「007/慰めの報酬」

「007/慰めの報酬」映画チラシ■作品基礎データ
「007/慰めの報酬」
2008年 イギリス・アメリカ映画
監督:マーク・フォースター
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ

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ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、かつてない怒りと悲しみに震えていた。
初めて愛し、運命を共にするはずだった女ヴェスパーが自分を裏切り、
自らの命を絶った──。確かにそこに愛はあった……。
彼女は闇の組織に利用され、操られていたのだ。

ボンドと彼の上司M(ジュディ・デンチ)は真相を暴くため、
ヴェスパーを操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を尋問する。
彼の背後には、2人の想像を遥かに超える、巨大で危険な組織が存在していた。

捜査のためにハイチに飛んだボンドは、
奇しくも知り合ったカミーユ(オルガ・キュリレンコ)という女を通じて、
組織の幹部ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)に接近する。
グリーンの表の顔は、慈善団体グリーン・プラネットのCEO。
主な活動は、環境保護のために土地を買収する公益事業だ。

ボンドは、物腰も穏やかなこの男の、恐るべき陰謀を突き止める。
グリーンは、ボリビアの現政権を転覆させ、
組織の息のかかったメドラーノ将軍に新政権を握らせ、
その国に眠る貴重な天然資源を完全支配しようとしているのだ。
それに成功すれば、やがては世界の支配にもつながっていく……。
Mがボンドに与えた任務は、グリーンの陰謀を完璧に阻止すること。
ミッションを遂行しながらも、心に刻まれた傷の痛みが、ボンドを復讐へと駆り立てる。

一方、勝気で謎めいた女カミーユも、ボンドと同じように、
愛する家族の命を奪われた過去を秘めていた。
彼女はその日から、復讐のためだけに生きてきたのだ。
傷ついた心を慰めあうかのように、2人は行動を共にし、次第に惹かれ始める……。

グリーンの計画は着々と進み、CIAや英国政府の人間すらも取り込んでいく。
私的感情により理性を失いかけた状態で、ボンドは任務を果たすことができるのか?!
ボンド、カミーユ2人の復讐の行く末は? 
そしてその先にある〈慰めの報酬〉とは――?

ダニエル・クレイグを主演に迎え、完全なる変革を遂げた『007/カジノ・ロワイヤル』。
あれから2年、完成した最新作『007/慰めの報酬』は、
『007/カジノ・ロワイヤル』のエンディングの1時間後から始まる物語だ。
物語を動かすのは復讐心。
前作でボンドは、初めて愛した女、ヴェスパーを喪う。
なぜヴェスパーは自ら死を選んだのか? 
彼女を背後で操っていた組織とは? 
本作は、ボンドの復讐への決意で幕を開け、より深遠なドラマによって、
過去との完全な決別を果たす! 

ボンドに、「MI6のミッションの遂行は絶対。
どんな場合も決して感情に流されてはならない」というMの言葉が重くのし掛かるが、
復讐への燃える想いは断ち切れない。
ボンドは組織の幹部を突き止めるため、一人で調査を開始する。
その過程で出逢った謎多き女──カミーユ。
彼女もまた、ある人物に家族の命を奪われ、復讐を果たすため素性を偽り、
組織に身を潜めていた。
相手は違っても、目的は同じ。
行動を共にするうち、知らぬ間に引き寄せられる2人の心。
傷ついた2つの魂が慰めあうように共鳴する。
果たして復讐が、心の〈慰め〉になるのか? 
復讐の見返りとして得られる〈報酬〉はあるのか? 
その〈慰めの報酬〉を受け取ることで、何を得て、何を失うのか──?

ボンドと行動を共にするカミーユには、
魅惑の美しさが光るウクライナ出身のオルガ・キュリレンコ。
組織の黒幕ドミニク・グリーンには、
『潜水服は蝶の夢を見る』の演技が高く評価されたマチュー・アマルリック。
MI6の女性諜報員には、今イギリスで最も注目されている期待の新星、
ジェマ・アータートン。
前作に続いての出演は、ボンドの上司Mに
イギリスを代表するオスカー女優ジュディ・デンチ、
元同僚のマティスにジャンカルロ・ジャンニーニ、
CIAエージェントのレイターにはジェフリー・ライト。
監督は、『チョコレート』のマーク・フォースター。
共同脚本は前作に引き続き、『ミリオンダラー・ベイビー』で
アカデミー賞にノミネートされ、
監督も務めた『クラッシュ』で同賞を受賞したポール・ハギス。
人間ドラマを描くことに定評のある2人が、ボンドの内面に迫る。
注目の主題歌は、“異色のコラボ”と話題騒然の、
アリシア・キーズとジャック・ホワイトが歌う「アナザー・ウェイ・トゥ・ダイ」。
ボンドのスーツを手がけるのは、グッチブームを再燃させて、
経営不振のグッチを立て直した伝説のデザイナー、トム・フォード。
グッチ、イヴ・サンローランの
クリエイティブ ディレクターを兼任した後、
独立して自身の名前を冠したブランドを立ち上げた。
オルガとジェマのドレスはプラダ。
ロケ地はイギリス、パナマ、チリ、イタリア、オーストリア、メキシコと、
壮大なスケールの撮影が敢行された。


「007/慰めの報酬」見ました。
映画の掲示板に「カジノロワイヤル/完結編」という書き込みがあって、
なるほど上手い事言うなと。

前作の一時間後から始まるというんで、
公開時に見たものの、復習しないで劇場に出かけたため
のっけのカーチェイスから「なに騒いでんのよ、この人たちは」状態でしたが、
Mが撃たれちゃうあたりから、
前作の事はおいといて、新作のストーリーが楽しめます。

本当のところ、追いかけるべき謎と言うのはどうでも良いのだな。
グレイグ様の男っぷりを見せんが為の映画です。
笑わない、叫ばない、勿論、泣いたりはしない新ボンドが
世界のあっちゃこっちゃ(面倒なので地名は書かない)を疾走しつつ戦う戦う戦う。

ボンドが暴走してライセンス取り上げられるのは、
その名も「消されたライセンス」等ありますが、
(ティモシー・ダントン、嫌いじゃないですが、世間受けはしなかったようで、
二作で降板)
上司がオジサンだと、あくまでドラマはボンドの側なのだけど、
「あなたを信じていい?」なんて、おばさんが言うと、ドラマになるのが不思議。
―別にジュデイ・デンチはボンド・ガールぢゃありませぬ。
―そういう話じゃないです。

本物のボンド・ガール、カミーユ(オルガ・キュリレンコ)が抱えているものというのが、
意外と平凡なのだけど、火事がトラウマになっていて、
ボンドに危うく引き金を引かせそうになるとか、
見せ方は上手いですね。

もうひとりのボンド・ガールもドラマ上のポジションというのが意外とイケてます。
あの死に方は、「ゴールドフィンガー」へのオマージュと監督が語ってます。
ふーん、そうなんだ。
でも彼女が連れて行こうとしたホテルで、
「こんな安ホテル」と歴代ボンドも言わなかったような文句付けてますね。
ゴージャスが心情のダブル・オー・シリーズだけど、
ボンド自身は、銭金にはこだわんないというキャラだったと思いますが、
「短命な予感がするから、報酬はすべて使う主義」というのは原作にもあるので、
こういうキャラであって駄目と言うことじゃないです。

グリーンという悪玉が魅力ないです。
名優マチュー・アマルリックが、こんな使われ方じゃもったいないです。
鬼気迫るダニエル・グレイグのボンドに対して凡俗。
つまんない俗物ですね。
環境問題とか、格差社会とか、いろいろ反映させたいらしいんだけど、
邪魔臭いですね。
金とか権力とか、そんなもの欲しがる悪では、
新しいボンドの敵役としては軽すぎるんですよ。
この作品の短所を陸海空と盛りだくさん過ぎて、
忙しすぎると書いた人がいますが、私は違います。
悪に魅力がない。
この作品でもやはり、魅力ある悪の創造がネックになってます。
マチュー・アマルリックは監督に“顔に傷のある男”を提案して却下されています。
それで良いでしょう。
紳士然とした優しげな風貌に悪が潜むというほうが、今風ですが、
しかし、悪が成立しにくい時代、ということを踏まえると、
原作者イアン・フレミングが創作した、
シャムネコを抱く安楽椅子の黒幕が率いる“スベクター”という設定は、
なかなかに考えられたものといえそうです。

…ボンドは、彼はこの戦いを通じて教訓を得て成長したと解釈できますが、
でも彼を支えるものというのは何なのでしょう?
2作を通して
不幸にじっと耐えている男の“喪失のドラマ”という風にも見えてしまうのですが。
自分なんかが感じているよりも、かれは遙にタフな精神の持ち主であると解釈しないと、
救いのない話になってしまいますね。

原題の「QUANTUM OF SOLACE」の「QUANTUM(クアンタム)」とは
今回の敵である巨大で危険な闇組織のコードネーム(暗号名)と
「分け前」という意味を掛けた言葉で、
ストーリー的には復讐を誓ったボンドが、
果たして復讐の見返りとして何を得て何を失うのか、報酬(分け前)とは何なのか、
といったテーマからネーミングされています。
(「慰めの報酬」という邦題は少々インパクトに欠けると思うけど)

6代目ジェームズ・ボンドは再び前作と同じ無骨なイメージのある
ダニエル・クレイグですが、
過去のボンドと比べてすぐ感情的になるところは人間的で親しみを感じます。
監督は人間ドラマの達人といわれるマーク・フォースター。
アクション映画のメガフォンを取るのは初めてです、
自分らしいボンド映画を作りたかったという。
カミーユとボンドのそれぞれの戦い(アクション)がパラレルに展開するのが特徴です。
カミーユ役を演じるオルガ・キュリレンコはクライナ出身のモデルで
「ヒットマン」でその美貌を披露しています。
もう一人のボンド・ガールはイギリス人女優ジェマ・アータートン。

本作は前作にも増して暴力描写が多いですね。
黙々と人を殺しまくるという点ではシリーズの初心に帰ったと言えるかもしれません。
シリーズ第一作の「ドクター・ノオ」は日本公開時
「007は殺しの番号」という邦題でした。
初期の頃のボンドは若い頃のショーン・コネリーのキャラクターもあって
冷酷非情な殺し屋として描かれており、同様に敵を殺しまくっています。
そういう意味では第一作以前の新米の頃のボンドらしいと言えるでしょう。

女性諜報部員が全身オイルまみれで死んでいるシーンは、
監督曰く「下品にならずにエロチックさが出せる、あのスタイルが好きだったので」
とのこと。
次回作の監督は未定だがダニエル・クレイグの方は
あと2作ボンドを演じることになっています

劇場での殺害シーンですが、
オペラの「トスカ」をかぶせてきたところがオシャレです。
「トスカ」はイタリアの作曲家プッチーニの作品。
政治囚の逃亡を助けた画家のカヴァラドッシが、警視総監スカルピアの
思惑によって、拷問にあいます。
恋人のトスカがカヴァラドッシのために、スカルピアに許しを乞うのですが、
スカルピアは「お前自身が欲しい」とトスカの身体を要求。
いろいろあって、トスカはスカルピアを殺害してしまいます。
しかし、恋人カヴァラドッシも死刑に…
要は、トスカという女性の生き様、
死に様に、ボンドの愛したヴェスパーを重ねることもでき、
また、ボンド自身が抑えていた復讐心、また、愛する者を救いたかった想いを
トスカに重ねることが出来る仕掛けになっています

ジェームズ・ボンド(James Bond)はイギリスの作家イアン・フレミング
(1908年 - 1964年)のスパイ小説およびこれを原作とする映画の主人公です、
イギリス秘密情報部のエース諜報員。
海軍中佐でもあり、軍服の右袖にパラウイング(空挺降下徽章)を
着用している設定もあることから、
イギリス海兵隊の特殊舟艇部隊SBSの出身であることがわかります。
殺人許可証(任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされ、
外交問題に発展しても政府が庇ってくれる。
この資格については「殺しのライセンス」という惹句でしばしば表現される)を
与えられており、「00」のコードネームを持つ。愛国者。
また「007は二度死ぬ」の原作小説でKissy Suzukiと言う名の日本女性と結婚後
に男子をもうけています。子供の名前はJames Suzuki。
映画では未登場のこの子は、
続編の短編小説「BlastFromThePast」で007の敵に殺害されています。

なお「007」は原語で「ダブルオーセブン」で、
これが “正しい読み方” とされているのですが、
日本では第1作から第7作『ダイヤモンドは永遠に』まで
「ゼロゼロセブン」で公開されています。

原作者のイアン・ランカスター・フレミングは1908年5月28日ロンドン生まれ。
ロイター通信社の記者、銀行の副頭取などの職業を転々としたのち、
第二次世界大戦中はジョン・ゴドフリー提督の助手としてイギリス情報部
(SOE―特別作戦部)に所属。
対敵諜報工作に携わっており、この経験を活かして007を書いたと言われています。
「ジェームズ・ボンド」という、
英語圏ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、
華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものといわれています。
「ジェームズ・ボンド」という名前は
フレミングがイギリス情報部在職中のコードネームだったのではないか、
といわれることもありますが、
フレミングが愛読する「西インド諸島の鳥」の著者で
鳥類学者の名前をいただいたというのが定説です
(ちなみにこちらのジェームズ・ボンドは1989年に亡くなっている)。
(なおシリーズ第20作『ダイ・アナザー・デイ』では
ボンドが鳥類研究の本を脇に挟みながら「鳥類学者だ」と身分を偽るシーンがあります。)

また、前出のイギリス情報部で諜報工作に関わっていた際に、
情報部がフレミングに与えたコードネームが『くまのプーさん』の
主人公の名前であった事からフレミングが勝手に
「ジェームズ・ボンド」を名乗っていた、という説もあります。

フレミングの小説「007シリーズ」は1953年4月13日、
イギリスのジョナサン・ケープ社から出版された第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まり、
1964年8月12日にフレミングが亡くなるまで書き継がれました。
当初はそれなりの評価を得ながらもあまり売れなかったようです。
そのため、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えましたが、
その度に映像化の話が出てきてシリーズは継続されることになりました。
本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、
そのきっかけは、フレミングと縁があったケネディ米大統領が
『ロシアから愛をこめて』を愛読書のリストの中に入れたことだったと伝えられています。
(実際には007を愛読していたのはケネディ夫人のジャクリーンだったとも言われている)。

その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚なリアリズム派スパイ小説とは
対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、
アメリカのハードボイルド小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを
描くものでした(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。

しかし、「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、
1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった
(1959年の『ゴールドフィンガー』など)。
超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、
グラマラスな美女を配した「洗練されたマッチョイズム」の物語は
大衆の嗜好に合致し、また冷戦状況下では、
東側ブロックを絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、
1950年代後半以降、膨大な量の007亜流小説が世界各国に氾濫しました。
映画・コミックへの影響も非常に多大です。

フレミングの死後、イギリスの作家キングスレー・エイミスが
未亡人の許可を得てロバート・マーカムの名で『007/孫大佐』を書いています。
シリーズ化される予定でしたが、評判は芳しくなく、シリーズ化には至りませんでした。

1977年には、映画『The Spy Who Loved Me(私を愛したスパイ)』の
ノベライゼーションが出版された(
タイトルはJames Bond, the Spy Who Loved Me)。
執筆したのは、脚本を担当した小説家クリストファー・ウッド。
クリストファー・ウッドは、1979年に公開された『ムーンレイカー』の脚本も担当。
同様にノベライゼーションを手がけた
(タイトルはJames Bond and Moonraker)。
映画シリーズで、脚本家がノベライゼーションを担当したのはこの二作だけです。

1981年に発表された『メルトダウン作戦 Licence Renewed』から、
ジョン・ガードナーがフレミングを引き継ぐ形で「007シリーズ」を再開させました。
ガードナーによる新・「007シリーズ」は、当初は好評を得たものの、
作品が発表される度に評価は低下していきました。
独自に展開しているうちに映画シリーズとは全くかけ離れたものになってしまったのが
原因とされています。
その後1996年からレイモンド・ベンソンがシリーズ3代目の作家として作品を
発表しましたが、
6作目(『赤い刺青の男 The Man with the Red Tattoo』)で
007作家を辞めることになった。
これを引き継ぎ、2008年にセバスチャン・フォークスが
『猿の手を持つ悪魔 Devil May Care』を発表しています。
なお、2002年にベンソンが『007/赤い刺青の男』を発表した際、
日本を舞台とした内容であったことから、
日本の一部マスコミが映画の次回作は日本が舞台かと騒ぎましたが、
この両者のオリジナル作品が映画化されたことはなく、
逆に映画の脚本を基にしたノベライゼーション版を
オリジナルに併行して発表しているにすぎません。

イアン・フレミング作品
日本では井上一夫によってすべてが翻訳された。
長編
『カジノ・ロワイヤル』Casino Royale(1953年)(映画化作品「カジノ・ロワイヤル」)
『死ぬのは奴らだ』Live and Let Die(1954年)
『ムーンレイカー』Moonraker(1955年)
『ダイヤモンドは永遠に』Diamonds Are Forever(1956年)
『ロシアから愛をこめて』From Russia, With Love(1957年)
(映画化作品「ロシアより愛をこめて」)
『ドクター・ノオ』Doctor No(1958年)
『ゴールドフィンガー』Goldfinger(1959年)
『サンダーボール作戦』Thunderball(1961年)
『わたしを愛したスパイ』The Spy Who Loved Me(1962年)
(映画化作品「私を愛したスパイ」)
『女王陛下の007』On Her Majesty's Secret Service(1963年)
(旧題『女王陛下の007号』)
『007は二度死ぬ』You Only Live Twice(1964年)(旧題『007号は二度死ぬ』)
『黄金の銃をもつ男』The Man With the Golden Gun(1965年)
(映画化作品「黄金銃を持つ男」)
短編集
『薔薇と拳銃』For Your Eyes Only(1960年)
(旧題1『007号の冒険』/旧題2『バラと拳銃』)
「薔薇と拳銃」From a View to a Kill
(旧題「バラと拳銃」/映像化作品「美しき獲物たち」)
「読後焼却すべし」For Your Eyes Only
(映像化作品「ユア・アイズ・オンリー」)
「危険」Risico
「珍魚ヒルデブラント」The Hildebrand Rarity
「ナッソーの夜」Quantum of Solace(映像化作品「慰めの報酬」)
『オクトパシー』Octopussy and the Living Daylights
(1966年)(旧題『007号/ベルリン脱出』)
「オクトパシー」Octopussy(旧題「007号の追求」)(映像化作品「オクトパシー」)
「所有者はある女性」The Property of a Lady(旧題「007号の商略」)
「ベルリン脱出」The Living Daylights(旧題「007号/ベルリン脱出」)
(映像化作品「リビング・デイライツ」)


映画 007シリーズ
1954年に『カジノ・ロワイヤル』がモノクロ短編テレビドラマ化された
(米CBS放送「クライマックス」の1エピソード 主演:バリー・ネルソン 
役名は「ジミー・ボンド」でCIAスパイ)が、
1950年代を通じてそれ以外の映像化の例は確認されていない。
このドラマで敵役ル・シッフルを演じたのは、『M』『暗殺者の家』『マルタの鷹』などの
映画で知られる名優ピーター・ローレだった。
その後、1960年代初頭に二人のプロデューサーが007に関心を抱いたことで本格的な映画化が始まった。
1960年頃、フレミングの原作を読んだプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、
「これは映画化に向いている」と感じ、フレミングに交渉を求めた。
しかし、フレミングは映像権を一足先にハリー・サルツマンに売り渡していた。
ブロッコリは直ちにハリー・サルツマンと接触、
二人は手を組んで映画製作会社イオン・プロダクション(EON Productions)を設立し、
協力して007映画の製作に当たることになった。

当時刊行されていた007シリーズの小説の中で最初の映画化作品を検討した結果
『ドクター・ノオ』が最も映像化に向いていると判断され、
ユナイテッド・アーティスツを配給会社に職人肌の監督テレンス・ヤングを当てて
映画化した(1962年公開。邦題は『007は殺しの番号』)。

ショーン・コネリー(1980年撮影)この映画は
低予算作品ながらも予想以上の大ヒットとなり、
特に主役のジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーはこの一作で成功、
ボンドは彼の当たり役となった。
モンティ・ノーマン作曲、ジョン・バリー演奏の「ジェームズ・ボンドのテーマ」も
大好評で、以後の作品のオープニングでボンドを狙う銃口が
逆にボンドに撃たれて血を流すシーン
(通称「ガンバレル・シークエンス」)と共に必ず流されるようになった。
この作品のヒットに影響され、1960年代中期には「007もどき」のB級スパイ映画が世界各国で濫造されたが、
一つとして007を超える成功を収めたものはなかった。

『ドクター・ノオ』以後、イオン・プロダクションによってプロデュースされる
007映画は、主演俳優を幾度か変えつつも現在に至るまで人気シリーズとして存続している。

1970年代初期以降の作品、特にロジャー・ムーア時代の作品は、
フレミングの小説から題名のみを借りたシナリオライターによる
オリジナルストーリーで、原作とはほとんど無関係となっている。
内容は、派手な設定とグラマラスなボンド・ガール、
大物俳優のゲスト出演をセットとした、
エンターテインメントの王道とも言うべきもので、
設定は全般にマンネリズムの傾向が強くなって行く。
それが「行き過ぎ」と批判されると、「原点回帰」と銘打って
再び初期のようなハードな内容の作品が製作されるが、
やがてまた派手なストーリーが製作されるというパターンが繰り返されている。

なお、各作品作成時の国際情勢・各国国内情勢が各作品に多かれ少なかれ
影響されてはいるが、
トム・クランシーなど国際情勢に精通する一部の人物からは
批判的な目を向けられている。
しかしながら、各作品は娯楽作品に徹し、
敵役は実在の国家政府や犯罪組織、産業、企業などとはかけ離れた存在の設定が多い。
また、冷戦時代の作品でも現実の外交関係を考慮してか
ソ連政府それ自体を主敵とした作品は少ない。

アルバート・R・ブロッコリとハリー・サルツマンは、
1970年代初期まで共同プロデューサーを務めていたが、
ブロッコリの娯楽路線に原作派で文芸趣味のあるサルツマンは次第に反発するようになる。
サルツマンの意見を元に製作され、リアリティやロマンチシズムへの傾倒があった
『女王陛下の007』の興行成績が芳しくなかった一方、
続いてブロッコリの意見を元に製作された荒唐無稽で派手なストーリーの
『ダイヤモンドは永遠に』の興行成績が良かったことから、
ブロッコリが主導権を握るようになった。

結局、サルツマンはイオン・プロダクションから離脱し、
それ以降、イオン・プロダクションはアルバート・R・ブロッコリとその一族が
支配することになる。

007小説のシリーズ第1作『カジノ・ロワイヤル』は、
1960年代、権利関係の錯綜からイオン・プロは映画化権利を押さえることができなかった。
この映画はコロムビアが製作権を獲得し、
ジョン・ヒューストンら5人の監督によって共同で映画化された(1967年)。
だが実際にはさらに多数の監督が関わっているとも言われ、
製作過程は混乱の上に混乱を極めた。
デヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズら実力派の名優を総動員しながら、
結果としては原作から別次元に逸脱した奇想天外なドタバタパロディ作品として
作られている。
ストーリーはもはや筋の通ったものとして理解することは困難なほど破綻しており、
最初から最後までギャグとジョークと人を食った展開が連発されるナンセンスものの
怪作である。
当時のスパイ映画の流行もあってか一応の収益は上げたものの、
公開当時は奇異な映画として見られ
(後述のとおり音楽など評価された部分も有ったが)、大ヒット作とはならなかった。

だが1980年代以降この作品は、
1960年代中期のポップ・カルチャーの影響を色濃く残すユニークな映画として
カルト的評価を受けるようになっており、
近年のヒット映画『オースティン・パワーズ』シリーズにも強い影響を与えている。
イオン・プロ系007シリーズとは異なった観客層からの評価の高い作品である。

イオン・プロは後に「カジノ・ロワイヤル」の映画化権を取得し、
2006年に原作に比較的近いシリアスな設定で映画化した。
これは1967年版とはまったくの別物と見なければならない。

Qの歴代秘密兵器

Q役をワールド・イズ・ノット・イナフまで演じた
デスモンド・リュウェリン科学者Qの発明した秘密兵器の一覧
『007 ドクター・ノオ』---
『007 ロシアより愛をこめて』---アタッシュケース(装備:AR-7用銃弾入りチューブ、
ナイフ、金貨付紐、AR-7ライフル銃、催涙ガス入りパウダー缶)
『007 ゴールドフィンガー』---小型発信機「ホーマー」、ワイヤーガン
『007 サンダーボール作戦』---ジェットパック、推進機付き酸素ボンベ、
小型酸素ボンベ、腕時計(ガイガーカウンター機能)、放射能カプセル
『007は二度死ぬ』---オートジャイロ「リトルネリー」(装備:機関銃、
ロケットランチャー、パラシュート付き爆弾、火炎放射器、空対空ミサイル)
『女王陛下の007』---小型カメラ(79mm)、金庫用ロック解除装置
『007 ダイヤモンドは永遠に』---ワイヤーガン、指紋シール
『007 死ぬのは奴らだ』---腕時計(電磁石、ノコギリ機能)、圧縮ガス弾
(サメ殺し用銃の弾)
『007 黄金銃を持つ男』---
『007 私を愛したスパイ』---銃内蔵ストック(スキーで使用する棒)、
組み立て式水上バイク
『007 ムーンレイカー』---モーターボート(装備:魚雷、機雷、脱出用パラグライダー)、
ゴンドラ「ボンドラ」(装備:モーターボート機能、ホバークラフト変型機能)、
ダーツガン(手首に装着、手首の筋肉の動きによって発射される。
青いダーツは鋼鉄板を撃ち抜き、赤いダーツは猛毒が塗られており、刺さると30秒で死ぬ)

『007 ユア・アイズ・オンリー』---3-D・ビジュアル・アイデンティグラフ
『007 オクトパシー』---小型飛行機「アクロスター」、ワニ型小型潜水艇、硫酸ペン、
無線発信機入りファベルジュの卵(発信機は007の腕時計の方向計器に反応)
『007 美しき獲物たち』---小型偵察用ロボット「スヌーパー」、流氷型潜水艦、
X線透視サングラス、シェーバー型探知機
『007 リビング・デイライツ』---ピッキングキー、キーホルダー
(装備:プラスチック爆弾、麻酔ガス)
『007 消されたライセンス』---カメラ型スナイパーライフル、
練り歯磨き型プラスチック爆弾、タバコ型起爆装置、レーザー付きインスタントカメラ
『07 ゴールデンアイ』---ボールペン型爆弾、腕時計
起爆装置機能、レーザートーチ機能)、ワイヤー付きベルト、
リモコン爆弾(腕時計で起爆)、レーザートーチ機能付きワイヤーガン

『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』---携帯電話(装備:ピッキングキー、指紋認証機、
スタンガン、BMW750iL操縦機能)、腕時計(起爆装置機能)
『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』---Qボート(装備:魚雷、ジェット噴射機能、
ナビゲーションシステム)、ピッキング用クレジットカード、
緊急時防御機能付きジャケット、ワイヤー付き腕時計、X線透視サングラス

『007 ダイ・アナザー・デイ』---超高周波リング、サーフボード(装備:ワルサーP99、
サプレッサー、C4爆薬、小型アンテナ)、小型酸素ボンベ、腕時計(起爆装置機能、
レーザートーチ機能)、指紋照合キー



ダニエル・グレイグのインタビューで、「007/慰めの報酬」の
メイキングに関わる部分を再録します。

PROFILE

ダニエル・クレイグ
'68年イギリス生まれ。
'92年『パワー・オブ・ワン』で映画デビュー。
『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』『ホテル・スプレンディッド』
などに出演。
ハリウッドでは『トゥームレイダー』『ロード・トゥ・パーディション』
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』など。
最新作に『ディファイアンス』(2月14日公開)がある。

Q:ボンド・ガールのオルガは、今までのボンド・ガールと一味違うキャラクターでしたね。
彼女と共演をしていかがでしたか?

そうだね。彼女は少し今までのボンド・ガールとは違う。
今回のボンド・ガールに必要だったのは、ただセクシーなだけの女性ではなく、
感情の深みを表せる能力と、プラス肉体的な能力の持ち主であること。
オルガはそれを見事に持ち合わせていて、
ストーリーにうまく溶け込んで表現してくれたと思うよ。
それに彼女の存在がこのストーリーをよりミステリアスに演出していると思う。
オルガは子どものころ彼女の身に起きたことに対して復讐
をするというミッションを抱えているんだ。
復讐をしなくては、彼女はその先の人生を進むことができないんだ。
ボンドとカミーユ(オルガ)は非常に面白い関係だったと思うよ。
ただの恋愛関係ではなく、彼女とボンドは出会い、チームを組み、
お互いをケアし合い、助け合うことになるんだ。
その関係はとてもいいし、強い関係だったと思うよ。
オルガは本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思う。

Q:アクションシーンが素晴らしかったですね!
しかし以前ロンドンプレミアの際は腕をケガしていらっしゃいましたが、大丈夫ですか?

うん、ありがとう!
いいや、あのときは肩の故障だったけれどもケガは手術をしてもう治ったよ。
特に大きな問題は起きなかったよ。
でも、いつもすごくたくさんの労力を必要とするのが、
ボンドムービーのスタントシーンにおけるシークエンスなんだよね。
アクションの中では飛行機から飛び降りるところが特に難しかったかな。
でも、やっぱり何よりもアクションシーンは
最高にかっこ良く見せなければならないと思っているからね。
だから撮影にはとにかくすごく時間がかかったよ。
いくつかのアクションシーンなんて、
そのシーンを撮るだけで数か月かかっているんだ。
とにかく何度も何度も繰り返し、撮影をするんだよ。
そんな過酷な状況でたくさんの障害物も避けなければならなくて難しかった。
でも、大がかりなアクションシーンの撮影の苦労も、
結果的には出来上がった作品が示しているように、
すごく素晴らしくて美しいシーンができて満足しているよ。

Q:この映画の撮影のロケ地は、数か国で行われたと思いますが、
あなたはどの国が一番のお気に入りでしたか?

僕はパナマが一番好きだったな。カナルの辺りで撮影をしていたんだけれども、
撮影現場のすぐ近くには熱帯雨林があったり、美しい街で撮影をしたり、
複数の素晴らしい文化が存在したんだ。
オフのときには美しいビーチに行ったよ。とても魅力的な土地だね。

てんこ盛りのアクションをこなしたのは当のクレイグ。
スタントマンには任せず90パーセントは自前のアクション。
「失敗した」という言葉が口をつくのも無理はない。

「自分でやる、というのは僕の主義みたいなものだね。
子供のころ、バスター・キートンやハロルド・ロイド、チャップリンたちの
サイレント映画が好きでよく観ていた。
なぜ好きかと言えば、彼らのアクションに魅了されたからさ。
VFXもない時代、固定したカメラの前で彼らは体を張ってアクションをしていた。
まさに命がけだ。僕はそれこそが映画の真髄なんじゃないかと思う。
だから自分でアクションをやるんだ」

ボンド像をストイックなキャラクターにしたことでリアリティのみならず、
今までにないセクシーさも加わった。女性ファンが増えた理由もそこにある。

「いや、セクシーにしようとしたわけじゃないんだけどね(笑)。
ただ、昔のボンドは、関係した女性とは一度だけでバイバイ、
雑に扱っていたけど、今度のボンドは関係することによって彼自身も変わっていく。
僕はそういう女性との関係性が気に入っていて、
それはこれからも続けていきたいと思っているんだ」

今回の監督は『主人公は僕だった』など、ドラマが得意のマーク・フォースター。
意外なチョイスだったが、
これまた意外なことにシリーズナンバーワンの最短上映時間&アクション量。
もしかして記録を作りたかった?

「いや、上映時間に関しては偶然だよ。タイトにしようと思っていたら106分になり、
シリーズ最短記録になったんだ。
でも、アクションはてんこ盛りにしたかった。
僕にとっては初めてのアクションだったから、実験のつもりもあったんだ。
火・土・風・水の4つのエレメントを入れたアクションにしたのも僕のこだわり。
でも、一番好きなアクション・シーンは、
オペラと銃撃戦をカットバックで構成したところ。
やっぱり、まんま差し出すアクションより編集で加工したほうが好みみたい(笑)。
ボンド・シリーズは観ていたけど、
まさか自分がやるとは思ってもいなかった。
だから最初に話をもらったときもノリ気じゃなかったんだけど、
僕のスタッフたちが“やるべきだ”って。で、
好きなエピソード『007/ドクター・ノオ』『007/ゴールドフィンガー』
『007/ロシアより愛をこめて』『女王陛下の007』だけを観直して現場に挑んだんだ。
撮影はとても楽しかった。というのもプロデューサーたちは、
僕に撮影の自由とサポートをくれると約束し、それを本当に守ったからだ。
この巨大プロジェクトで、だよ。実はそれに一番驚いているんだ(笑)」

1960~70年代のサイコ・スリラーを再現したかったそうですね。具体的にどの部分に?

今回は美術とロケーションを、
プロダクションデザインで新しくデニス・ガスナーが担当したけど、
彼は昔のような僕が大好きなワイドアングルで、
フレーム内に画が満ちているような映像を意識して、
そういうムードが出せるような仕事をしてくれたんだ。
だから、そういうムーディーな映像が作り出せるように僕も心がけたよ。

大変だったアクションと大好きなアクションは何ですか?

危険で大変だったのは、空中を飛ぶ飛行機から落ちるシーンだったよ(笑)。
技術的に大変なシーンで、いわゆる“空気の筒の中”を落ちていくために、
20台のデジタルカメラに取り囲まれていたんだ。
そのうえ、35ミリのカメラを持っている人も一緒に落ちたんだ。
コンタクトが30秒しか付けられないので、とにかく大変だったよ。
顔も引きつってしまうために、ハンサムには映っていないしね。
楽しかったのは、ボートのアクションかな。

水問題や CIAとの関係など斬新な展開が多いですが、ご自身でも満足されていますか?

もちろん。今回の映画でも現代という時代をなるべく映し出したい、
そういう努力をしているわけで、“ジェームズ・ボンド”と言えども、
現代という時代にコネクションを持つべきだと思う。
そうすることで、非常に現代の怖さが出ると思うんだ。
現代の悪人というのは、
資源をコントロールして世界を乗っ取ろうとするのが基本的なスタイルで、
今回の映画でもそのことを映し出したかった。
もう1つは、誰を信頼していいのか、という現代的なテーマがあるよね。
いまの世の中、誰が味方で誰が敵なのかというのは、
個人のレベルでも信頼や裏切りは重大なことだし、
もちろん国のレベルでも重要なことだ。
そのリアルなテーマを今回の映画でも、押さえるべきだと思ったんだ。
悲しいことに世界は複雑で、何が起こっても不思議はない。
ボンド映画を作る立場の自分としては、どんな要素を採り入れようと、
不思議なことは何もないんだよ。題材は世界中にあふれているからね。

キャスティングにも参加されたそうですね。どのぐらい発言権を持っていたのですか?

キャスティングにも関わったことは間違いないけど、
決定権は監督とプロデューサーにあるわけで、ただ自分の意見を述べたに過ぎないさ。
聞かれたら自分の見解を答える程度にね(笑)。
他の部分に関しても、あらゆることに首を突っ込んで意見を言ってみたよ。
怒られるかなって思ったけど、出来る限り関係していったんだよ。

前作とはまた違うテイストで演じたのか、また、改めて気をつけて演じたことなどは?

今回は前作と合わせて2本で1本のストーリーになっている特殊な例なんだ。
だから、キャラクターの中に完全に自分を沈めきることに注意を払ったんだ。
それぞれ独立の作品ながらストーリーは繋がっている特殊な作品だけど、
まずは 1本の映画として成立させることに気を配って、
それぞれに関連性を持たせるように注意したよ。

ヒロインとのベッドシーンがないのはシリーズでもめずらしいです。残念でしたか?

今回のボンドは失恋しているという前提があって心に傷があるんだ。
誰でもいいよっていうわけではないよね。
確かに今回は1人のボンド・ガールとベッドインするけど、
ドラマとしては男女関係に摩擦があるほうがおもしろいだろ?
寝てはサヨナラではなくね。女性が強ければ摩擦も生まれる。
そのほうが僕はおもしろいと思う。

以前のボンド役者の中では、ショーン・コネリー版をリスペクトしているそうですね?

ショーン・コネリーが演じたボンドの要素を引き継いでいるということはないよ。
僕は前の俳優のボンドを参考にしたり、採り入れたりしていることは一切していない。
自分のボンド像を造り上げることに徹したんだ。
僕は自分ではすべてがオリジナルと思っている。
見えない影響を受けているとは思うけど、意識はしていないよ。

昔のような秘密基地やガジェットに興味があるようですが、今後は登場しそうですか?

新しいガジェットを採り入れるのもいいけど、よく考えなくてはならないよね。
これだけ現実にたくさん存在するから、
どういうのを生み出したらいいのか考える必要がある。
また、僕は“Q”を再び戻したいんだ。
ただ、彼がどういう存在で、どういう必要性があって登場するのか、
そこに必然性を持たせないと、ダメだろうね。

あのボンドが、バーテンダーにマティーニの説明を受けているシーンが意外でしたが?

その時点でボンドは6杯も飲んでいたからね。酔っていたんじゃないのかな(笑)。
あのシーンの説明を試みると、
最初にボンドがバーテンダーに例のマティーニの作り方を詳しく説明しているんだと思う。
それで、3杯目ぐらいまではちゃんと飲んでいたはずなんだ。
でも、だんだんと酔ってきて、
死んだヴェスパーのこともあって頭の中をよぎってくるから、
彼女の名前を口にはしたくないよね。
だから、マティス役のジャンカルロ・ジャンニーニがやってきて
“何を飲んでいるのか?”と聞かれたとき、
もう何も答えたくないから、あんな風に答えたんだじゃないかな。
そういう裏事情がきっとあるんだよ。
彼が知らなかったわけじゃないと僕はそう理解しているよ。
ちなみに、僕はバーに行って…


以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『007/慰めの報酬』の頁をご覧下さい。



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