HI SOU KI HEI
KA I ZA R D



■機種、及びメーカー、ジャンル■
メサイヤ/PCエンジンHuカード/SLG・RPG

■STORY■

24世紀、大規模な世界大戦の痛手から立ち直り、本格的な宇宙開拓時代の始まりに希望と平和が人類に満ちていた時…西暦2384年、宇宙からの侵略者が現れ木星のヨーロッパ連邦の開拓基地が襲撃され壊滅、平和は終わりを告げた。各国の対応が遅れる中、この宇宙からの侵略者は圧倒的な力で各惑星基地を破壊しつつ、遂に地球へ降り立つ。地球上の各連邦は共同軍を結成、これに対したが一部地域を死守するのがやっとであった。
そんな時、アジア連邦がその最新の技術をつぎ込み、密かに造られたSERD(ザード=高機動人型兵器システム)が完成。

地球の反撃が、今、始まる…。  


■COMMENT■

PCエンジン初期〜中期の名作です。一応SLG・RPGの元祖だと考えています。以前『超時空要塞マクロス〜愛 覚えていますか〜』の解説の際に少し述べましたが、S・RPGの草分け的存在は、『ファイアーエンブレム』が有名ですが、本家は『飛装騎兵カイザード』だと思っています(その位、完成度は高い作品でした)

内容は…今となっては普通のSLG・RPGです。各ユニットを操作して経験値を稼ぎ、使用キャラを自分好みにレベルアップさせつつ各シナリオの勝利条件を満たす…と言う例のアレです。しかし、このゲームは人型兵器に乗っていると言う設定なので、最初から最後まで武器の攻撃力も、装甲の防御力も変化無し(笑)戦闘で生死を分けるのは攻撃経験値と回避経験値の2点です。経験を積んだ分だけ命中率や回避率が上がるワケですね。このゲームはその辺りが重要視されていて、「さっきなら3発当たれば即死だったが…今のオレは違う!!5発は耐えられる!!」と言うような事はありません。レベルがどれだけ上がろうが3発で死ぬときは死にます(笑)

でもメカ物のSLGはコレで良いと思います。例えは悪いですが、ガンダムWの五人組、絶対彼らの能力に応じて装甲値跳ね上がってます(笑)メカ物はそれやられると冷めちゃうんですよね。だって敵弾が軽く命中しただけであっさり死んじゃったZガンダムのアポリーやロベルトの立場は(笑)…あ、すみません話がそれてしまいましたね(笑)

最も後半苦しくなるのと、「俺はこんなに強くなった!!」と言う成長願望、爽快感を満たすためにメカ物「お約束」の番組後半における自機の乗り換えによるパワーアップは欲しい気もしましたが…何しろ古いゲームなので。(ちなみにこの欠点は同社の後発ゲーム『超時空要塞マクロス〜愛 覚えていますか〜』では主人公のLVアップに合わせた機体のクラスチェンジと言う形で解決済み)

それから先程言った攻撃経験値と回避経験値ですが、攻撃経験値は攻撃を命中させた(もしくは破壊した)場合に上昇し、回避経験値は攻撃を受けた回数だけ上昇します。
…実はコレがクセモノで(笑)序盤は敵も弱いので敵に殆ど攻撃させる事無く進めますが、このように敵の攻撃を喰らう事が少ないと回避経験地が上がらず、難易度の高い後半で攻撃力も命中率も高い敵と乱戦になると、面白い位、敵の攻撃を喰らい、あっと言う間に撃墜されます(笑)ある程度弱い敵にもボコられておくのも重要です。…まあ自分は「修羅場を経験したヤツは、いざと言う時の実戦では強い」事を教えてくれているのだと好意的に解釈する事にしていますが(笑)

でも当時としてはとても画期的で魅力的なゲームでした。周囲数マスにダメージを与えるW・SERDの『メガテリウム・ボマー』(マップ兵器みたいなモノです)味方の回避率を1ターンの間99%まで跳ね上げるE・SERDの『メソニックス・バリア』、エネルギー充填まで2ターンを必要としますが攻撃範囲内の敵を問答無用で消滅させる、母艦アルテアの『ハンスキー・バンダー砲』…今なら結構当たり前かも知れませんが、当時は物凄く画期的でしたし、人型兵器と言う事でオタク心を熱くさせてくれました(笑)

個人的には100点満点中(当時としては)95点でした。マイナス5点は何かと言うと…続編を匂わせておいて出さなかった事(涙)何処行ったんだよ…『カイザード2』。

でも実はコレメサイヤのお家芸で(笑)何故かメカ物のラストは続編を匂わせて終わります。ホラー映画のラストじゃないんだから(笑)…普通に終われば良いのに。

この先ネタばれ(各作品ラスト、記憶に基づいているので多少の間違いアリ)

飛装騎兵カイザード
敵のラスボス「ふっ、我々に勝っても…銀河の彼方にはもっと強大な敵が…我々はそいつらに備えて軍備を拡大していたに過ぎない…降伏しなかった事を後悔するぞ…ぐふっ!!」

重装騎兵ヴァルケン
(ED後、遠方の友軍より通信)
「もしもし?!こちら辺境偵察基地!!未確認の軍勢が…」(通信途絶える)

重装騎兵レイノス2
(ED後、遠方の友軍より通信)
「もしもし誰かいないのか?!こちらに未確認の軍勢が…」(通信途絶える)

出せよ続編!!(笑)
…いや『レイノス』と『ヴァルケン』の世界観が繋がっているのは知っていますし、それぞれ「2」が出ていますが…何かあまりにも各作品の世界や雰囲気が繋がっていない気がしますし…何より各作品ED後の「引き」が全然意味を成していない(笑)(特に『レイノス』→『レイノス2』どー見ても本当に全然関係無い、一体何だったんだ?!最後の通信(笑))…どうせなら最後の「引き」やめましょうよメサイヤさん(笑) 

■追加情報■

先日、MBのG様よりメガドライブのヴィクセン357という ゲームが一応『飛装騎兵カイザード』の続編ということになってるようです。との有力情報を戴きました。MBのG様、どうもありがとうございました!!。

ただし、SERDは出て来る様ですが、ゲームはまるで別物で、 好みがかなり分かれる内容になっている様で、システムからシナリオまで殆ど共通点が見当たらないので、カイザード2を 期待してやるととてもがっかりするそうです(ああ…やはりメサイヤのお家芸(笑))

しかも、とにかく敵が固く、カイザードの様に※エバラ一発で KO!
(※ジャン・エバラ…接近戦専用機A-SERDのパイロット。接近戦しか出来ないものの、攻撃力は凄まじく、ラスボスとその直前の大物中ボス以外ほぼ一撃で倒せるワイルドな兄貴。好物は焼肉…安直なネーミングですね(笑))
…と言う爽快感が全く無い上に、序盤の弱い機体を後半も使わざるを得ないため、 逆にこっちが一発でやられるのは当たり前。しかも空母が(これがまた弱いそうです(笑))やられるとゲームオーバー。しかも、その性能差の中で物量でも圧倒されるのでたまらないそうです。そして、極めつけには最終面近くの敵軍の工場で、毎ターン 湯水の様に一騎当千ロボットが生産されて来るそうです。

…何か、濁流の様に押し寄せてくる連邦軍に、ビグ・ザムと少数のリックドムで立ち向かうドズル中将の様で想像しただけで涙が出てきそうな光景ですね(涙)事実、MBのG様のメールにも

マジで泣きました。

てゆーか敵が強すぎてクリア不能。

…と言う文面がありましたので、あながち間違ってもいないのかもしれません。戦闘画面は横スクロールのアニメーションだそうです。現物を見ていないので何とも言えませんが『超時空要塞 マクロス〜永遠のラブソング〜』の戦闘画面みたいな感じになっていると思われます。

今回教えていただいた『ヴィクセン357』のお陰で『超時空要塞マクロス〜伝説のラブソング〜』までのメサイヤ(キャリアソフト)のSLGの進化の歴史が見えた気がします。

メサイヤ(キャリアソフト)のSLGの進化の歴史

『ガイアの紋章』(1988年9月23日発売・PC・PCE)
スクウェアヘックス(四角を煉瓦積みのように並べてヘックスに見立てたもの)のマップ上で戦うSLG。戦闘画面は結構大きめのキャラが斬りあったりぶつかったりの単純なモノです。戦闘画面は(当時としては)結構格好良かったですが…ユニットは将棋とかの駒のような扱いでキャラ性はかなり低めでした。

『飛装騎兵カイザード』(PCE) 殆ど上記で挙げましたが、他にもキャラ性の強化や戦闘画面のアニメーション、X-SERDが飛行形態と人型形態に変わる事により移動力、戦闘力、地形効果の変化するなど後のマクロスに繋がる重要な要素が大量にあります。

『ラングリッサー』(1991年4月26日発売・MD)
傭兵と指揮官システム(指揮官キャラの指揮範囲内にいると戦闘力が向上する。傭兵自体は使い捨てキャラで傭兵が倒した敵の経験値は指揮官の物になる)や、三すくみシステム(歩兵は騎兵に弱く、騎兵は弓兵に弱く、弓兵は歩兵に弱い)を取り入れたSLG史に残る傑作。コレ以外にも最弱だが、スライムにのみ妙に強いモンク兵等の傭兵も存在する。指揮範囲から離れたキャラを狙い打ちにしたりと楽しい戦術が楽しめました。大量の傭兵同士がぶつかる戦闘は『チョコチョコバトル』と言われ愛されました。

『ヴィクセン357』(1992年10月23日発売MD)
横スクロール戦闘アニメ他、マクロスではコレが採用された様ですね。

『ラングリッサー 〜光輝の末裔〜 』(1993年8月6日発売・MD・PCE-CD-ROM)
MD版の移植…なのですがCDによる音楽面の強化、種類豊富なクラスチェンジ、魔法等殆ど新作に近い出来でした。ビジュアル面の強化もあり思考時間も短い名作。マル勝メガドライブ(電撃だったかな?!)で連載していたラングリッサーの漫画からライバルのランスとその部下も新しく加えられ話に華を添えていた気がします。(声と面と面の間のビジュアルシーンは賛否両論)あとビジュアルシーンの関係かキャラがやられても撤退するだけで死ななくなりました。

『ラングリッサー2』(MD)
詳しくは知りませんが(汗)槍兵等が加わって更に深みが増したようです。

『超時空要塞マクロス〜伝説のラブソング〜』(PCE)
上記の歴史を踏まえてます。『カイザード』のシステムに、『ヴィクセン』の戦闘画面、『ラングリッサー』のクラスチェンジシステムの採用、傭兵システムの変わりに名も無き一般兵(スパルタンとかディフェンダーとか(笑))を育成出来、CDらしく音楽とビジュアルが豪華に、あとキャラが死ななくなった事が採用されています。

…こうしてみるとゲーム史って面白いですね。特にキャリアソフトのSLG・RPGは毎回システムに大幅なメスが入っている様で面白いです。ちなみにこの後のシステムに大幅なメスを入れた『ラングリッサー3』(SS)は非難轟々(笑)…まあ新しい事をやろうとすればねえ…そろそろファンタジー系ではなくロボットSLG・RPGの新作。出来ればカイザードの遺伝子を持ったSLG・RPGをプレイしたいものです(笑)(ヴァルケン2?!…いや…アレはちょっと(汗))

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