「バットマン ビギンズ」映画製作裏話
★映画基礎データー★「バットマン ビギンズ」 2005年 アメリカ映画 監督 クリストファー・ノーラン 脚本 デヴィッド・S・ゴイヤー 出演 クリスチャン・べイル |
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『メメント』のクリストファー・ノーランが監督し、
「マシニスト」のクリスチャン・べイルが主演、敵役が渡辺謙と
くれば見るしかないだろう!?と、
大急ぎで見たのですが。
なんかこう、期待していたものと違うものを見せられちゃった感じです。
重厚で手間隙かけて作られた作品であるというのは判るんですが。
日本人の我々としては、
渡辺謙がバットマンというハリウッド1のアイコンを相手に徹底的に戦い、
派手派手に敗れ去ってくれれば、それで満足、というところでしたが、
扮する“ラーズ・アル・グール”というのがイメージとしての悪の象徴で、
実際の出番がほとんど無く、あっという間に死んでしまうので拍子抜けでした。
悪の象徴にちゃんとなっておればいいんですが、
単に“世を拗(す)ねたラマ僧”という風に見えなくもない。苦笑
クリスチャン・ベイルは
「マシニスト」の時と体重差はどのくらいになるのでしょうか。
すっごい筋肉むきむきで現れるので筋肉増強剤でも使ってるのかしらん?
それとも首から下はCGじゃないか?と思わせるほど体格が変わっていました。
当人いわく、
「前4作は、あまり参考にはならなかった。
今回の役を作り上げる作業はすべてグラフィック・ノベルを元にしたんだ」と、
今回のバットマンが前3人のキャラクターとは違うことを強調しています。
クリストファー・ノーラン監督も、
「バットマンは何も超能力を持ってない普通の人間。何よりもそこに惹かれた。」と
言っています。
ドラマ的には、普通の人間が超人的な悪をなぎ倒す痛快さがあってしかるべきだけど、
ブルース・ウェインの内面の苦悩、トラウマの克服にドラマの大半が費やされ、
後半、制作費をつぎ込んだ大掛かりなアクションが連打される割には、
溜飲が下がることのない作品になっています。
監督は、原作がコミックだけど、映画は普通のドラマとして演出するとも語っており、
「メメント」の時のようなハッタリズムとも無縁で、
カメラワークなどもオーソドックなスタイルにこだわってるみたいです。
バットマン誕生については89年のティム・バートン監督版でも触れられており、
両親の殺害の加害者であったチンピラが後のジョーカーに、
被害者であった少年ブルースが後のバットマンに、と
同じ原点を持ちながら、いっぽうが悪に、他方が正義に
道が変わってしまったということで
納得してたのですが、それでは不十分なのでしょうか?
今一度、語りなおす価値がそもそもあったのか??
物語の始まりは、ブルース・ウェインの子供時代に遡る。
幼い少年を襲った古井戸への墜落という恐怖の原体験。
そこで見たこうもりたち。
さらに、両親を目の前で撃ち殺されるという惨劇。
罪の意識と復讐心を胸に成長したブルースは、
自らの手で犯人への報復を試みる。
しかし、両親を殺した男は何者かによって抹殺され、
復讐の道を閉ざされたブルースは、放浪の旅に出る。
アフリカの街角、上海の路地裏、そして中国の刑務所を経て、
ヒマラヤの山中へ。
伝説の人物“ラーズ・アル・グール”率いる「影の同盟」のもと、
肉体と精神の修行を続ける日々。
「恐怖に打ち勝つには、お前白身が恐怖になれ」
師の言葉に自らの心の闇を見つめたブルースは、
「影の同盟」そのものと対決。これを殲滅して故郷ゴッサム・シティに帰る。
ゴッサム・シティに巣食う悪を打ち倒すために。
バットマンの役のオーディションには8 人の俳優が呼ばれたようです。
クリスチャン・ベイルの他に、
ジョシュア・ジャクソン(『レーシング・ストライプス (2005)
』等)、
アイオン・ベリー、
ヒュー・ダンシ(「キング・アーサー (2004)』等)、
ビリー・クラダップ(「ビッグ・フィッシュ (2003)
』等)、
キリアン・マーフィ、ヘンリー・カヴィル(『モンテ・クリスト伯 (2002)』等)、
ジェイク・ギレンホール
(『ドニー・ダーコ (2001)』「デイ・アフター・トゥモロー (2004)
』等)の面々です。
結局、クリスチャン・ベイルに決定したが、
クリストファー・ノーラン監督はキリアン・マーフィが気に入り、
彼をザ・スケアクロウ役にキャストしています。
原作コミックスでは登場人物たちはどんな風に設定されているんでしょう?
“ラーズ・アル・グール”はアラビア語で“悪魔の頭”という意味があるそうです。
バットマンの敵対者の中で一番不可解で悪賢いのがラーズ・アル・グールとなっている。
犯罪者写真台帳に載る犯罪者達とは関係しておらずラーズ・アル・グールは
唯一無二の犯罪者だ。
ラーズ・アル・グールは 600 年以上もの間生きていたと主張するが、
誰も彼がいつ生まれたのか確かなことを知るものはいません。
ラーズ・アル・グールは国際犯罪組織「影の同盟」を率いている。
その使命は、汚染された惑星を浄化し、
最終的に彼が支配するよりよい世界を創造することです。
ラーズ・アル・グールはいつも忠実なボディガードであるウブ
(Ubu) を伴っている。
ラーズ・アル・グールの狂気は、
独特なパワーの源である“ラザラス・ピット
The Lazarus Pit ”から起こっています。
それは若さの泉のように、体を漲(みなぎ)らせる未知の物質。
しかし、その副作用として狂気が起こる。
長い間その物質の中毒になっていることで、
ラーズ・アル・グールにとっての道徳や価値というものが乾ききったとされています。
ラーズ・アル・グールがバットマンに関心を持ったのは、
“ラザラス・ピット”の影響が減少した時のことです。
ラーズ・アル・グールは自らの後継者となる男が必要だと感じていた。
ラーズ・アル・グールの子孫は娘のタリアだけ。
彼は広大な帝国の規範となれる男と娘を結婚させなければならない。
バットマンが後継者となるに相応しいかどうか証明するため、
数々のテストを実施。
ラーズ・アル・グールはバットマンがその人だと確信します。
しかしバットマンは彼の後を引き継ぐ気は無く、
ラーズ・アル・グールはバットマンを敵だと見なすのです。
ラーズ・アル・グール役には、
デュカード役のリーアム・ニーソンや
ヴィゴ・モーテンセン(『ロード・オブ・ザ・リング』3部作)も考えられていた
という話です。
同じく原作コミックスではマイケル・ケイン扮する執事のアルフレッドは、
メカニックのエキスパートでもあり、
ウェイン邸の地下の大洞窟にある秘密基地“バットケイブ
”で、
多くのハイテク小道具類の製作に貢献している。
ウェイン家に入る前は、イギリスのシークレット・サーヴィスのエージェントで
あったというキャリアも持っている。――という
実に都合の良い設定になっているみたいです
ラーズ・アル・グールと
トム・ウィルキンソン(『真珠の耳飾りの少女 (2003)
』
『エターナル・サンシャイン (2004) 』)扮するマフィアの首領カルミネ・ファルコーネ
に挟まって途中まで目立たない悪役、ザ・スケアクロウこと
Dr.ジョナサン・クレインは
子供の頃からずっと人間の恐怖や恐怖症の研究に興味があったオタク少年。
ティーンエイジャーの頃、“スケアクロウ(案山子)”と呼ばれたクレインは、
そのやせこけた風貌のせいで虐められていた。
クレインは成人してゴッサム州立大学の心理学教授となりますが、
患者や学生達の心に恐怖を吹き込むという妄想にとり付かれ、
クビになります。
邪悪な怪人となったクレインは、
様々な薬、化学薬品、装置、心理学の専門知識を使い、
“スケアクロウ”と名のり、ゴッサム・シティで最も恐れられる犯罪者の一人となります。
―映画ではへんてこなマスクを頭から被って暗躍してますね。
結局何したいのか良くわからん奴でしたが、
“インテリながら犯罪マニア”という本来の設定があったわけです。
ゲイリー・オールドマン(『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004)
』
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2005)』)の
ジム(ジェームズ)・ゴードン巡査は、悪徳警官が跋扈するゴッサム市警で
苦労する正義の警官ですが、原作コミックではバットガール
、
バーバラ・ゴードンの父でもあるんですってね。
ジム・ゴードン役には、
『オールド・ルーキー (2002) 』『デイ・アフター・トゥモロー (2004)』
『フライト・オブ・フェニックス (2004)』のデニス・クエイドも候補にあがっていたようです。
売れっ子モーガン・フリーマン扮するルシアス・フォックスは、
映画ではウェイン産業の閑職の応用科学部部長から社長に抜擢されます。
原作ではもとから社長で、兵器開発の話はあとから付いてきたみたい…。
当初は、『マトリックス』3部作のローレンス・フィッシュバーンに
振る案も検討されていたそうです。
…しっかし、実際に決まった人もその候補も、凄まじい豪華キャストですね。
一応、ネタばれ改行です。
「なぜ墜落する? ふたたび這い上がるためだ」
「影の同盟」でブルースを訓練した、ブルースの恩師で友人デュカード
(リーアム・ニーソン『シンドラーのリスト (1993)』<
1994 年アカデミー主演男優賞
ノミネート>『キングダム・オブ・ヘブン (2005)』)との最後の戦いで、
ブルース・ウェインはバットマンとして独り立ちするのだけれど、
だったらもっと
デュカードを前に立ててドラマを作っても良かったのではないでしょうか?
彼が再登場の時に“ラーズ・アル・グール”の名を使うものだから、
渡辺謙が再登場するのかと期待してしまったです。
ザ・スケアクロウの扱いといい、本当の悪は表立って姿を現さないものだ、
という監督の考えかもしれませんが、
なんとなく盛り上がり損ねている原因のひとつのように感じてしまうのですが。
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