マタニティースイミング

妊娠中に適したスポーツというと、かなり限定されています。妊娠中は、重い妊娠子宮を抱えていますから、あまり身体の負担のかかる運動は、避けたいものです。そこで、水の浮力を利用して、妊娠子宮を浮かした状態で、身体を動かすことのできる「水泳」を取り入れてみてはいかがでしょうか。「水泳」は水中でのびのびと身体を動かし、泳ぐ楽しさを味わいながら、体の機能低下の予防にも役立ちます。

マタニティースイミングによって、効果が期待できること。
*分娩に必要な筋肉を使い、衰えを防ぐ。
*下半身の流血を促進し、うっ血,静脈瘤、むくみ、だるさを取り除く。
*弛緩法を覚えることができる。
*いきみ(ラマーズ法)の練習が水中でできる。

 妊婦さんは、動かないでいるとかえって、疲れやすくなります。人間は適当な運動をしてこそ血液の循環も良くなり、精神的にも爽快な気分になり、活動力が増してくるものです。特に、妊娠中は運動不足になりがちですので、なおのこと運動効果が出てきます。

妊娠の経過が正常でしたら、積極的に運動されることをお勧めします。

妊婦水泳をやるといいという話は良く聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
1)妊娠期間中が快適で、きわめて気持ち良くすごせます。
2)お産が、より軽くなることが期待できます。
3)妊娠していないときよりも、水泳がどんどん上達します。
 もちろん1回や2回プールで泳いだからといって、この3つの効果を期待することはできません。やはり長く続けることに、効果が現れてくるのです。でも妊婦水泳は学習や鍛錬のように、厳しさを要求していませんから、一度やってみると心が清々しくなり、知らず知らずのうちにお産が軽くなるコツを覚えてしまうのです。
 妊娠中は「つわり」「背痛」「腰痛」等が起こって、一般には不愉快な日々が多いものです。それなのに泳ぐと、どうしてこのような不快感が消え、楽しい日々が送れるのでしょうか。これは水の浮力で重い子宮を支えていた背筋や腹筋の負担が取れ、筋肉が休まる為です。ですから水からあがると、又重い子宮の負担を感じ、「ああ、まだ妊娠中なんだな」と思い出します。これは妊娠末期になるほどその感じは強いです。

TOPIC

*血圧と体重
 妊娠すると食事内容の為、或いは、体質的に血圧が上昇し、体重が増える傾向になります。これがひどくなると「妊娠中毒症」といって、おなかの中の赤ちゃんの発育も低下し、産後も高血圧が続き、腎臓の働きが悪くなることがあるので、毎回診察には必ず血圧と体重を測定するようになっているのです。水泳をすると必ずといっていいほど、血圧が下がり体重も減少します。これは血中コレステロールなど、中性脂肪が運動の為に燃焼することもあり、中毒症予防にも働くのです。

*妊娠すると泳げない人も泳げるようになる?
 妊娠すると非妊娠時より浮力がつくのでしょうか。今まで泳げなかった人も、早く水泳が身につくようになります。勿論妊娠したからすぐ泳げるようになるとはいいません。やはりカナヅチの人はブクブク沈んでしまいます。けれども、とても早く水に浮く感覚を身につけてしまうのです。浮くようになるには、顔をまったく付けないで浮くことはできません。泳げない人はこれがどうしても嫌でできないようです。けれども妊娠すると不思議なことに、これが苦にならなくなるのです。やはり赤ちゃんがお腹にいるという「精神的な強さ」を持つからでしょうか。水に潜ることも簡単に慣れてしまいます。

*赤ちゃんの目方
 妊婦水泳をした人から生まれてきた赤ちゃんは、DETAから見ると、ほとんどが標準の目方(3200g前後)でした。赤ちゃんの目方は重くても軽くても注意しなくてはなりません。標準値(2500〜3800g)が一番丈夫なのです。目方の重い赤ちゃんはお母さんの体格が大きければ、差し支えありませんが、糖尿病の要因を受けて大きくなったとすると、しばしば呼吸器系の病気や、感染症にかかりやすく、丈夫な赤ちゃんといえないのです。又、最近では肥満傾向の赤ちゃんが多く、目方も4000gを超えることが珍しくありません。目方が大きいと丈夫のように思われますが、内臓の未熟なことがよくあり、必ずしも丈夫といえません。

*対象者  妊娠五ヶ月以上の妊婦

妊娠中を、楽しく過ごしましょう!

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