「20世紀少年」
■作品基礎データ 「20世紀少年」 2008年 日本映画 監督:堤幸彦 原作:浦沢直樹「20世紀少年」(小学館ビッグスピリッツコミックス刊) 脚本:福田靖 長崎尚志 浦沢直樹 渡辺雄介 出演:唐沢寿明 |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!
1969年。
小学生のケンヂは、オッチョ、ドンキーら同級生と空き地に秘密基地を設置。
悪の組織、世界征服、人類滅亡計画、
それを阻止する正義の味方などの空想が描かれた「よげんの書」で遊んでいた。
1997年。
失踪した姉の赤ん坊の面倒を見るケンジは、
得意先一家の失踪とドンキーの死を機に生活が一変。
巷では「ともだち」と呼ばれる教祖率いる教団が出現し、
「よげんの書」そっくりの怪事件が頻発する。
事件は「ともだち」の仕業なのか?
「ともだち」は本当に世界を滅ぼすつもりなのか?
「ともだち」の正体は一緒に遊んだ仲間なのか?
2000年12月31日。
「よげんの書」に書かれた、人類が滅亡する“その日”がやってくる。
「YAWARA!」「MONSTER」の浦沢直樹が
1999年から約8年をかけて描いた「20世紀少年」。
累計発行部数2000万部を超えるこの国民的コミックの人気は、
日本に留まることなく世界12カ国で翻訳出版され、
中でもフランスでは権威ある漫画賞であるアングレーム国際漫画祭・最優秀長編賞を受賞。
伝説のコミックが、この夏、実写となってスクリーンに降臨する。
全世界を舞台に約50年に及ぶ壮大なストーリーと緻密なプロット。
「映像化不可能」と囁かれ続けた「20世紀少年」。
日本映画界初のシリーズ3部作構成と、60億円の製作費、
世界各地で撮影が行われ、
約300人のオールスターキャストが、動員されました。
浦沢直樹自身が初期段階から脚本監修(第1章は共同脚本)に参加し、
原作とは異なるストーリー展開を構築。
中でも物語の主人公(?)「ともだち」の存在に関しては、全く新しい人物解釈が登場する。
<第1章> を2008年夏、<第2章>を2009年新春、
<第3章>を2009年秋と3期に分け順次公開していく。
映画の日に「20世紀少年」を見ました。
毎月1日の映画の日に映画を見る、というのも随分久しいです。
お金より映画を見る時間の確保のほうが負担に感じる今日この頃。
平日でしたが、若者向けと入っても、大学生くらいから社会人にかけてを狙った
作風なので、ウィークディでも満席なのでしょう。
もう少し低年齢対象の「デトロイト・メタル・シティ」は日曜は行列していたのに、
月曜は劇場前が静かなのと好対照です。
六十億だかをつぎ込んだ連続三部作の第一弾。
巷の評判では「ほんのプロローグ」との事であんまり期待しないで、
安く見られる日に出かけたのですが、
思ったより、ちゃんとしたクライマックスがあったじゃないですか。
ただ、登場人物が多すぎ、豪華キャストがこれではもったいないなと感じたのは
他の映画の掲示板の書き込み同様に私も感じました。
でずっぱりの唐沢寿明を除くと、佐々木蔵之助とかユースケ・サンタマリヤ、
とか好みの男優さん達わんさか出ていたのに、ほとんど見せ場がないのが不満です。
出番の少ない割りにかっこいいのがトヨエツと常盤貴子ですが、
なんかこのふたり、戦隊モノのブルーなんとか(ニヒルな脇役)、
とピンクなんとか(紅一点)、といった風な
かなりパターンにはまった扱いですね。
ああ、そうかこれは“ヒーローもの”だし、サブタイトルにもちゃんと
“本格少年冒険活劇”と謳っているのだから、
生活観のある人物である必要はないわけだ。
原作の切り張りのような脚本で、絵コンテも原作コミックスを使用したといいますから、
かなり原作のまんまなのでしょうが、
スピード感というのは映画のそれになっているところが、
さすが堤監督。
カルト教団が敵、というのは2008年の今ではやや古きに失しているのですが、
それ以上の巨悪というのが設定しにくいのが今の邦画の弱点といえば弱点。
「ホワイトアウト」では全共闘時代の過激派の残党という設定が痛々しかったですし、
「亡国のイージス」では北朝鮮。
「ミッドナイト・イーグル」ではそれも古くなって、漠然と“北の脅威”扱い。
“トモダチ”はこの作品だけでも細菌兵器から巨大ロボットまで使って
大暴れするのだけど。
バックにどんだけの大資本が付いているのでしょう?
やっていることの経済的合理性が見出せず、
本気で世界征服する気なのか
嘘っぽいところがつらいところですが、
この作品の魅力、というか怪しいところは、
そんな設定考証的な話ではなくて、
子供の頃、皆と秘密基地で作った「よげんの書」が
悪夢のように実現してしまうというところですね
いま悪夢、と書きましたが、当初、主人公の健児は、
はじめそれを悪夢と感じているのが、
みずから闘争を開始するうちに、
奪われた自分達の夢を取り返せという風に変わっていく。
ミュージシャンを志して、いまはコンビニ経営をしている、という設定が、
はじめ邪魔臭く感じたのですが、
後半にかけて味を出してくる。
それは健児が、ユメに挫折した経験者であるということですね。
それでも人生は続きがあって、子育てもしなくちゃならないし、
お袋の世話をして、食っていかなくちゃなせない。
“生活かかっちゃって厳しいんよ”なのが前半、
彼の行動の足を著しく引っ張るのだけど、
コンビニを無くして、テロリストに仕立て上げられて、
失うもの全部失ってから戦い始めた時、
子供とお袋さんがそれでも残って、
そして巨大ロボット相手に、友達と共に切りこまにゃと
腹をくくる時の原動力のようなものになっている。
「オールウェーズ 三丁目の夕日」のようにただ昭和を懐かしむのではなくて、
この作品では“思い出が仇”になっているところが、
経済的合理性のなさという欠点をしのいで
心情的なリアリティになっています。
ここまでで感じる事は、友達のひとりであったと思われる“トモダチ”の
世界滅亡の動機は、ユメの泥棒、嫉妬のようなものではないかと推測されるのだけれども、
それは三部作の一作目のみを見て、原作を読んでいない私個人の感想だし、
それは続編では裏切られてそれ以上のものであってほしいし、
また娘の時代へと引き継がれた戦いの行方がどのようになるのか、
年明けに公開と予告される第二弾をとりあえず期待と、しときましょう。
ところで、
こんだけ予算をつぎ込む作品だと、国内どころか海外でもヒットしてくれないと
ペイできないはずですが、
例えば「デス・ノート」の時のようなパワーは感じられませんでしたね。
整然と整理されすぎていて、
お行儀の悪いバイタリティ、という感じになっていない。
堤監督、その意味で膨大な原作を綺麗にまとめすぎですね。
主演の唐沢寿明は次のように作品について語っています。
Q:邦画では珍しい3部作『20世紀少年』という
ビッグ・プロジェクトに参加された感想について聞かせてください。
ビッグ・プロジェクトというよりは、
まずはこの作品をどうするのかという思いの方が強かったので、
そちらの方がプレッシャーでしたね。
原作は連載が始まった当初から読んでいたので、
この作品を映画化するということ自体に驚きました。
Q:原作と映画は別ものだとは思いますが、
ケンヂ役を演じるにあたって気を付けたことは何かありますか?
僕の役は顔が原作とは似ていないんですよ。
似ていないことは重々承知で、キャスティングしてくださったので、
何とかやろうと思って今に至っているわけです。
原作が好きな方たちは「似てないよ!」って感じると思うんです。
それはもう間違いなく10人いたら10人言うと思うんですよ。
それで映画を観終わった後に、
「最初に出て来たときには似てないと思ったけれど、
最後まで観たらやっぱりケンヂだったなぁ……。
これだったらまだ許せる範囲だな」って原作が好きな方々が思ってくれれば、
自分の役割は果たせたと思います。
そのために原作の空気感やケンヂっぽさみたいなものには気を付けました。
それを最後までやり切ることで成立していくんじゃないかと思って演じました。
Q:コンビニで赤ん坊をおぶって働いている姿がとても優しそうでした。
以前コンビニでバイトをやっていたので、違和感はほとんどなかったですね。
ただ子どもを背負うのはちょっと……(笑)。
あの赤ちゃんの扱いがちょっと怖かったかな。
よく泣くし、大人の言うことは聞かないので。
Q:ケンヂは子どものころに “よげんの書”を描いて遊んでいましたが、
唐沢さんも彼のような遊びをされた経験はありますか?
ああいうことをした経験はないですね。
ただ2000年には隕石(いんせき)が衝突して地球が滅亡するっていう本が
はやっていたので、そういう本はよく読んでいました。
基地も当然作っていました。
そこに集まってただ本を読んでいるやつもいれば、
普通に話をしているやつもいる。
学校帰りにそこに集まって、別に何をするわけじゃないんだけれど、
日が暮れるまでただそこにいました。
きっと子どものころって大人たちに秘密を持っていたかったんでしょうね。
Q:ロッカーの夢破れたケンヂを演じていて、もどかしい部分はありませんでしたか?
挫折をしたことで日常に埋没して、
コンビニで働いて「おれこんなんでいいのかな?」と思いながら
普通に生きているという感覚は、
普通によくわかるリアルな話じゃないですか。
僕自身も俳優として芽が出るまで、
オーディションに受かり続けていたわけじゃないし、
辞めようかどうしようか考えたことだって山ほどありますからね。
そういう意味では気持ちもよくわかるし、
この作品にはいろいろなことを考えさせられましたね。
Q:超豪華キャストが勢ぞろいしていますが、
皆さんと共演された感想について聞かせてください。
やっぱり普段できないような人たちと共演したことがとてもうれしかったです。
これだけオールスターキャストを集めたことがすごいということではなくて、
それぐらい多くのお客さんにこの映画を観てもらいたいということなんだと思います。
Q:フランスをはじめ海外での配給も決まっているそうですが。
もちろん海外のお客さんにもどんどん観ていただきたいと思います。
国内だけの配給だけにこだわらずに、
そういうことをどんどんやっていけばいいと思います。
Q:“血の大みそか”のシーンは壮絶でしたが、
実際にあのシーンを演じられていかがでしたか?
実際にああいうことが起きたら当然大変なことになるでしょうね。
ただ、映画の中のようにテレビで大勢の人が死んで大変だって言っているときに、
家族でご飯を食べているとか、
ああいう人ごとみたいなことってあるでしょう?
あれは決して日本だけの話じゃないですよ。
やっぱり近所までロボットが近づいて自分に災難が降りかかるまでは、
みんなご飯食べていますよ、きっと。
そういうところもいろいろと考えさせられるんですよね。
最初に出て来たときは笑えるんですけど、2回目以降は笑えなくなってくるんです。
対して堤幸彦監督は、本作を以下のように語っています。
原作の魅力は?
「壮大なロングストーリーの中で、
個人的な小さなことから世界が大きく変わっていく過程が、
いろいろな人物の言葉で多角的に語られています。壮絶な物語です。
一言では括れない、時代を背負った作品だと思います」
原作者の浦沢直樹さんの印象は?
「年は私よりも少し下ですが、ほぼ見聞きしてきたことは一緒だなと感じました」
映画化にあたり、浦沢さんとはどのようなやり取りがあったのでしょうか?
「“お任せします”と言われたのですが、
脚本を担当して頂いたので、一緒に作っている感覚がありました。
原作者自身が壮大な物語の中からエピソードを拾って作り上げた脚本なので、
それに対して誠実であろうと思いました」
映画化にあたって注意された点は?
「原作ファンを裏切らないために、原作原理主義でいこうと思いました。
完コピしたいと。
絵コンテに原作のコマを貼り付けて、みんなで確認しながら、
アングル、人物の配置も含めて原作通りに撮るようにしました。
勿論、はしょっているエピソードもあるので、
全てが原作通りとはいきませんが、
一番目に付くキービジュアルは原作と同じ様にしようと思いながら作っていました」
Q1999年から原作の連載が始まりましたが、
なんだかその後の世の中を予測しているような内容ですね
「そうですね。非現実的ではない未来の描き方をしていると思います。
ネガティブで暗い未来を予想していますが、決してない話ではないです。
元々、人間にはマイナスな集団性があると思います。
海外では実際にそれが原因となって事件が起きています。
日本だけが例外なわけはありません。近未来モノとしても良くできた物語だと思います」
Q未来だけでなく、昭和も描かれていますが、堤監督にとって昭和とは?
「体の95%ぐらい昭和で出来ていますからね(笑)
良い時代でしたけど、そこから抜け出したいと思うような苦しい時代でもありました。
映像で描かれるとノスタルジックで、
手作りで、みんなひとつのことに熱狂していて、
温かい良い時代だったように見受けられますけど、
厳しい競争があって、切り捨てられていく人たちがいたのも事実です。
明るく楽しいだけでなく、
辛い、苦しい、汚い、臭い面もたくさんありました。
そういういろんなものがない交ぜになった時代です」
Q T.REXの「20th Century boy」がタイトルの元になっているように、
ロックがかなり重要な要素となっていますね
「この作品はあまりにも壮大で、自分に出来るのかな?と正直思ったのですが、
2つ入り込めるポイントがあると思いました。
1つは昭和。自分が見聞きしたことが描かれている。
自分にはそれが判る。
もう1つはロック。
ロックはビジネスではなく、個人の強い思いの表現であり、
心の状態なんだということを、
浦沢先生は主人公のケンヂを通してしっかりと描いています。
このロック・スピリットにはとても共鳴します。
ロックが聴こえてくる漫画です。
ロックを表面的に捉えているのではなく、
内面的な思いの爆発として描いているので、
この作品を是非やりたい、ここから逃げちゃいけないと思いました」
Q堤監督ご自身、ロックに対する熱い思いがあるようですね
「子供の頃からロックを聴いていました。
ロック・ミュージシャンになれるとは思っていませんでしたが、
近くにいたかった。
ロックがかっこいいと感じた気持ちを忘れるような大人にはなりたくなったんです。
それもあって良質なロック映画にしたいと思いました」
Q超豪華な出演者たちですが、
主役クラスの役者さんたちを束ねるのは快感ですか?それともプレッシャーですか?
「みなさん主役級で、しかも世代が近い。
そうなるとサークル活動のような、和気藹々とした楽しい現場に勝手になるんです。
監督というよりは部長のようでした。
プレッシャーは勿論ありましたけど、
みんな楽しんでやっていましたし、自分も楽しかったです」
Qみなさん原作のキャラクターとそっくりでしたが、
それぞれ役者さんとしての個性も引き出さなければなりません。
その辺の匙加減はどうされたのでしょうか?
「みんなさんプロ中のプロですから、
それぞれの個性は自然に滲み出てきます。
だからどんなに原作原理主義と言っても、
必ずオリジナルの『20世紀少年』になると思っていたので、
そこに不安はありませんでした。
メイク、衣装、セリフ回し、歩き方とかは、
漫画のキャラクターに近づけるために、原作を研究してイメージを膨らませました」
Q今後の展開はどうなるのでしょうか?
「2章、3章ですか?それは楽しみですねぇ。
私も楽しみです。ハハハハッ。
8月15日から撮影再開です。
2章の残りの20%と3章の全てです。
これが凄いことになっていまして、ちょっと自分でも想像がつかないですね。
とんでもないものを相手にしているという実感がヒシヒシと沸いてきています。
第1章は完成しましたが、
達成感はそれ程なく、
これからもっと凄いことが待っているんだという緊張感で一杯ですね」
Qやはり大いなるチャレンジですか?
「一生に一度あるかないかの壮絶な作品だと思います。
討ち死にしてしまうかもしれません(笑)」
Q今までの経験はかなり活かされていますか?
「そうですね。今までの仕事の仕方から大きく逸脱は出来ないですからね。
ただ、自分なりのくだらない小ネタとかも撮ったんですけど、
編集してみたら邪魔だったので、全部切ってしまったとかはありますね」
Qかなり多くの作品を撮られていますが、一体、いつ休んでいるのでしょうか?
「結構、休んでいますよ。カットとカットの合間とか(笑)」
要するに原作とどう向き合っているかが、
この映画のツボなのであります。
『20世紀少年』は、
1999年から2006年まで週刊ビッグコミックスピリッツで連載された
浦沢直樹のSFサスペンス漫画。
単行本は『20世紀少年』が全22巻、『21世紀少年』は上・下巻の2巻が発売された。
作品名はマーク・ボランが率いたT・レックスの曲
「20th Century Boy」に因んでおり、
主人公のモデルはミュージシャンの遠藤賢司[1]。
単行本19巻の初回限定版には同曲を収録したCDが特典として付属された。
第48回小学館漫画賞をはじめ、第25回講談社漫画賞、
第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞、第37回日本漫画家協会賞大賞、
第39回星雲賞コミック部門、
海外でも2003年にヨーロッパ最大の漫画賞と言われる
アングレーム国際漫画祭の最優秀長編賞を受賞する。
その他にも多数の賞を受賞している。累計発行部数は2000万部を記録。
登場人物の詳細紹介を書こうと思いましたが、
どうももろネタバレになりそうなので、
用語集に変更します。
題して“怪しい「20世紀少年」用語集”
【ウイルス】
世界を二度にわたって滅亡の危機に追い込んだ殺人ウイルス。
“血の大みそか”以前のものは潜伏期間が無いに等しく、
発症後はすぐさま体中至る所から激しく出血、感染者を即座に失血死させる。
2015年に使われたものは風邪によく似た初期症状がまず現れ、
その後数日の間に前述のような大量出血を引き起こす。
キリコとフクベエと同級生であったヤマネのグループが開発してきた。
これらにより世界人口の半数以上の人々が感染し死亡する事となり、
人類が存亡の危機に立たされる事となった。
【絶交】
“ともだち”側の人間が敵対する者や邪魔者を殺すことを指す。
【友民党(友達民主党)】
“ともだち”の信者たちで構成される政党。
万丈目を党首として市民の支持を得て、
遂には連立内閣に組み入り、結果“ともだち”は政治的権力を持つ。
【地球防衛軍 】
ウイルスをばらまいた宇宙人の侵略から地球を守るために、
“ともだち”が作った部隊。
東京の本部は高さ数百メートルの建物。
特撮のような制服とヘルメットを身につけており、
レーザー銃(但し玩具のように極端に出来が悪い)で武装している。
拳銃などの現実的な武器も所持している。
【親友隊】
“ともだち”の親衛隊。
任務内容は地球防衛軍とほぼ共通している。
指揮権は当初、万丈目が持っていたが、殺害後は新幹事長となった高須が掌握する。
【2000年血の大みそか 】
世界各地で突如ウイルスが撒き散らされた事件。
2000年12月31日に起きた事件であるためこのように名付けられた。
これを切っ掛けに“ともだち”と、
彼の率いる友民党が名実共に英雄となった事件でもある。
首謀者は当時テロリストとして指名手配されていたケンヂ一派とされ、
後の教科書にも正史として記録された。
実際は“ともだち”による犯行で、自作自演である。
【よげんの書】
ケンヂ達が小学校の頃に秘密基地のメンバーで考えた
『将来やってくるだろう悪の組織の地球征服』の方法を書いたもの。
しかし、それとは別にフクベエ達がしんよげんの書を作っていた。
さらに、カツマタが万丈目の発言を受け、
マネのマネとして、さいごのページを書いた。
よげんの書
サンフランシスコで細菌兵器が散布される。
ロンドンで細菌兵器が散布される。
大阪で細菌兵器が散布される。
羽田空港が爆破される。
国会議事堂が爆破される。
東京に巨大ロボットが襲来。世界各地で細菌兵器が散布される。
9人の戦士が立ち上がる。
(ケンヂ、オッチョ、ユキジ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、ケロヨン、
コンチ、ドンキーであったと思われる。)
しんよげんの書
集会で救世主が暗殺される。
報告の電話が鳴り、スーツケースを持ったセールスマンがウイルスを散布し始める。
聖母(キリコ)が天国か地獄をたずさえて降臨する。
リンリンと電話が鳴り、人類滅亡の準備が整う。
万博が開かれる。
2015年で西暦が終わる。
世界大統領が誕生する。
しんよげんの書 さいごのページ
反陽子爆弾で世界が滅びる。
ヴァーチャルアトラクション内にあった紙
巨大ロボットが秘密基地を踏みつぶしスイッチがおされ地球は大爆発。
ストーリーの時系列(映画版 第一部)を整理すると以下の通り。
(もろネタバレです。)
1959年
ケンヂの父、小豆相場に手を出し無一文になる。
キリコ、ケンヂの母親代わりになると息巻く。
8月20日ケンヂ産まれる。
1967年(ケンヂ小学2年生)
ケンヂ、喫茶「さんふらんしすこ」、スナック「ロンドン」の存在を知る。
(サンフランシスコとロンドンが「よげん」の舞台となるきっかけ)
1969年(ケンヂ小学4年生)
夏、ケンヂたちが秘密基地を作る。
ヤマネ、オッチョに“しんよげんの書”の秘密を教えてあげるという約束をする。
サダキヨ、フクベエと秘密基地で知り合う。
フクベエ、ケンヂに万博の存在を話す。ケンヂ初めて、万博の存在を知る。
7月20日 - ケンヂとドンキー夜中までアポロ11号月面着陸の衛星中継を見る。
1971年(ケンヂ小学6年生)
秘密基地にあったものをタイムカプセルに埋める。
神様が経営するボウリング場が建設され、秘密基地が潰される。
1972年(ケンヂ中学1年生)
ケンヂ、第四中学に入学。
ケンヂ、4ヶ月分のこづかいを使って4千円のクラシックギターを買う。
1973年(ケンヂ中学2年生)
ケンヂ、放送室をジャックして、「20th century boy」のレコードを昼休みに流す。
カツマタ、その放送を聞き、自殺を躊躇う。
(後に、二代目”ともだち”となったときに、自らを”20世紀少年”と名乗る要因となる)
1997年(ケンヂ38歳)
キリコ、カンナをケンヂに預け失踪。
ケンジ、酒屋をキングマートに改装する。
お茶の水工科大学敷島教授の一家全員が忽然と姿を消す。
ケンヂ、敷島教授の家で“ともだち”のマークを発見する。
お茶の水工科大学、敷島ゼミの学生金田正太郎が伝染病で全身の血液がなくなり死亡。
ケロヨンの結婚式。
小学校の頃の友人ドンキー(工業高校教師)が“ともだち”に殺される。
ドンキーの葬儀にケンヂら参加
ドンキーの教え子であった田村マサオが、宗教団体教祖のピエール一文字を殺害。
ケンヂ、マルオ、ヨシツネ、フクベエ、同窓会に参加。
ケンヂ、モンちゃんらと共に1971年に埋めたタイムカプセルを掘り返す。
サンフランシスコで、謎の病原体が発生し多数の人が死ぬ。
ケンヂ、ドンキーを殺害した“ともだち”の信者と遭遇。“ともだち”の打倒を決意する。
ケンヂ、“ともだち”のコンサートに乗り込み、初めて“ともだち”と遭遇。
大阪で、“ともだち”一味によって病原体が撒かれる。
羽田空港爆破。
カンナ拉致されそうになり、ケンヂのコンビニが放火される。
家の庭の焼け跡から、“よげんの書”を掘り返す
(母親が紫陽花を埋めていたところにケンジがうめた)。旅立つ。
拉致した敷島教授を“ともだち”幹部らが巨大ロボット製造協力のために脅迫を行う。
1998年(ケンヂ39歳)
ケンヂ、敷島教授の娘が風俗で働いていることを突き止める。
2000年(ケンヂ41歳)
オッチョ、日本に帰国。ケンヂと再会。
ケンヂ、敷島教授の娘と会う。
ケンヂ、オッチョ、
「“ともだち”のマークを取り戻そう」の合図の元、
マルオ、ヨシツネ、モンちゃん、フクベエ、ユキジを招集。
(ケロヨン、コンチ、ヤン坊・マー坊にも誘いをかけるが、ことわられる。)
カンナ、山形のユキジの知り合いの家に預けられる。
12月21日 - 国会議事堂が爆破される(のち記念館に改装)
カンナ、ケンヂに会いに一人で東京へ戻る。
12月31日(”血のおおみそか”) - 世界同時多発テロが発生する。
巨大ロボが東京を破壊する。
オッチョ、ユキジ、モンちゃん、友民党本部に乗り込む。
ケンヂ、フクベエ、“ともだち”らしき人物を追いつめるも、フクベエと共に死亡(?)
友民党がウイルスのワクチンを世界に広める。
ケンヂ、オッチョ、マルオ、巨大ロボットに立ち向かう。
21世紀になったその瞬間巨大ロボットが大爆発するが、ケンヂは逃れる(記憶喪失になる)
“ともだち”、ウイルスのワクチンを世界中に配布する。
原作者浦沢直樹先生は、この作品を以下のように語っています。
[浦沢直樹(うらさわ・なおき)
1960年東京都生まれ。高校から大学にかけて、
コミック作りとともにバンド活動に熱中。
1981年小学館新人コミック大賞に入選し、翌年SF作品『BETA!!』でデビュー。
主な作品には『MASTERキートン』や
「ビッグコミックオリジナル」で連載中の『MONSTER』などがある。]
インタビューは「20世紀少年」の連載が始まる(1999年)直前のものです。
一大巨編がどのようにスタートしたかを知る手がかりが得られます。
―「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された新連載「20世紀少年」予告の
イラストでは、
『八百政』のお兄さんが「今日は大根が安いぜ、コノヤロー」と言っていましたよね。
でも、それでいてこの新連載はSF作品だということですが……。
八百屋さんとSFという関係が、どうも理解できないのですが。
浦沢●八百屋さんはやめたんです。
――あ、やめたんですか。
浦沢●酒屋さんにしたんです。
(のちに元酒屋のコンビニという設定になる)
――そうですか……でも、酒屋さんだとSFになるのかな?
商店という設定が大事なんですね。
浦沢●うーん。大事なんですけど……。
ふと思ったのは、もうすぐ21世紀になるわけで、
世の中「21世紀、21世紀」って騒いでいる。
だから、あえて『20世紀少年』と。
21世紀になると世の中がどうなるかはわからないですけど、
20世紀はどうだったかは知っていますからね。
――その20世紀を描きたいんですね?。
浦沢●ええ。あと、今わりと、僕らぐらいの世代に『懐かしいもの』みたいなのが
氾濫しているんで、なんかちょっといやだなぁと思って。
――ははぁ。
浦沢●それが思いっきり後ろ向きな気がするんですよね。
なんか、「後ろを見ろ見ろ」って言われているような気がするんです。
だから、ああいう感じの後ろ向きじゃなくて、
未来があるから過去をちゃんと押さえて、先へ……というような。
――確かに現在は、レコードの針がずっと同じところを回っているような
雰囲気が感じられますね。
浦沢●だから、20世紀を懐かしむんではなくて、検証しようと……。
――ところで、この新連載を描こうという根源的な発想は、
ずっと以前から浦沢さんの中にあったんでしょうか?
現在「ビッグコミックオリジナル」で連載中の『MONSTER』を始める
前からあったとか……。
浦沢●うーん。もとを正せば中学校時代にさかのぼるんですけど。
ある事件がありまして、あれを描こうかなって思ったんですね。
――ご自身の中に何か事件があって、それをネタにしようということですね。
浦沢●うーん。ネタっていうよりも、なんか……。
そこからバーンと世界が広がって……。
あっ、こんなものがあったなって思って、それを取っかかりに、
いろいろと思い出すとですね、だんだん頭の中で、こう……、広がるっていうんですか。
――その事件を取っかかりに、浦沢さんの中に、ある世界が広がったということですね。
浦沢●ええ。
――その事件がきっかけで、当時、世界観が変わったとか?
浦沢●ハハハ。たいしたことではないんですけどね。
――友だちも関係した事件だったんですか?
浦沢●まあ、いろいろとあるんですけどね。何と言ったらいいのかなぁ……。
何もなかったですからね、中学時代は。
東京の三多摩の中学生ってのは……何も。
小学校のときも、まあ、何もなかったけれど。
――今度の新連載『20世紀少年』というのは、やっぱりSFなんですか。
浦沢●うーん。SFに対する概念が自分の中でも変わってきたんですね。
僕は、漫画を描くんだったらSFだと思っていまして。
僕にとっては「漫画=SF」でしたから、逆に何を描いてもSFなんですけど。
――浦沢さんのデビュー作『BETA!!』はSFで、
今回はそれに次ぐSFだと「スピリッツ」での予告で紹介されていますが。
浦沢●うーん。何なんでしょうね、今度の連載は……。
自分でもよくわかんないんですが。こんな変な話、大丈夫なのかな……。
――ご自身の中でSFの概念が変わったと言われましたが。
浦沢●世の中のSFに対する概念も変わってきたんだと思うんです。
皮肉なもんですけど、今、いわゆるSFをやっていこうとすると、
SFでないものになっちゃう。
――いずれにしても今回の新連載は、
従来のコミック作品とはまったく異質なものになりそうですね。
浦沢●どうなんでしょうかね。
――浦沢さんの中でも異質の作品ですね?
浦沢●あの……、本来の形に戻る、ということかな。
――今までの浦沢作品は、本来あるべき姿から、寄り道していた。
でも今回の新連載は、いわば浦沢直樹の根っこの部分であると?
浦沢●そうかもしれないですね。あとは、
以前ならどう表現していいかわからなかったものが、
いろんな作品連載を何年もやってきて、
表現するための手法がやっと身についたのかもしれない。それで、
今なら描けるかもしれないな、という感じですかね。
――登場人物などは固まってきているんですか。
浦沢●キャラクターに関しては、どんどん勝手に動いて、
勝手なことを始めてくれますからね。
今回気をつけてやってみようと思っているのは、何かこう「ビート感」というか、
僕の今までの作品とは違う、あるリズムみたいなものを出すことができたら、
と思うんです。
――小説家がいわば文体を変えるように……でも、難しいことでしょうね。
浦沢●『MONSTER』のときも相当変えてるんです。
キャラクターの描き方って、人間味みたいなものは普遍的にあるもので、
それをどう表現するかっていうのは、あんまり変えられないと思うんですよ。
だけど、その作品自体の「ビート感」を変えるっていうのが、
いちばん新鮮な気がするんです。映画とか、いろんな作品を見ていますとね、
何が違うのかなっていうのは、「ビート感」なんですよね。
――「ビート感」ですか……。
浦沢●できるかどうかはわかんないですけど、志として。
意識的に変えようとしないとなかなか変わらない。
『MONSTER』もそうだったんですが、
一生懸命、意識的にやってもなかなか変わらないです。
それが、作品が流れ始めると、自然に変わってくるんですよね。
そうして作品自体の匂いが自分の中でわかってくると、
自分が引っ張られていくという……
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『20世紀少年』の頁をご覧下さい。
トップページ(映画製作裏話、映画と原作比較レビュー)戻る。