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これから作家を目指す人のためのQ&A

 これから作家を目指そうと考えているけど、どうすればいいか分からないという方もいらっしゃると思います。そこでどうすれば作家になれるか? 作家になるためにはどうすればいいのか? そして作家の中でもミステリー作家になるにはどうすればいいのか? そうした初歩的なことについてQ&A形式でお知らせしたいと思います。もちろん既に作家への挑戦をされている方には、必要のない情報です。

A1:
 作家になるには、いくつかの方法があります。出版社に原稿を持ち込む方法、作家の推薦を受けて出版して貰う方法、公募の文芸賞に応募して賞をとる方法などです。他にも自費出版などの道がありますが、それでは作家として認めて貰えたことにはならないでしょうから、ここでは省きます。
 出版社に持ち込む方法で大成したのは京極夏彦氏ですが、この方法はよほど優れていないと無理です。また第二の京極夏彦を捜せ! とばかりに、持ち込みに門戸を開いたものとして「メフィスト賞」「KAPPA-ONE登竜門」「NEXT賞」などがあり、応募締切なしで原稿を募集していますので、この方法をとりたい方は、前述の三賞を狙われるといいでしょう。ただし、三賞ともエンターテインメント系です。
 作家の推薦を受ける方法では、綾辻行人氏、歌野晶午氏などが世に出ていますが、全く一般的な方法ではありませんので、考えない方が良いと思います。
 三つ目の公募の文芸賞に応募して賞をとる方法は、もっとも一般的で作家への王道といえます。持ち込みも前述の三賞を狙うならば、公募の賞への応募とおなじでしょうから、この方法がもっともお奨めです。そして大賞を受賞して作品が出版されれば、晴れてプロの作家と呼ばれることになります。

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A2:
 はい、書けます。勉強もしないのに絵が上手な人や歌が上手い人がいます。それと同じです。そして元々上手な人が勉強すればもっと上手になりますが、最大の勉強は書くことです。そして次が読むことです。
 実際に書いていると、様々な問題に突き当たります。人称による書き方はどうすればいいのか? 上手い場面転換の方法は? 物語の糸口はどう書き出すべきか? などなど……。そうした問題に突き当たったら、それらについて書かれた書物を漁ればいいでしょう。カルチャースクールなどで、小説の書き方を勉強してからでないと書けないなどと言うことはありません。

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A3:
 当たり前の話ですが、書きたい話を思う通りに書き留めて行けばいいのです。それで素晴らしい作品が書き上がるのならそれに越したことはありません。それが基本です。
 しかしそれでは、何の設計図もなしに家を建てるようなもので、方々にズレが生じてしまいます。そこで小説でも大凡の設計図を作って書いていくことになります。この設計図がプロットと呼ばれるものです。(プロットとは何かについては、推理小説の書き方1をご覧下さい)

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A4:
 誰でも筆記用具は必ず持っていると思われますので、応募原稿の清書でない限り、特別揃えなければならない道具はありません。
 もしもパソコンをお持ちであるならば、パソコンで書くことをお奨めします。削除、挿入などが楽に行えますので、思考に書くことが追随しやすいからです。ただし、小説を書くのにパソコンが必要と言うことではありません。
 もしも国語辞典がなかったなら、一冊位は持っていた方が良いと思います。漢字が間違っていたり、語句の意味が間違っていたら致命傷です。用語用例辞典があれば尚良いでしょう。

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A5:
 今は、パソコン(ワープロ)が主流になりつつあり、ワープロ原稿であれば白紙へ印刷したものを応募原稿として使います。その場合、印字の文字数と行数は応募要項に示されているケースが増えました。
 しかし手書きの場合には、昔ながらの原稿用紙を使うことになります。

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A6:
 その文芸賞を主催している出版社の雑誌に掲載されます。例えば江戸川乱歩賞なら講談社から刊行されている「小説現代」に、オール讀物推理小説新人賞なら文藝春秋から刊行されている「オール讀物」という具合です。ミステリーおよびエンターテインメント系の代表的なものを以下に上げます。

  江戸川乱歩賞       「小説現代」講談社
  横溝正史ミステリー大賞  「野生時代」角川書店
  鮎川哲也賞        「ミステリーズ!」東京創元社
  オール讀物推理小説新人賞 「オール讀物」文藝春秋
  小説推理新人賞      「小説推理」双葉社
  メフィスト賞       「メフィスト」講談社
  小説すばる新人賞     「小説すばる」集英社
  日本ホラー小説大賞    「野生時代」角川書店
  日本ファンタジーノベル大賞「小説新潮」新潮社

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A7:
 とりやすい賞、とりにくい賞というのものはありません。良い作品ならどの賞もとりやすいでしょうし、それ程でもない作品ならどれもとりにくいでしょう。ただ、募集しているジャンルには気をつけなくてはいけません。純文学の賞なのか? エンターテインメント系なのか? 募集作品のジャンルに合わなければ、どんなに優れた作品でも受賞は不可能です。応募要項を調べて、書きたい作品と合うジャンルの賞を選びましょう。

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A8:
 良い作品さえ書いていれば有利不利はありません。しかし、一般的にいって必ず出版される長編賞のほうが、すぐに一本立ちができますので有利といえます。短編の場合、その作品だけで本を出版することが出来ないために、一本立ちするには時間が掛かってしまいます。とは言え、短編は長編ほど書く時間が掛かりません。どちらが良いかは、その人の考え次第でしょう。
 ただ、直ぐに一本立ちできる長編賞の方に人気が移り、才能ある方は長編賞に集まる傾向があるようです。

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A9:
 ミステリーを書いてA1などの方法で世に出ればいいのです。当然文芸賞の中からミステリー関連の賞を選ぶことになります。ミステリー賞は、文芸賞全体の数からすれば多いとは言えませんが、決して不足はありません。そして幸いにしてミステリー賞は大変充実しています。しかも長編なら、直ぐに作品が出版されてプロ作家デビューできるものが殆どです。かつては文学賞もそうでしたが、今では主催雑誌への掲載にとどまるケースが少なくないようです。そのような状況から、プロになるにはミステリーを書くことが近道とさえ言われることがあります。直木賞作家の顔ぶれを見れば、なるほどと頷けるものがあります。

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A10:
 そもそもミステリーとは一体何か? ということになりますが、誤解を恐れずに簡潔に言うならば、「読者に謎を提供し、その謎を論理的に解明していく過程を描く小説」といえます。従いまして、そうした骨格を持った小説を書けばいいのです。
 しかしミステリー賞の応募要項に「広義のミステリー」という言葉が書かれているのを目にしていることと思います。この広義とは何か? 反対に狭義とは何なのか? という疑問に突き当たると思います。
 ミステリーと名のつく賞であるならば、少なからず謎とその解明という命題は欠かせませんから、広義だろうが狭義だろうが必要な要素であると言えます。しかしその扱いの比重により違いが生まれます。読者に謎を提示し、謎の解明に必要な全ての手掛かりをフェアに見せ、その上で読者と謎解きの知恵比べをするというものが、古典的といえば古典的、基本といえば基本となるミステリーの骨格です。そのことに徹頭徹尾こだわるものが狭義のミステリーとなりますが、謎やその解明よりも、謎の解明に挑む主人公のスリルに富んだ冒険を主体に書くものや、謎解き役となる主人公の生き様や人間性を主体に書くものなど、謎やその解明を通してそれとは異なるものを描いていくものが広義のミステリーです。
 しかしこの境界線は、非常にぼやけたものであり明確な線引きがあるわけではありません。狭義のミステリーの中でも様々な種類があり、その中には広義とされるものとの差異が明確ではないものもあります。この辺のことを詳しく書いていますと一冊の本でも足りない位ですから、是非小説だけでなく評論なども読んでみて下さい。

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A11:
 ハッキリ言ってわかりません。ベストセラー作家になれば、それは大変な収入が得られることと思いますが……。そもそも作家の収入の構造とはどのようになっているのか? ということですが、出版された本の印税と雑誌等に掲載される小説の原稿料が主体となります。このほかにも講演料とか、テレビドラマや映画などになった場合の放映料とか、いろいろあると思いますが、主体はあくまでも印税と原稿料です。
 この印税ですが、出版される本の部数×販売価格×10パーセントとなっています。計算をしやすくするために出版部数が10,000部、価格が1,000円としますと、10,000×1,000×0.1となりますので、答えは1,000,000円となりますね。これが10万部になりますと1千万円、100万部になりますと1億円となります。
 この計算を売れた本の数と誤解されている方もいますが、出版界は全て刷った本の数が勝負です。最近ではベストセラーとなる確信があれば別ですが、そうでない場合には5,000部単位で刷るようです。これはもちろん作家の実績によって違うようではありますし、出版社によっても方針は違うと思います。本の奥付に第一刷発行○月○日と書かれていますが、あの刷数が多いほどよく売れているわけです。
 ところで収入には所得税がつきものですが、先ほどの例で幸運にもその年1年間で10万部が刊行されたとします。その場合1千万円を収入額として申告するわけではありません。作家の収入は、サラリーマンのように一定して入ってくるものではなく、多い時も少ない時もあります。すなわち安定しないわけです。それを多い時だけ一気に徴税しては生活がなりたたなくなります。そこで収入額を平均化するために5年で割って、その1年分の収入で税額を計算します。これを平均課税と呼びます。仮に5年間1千万円しか印税が入ってこないとすると、5で割りますから200万円が作家としての年収となり、5年間この分の税金を納めます。日本は累進課税となっていますので、収入額が多いほど税率が上がることはご存じでしょう。ですからこうして平均した方が納税する身になれば有利になるのです。長者番付で作家の推定収入額が公表されますが、あれはこの平均された収入額です。
 さて、これが作家の収入ですが、ご自身の才能とこの試算を比べてご判断いただくことになりますが、10万部売れても1千万円か? と見るか、実際に価格は1,500円から2,000円弱だから、100万部売れると2億円、ベストセラーを3冊書けば6億円、それに文庫本の印税や放映料が入れば……と、アメリカンドリームならぬジャパニーズドリームを夢見るか? それはご自身の判断に委ねます。

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A12:
 応募要項の中に「右肩綴じ」などと書かれている場合もありますが、懇切丁寧に綴じ方について記載されている要項はまずありません。綴じ方については、要項に記載がない場合には自由で良いのかと言えば、そうではありません。綴じ方位知らない筈はないという前提で記載がないのです。ではその綴じ方とはどういうものなのか? いくつかの原則がありますで列挙しましょう。
 1.縦書きの原稿は右綴じが原則  2.右肩綴じの場合には、用紙の右上(右角)に一カ所穴を開けて綴じる
 3.右端二カ所とある場合には、右側に二カ所穴を開けて綴じる  4.綴じ方は、バラけてしまわないようにしっかり綴じられていて、尚かつ解きやすいことが必要  5.穴は、出来る限りパンチを使うようにする  6.綴じる場合には綴じ紐を使う。ホッチキスや糊、製本具などで綴じないこと。

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