「252 生存者あり」
■作品基礎データ 「252 生存者あり」 2008年 日本映画 監督:水田伸生 原作:小森陽一 脚本:小森陽一・斉藤ひろし・水田伸生 |
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東京に震度5強の地震があった数日後、
海水温度の急激な上昇によって太平洋上に発生した史上最大規模の巨大台風。
予測をはるかに上回る自然の猛威が、首都・東京を直撃しようとしていた――。
始まりは、雹(ひょう)の急襲だった。
人々でにぎわう銀座の街に、突然、巨大な雹が降りそそぎ、
さらに東京湾に押し寄せた高潮が、ビルも、橋も、街路樹も押し流し、
都心に向かってなだれ込む。
元ハイパーレスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、
その日、7歳になった娘しおり(大森絢音)の誕生日を祝うため、
妻の由美(桜井幸子)と銀座で待ち合わせをしていたが、
途中の地下鉄新橋駅で逃げ惑う人々のパニックに巻き込まれた由美は、
耳の聞こえないしおりとはぐれてしまう。
由美からの電話で新橋に向かった祐司だが、
その直後、地下へ流れ込んだ大量の水が鉄砲水となって地下鉄を襲い、
新橋駅は轟音とともに崩落した――!
土砂に埋もれた地下のホームで祐司はようやくしおりを見つけるが、
地上への出口は完全にふさがれていた。
ときおり瓦礫が崩れ落ちてくる閉ざされた空間に、
行き場もなく取り残されたのは5人―
―祐司としおり、研修医の重村(山田孝之)、大阪で中小企業を営む藤井(木村祐一)と、
銀座で働く韓国人ホステスのスミン(MINJI)だった。
妊娠中の妻と9人の子供のために絶対に死ぬわけにはいかないという藤井、
祖国に母を残してきたスミン、
投げやりな態度で何かと周囲につっかかる重村も、
生きたいという思いに変わりはない。
祐司は、しおりを助けるため、そして、ここにいる全員を生きて地上に還すため、
救助を求めて行動を起こす。
2回、5回、2回……と、柱を叩き続ける祐司。
それは、ハイパーレスキュー隊で使われる「252=生存者あり」の暗号だった。
1年前、救出現場でのある出来事をきっかけに、祐司は隊を辞めて転職したが、
兄の静馬(内野聖陽)は今もハイパーレスキュー隊の隊長を務めている。
合図を送り続ければ、救助は必ずやってくる。今はそれを信じるしかなかった。
しかし、助けを待つ間にも地下の状況は悪化する。
腹部に傷を負い、緊急輸血の必要に迫られるスミン。
さらに、新たな崩落が起こり、瓦礫の中へと飲み込まれていくしおり……。
一方、地上では、
静馬率いるハイパーレスキュー隊が懸命の救助捜索活動を続けていた。
絶望的ともいえる崩落現場。
地下への進入口はすべて土砂で埋め尽くされ、
瓦礫を掻き分けての危険な捜索にも生存者は一向に見つからない。
そこへ追い討ちをかけるように上陸した巨大台風。
すさまじい暴風雨が緩みきった地盤を直撃し、
いつ二次災害が起きてもおかしくない状況に、捜索の打ち切りが決定される。
退避の命令を受け、若い隊員たちは「何のためのレスキュー隊なのか」と反発するが、
隊長の静馬にも、副隊長の宮内(山本太郎)にも、
忘れることのできない苦い記憶があった。
部下の命も守らなければならない、彼らにも帰りを待つ家族がいるのだ。
祐司としおりを見捨てるのか、と静馬に詰め寄る由美も、
かつては命がけで救助活動に向かう夫を不安な思いで見守った妻のひとりだ。
それでも、救助を待つ者はレスキュー隊を信じるしかない、と泣き崩れる由美を前に、
静馬は言うべき言葉をなくす。
そのとき、音響探査機シリウスが捕らえた地下からの打音。
2、5、2……ハイパーレスキュー隊の暗号を使って助けを求めている者がいる!
色めきたつ現場に、静馬の声が響き渡った――「252、生存者あり!」
暴風雨をついて決死の救出作戦が始まった。
計画遂行のために許された時間は、台風の目に入る“18分間”のみ。
命がけの救出作戦は成功するのか? そして奇跡の生還は叶うのか?
「252 生存者あり」試写会で見てます。
期待してなかったのですが、思ったより面白かったです。
前半の大災害モノの勢いあるパニックシーンが
結構ショッキングでした。
街が吹き飛ぶシーンはハリウッド映画で食傷気味のはずなのに、
自分の職場や遊び場の町が、つまり生活の場である場所が
通行人の目線で阿鼻叫喚地獄と化する様子は、
見ていて怖くなりました。
銀座四丁目に大人のこぶしよりでかい雹(ひょう)が振る。
街頭のオーロラビジョンが音を立てて砕け、
時計台の文字盤が割れ、
デパートのショーウインドウの破片が通行人を襲う。
フロントガラスをぶち破られた車が次々追突する。
逃げ場を失い、血まみれになって人々が、地下鉄に殺到する。
もちろんオープンセットでしょうけど、
どういう種類の災害が東京を襲うのか、予備知識なしに見せられると、
結構肝をつぶします。
地下鉄・銀座線の新橋駅の様子も同じで、
地上から悲鳴を上げて逃げてくる群集に、
照明が破裂し、天井そのものが落ちて来る。
そこに電車が到着して、
爆音とともに洪水が押し寄せる。
CGだと思っていたら、特撮チームに水中撮影班があって、
カメラマンのダイバーが多数参加している。
水中をの葉のように押し流されていくサラリーマンなんかが
実写だったんだとエンディングで気がついて、びびったです。
汐留の高層ビルが津波に飲まれ、
レインボーブリッジが落ちるCGはカット数が少ないけど
かっちょいいです。
日本テレビ制作の映画なのに、お台場のフジテレビが
ぶっこわれて球形展望台が波間に漂うシーンは笑えます。
なんで新橋駅が舞台なのか、はじめよくわかんなかったけど、
主人公達が閉鎖された旧新橋駅に逃げ込むところで
その意味が分かります。
本当に「地下鉄に乗って」で出てきた旧新橋駅が、
今でも新橋駅に隠されているのかどうか知りませんけど、
「交渉人 真下正義」のダンパ(脇線)並みの設定で面白いです。
後半ががらりとムードが変わってレスキュードラマに。
それはそれで面白いんだけど、話がどんどん「海猿」に。
話を変に広げないで新橋駅の地下に限定したのがよかったです。
けど、巨大台風上陸下のドラマですから、
一都三県の首都圏全体がてんやわんやの大騒ぎのはずで、
そのことを時々出てくるマスコミの報道シーンで
ひとことも触れられていないのは変です。
私が脚本家なら、
首都圏全体が大騒ぎだから、新橋駅に東京消防庁は人も資材も回せない、
孤立するレスキュー隊、てな感じにしますが。
人命救助にローテクからハイテクまで、
ボールペンから休止中の気象衛星まであらゆるハード、ソフトを動員し、
知恵と根性の限りを尽くしてクライマックスに向かって
積み上げていくプロセスは盛り上がります。
けどなんか、
つい先日「ハッピーフライト」で、
現実の航空機のプロ達の悪戦苦闘を見たばかりなので、
「252」がどんなに盛り上がっても、
通常のレスキュー隊の能力以上のあれこれを動員したフィクションである事が
残念に見えてしまうんです。
実際に自分が新橋駅で生き埋めになったら、
こんな「サンダーバード」みたいに助けてもらう事はできないよなぁって。
身近な場所を舞台に思い切ったスペクタクルで見せるというのが
ウリなんだけど、
おなじ伊藤文明の「リミテッド・オブ・ラブ」は言ってみれば、
非現実の作り物として楽しめるのだけど、
「252 生存者あり」では、
見終わってみるとそれが逆に、
現実の災害でこんな風に人は助からない、ってそんな風に落胆してしまったんです。
映画が悪いんじゃないんだけどねえ。
自然災害に対して、世界でもっとも危険な都市はどこか?
この問いに、世界最大手の国際保険会社が出した答えは、東京・横浜。
2位のサンフランシスコを大きく引き離すダントツの1位で、
さらに4位には、大阪・神戸・京都の関西圏がランク入りする。
地震あり、台風あり、津波あり、火山ありの、災害大国ニッポン。
過去においても、未来においても、日本人は自然の脅威から目をそらすことはできない。
では、そんな世界でもっとも危険な都市・東京を、
史上最大規模の巨大台風が直撃したらどうなるのか?
物語の舞台は、首都圏を襲った直下型地震から数日を経た東京・新橋。
地震の強大なエネルギーは自然災害の連鎖を引き起こし、
太平洋上に発生した巨大台風が臨海都心に迫り来る!
新橋駅周辺と地下鉄駅構内を、
そっくりまるごと再現した巨大なオープンセットが生み出す“本物”の迫力、
そして実景とCGを合わせた驚愕の映像が、
いずれ起こりうるかもしれない衝撃のシーンを出現させる!
『海猿』の伊藤英明と、大河ドラマ「風林火山」の内野聖陽が兄弟役として初共演。
他に山田孝之、木村祐一、MINJI、山本太郎、杉本哲太。香椎由宇、桜井幸子。
監督は『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(06)、
『舞妓Haaaan!!!』(07)で話題を集めた水田伸生。
原作は、中越地震のトンネル崩落事故から本作の着想を得た小森陽一(『海猿』シリーズ)。
以下にメイキングに関する情報を伊藤英明、内野聖陽のインタビューより拾い書きします。
(複数のインタビューより再構成)
Q:本作が制作されることになった経緯は?
伊藤:『海猿 ウミザル』の原案者でもある小森陽一さんが、
『LIMIT OF LOVE 海猿』の撮影現場にいらしたとき、
お土産として原稿用紙10枚ほどの『252 生存者あり』のプロットを書いて
持って来てくれました。
小森さんのリアルに人間ドラマを描きだす手腕を尊敬していたので、
自分を想定して書いてくれたというのが、とにかくうれしかったのを覚えています。
この『252』というタイトルは、一見シンプルですが、
その中にいろいろな重みが含まれているところにも惹(ひ)かれました。
それから『252 生存者あり』のプロジェクトが進んでいったわけです。
Q:とても過酷な撮影現場だったそうですね。
伊藤:寒い時期で、スタジオの中は年中ほこりっぽかったけど、
あまり苦労したという感覚はないですね。
とにかくセットがリアルだったので、入るだけで気持ちも役に入り込めました。
むしろこういう大がかりなセットの中で演技ができることに充実感でいっぱいだったし、
毎日興奮状態でした(笑)。
Q:完成作をご覧になっての感想は?
伊藤:見慣れた新橋の風景がひどい状態になっているのを見て、改めて怖いと思いました。
今の時代は、原作ありきで作品が作られることが多いと思うんですけど、
この映画のように、一からスタートしたものがここまでの大作に仕上がったのを見て、
夢みたいだとも感じています。
本作で初の父親を演じましたが
伊藤:あまり猫かわいがりをしても、親子の関係って出るものでもないと思うし、
父親役というのは難しいと思いました。
でも幸いなことに、
撮影現場で付き添っていた子役の大森絢音ちゃんのお父さんが僕と同い年の方
だったんです。
ご本人といろいろお話をしたり、ちょっとしたしぐさを観察したり、
役につなげる努力をしていました。
あと、絢音ちゃんの存在感に助けられたところもありますね。
将来、絢音ちゃんのような娘さんが欲しいですか?
伊藤:はい、欲しいです(笑)。
Q:お兄さん役の内野さんと共演していかがでしたか?
伊藤:内野さんは、僕の中で大河ドラマの人というイメージがありました。
怖くてとっつきにくい方なのかと思って最初は緊張していたんです。
顔合わせを兼ねての訓練で初めてお会いしたときに、
あの低い声で「弟よ!」と言って近づいてきて(笑)。
それから一気に打ち解けることができました。
内野さんは、役に対していろいろなアイデアを持っていて、
なおかつ現場を引っ張っていく力を持っていてすごいと感じましたね。
現場で木村祐一さんの手料理を楽しまれたそうですが。
伊藤:そうですね。木村さんとの共演が決まったとき、
料理を作ってもらえると真っ先に思いましたよ(笑)。
鳥を丸ごと煮て、塩だけで味を付けた鍋と、鳥団子を作ってくれて。
木村さんが撮影の合間に鍋の様子を見に行ってたり(笑)。
実際に作っている姿を見て感動しました。うまかったし(笑)。
内野さんからみた伊藤さんの初共演の印象は?
内野:「伊藤くんはもっと生意気なのかと思っていたら……こんなにいい男なのに、
すっごい、いいヤツ(笑)。こんなナイスガイはなかなかいないと思いました。
あとはやたらと体を使いたがる(笑)。
ハイパーレスキューの訓練でも、いの一番に行動してて。
気持ちのいい男だなというのが一番の印象です」
体を使うのは好きなんですか?
伊藤:「元ハイパーレスキュー隊員という役ですし、
隊員がやっている訓練なんだからと思って頑張っていただけなんですけど(笑)。
まあ、でも基本的に体を使うのは好きです。
そう言う内野さんも、体柔らかいし、結構動いてましたよね。
率先して『これはなんですか?』って質問したり」
内野:「隊長は肉体的にどうこうというより、
むしろたたずまいや心構えのほうが大事かなと思って、
どちらかといえばそういうことを質問してたんだ。
隊長として普段、隊員たちをどう思っているかとか、
災害現場で隊長は真っ先ににどんなことを考えるのかとか」
訓練でお互いにライバル心が芽生えたりはしませんでしたか?
内野:「それはなかったね(笑)」
伊藤:「ハイパーレスキュー隊員としてのディテールがしっかりしていないと、
台本にない部分を肉付けできないので、頭や体で感じて叩き込んで……。
自分のことで精一杯でした」
内野:「“ハイパーレスキュー”って、あまり一般に浸透してないでしょう。
俺も全く同じで『普通のレスキューと何か違うの?』って思っていたら、
ものすごい人たちなんだ。
日々めまぐるしく進化しているあらゆる救助器材を、縦横無尽に操る。
重機にしてもひとりで何種類も操っちゃう」
伊藤:「そのマニュアルが全部頭の中に入っていてね」
内野:「そう。向上心の塊な人たちで、寸暇を惜しんで訓練や勉強をしている。
その中で隊長になる人なんていったら、もっとすごい。
経験もあって、あらゆる状況に対するオプションが頭の中にある。
そんな役を演じるので、とにかくちゃんと聞いておかねばと思ってやってました」
伊藤:「彼らの動きの中には無駄がひとつとしてない。
そういうのって台本には描かれていないし、クローズアップはされないけど、
キャラクターの背景として自然にできていないといけない。
そこからなんですよ、お芝居が始まるのは」
内野:「機敏に的確に動いたりっていうのは、撮影現場では一朝一夕にはできないから、
練習や訓練を何度も繰り返した上で現場に臨みました。だから現場ではわりと自由でした」
元ハイパーレスキュー隊員を演じるにあたって、どのような役作りをしましたか?
伊藤:現場に実際のハイパーレスキュー隊員の方が付いてくださってお話をうかがったり、
訓練を受けたりしました。キャラクターに説得力を持たせるよう、
危険に対する察知能力が高く、
けが人の扱いに熟知している彼らに近づこうと努力しましたね。
現役レスキューの方たちと接して、特に印象に残っている思い出は?
伊藤:レスキュー隊の方々は、
要救助者を救うことによって自分の存在意義があると考えていらっしゃる方が多い。
だから救うことができなかったとき、後で自分のやり方が違っていたらとか、
自分の親兄弟だったら助けたんじゃないか、などといろいろ悩むそうなんです。
そういったトラウマや葛藤(かっとう)の中でお仕事をされていると聞いて、
改めてすごいところで戦っている人たちがいるんだと実感しましたね。
(共演の)内野(聖陽)さんの言葉を借りれば、崇高な職場だと思いました。
脚本を読んだときの感想や印象はどうでしたか?
伊藤:「これをどうやって映像化するんだろうっていうのが第一印象でした。
『レインボーブリッジに高潮がかかる』とか『押し流されるお台場』とか、
字で書くのは簡単ですけど……。
雹(ひょう)の塊が降ってくるというのも、どれくらいの大きさなのか、
どういう密度で落ちてくるのかとか、想像できない部分がいっぱいあって」
内野:「お台場が破壊されるといってもどの程度のものなのか、
絵が見えないというのはありました。
あと、静馬という男は、唯一無二の肉親である弟をものすごく心配している一方で、
職務として一般人の生存者をまずは助けなくちゃいけない。
でも、ある瞬間に、どうしても弟を助けたいという個人的な思いに走ってしまう。
そういう人間をどう表すかというのが、僕の中では芝居の焦点だなと思いました。
祐司は家族愛の話を担当してますけど、こちらは兄弟愛だったので、そこを深くしたいと。
台本では描ききれていない部分は、監督にいろいろ提案して、
兄弟の絆というのを僕なりに深めていったつもりです」
水田監督は本作について次のように語っています。
もともとは、「海猿」原案者の小森陽一さんが書いた10枚ほどのプロット
だったそうですが、脚本はどのように作られたのですか?
「当初のプロットは、
ハイパーレスキュー隊の男が閉じ込められる設定以外はすべて違います。
映画化にあたり、シナリオを書かせてほしいという小森さんの希望があったので、
まずは一度書いてもらいました。
さすがに第1稿では完成版のようなシナリオにはならなかったので、
そこに斉藤ひろしさんというシナリオライターが参加して、
最終的には僕が書き上げました。
約1年かけてプロデューサー2人、斉藤さん、小森さんと僕の5人で仕上げたのですが、
実は途中でかなり回り道をしています。
国際戦争で核爆発が起こるストーリーにしようとしたりね(笑)。
というのも、実際に“地中核”という地中で爆発する核爆弾が開発されているので、
そのアイデアが使えると思ったんです」
地中核にするか水害にするかで迷っていたのですか?
「地中核のアイデアを出したときに、
周りも『映画的で面白い』と乗り気だったんです。
それで途中までストーリーを詰めていったんですが、
これだと人が助かるかどうかよりも国対国の戦争の方が気になるだろう、
という単純なことに気づいたんです(笑)。
そもそも映像表現は画で魅せなければいけないと思い、
台風のアイデアが浮かびました。
日本人にとって、台風はしょっちゅう上陸するからあまり危機感がないけど、
案外恐いことなんじゃないかと思ったんです。
それと同時に“台風の目”の存在はタイム・サスペンスとして使えますからね」
映画化にあたり、台風やそれを予測する気象庁について、
ハイパーレスキュー隊について事前にどんなことをリサーチしましたか?
「まずは、台風が今後どれぐらいの規模で大型化するのかを気象庁の方に取材しました。
地球温暖化に伴い、映画で描いた高潮は十分起こりうることなんです。
もちろん数年後に必ず起こるというような話ではないですけどね。
また、雹が降るというのも、確かに台風の前触れなんです。
実際にソフトボール大の雹が八王子で観測されていますからね。
あとは竜巻についても調べました。
これらの気象庁の考えを基に、次は消防庁の方々にお話を伺いました。
この作品で描くのは“高潮で地下鉄内に閉じ込められる”ことなので、
この辺りが臨海都市だということを考えると、
銀座線、東西線、丸ノ内線は危険にさらされる可能性がかなり高い。
それで実際そういうことが起こった場合、
どう対処するのかをハイパーレスキュー隊の方々に聞いたところ、
『もうどうしようもない』と言われました(笑)。
これはしめたと思いましたよ。
つまり、彼らが分からないことなら僕らが自由に考えた物語にできますから」
災害のシーンは、巨大なオープンセットやCGを用いることによってリアルで迫力のある映像になっていますが、
映像面で一番こだわったところはどこですか?
「まずはセットやCGだと思わせないことですよね。
リアルでなければ観客も身につまされないですから。
嘘を描くという意味では、CGを用いればかなりのことを表現することができますが、
ケレン味という発想はやめて迫真のリアル感を狙いました。
リアル感を出すのは本当に難しくて、
例えるなら空気を表現するようなことだと思うんです。
だから水や炎だけでなく、実はそこに漂う煙や埃の動きなどをCGで表現しています」
主人公はハイパーレスキューの仕事について苦悩を抱えている兄弟ですが、
演じた伊藤英明さん、内野聖陽さんには演技面でどんな演出をしましたか?
「映画を見る観客は、最初から2人が兄弟だということは分かると思いますが、
劇中で2人が顔を合わせるのは映画の終盤なんです。
それまでまったく別の行動を取っているんだけど、
お互いのことを意識しているという部分では、
とても難易度の高いシナリオを作ったように思います。
レスキューの仕事に対しての葛藤も、
実際に会って芝居していれば表現しやすいのですが、離れ離れで演じなくてはいけない。
なおかつ2人の苦悩の原因である過去の事故は、
あくまでも心の内に秘めておくべきことですよね。
だから、そういった葛藤などを表現するのではなく、
劇中で起こるシチュエーションに直面したときの心の動きを注視しようと話しました。
また、この作品は一見するとパニック映画ですが、
我々がやりたいのは人間ドラマなので、『人の心の動きを撮りたい』ということを…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『252 生存者あり』の頁をご覧下さい。
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