指導員 浦辺やす子
平成11年5月、放課後帰宅せずに、そのまま学校内で遊べるBOP(ボップ)が始まりました。初日、三々五々集まってきた子ども達は、興味津々「ここで何が出来るのかな」「あっ知らないおもちゃがある!」「ここの人達ってどんなかしら」いろいろな思いが顔中にあふれていました。どんどん熱中していきみんなの声の大きさには驚いたものです。(叫び声を出さなければ聞こえないほど部屋中が子どもでうまっていたのですが)
エネルギー ボールを投げ合い、取っ組み合い、ラケットベースで走り回り、一輪車でくるくる回る髪の毛までビショビショにして、あぁくたびれた。それでも次の瞬間は又動き出す。あのすさまじいばかりのパワーはどこから来るのでしょう。なにものも削り取られていない魂の輝きでしょうか。「大人と子どもの違い」を考えるときここら辺ではないのかと思います。計算なしにフルパワーで動き回っている姿は、うらやましい限りです。エネルギーとエネルギーの衝突で、時々喧嘩になってしまう事もあります。「あんなに争っていたのに」と思う二人が、べつの日にはまったく違和感なく、仲良く遊んでいるのを目にします。子ども達にはケンカもゲームの一つで、それなりに楽しんでいるのかも知れません。
遊ばない・遊べない 『今の子どもは遊ばない』と言われているのは違っていると体感しています。忙しいから遊ばないのではなく、つまらないから遊ばないのではなく、友達がいないから遊ばないのではなく、一所懸命計画をたて、やらねばならない事をこなしながら実に健気に遊んでいるのです。時間や形は変わっても、子どもと遊びはいつも隣にいて、絡み合いながら一緒に一人の人間を形成しているのではないでしょうか。昔の子ども達が持て余すほどの時間を持ち、遊び尽くしたところから生まれてきた「何か」を手にいれて、成長出来たのだとすると、今の子ども達にとっての「何か」はどんなもので、どこにあるのか?
いろいろな習い事や塾での勉強をこなし、頑張って遊びながら成長していった子ども達は、振り返った時にどういう「想い」を持つのでしょうか。横にいて聞いてみたい気もします。
大昔の哲人が「今時の若い者は」と言ったとか! 時代の変化くらいでは、人間はあまりカワリバエしないのかも知れません。
これからも成長し続けていく子ども達、それから大人になり切れなくって、奮闘中の途中人。
ガンバレ!