「007/ダイ・アナザー・デイ」
★映画基礎データー★「007/ダイ・アナザー・デイ」 2002年 アメリカ映画 監督 リー・タマホリ 出演 ピアース・ブロスナン ハル・ベリー |
歴代ボンド映画と比べてもそん色のない出来ですが、それ以上ではありませね。
「ダイ・アナザー・デイ」のテーマ、ポンドっぽくって私は気に入ってます。
本作でもカメオ出演していますが、女優としてのマドンナも、なかなか良いと思います。
「ディック・トレーシー」はウォーレン・ビューティの方は凡庸な出来で、ドラマも
大したことはありませんでしたが、悪役のマドンナはよかった。
「プリティー・リーグ」の捕手のヒロインとけんかばかりしている、水商売上がりの
投手の役もよかった。
歌声は嫌いですが、せりふをしゃべっているときの声はなかなか良い。
ジンクス役のハル・ベリーの声も好きですね。
短いセリフで、決めセリフをしゃべるのは結構大変だったそうです。
「チョコレート」などとは演技の組み立て方が違いますから。
立ち回りをしながら、感情を込めたセリフをしゃべるのは訓練しなければできません。
ハル・ベリーのジンクスが話題ですが、「トゥモーロー・ネバー・ダイ」のミッシェル・ヨーなどの例もあるので、
007の40年の歴史の中でハル・ベリーに限ってスピンオフ作品が企画されるほど
出来のよいキャラクターだったとは思ってないですが。
ミランダ(新人ロザムンド・パイク)は、定石通りもっと早いところで死ぬはずだったそうですが、
リー・タマホリ監督がプロットを変更しジンクスとの対決を入れかったために、ラストまで生き延びたそうです。
ですからむしろミランダを膨らませたのに引っ張られて、
ジンクスも扱いが大きくなったとみた方が正しいようです。
でも、トゥームレイダーとかバイオハザードとか、戦う美女がブレイク中ですので、
映画会社が勝手に三匹目のどじょうを狙っていたとしても不思議はない。
「私は恋が長続きしないの」と言う“ジンクス”というコードネームの諜報部員というのが
映画企画的においしそうなキャラクターなのですね。
アバンタイトルのホバートラフトの戦いがボンドっぽく盛り上げてくれたのに対して、
クライマックスがメカに頼り過ぎているのが不満、という意見には私も同感です。
シナリオ上、ボンドカーが出すぎなのですね。
空を飛んだり海を潜ったり、過去にいろんな奴が出てきましたが、大抵、
ワンシークエンスでクラップが、お約束なのですが。
「プレデター」アストンマーチンは、シナリオで読むより、映像の方が面白かったです。
熱線で溶かされてゆく氷の宮殿の中で、
改造車同士が戦うというのは監督のアイデアだそうですが、
その前に氷の上でさんざん闘っているのでボリュームとして長すぎるのです。
それとひんしゅくをかったクライマックスのCGは、肉弾戦のレベルを一気に下げてしまった。
シナリオ上は、サーフィンしながら国境侵入を企てて結局捕まってしまう冒頭部分に
一対になっていて、ボンドが逆襲に転じたぞ、というのを見せる上で必要な場面なのですけどね。
イギリスのCGはオーストラリア(「二つの塔」)のCGよりレベルが低い?
北朝鮮がやり玉に挙がって、金正日将軍がまともに癇癪を起こしたらしいく非難声明
まで出ています。
先日テレビで金正日のそっくりさんが出てきて、お笑いやってました。
どうも金正日将軍本人もこのそっくりさんのことを知っていて、笑って許しているらしい。
ボンドにかぎって激怒したには訳がありそうです。
あの人は「シュリ」のときにも怒ってます。あんなの漫画でしょうに。
「シュリ」と「ダイ・アナザー・ディ」に共通してるのは、
味方に裏切られる、身内に殺される、というところです。
本当のところブッシュより、ピョンヤン内部の造反の方が将軍様には現実的な恐怖な
のでしょうね。おや、また脱線だ。(笑)
イアン・フレミングの原作でおなじみ、架空の悪の結社スペクターとの戦いが「007は二度死ぬ」で決着がついたあと、
麻薬王、メディア王など時代を象徴する悪役が出てきてはやっつけられてきましたから、
政治や世相を背負ってのドラマ作りというのも、今
に始まったことではないはずです。
でもドクター・ノーなんかと闘っていた頃と比べて、個人的な怨恨がボンドの行動理由に出てることが増えてきたことは、
それだけドラマ作りが難しくなって来ているのだろうな、と感じてます。
背景が現実に近づくほど、個人の活躍する余地が狭くなって、
諜報員も実在のCIAのように集団組織でシステマテックに活動しないと嘘っぽくなってしまう。
ジャック・ライアンとボンドは世界が違いますからね。
(ライアンさんも大統領にまでなっちまって、だんだん戦う相手そのものがいなくなりつつあるような。)
その嘘っぽさをはじき返すため、強い動機付けがヒーローに必要になる。
でも「女王陛下の007」でも「消されたライセンス」でも、怨み事で突っ走ると大抵話が暗くなって、
新人ボンド俳優の首が飛んでます。
ピアーズさんは過去3作の実績を踏まえての4作目ですし、興行的にも本作は当たってます。
契約は切れるそうですが、本人が望めばまだまだボンド役の継続契約は出来そうです。
脚本をどうするかですね。
ネオ・スペクター? それはちょっと。
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