「エイリアンVSプレデター」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★
「エイリアンVSプレデター」
2004年 アメリカ映画
監督脚本 ポール・W.S.アンダーソン
出演 サナ・レイサン サナ・レイサン |
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2004年10月、
ウェイランド社の資源探査衛星が南極大陸に不振な影を捉えた。
億万長者の実業家ウェイランド(ランス・ヘンリクセン 「エイリアン」シリーズ)は、
考古学者、科学者、セキュリティのエキスパートからなる国際チームを招集し、
環境問題専門家で女性冒険家のレックス(サナ・レイサン)にガイドを頼み、
南極の地下深くから放出されている謎の“熱源”の調査を敢行する。
そして、600mの地底で目撃したものに、彼らは興奮し、次に恐れを抱く。
彼らが発見したのは、アステカ、エジプト、カンボジアの各文明が交じりあった
巨大なピラミッドだった。
ピラミッドの内部に様々な部屋を見つけ、
その進んだ技術が数千年前から地球外文明の影響を受けてきたことが明らかになる。
そのとき突如、部屋の壁が動いて閉じこめられ、
その動く壁の迷路によってチームのメンバーは分断されてしまう。
脱出の方法を探そうと象形文字を解読しながら迷宮を進むうちに、
直立して人を襲う直立したトカゲのような怪物と、
全身超兵器で武装した異世界の戦士の両方から襲われる。
彼らの正体は碑文中に刻まれていた。
プレデター種族は、100年周期で生きたまま凍らせたクイーン・エイリアンに卵を産ませ、
若いプレデターの戦士は、
生まれたエイリアンと対決する試練を受ける。
調査隊はこの成長の儀式――エイリアン対プレデターの戦いの真っ直中に、
知らずに足を踏みこんでしまったのだ。
「どちらが勝っても……人類に未来はない。」という仰々しいコピーで宣伝されてきた
『エイリアンVSプレデター』。
予告編の画面が妙に明るくて、もっと暗いイメージ迫って欲しいのに
やだなーって、
あまり期待せずに見ました。
バンバン派手な活劇ものではありましたが、私には平凡なお祭り映画でした。
めまぐるしく走り回っているようでいてその実、何も進展していないのでダレました。
進展してないというのは、対立があっても葛藤が無いということですね。
だからドラマが無い。
過去の「エイリアン」「プレデター」両シリーズは、
無理やりだったり、稚拙だったりはしてるんですが、
主人公の成長だったり、不可知にものに対する畏怖を自覚するとか、
なんとかドラマをひねり出そうとしてるんですが、
この作品では設定はあっても、キャラクターが描かれていないからドラマが無いのですね。
単に物量の衝突があって双方が消耗していくだけ。
チェスの駒のようにしか登場キャラクターが扱われていません。
20世紀フォックスがリドリー・スコット監督の『エイリアン』を公開したのは1979年。
その後、ジェームズ・キャメロン監督の『エイリアン2』(86)、
デイビッド・フィンチャー監督の『エイリアン3』(92)、
ジャン=ピエール・ジュネ監督の『エイリアン4』(98)と、
“エイリアン・サーガ”はこれまで四本の作品が公開されています。
方や『プレデター』は1987年のジョン・マクティアナン監督作品…と言うより、
シュワちゃん主演のアクション映画とスティーブン・ホプキンス監督の『プレデター2』(90)の2本が作られています。
作品の格から言えば、『エイリアン』が一流ホラー映画、
『プレデター』がB級SFアクション映画であります。
それがどうしてVS映画にまでなったかというと…。
「知ってる」人はまあ多いんでしょうが、一応、経緯をたどりますと…。
「プレデター2」のクライマックスでダニー・グローバー演じるロサンゼルス警部補が、
プレデターを追って彼らの宇宙船内部に侵入するが、
そこで彼らが狩りの成果として飾っている頭がい骨の中に、
エイリアンの頭がい骨がありました。
一瞬しか映らず、ストーリーには関係ないシーンなのですが、
これがSF映画ファンに大好評。
すぐさまコミック版やゲーム版が複数作られ、どちらもヒット。
89年11月、フォックスから権利を買ったダークホース・コミックスから
4冊分のコミック「エイリアンVS.プレデター」が発売されて大ヒットし、
その後も続編が次々と発表されていきました。
そのコミックの成功を受けて、93年、コンピュータ・ゲームの第1弾が登場し、
各社から新たなゲームも生まれています。
また、94年からオリジナル・ノベルの形で3冊、小説化もされています。
例えばゲーム版の「エイリアンVS.プレデター」はどんな話だったのか?
カプコン版「エイリアンVS.プレデター2」は、
映画「エイリアン2」をベースに、次のようなストーリーが組まれています。
ウェイランド湯谷社の極秘研究施設「LV1211」が突如として消息を絶ち、
調査のため植民惑星海兵隊が派遣された。
兵士たちは、一般の植民宙域から遠く離れた奇妙な星で、
無惨に破壊された研究所に愕然とする。
そして生存者を捜すうちに、峡谷の傍らに建つもうひとつの廃墟を発見した。
隊員たちは施設の目的と現在の状況を知って戦慄する。
この研究所は、実はエイリアンの固体確保に成功したウェイランド湯谷社が
エイリアンの巣穴を自然の状態で観察するために建設したものだった。
海兵隊の到着に先立つこと6か月前、
「LV1211」に迷い込んだ密輸業者によって卵が持ち出されそうになり、
出現した「フェイス・ハガー」によって密輸業者は全滅。
居住区画内に侵入した「チェスト・バスター」によって研究所は
内側から壊滅させられてしまった。
事情が判明したとき、海兵隊は既にエイリアンの群れに取り囲まれて
窮地に陥っていた。
そこへまた未知の来訪者が殖民惑星に来訪する。彼らはプレデター。
プレデターたちはエイリアンを狩りに現れたのだ。
狩猟こそがプレデターの存在目的である。
最高に危険な獲物であるエイリアンを追って「LV1211」にたどりついたプレデターは、
しかし思いがけず人類とエイリアンの乱戦に巻き込まれることとなった。
仲間のふたりが人類の待ち伏せを受け捕縛されるに至って、
プレデターの英雄が遂に立ち上がる。もはやこれは狩猟ではない。
ゲームの楽しみよりも、仲間の生存を優先させるべき非常事態だ。三者が激しく激突する。
果たして、最後に生き残るのは?
映画企画はダークホース・コミック版「エイリアンVS.プレデター」。
第1作を元にピーター・ブリッグスが書いた脚本。
これは第4稿まで書かれたがボツになったそうです。
次が、ジェイムズ・デモナコ&ケビン・フォックスの脚本。
プレデターの船に救出された人間がプレデターの文化を学んで彼らの一員になる…
という話だったようです。
「エイリアン3」にも関わったことのあるデビッド・トゥーヒーも脚本に着手したが、
「ピッチ・ブラック」の企画が動き出してそちらに移ったとの話も聞きます。
ゲーム版もそうですが、コミック版や検討された脚本のいずれも
舞台が過去の映画の延長線上であったり、三者の噛み付き合いが強引だったりと、
フォックス製作陣の不満の残る企画脚本ばかりだったようです。
ポール・W.S.アンダーソンは「バイオハザード」で一躍メジャーとなった監督ですが、
プレデターが南極に建設した古代遺跡に眠るエイリアンを調べにきた人類が、
プレデターとエイリアンの衝突に巻き込まれる、というオリジナル脚本をフォックスに売り込んで採用され、
すでに決まっていた「バイオハザードII アポカリプス」の監督を降りて本作を監督したという話です。
ポール・W.S.アンダーソンは14歳で「エイリアン」を見て以来のエイリアンファン。
本作へのオファーがあったのは、
彼が監督した人気ゲームの映画化作「バイオハザード」のヒットが契機だろうが、
彼はもともとSF映画好きで「イベント・ホライゾン」「ソルジャー」と
自分で脚本を書いたSF映画を撮ってきた人物。
この「AVP」の原案も、本人いわく9年前から考えていたのだそう。
物語の発想の元は造形デザインを担当したイラストレター、ギーガーが描きながら
映画「エイリアン」でボツになったピラミッドのイメージ画と、
「プレデター2」の宇宙船内のアステカ文明的造型だそうです。
クリーチャーSFXは、これまで“エイリアン”シリーズを手がけてきた
アマルガメイテッド・ダイナミクスが担当し、
VFXスーパーバイザーには『タイタニック』のジョン・ブルーノ、
ビジュアル・コンサルタントに『アイ,ロボット』のパトリック・タトポロスが
参加しています。
撮影のデイビッド・ジョンソン、
編集のアレクサンダー・バーナーは共に『バイオハザード』で
アンダーソン監督とチ−ムを組んだ仲です。
音楽は『デイ・アフター・トゥモロー』のハラルド・クローサーが担当しています。
日本の配給会社は青函トンネルの水深140mギネスブツク挑戦試写会というのを
かましたそうです。
出てきますね、本編でも長いトンネルが。
作品を作るにあたって検討されるのは、「エイリアンVS.プレデター」というネタを
ホラーで行くか、アクションで見せるかということでしょうが、
出来た映画は思いっきりアクションですね。
恐怖というのは、謎があるから怖いのであって、エイリアンもプレデターも
観客には正体ばればれなので今更、なぞめいて見せても仕方ない、
ということなのかもしれません。
でも遺跡の中で儀式用のエイリアンがクイーンを電撃出産(?)させて
卵を産み落とさせるところから、
「フェイス・ハガー」「チェスト・バスター」そして成人エイリアンと段取り踏むとは、
少々のんびりしすぎてないか?
プレデターはシリーズ初のトリオで登場しますが、
チームプレイと無縁なのはもったいないですね。
ピラミッドの迷路が十分おきにぐるぐる動くというのも必要だったんでしょうか?
最初に出入り口をふさいでしまえば、あとは
まともに道迷って悲鳴を上げて逃げ惑うのは人間ばかりですが、
例えば十分以内に自爆装置を解除しなくては、といった枷が無いのであの設定は
無意味ですね。
フォックス製作陣は過去の作品の類似脚本すべてを没にしたようですが、
ということは製作陣はエイリアンとプレデターというおなじみのキャラクターを使って、
まったく別の世界観で見せるオリジナリティーを求めていたことになります。
それは何故か? 製作陣は感動作でも求めていたのか??
これはエイリアンとプレデターのいずれもが新作ごとに収益が下がっていったことからも、
過去の作品の延長線上では、過去の配給成績、マーチャンダイジングを含むすべての利益を下回ることは目に見えている、
と判断したものと考えてよいでしょう。
ポール・W.S.アンダーソンの脚本は、
時代を現代にとり、地球の南極大陸の氷河の下の古代ピラミッドを舞台にするという、
オリジナリティーで他の候補脚本に大きく差をつけましたが、
エイリアンとプレデターの戦いそのものの内容面に新しさが無いので、
序盤の物々しさに比べて、肝心の対決シーンがあっけなく、新鮮さがありませんでした。
キャメロンが、エイリアン・クイーンを突如登場させて、ロボットに乗ったリブリーと肉弾戦をやらかすような、
むちゃくちゃだけどかっこよくて面白い場面というのが発見できなかったことが残念です。
ただ、お祭り映画としてはエイリアン、プレデター両方のファンのご機嫌を伺うには十分で、
旧シリーズを知らない若い世代にもリメイク作品としての浸透度は期待できそうです。
新規市場開拓は難しくとも合格点は挙げられそうです。
ラストのチェスト・バスターはホラー映画のお約束で、
あれをもって「続編あり」と思うのは
ハリウッド版ゴジラの続編を期待するのと一緒ですが、
ま、結局、その場面が続編の冒頭シーンになっているわけですから、予告は裏切られなかったわけです。
ねたばれ改行です。
監督の話によると、最後まで残るプレデターには「スカー」という
名がついていて、「マカロニウエスタン」に出ていた頃の
クリント・イーストウッドのイメージで書いていたんだと言っています。
それにしてもレックス(サナ・レイサン)がスカーに
エイリアンの死体から作った槍と盾を手にしてふたりで並んで歩くシーンには
思いっきりひきました。
リプリーのイメージだったんでしょうが、
サナ・レイサンじゃ、シガニー・ウィーバーのまねは絵にならないんですよね。
いや、シガニー・ウィーバーがおんなじことやっても、ぶち壊しだったでしょう。
人間とプレデターの共闘する設定は脚本段階では面白かったかもしれません。
エイリアンの頭の盾と尻尾の槍をレックスが構えるイメージイラストを
描かれたときもOKだったかもしれません。
でも実際キャメラが回ったら、ダサいパロディーになっちゃいましたね。
狙っていたことと出来上がったものが違っているというのは、
ありがちなのですけどね。
続編のレビューもありますので、トップから入りなおして是非読んでやって下さい。
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