
好きな言葉 起死回生 自由奔放 待てば海路の日和あり 電光石火
好きな作家 佐瀬稔 筒井康隆 川端康成 開高健 梓林太郎 村上春樹 R・ハインライン コナン・ドイル R・ブラッドベリ 梶井基次郎 湯本香樹実
好きな景色 北ア唐松岳から見る剣岳 戸隠鏡池から見る西岳 安曇野の田園から見る有明山 上高地河童橋で歓声を上げる観光客
山行スタイル インチキ単独行  文科系的山登り  てっぺんにこだわりなし
数々の山歴の末、現在のまったり山歩きスタイルに落ち着く。
診断された主な病歴
アスペルガー症候群、自家中毒、原因不明の頭痛(検査7回)、骨折4回、頭部皮膚癌、急性肝炎、急性肺気胸、躁うつ病、突発性偏頭痛、不安神経症、クモ膜下出血 (それでも僕は生きている)
主な記録 ●厳冬期の信州松本(上土ルート)にて居酒屋四軒縦走の末、宿へのルートを見失い、路地裏単独ビバーク。翌日、穂高岳行きをエスケープして撤退。
●北ア唐松岳で雷雲とリフトの最終時間に追われ、山荘から黒菱のリフト乗り場まで40分で駆け下りる。(死ぬかと思った)
●仕事帰りに深酒をした末、帰宅中に家の鍵を紛失し、電信柱から自宅2階への厳冬期深夜単独登攀を試みて滑落。(全身打撲及び擦過傷で仕事を3日休む)
おまけの副業
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白馬不帰の剣


北アルプスに通い始めて
早いものでもう20年以上になるが
いまだ蝶ヶ岳、唐松岳、燕岳などの
入門コースの稜線歩きに終始している。


特に徳沢から
うんざりするような
長塀山の九十九折りの
尾根を越えて登る蝶ヶ岳は
お気に入りのひとつで
徳沢の伸びやかな天場に幕営しては
毎年のように往復している。

もともと僕は
ピークというものに
それほど執着心がないし
ましてや
山を征服しようなどという気持ちも
さらさら無いのだ。

確かに山登りは好きだ。

辛い尾根道で一服つけた時、
火照った身体を冷ましてくれる
清涼な空気。

ピークに達した時の達成感。

身を切るような冷気の夜
テントから見上げる満天の星たち・・・。

どれひとつとっても
山登りをしていなければ
決して感じる事が出来なかった感動だ。


しかし
これまでの山行を思い起こしてみると
やはり『山』そのものに
あまり拘っていない自分に気づく。

天候が悪ければサッサと山を降り
松本あたりで馬刺しを肴に
美味い地酒をちびちびやって
至極満足しているし
山に入る直前になって急に気が変わり
乗鞍や新穂高辺りの温泉に飛び込んで
ひとり贅に入っている事も間々ある。

要するに僕は
煩わしい都会の喧騒から離れて
大好きな
北アルプスの風を
感じているだけで
満足なのかもしれない。



そんな僕が
平成11年の3月
突然のクモ膜下出血に倒れた。

激しい頭痛に襲わて自宅で昏倒し
そのまま救急車で病院に担ぎ込まれた。

病院に到着した時
既に僕の意識はなく
家族は医師から
「余命2時間」と
宣告されたそうである。

しかし医師の的確な処置と
まわりの人達の愛情に支えられ
奇跡的に生還する事ができた。


5ヵ月に及ぶ辛い闘病生活の末
ダメージのあった視力も回復し
その年の8月の中頃
一度は再訪を諦めた
上高地の河童橋の辺に再度立った。


元気な頃には
穂高へのアプローチとして
30分程度で通過していた
明神池までの道のりを
1時間半かけて歩いた。


それでもバテた。


しかし

それ以上に自分が今

再び

上高地の土を踏んでいる事が嬉しくて

思わず目頭がが熱くなった。



土の道を歩き

森の緑を目にし

そして

山を仰ぎ見て

いまここに

自分が生きているという現実に

心の底から

感動したのである。



そんな僕の頬を

梓川のせせらぎを乗せた

北アルプスの

優しい風が

そっと

撫ぜてくれた

……



1999年11月6日

「北アルプスの風」開設日に記す