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推理小説の書き方1
 このサイトをご訪問下さる方の中には、これから推理小説を書こうと考えている方もいらっしゃるようです。そのような方は、基本的には「書くための参考書」にある本を読むことをお奨めしますが、手っ取り早く知りたいという方のために、それらに書かれているエッセンスをお届けしましょう。如何にも私が講義をするかのように書いていますが、無論私の考えではなく、ご紹介した参考書に書かれていることをまとめただけです。
001 ストーリーとプロット
 構想の段階で二つのことを書き出します。一つはプロット、つまり、殺人とそれがどういう風に行われたか、そして恐らく最後にはどうなるかということです。
 もう一つはストーリー(ストーリーライン)、つまり最初に何が起こり、次に何が起こり、その次に何がという大変大雑把なアウトラインです。
 そもそも何を書くかが決まらなければ、書きようがありません。まずは難しいことを考えずに物語を想像してください。想像ができましたら、前述のプロットとストーリーラインを組み立てて行きます。

002 プロットの組み立て方
「プロットを組み立てるといっても、どのようにやれば良いのかわからない」そんな声が聞こえてきそうですが、プロットの組み立て方には、様々な方法があります。一概にこれと言って指し示すことはできませんが、大凡次のようなことを考えれば良いのではないかと思います。

 1.事件の概略
  犯人/犯行の方法/事件の発生する場所/時期と日時/犯人と被害者の関
  係/犯行の動機
 2.謎(トリック)の詳細
 3.登場人物の詳細
 4.幾つかの章に分け、各章ごとに場面と登場人物を設定し、状況の変化
  や人物の行動を書き留める。

 これ以外にも必要なことがあったら書き留めて置いたほうが良いと思います。

003 古典的なプロットのパターン
 プロットにはあるパターンが存在しています。古典的というには、現在でも尚生きているといっても良いパターンをご紹介しましょう。

 起……今まさに恐ろしい困難に遭遇しようとしている主人公を紹介
    (主人公が最初の困難に遭遇する)

 承……主人公はその困難を乗り越えようとするが、さらに深みに嵌る。
    (主人公が困難の穴から這い上がろうとすればするほど厄介な事が
    持ち上がり、事態はどんどん深刻化していく)

 転……ついに考え付かないほどの困難に巻き込まれ、最悪の事態にな
    る。
    (主人公の状況はもうこれ以上悪くなりようがないと読者が確信し
    たとき、大型爆弾級の最後の困難を投下する)

 結……恐ろしい体験と耐え難い状況によって深く傷つき変貌を遂げた主
    人公は、自分自身についてあるいは人間が常に置かれている状況
    について何かを学び取る。
    主人公は、取り囲まれている危険な状況から抜け出す為には自分
    が何をなすべきかを悟る。主人公はなすべき行動を実行に移す。

 ハリウッドの映画やテレビドラマ、もちろん小説もそうですが、それらを思い起こしてみてください。ご紹介したプロットにぴったりはまっていませんか?

004 最初の一行
 ところで、プロットが決まり、ストーリーラインも組み立ったならいよいよ書き出すことになりますが、どのように書いていけば良いのだろうと、また考えてしまうと思います。有名な作品の一ページ目だけを読み漁って、参考にするのも手です。しかし、手っ取り早く知りたいというならば、次の手法などは効果的です。
 先ず謎を提出するように書いていきます。その謎はちょっとしたもので構いません。ちょっとした疑問を投げかけようということです。読者は答えを知りたくて次へ読み進みます。具体的にどういうことかを例示します。

[例]
「コーデ警部は、気をつけの姿勢でこちこちになって立っていた……」

 読者はすぐに一体何故この男はこちこちになって立っているのだろうという疑問を感じ、その答えを知りたくなります。そして、その答えを求めて読み進んでいきます。
 良い作品を書きたいなら、まずは最初の一行に全精力を注ぎましょう。最初の一行が優れていない作品はダメだと言われています。

005 最初の登場人物
 最初のページでは、二人よりも多い登場人物の名前は出すべきではないし、そのうちの一人は殆どの場合、主人公でなければならないと言われています。
 それはそうですよね。冒頭から5人も6人もの人物が登場したら、誰が誰だかわからず読む気を失ってしまいますよね。主人公は誰なのか? 読者は早く知りたがります。これから読み進めていくにつけて、自らの分身となるのが主人公です。その主人公がつかめないとしたらどうでしょうか? そう考えてみれば初めの言葉の意味もわかってくると思います。

006 登場人物の特徴
 登場人物に何か特徴を与えましょう。その人物を最初に描写するときに、この特徴をおおいに強調しておけば、後でこの人物が出てくる場面では、その特徴に言及さえすれば、或いは遠まわしに触れるだけで、読者の頭の中にその人物が生き生きと思い出されます。

007 会話
 読者は会話の部分には、自然に引き込まれていくものなので、少なくとも原稿用紙二枚以内に会話が始まるように努力するべきだと、アメリカの高名なミステリー作家は言っていますが、2枚以内に会話というのはちょっと難しいかもしれません。ただ冗漫な場面描写や内面描写ばかりが延々と続かせるよりは、早めに会話を始めるように心がけるということは必要だと思います。

008 ひねりを使う
「ひねり」を上手に使いましょう。つまり、読者の予想と違う方向へ物語を展開させたり、様々な行為の結果を通常と違う方向へ向けさせたり、意外さを与えるようにするのです。

009 区切り
 それぞれの区切りで、読者が次に何を知りたいと思っているのか? を考え、それを提供します。しかし、読者がちょっと意外に感じる方法で伝えることが望ましいのです。

(続)

(2002/07/17)

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