勝手論その5

 

 

@ 日本の対テロ政策は諜報収集分析作業でやるべき
今回のNYテロ事件の直後にはルーズな外交が目立った小泉総理だが
事の重大さに気がついたのか,それとも優秀なブレーンの助言があったのかは分からないが
ようやく本格的に外交政策をやり始めたようだ
しかも,その外交政策は方針から言えばなかなか優れており
日本がようやく大国の資格を持ち始めた感がある
(もっとも,行動が伴わねばならないが・・・)
少なくとも,米国にとってはうれしかったようだ
なにしろ,彼ら,小泉総理の得意とするパフォーマンスが好きだから・・・
どうせやるなら,NYの現場では視察だけじゃなく,演説もやったらどうだったろうか?
救助隊員に向かって英語で大々的に演説をしたら,もっと効果があったろう
さて,軍事協力が出来ない日本にとって,
最も期待されている分野はといえばおそらく
情報の収集及び提供だろう
特に,アジアにおいては英米の諜報機関はとても動きづらいのだ
その点,極東を除いて複雑な外交問題を抱えない日本は,諜報機関が動ける可能性はかなりある
ただし,そのためには政府の組織があまりにも貧弱過ぎる
ここはひとつ,行政改革の問題として新組織を作ってみたらどうだろうか?
言ってみるならば,日本版CIA・MI5及びMI6である
まずは内閣情報調査室を中央情報庁として整備し,全ての諜報を集中分析させる
そして,公安調査庁を総務省の一外局として国内情報調査庁とでもして国内諜報の収集にあてる
さらに,外務省の外局として国際情報調査庁を作り,国際諜報の情報収集をする
最終的には,現在の防衛庁の情報機関とも盛んに情報や人材の異動を行い
レベルアップを目指す
ここまでやれば,日本は英米両国も驚くほどの諜報大国になれるのではないだろうか
言っておくが,世界ではこの諜報と言うものが,とても重宝されるし
なかには,国の命運を決定するようなことにもなる
イスラエルなどは,その良い例だ
もしも,イスラエルにモサドほどの諜報機関がなければ,湾岸戦争のときにイラクの核によって
イスラエルは人の住めない国になっていた可能性を否定できない
組織を増やすことに関しては,組織のスリム化の観点から見れば反することであり
批判されるかもしれない
しか〜し,
真の行政改革は組織を単に減らすことではなく
効率化することなのではないだろうか?
このことを考えれば規制緩和と民営化によって各省庁の人員は相当数減らせるはずだ
その人員の中で優秀な者のみを新官庁へもってくれば十分な人員が得られることだろう
Kennyは,日本人は作られた機構の中でそれを運営する能力は他のどの国よりも上手だと思っている
これらの組織が作られ,まともに働き出したら米CIAや英MI6など比較にならないくらい
高度な諜報を仕入れてくれることだろう
そして,それが日本の最大の国際貢献及び防衛になることだろう

 

A 複雑なアフガン情勢の背景について
今回のテロは誠に複雑な国際関係が絡み合う場所が中心になってしまった
そもそも,アフガニスタンは非常に複雑な場所に位置している

周囲を囲むのはイランなど中東諸国やインドやパキスタンなどの南アジア
そしてカザフスタン,トルクメニスタン,タジキスタン,ウズベキスタン,キルギスなどの
中央アジアの国々である
宗教はイスラム教の国が多く,イスラム原理主義の過激派もいる場所だ
対立軸としてまず南東を見てみると,独立以来インドとパキスタンが事ある毎に領土問題で争い
遂に両国そろって核保有国となってしまった
それが元になり,先進諸国に経済制裁を受け,決して両国とも豊かとは言いがたい
次いで,西を見てみると強いイスラム主義のイランがおり
さらにその西には湾岸戦争の片方の主役であるイラクがある
イランは親米君主制であったが,国王の欧米型の経済発展を目標とした政策が貧富の格差を生み
それがもとで王制が倒れると,その後に出来たのがイスラム政権であった
ここで反米的な機運が高まり,東西冷戦の中,ソ連に近づきがちなる
さらに,米国大使館の占領などから,米国はこの国を「テロ支援国家」と位置付けて
各種制裁をかけた
ここで隣国のイラクの登場となる
実は,サダム・フセイン大統領は親米的であった
もちろん,対イランの政策的理由から米国が歩み寄っていき,イラクもそれに乗っただけだ
このイラクに対して米国は武器を渡したりした
その結果はおそらく皆さん御存知のイラン・イラク戦争
しかし,90年にはこのイラクがクウェートに対する石油利権の不満から侵攻すると
今度は今まで親米的だったイラクがいきなり反米的になり,戦争になってしまった
これが湾岸戦争である
米国が渡した武器が結果的に米国に向けられてしまったわけだ
そして最後に北を見てみるとロシアの息がかかった中央アジアの国々
小国がひしめき合っているので宗教や人種などが極めて複雑に入り組んでおり
この地域における旧西側諸国の外交は難航を極めそうだ
やはり,ロシアの協力が一番と言えよう
しかし,流石のロシアでもアフガニスタンは難解な場所で,結局ベトナム戦争の再現のような
形で撤退を余儀なくされてしまった
どれほどまでにアフガニスタンが難しいところかが分かるだろう
ただ,こういう複雑な地域でも比較的外交がしやすいのがわが日本とも言える
歴史的にも宗教的にもあまり偏っておらず,さらにODAという武器を日本は持っている
この地域は米国の覇権主義の中,昨日の敵は今日の友という現象が
何の不思議もなく通用している
今回のテロ事件によって,国際的に得をしそうなのが
パキスタン,イラン,インド,カザフスタン,トルクメニスタン,タジキスタン
ウズベキスタン,キルギスと言った国々だが
これらの中にはテロ支援国家の指定を受けていたり,厳しい制裁を受けたりしている国がある
つまり「昨日の敵」というわけだ
それがいつのまにか「今日の友」になってしまっている
そして,このような複雑な国際情勢は,アフガニスタン国内にも影響を与えている
アフガニスタンにある2大勢力はタリバンと北部同盟であるが
複雑な状況はさらに複雑になる
もともとタリバン生みの親はパキスタンで,敵の敵は味方
パキスタンと仲の悪いインドは北部同盟に接近
このことは,パキスタン政府も頭が痛いところだ
北部同盟とパキスタンは結びつきそうにないのだが,米国支持と言うことは
そのまま北部同盟支持ということになり兼ねない
ここにパキスタンのジレンマが生じる
米国に対抗してタリバンと共倒れする気は全くないが,インドとうまくやれる気がしないのだろう
正直な話,EUや米国が北部同盟に近づくのはパキスタンにとって嫌なのだ
こういう複雑な状況の中で日本は国際感覚をもって行動できるのだろうか?
そして,日本が主導となってなんとかならないのだろうか?
舵取りは難しいが,きちんとした諜報を元にして何らかの方法を考えれば
宗教色や軍事色,覇権色の濃くない日本ならば,決して不可能ではないような気もする
もちろん,
それなりの哲学を持った政治家がいればの話だが・・・
ちなみにKennyはそんな哲学も持ち合わせていないし
ヴィジョンも持っていないことを断っておく・・・(^^;鱈

 

B 総理よ,もっと動け!!!
さて,今回のテロ対策は国内的には合格だが,国際的には失格と書いた
そして,ドンパチが始まってからもこの評価は変わることはない
それは,外国から見たら総理の顔が見えないだろうからだ
これと正反対なのが連合王国のブレア首相だ
はっきり言って危険な橋を渡っているのだが,その貢献度は目覚しいものがある
米国と言うのは確かに唯一のスーパーパワーだが,その反面国交を持たない国や
むやみに敵視している,もしくはされている国が多い
だからこそ,米国大統領はあまり冒険を冒せないのだ
例えばイラン,イラク,リビア,シリア・・・
いずれもイスラム国家であるが,米国とのパイプはきわめて弱い
それに対して
英国はこれらの国々とのパイプを持っている
これを最大限に生かして,
国際外交の舵取りをし,外交大国となろうとしている
だが,このままでいいのだろうか?これが完璧にいくだろうか?
はっきりいって英国だけでは無理なような気がする
何故なら,今回のことでも積極的に軍事協力をしたことで,テロの標的になってしまっているからだ
下手をすれば,ブレア首相自身がテロの凶弾に倒れる可能性もある
それに,英国はこの地域の国々の旧宗主国とはいえ,キリスト教の国だ
これはこの地域にとっては非常にまずい
だからこそ,日本の役割がとてつもなく大きくなりかねないのだ!
イランなどはむしろ日本を友好国として扱ってくれるし,パレスチナ問題に関わっていない日本は
この問題も今後は協力することで信頼を得られるはずだ
さらに,キリスト教を持ち込むことがないのだから,英国よりも恐れられていないのだ
キリスト教国でない日本は,アラブ人にとっては英国より信用しやすいのだ
このような場合には日本は金をもっとばらまいてもいいと思う
そのための金なら納税者であるわれわれもどうして納得しないことがあろうか?
そこのところを分かっていれば,小泉総理はもっと動くべきなのだ
国内のことなどは,副総理でも置いて多少のことは任せても良いのではないだろうか?
むしろ,外交でもっと活躍して欲しい
今回のテロ事件は日本人も多く被害に遭っている
つまり
テロの被害者は米国のみならず,わが国も当事者なのだから

 

C もはや社民党は,外交に口出しする資格なし
さて,昨今の国会を見ていてあきれてしまったことがひとつ
社民党に所属する女性議員の質問(演説!?)だ
パキスタンに救援物資を運搬するのは民間航空機を使えというあれだ
彼女は自衛隊による紛争地域への物資運搬は,宅急便と同じものだとでも思っているのだろうか?
危険が全くない地域へ運ぶならばそれはわかる
しかし,行き先は今にも銃弾の嵐となりかねない地域なのだ
それを宅急便と同じように考えられたのではたまったものではない
しかも,彼女の案もはっきり言ってしまえば不経済なものにつきかねない
もしも,そのチャーターした航空機が落とされたら,その賠償は当然国が持つことになろう
自衛隊の輸送機ならばそれほど大きくないのでジャンボ機一機と比べたら
仮に落とされたとしてもさほど被害額としては大きくならない
そのようなことは考えもつかなかったのだろうか?
そもそも,このような考えを持つ人物を党の要職につける政党もいかん
いやいや,それどころか社民党自体,理屈の通らない政党ではないか?
だからこそ,このような人物を引き入れるのだ
ちなみに社民党は,護憲を旗印にしているが
社民党自身がどうも護憲などどうでもいいように思えてくる
各条項は見るが,前文は見ないとでも言っているようなものだ
9条に振り回され,前文の精神を忘れた政党としか思えない
先述の女性議員などは,憲法を守るどころか1〜8条を改正しろ!
とTVで言っていたことがあるくらいだ
もし社民党が真に現在の憲法を守ろうとするならば
まずは
前文に記載されている国際協調の精神を忘れないでもらいたい

 

D Kennyがタリバン攻撃を強く支持する理由
さて,Kennyは決して戦争は好きではない
いや,むしろ大嫌いである
それでも,今回の米軍によるタリバン攻撃は100%支持するし,日本ももっと参加して欲しい
なぜこのようなことをいうのだろうか?
「報復が報復を呼ぶ」などと言っている人もいる
しかし,それではどうすればよいと言うのだろうか?
そこで,このことを考えるときKennyは英国の方針がなかなかはっきりしていてよいと思う
では,英国がなぜ攻撃に参加したのだろうか?
これは,どうも
歴史の記憶・教訓から来ているようだ
Kennyも全く同感なのである
第二次大戦前のことを考えて欲しい
言うまでもなくナチスの台頭のことである
かつて英国をはじめとする欧州各国はナチスに対してかなり甘い政策を取っていた
英国においてはチェンバレン政権のときである
ナチスドイツの拡大政策に対してチェンバレン首相はじりじりと妥協を繰り返した
いわゆる「宥和政策」というやつである
それも,東欧の国々を占領し始めてからも,である
それは第一次世界大戦の悲惨な戦火の記憶があったからである(もちろんそれだけではないが)
このとき英仏をはじめとする西欧諸国はとにもかくにも戦火から逃れることを考えた
そしてその結果起こったことはもうお分かりであろう
フランスはナチスドイツに占領されるし,英国は本土攻撃を受けることになった
そしてそのことは,英国の衰退をはっきりと決定付けることになってしまったのだ
このことがあって以来,英国の政策ははっきりしている
湾岸戦争のときもそうであった
侵略に対しては,その対象が国家であろうと,そうでない組織であろうと
やるときは徹底的に破壊するということである
それは戦争が好きなわけではない
やるときにやらねば,被害はもっとひどくなる
ことを身にしみて知っているからにほかならない
こういった
歴史の教訓から英国は今回のように攻撃に参加するまでの態度を取ったのだ
決して特別な関係にある米国の支援だけではない
もちろん,米国よりももっと冷静な考えに基づく冷酷なまでの判断なのである
この背景を考えてもなお,戦争反対を言い続ける人がいるのだろうか?
それは,歴史から何も学んでいない者の考えではないかと疑ってしまうのである
ここでひとつ予言しておこう,英国はおかしな妥協はしないであろうということを

 

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