「ベッカムに恋して」映画製作裏話

「ベッカムに恋して」映画チラシ★映画基礎データー★
「ベッカムに恋して」
2002年 イギリス映画
監督・脚本 グリンダ・チャーダ
出演    パーミンダ・ナーグラ
      キーラ・ナイトレイ

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余談ですが、この映画の中に出てくるテレビ中継の中のベッカムさんは
スキンヘッドで、
主人公のお母さんが「こんなはげ男のどこがいいの?」と
主人公に噛み付いてもいます。
ベッカムさんはもともとスキンヘッドだったんですか?
なんか当時のコマーシャル契約でそういう髪型だったそうですって本当かい?

イングランド在住のインド系一家の少女ジェス(バーミンダ・ナーグラ)はベッカムの大ファン。
彼女は地元女子サッカー・チームの一員となりますが、
頭の固い両親に猛反対された揚げ句、恋のトラブルまで発生してしまいます。
女子サッカーをモチーフにしたコミカルでエネルギッシュな青春ドラマです。
家族との価値観のギャップに悩む女の子の奮闘が、
躍動感あふれるサッカー・シーンをちりばめて描かれて行きます。

日本では無名のケニヤ生まれのインド系女流英国監督グリンダ・チャーダが、
新人無名青春俳優達ばかりを使って作った映画です。
都内でも興行はすぐ終わってしまいました。
ここ数年の国内外の青春映画が束になってもかなわない面白さを持った作品が、
ほとんど知られることなく消えていくであろう事は、無念でなりません。
みんなDVDみてくれーっ

父と姉は航空業界で働いているらしく
一家は高級住宅街に住んでおり、
主人公ジェスも大学の受験勉強中です。
恐らくイギリスの在住アジア移民の家庭としてはかなり裕福な方で、
家族の知的水準も高いです。

そんな家庭であっても女の子がサッカー選手になるというのは破天荒な話で、
両親はパニックを起して猛反対します。
 暗い因習が家庭を支配しているという雰囲気はありません。
姉の婚約パーティや結婚式は、「踊るマハラジャ」ばりの歌え踊れの大饗宴で
賑やかこの上ないです。

ウェゴという新型撮影機の導入で
スティディカムでも不可能な超ローアングルの高速撮影が可能となり、
カメラは少女達のサッカーシューズのつま先を追いかけます。

サッカーに反対する母親は、ジェスをキッチンに閉じ込めて、
家事炊事の猛特訓。
母親が鍋の料理をかき混ぜているすぐ後ろで、
ジェスがキャベツでドリブルの練習しているところとか、悲鳴を上げるほど可笑しいです。
チームメイトで親友となるジュールズ(キーラ・ナイトウェイ「穴」「エピソード1」)と、地下鉄に乗って、街をウィンドウショッピングしたり、カフェでお茶したりと、ティーンの目線のロンドン市内巡りというのが、
これまでのイギリス映画にほとんど出たことが無いだけに、初々しく夢が感じられました。
そして、家族に内緒でチームは海外遠征しドイツ国内を転戦します。
ゴールを決めてトンボを切って喜ぶジェス。その笑顔。

しかし、女子チームの監督ジョー(ジョナサン・リース・マイヤース「タイタス」)が家を訪ねて、
両親を説得するところで、
父親は意外な過去を打ち明けます。
父親はかつてクリケットの名選手でしたが、インド人であるという理由でイギリスでは
その実績は無視され、「クラブから犬の様に追われた」と語っています。
「時代が違う」と抗議するジェスに「2度とプレーはすまいと思った。苦しかった」と
珍しく暗い表情で語るのでした。
時代は確かに違うでしょう。
しかし、根の部分で人種や性別による差別は歴然と存在しています。
リーグ戦予選でジェス自身「パキスタン人っ!」と呼ばれて逆上、
相手チームの選手と掴み合いになってレッドカードで退場になっています。
差別は実はジェスのこころのなかにもあるのです。
父親として、愛する娘が打ちのめされる姿を見たくないというのは自然な感情です。
親の反対はむしろ、ぐっとくるシーンとさえなっています。

作品の原題は"Bend it Like Beckham"
(ベッカムのようにまげろ)だそうです。
まげろというのは、シュートしたボールの軌道の事です。
リーグ戦諸戦でジェスはストレートに打ち込んだシュートを
キーパーに正面で止められてしまいます。
キーパーを抜くためには、まがるボールを身に付けなくては。
そして、まげなくてはならないのは、差別や偏見の壁でもあります。

本作品は「リトルダンサー」とともに2000年のニューヨーク映画批評家協会の観客賞を受賞しており、本国イギリスではクリーンヒットとなっています。


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