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長編・中編・短編?
 小説には、純文学や推理小説などといった分け方の他にも、短編小説や長編小説といった長さによる分け方があります。この短編とか長編という言葉を、私たちは何気なく使っていますが、では短編とは原稿用紙換算で何枚位の小説のことを指すのでしょうか? 長編は? 今回は小説の書き方とは関係ありませんが、書く上での基礎知識として、小説の長さについて調べた結果をお伝えします。
長編・中編・短編?

 小説を書くに当たって、文芸賞に応募する場合には賞によって規定枚数がありますので、自らの作品が長編なのか? あるいは短編なのか? と考えることはありません。しかし、この短編、中編、長編が一体原稿用紙換算で何枚位を基準としているのか? については気になるところではあります。
 このことについては、どうやら出版界でも明確な基準があるわけではないようですが、なんとなく線引きはあるようです。その辺を探ってみますと、次のような記述がありました。
 まずは、インターネット上で公開されている「島田荘司の創作Q&A」では次のように書かれています。

「おおよその目安ですが、短編は400字詰め換算で200枚未満。中編はそれ以上、300枚未満。長編は300枚から350枚以上ですね。要するに、それひとつで自然に製本できる量が長編です」

 また渡辺淳一の「創作の現場から」には、明確な基準はないものの250〜300枚以上を長編といい、短編は100枚以下で100枚〜250枚あたりまでが中編、そして70〜80枚位を本当の意味での短編といい、30枚以下の短い作品は掌編というべきだと書かれています。
 掌編という聞き慣れない言葉が出てきますが、「掌編小説とは、原稿用紙10枚以内程度のごく短い小説で、川端康成が言い出し、吉行淳之介も好んで使っていた」言い方のようです。ショートショートという言い方がありますが、掌編とはショートショートとほぼ同義であると考えて良さそうです。ショートショートではアメリカのO.ヘンリーが有名ですが、日本では星新一や筒井康隆が有名です。
 話が脇道にそれてしまいましたが、この短編、中編、長編については、文芸賞の規定枚数も指針の一つになりそうです。つまり長編として募集している文芸賞の規定枚数は、だいたい350枚以上が多く、短編では100枚以内が多いようです。また短編では、50枚以上100枚までとか、30枚以上100枚までといった規定を設けているところがあります。
 これらを集約してみますと、次の通りとなります。

 長編小説  300〜350枚以上、250枚〜300枚以上、350枚以上
 短編小説  200枚未満、30以上100枚以下、50〜100枚まで
 中編小説  短編と長編の中間
 掌編小説  30枚以下、10枚以下

 数学や統計とは違いますので、平均値をとるわけにはいきませんが、おおよそ次のように捉えて良いのではないかと思います。

 長編小説  300枚以上の小説
 中編小説  100枚から300枚以内の小説
 短編小説  30枚以上100枚以内の小説
 掌編小説  30枚以内の小説

 文芸賞に応募する場合には、規定枚数を守ることは重要なことです。350枚以上と書かれているのに340枚で応募することは避けなければなりません。しかし一般的な話の場合に、300枚だと長編で299枚だと中編というのもおかしな話です。本にした場合には10行も違わないかもしれません。また110枚を中編と呼ぶには抵抗がありますし、32〜3枚の作品を短編というのも抵抗があります。これらは応募規定のような厳密なものではありませんので、おおよその尺度として、

 長編小説  350枚位より多い小説
 中編小説  200枚前後の小説
 短編小説  70〜80枚位の小説
 掌編小説  30枚以下の短い小説

といった程度の認識でも良いのではないかと思います。

 ところで、インターネットには自作小説を公開しているサイトがあります。その実数はわかりませんが、かなり多いようです。そうしたサイトでは、このような小説の長さについて、誤った認識が広がっているように感じています。
 せいぜい原稿用紙3〜4枚分の作品を短編と称していたり、40〜50枚程度の作品を長編と称しているサイトを見受けます。
 インターネットは紙の本とは違うから、基準も違うんだという考え方はありそうな気もしますが、例えば文字で書くと500枚の作品が映画で表現すると2時間になるという明らかな表現手法の違いからくるものならわかります。しかし同じ文字を使っていながら、ホームページでは50枚を長編といい、紙では350枚以上を長編というといった違いがあるとは思えません。そもそも短編と長編では書き方が違いますから、同じ文字を使って紙では350枚以上で表現することを、ホームページでは文字だけを使いながら50枚でできるというのは、奇怪な話です。
 そうしたサイトを運営されている方は、作家を目指している方が多いようですから、掌編、短編、中編、長編といった作品の長さについて、一般的な認識を持たれた方が良いと思います。

(続)

(2003/11/02)

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