「ビー・ムービー」

「ビー・ムービー」映画チラシ■作品基礎データ
「ビー・ムービー」
2008年 アメリカ映画
監督:スティーブ・ヒックナー サイモン・J・スミス
脚本:ジェリー・サインフェルド スパイク・フェレステン 
    バリー・マーダー アンディ・ロビン
出演:ジェリー・サインフェルド
               

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新米の働きバチ、バリー(ジェリー・サインフェルド)は毎日の仕事にうんざりし、
巣の外へ冒険に出ることを思い付く。
心優しい花屋のヴァネッサ(レネー・ゼルウィガー)と友だちになった彼は、
ある時、スーパーで大量のハチミツを発見する。
「どうして人間が僕たちのハチミツを持っているの?」と疑問を抱いたバリーは、
ハチミツ工場に忍び込むが……。

日曜の昼間、東京厚生年金会館の大ホールで吹き替え版の試写会で見ています。
流行の“お笑い”等の吹きかえ参加はなく、
声優さんオンリーの布陣です。
これは日本の配給会社が力を入れていないことを意味するのでしょうか?
CG長編アニメはピクサーを除けば、
ハリウッド作品のいずれも興行的には右肩下がりなので
「ドリーム・ワークス」の看板をもってしても「シュレック」以外は
関係ない、と思われてしまったのか?

「ドリーム・ワークス」では長年、コメディの人気者、
ジェリー・サインフェルドに映画製作への参加を呼びかけていたそうです。
多忙なサインフェルドはアニメへの進出など考えてもいなかったようですが、
スピルバーグと夕食をともにした時、
即興で「蜂を主人公にした映画」のアイディアを話し、
ハリウッド黄金時代の低予算映画と蜂の名をもじって
(B級映画のBとBeeのB)で「ビー・ムービー」
というタイトルでどうだろうか?ともちかけました。
このアイディアを気に入ったスピルバーグは
プロデューサーのカッツェンバーグに電話し、企画が軌道に乗ります。
とはいえ、制作に4年。
サインフェルドは企画・制作・声の主演の三役をこなし活躍しています。

もともとは青年蜂の自分探しのドラマで、
花粉の採取部隊以外、外出禁止の禁を破って、
巣の外の世界に飛び出すという話です。

蜂の世界は人間界もびっくりの高密度組織社会で、
生まれて死ぬまで組織の歯車の一個として機能し、
そのことに疑問も抱かない人たち、(蜂たち)の中で、
“なんとなく納得いかない”という曖昧な動機で外界に出かけ、
目覚めてしまう。
着想は、まあ、悪くは無いのですが、
そもそも働き蜂はメスなのに、何で主人公はオスなんだ?
という映画の掲示板の書き込みもありましたが、
蜂の巣社会が擬人化のし過ぎで、蜂の生態から遠のいてしまっている。
笑いを取る為の処置のようですが、
試写会では家族連れがわんさと来ており、
幼児があれを見て、蜂の社会をあのようなものと誤解すると
教育上いけませんね。
後半は蜂が蜂蜜を搾取する人間を裁判で訴えるというというところにまで
振り切ってしまうので、
嘘であるとわかるのですが。

やりたいのは、人間の愚かさを笑うということなのでしょうか?
アメリカのTV番組や映画(『卒業』など)のパロディや、
有名人いじり(レイ・リオッタとスティングが本人役で出演)、
ディズニーへの毒(プーさんとピグレットを3倍に薄めたようなクマとブタが登場、
麻酔銃で狙撃されます)など、大人だからわかるギャグが満載されてますが、
子供達はきょとんとしてました。
いえ、きょとんだけなら良いのですが、
アニメのキャラが、アメコミの3Dキャラのような容姿なので、
気味悪く恐ろしいと泣き出す子まで…。

アメリカのコメディアンの笑いのセンスは、
たいていの日本人には依然として“濃い目でくどい”ですし、
パロディとスラップスティック(どたばた)中心なので、
その方面が嫌い、関心が無い、人には騒々しいばかりの90分間になってしまいそうです。

蜂の巣の外が緑豊かな世界で、
はればれと主人公・バリーが飛び回っていると、実はそこはセントラルパークの一角で、
その外側には大都会が広がっている。
ラッシュアワーの街を必死に逃げ回っていると、
にわか雨が降ってくる。
蜂にとっては爆撃のような脅威で、
人間の家に逃げ込み、花屋をしているヴァネッサと知り合うことになる。
小さな昆虫の視点から見た世界というのは、
これまで「ミクロ・キッズ」のような先例がありましたが、
こうした視点の移動や、背景ごと画面全体が動く動画等は、
実写や手書きのアニメーションよりCGの方が得意です。
へたなセリフの駄洒落ギャグより、
カタパルトから戦闘機が発進するがごとき巣からの出発シーンや、
テニスコートでボールに張り付いたままスマッシュされるところとか、
自動車のフロントガラスにとまって蚊と話をしているとワイパーが動き出して…
といったアクション・ギャグの方がはるかに楽しく、美しかったです。
そういう、絵が動く、その躍動感そのものの感動で十分押せるだけの
魅力があるのに、力のいれどころを間違ったまま、最後まで突っ走ったようなところが
もったいないですね。

脚本はいろいろ難ありですが、
ハチの飛行のCG場面、その表現は、たいしたもので、
宮崎駿もびっくり、と書いては持ち上げすぎでしょうか?
エンディングでビートルズ「ヒヤ・カム・ザ・サン」のカバーバージョンにのって、
陽光の中、青空に飛翔するハチ達の姿は
それだけで見に行く価値あり、と感じました。
内容は…、余計なものが入り込みすぎで、
いっそ、花屋のお姉さんに恋をしたハチのお話、だけで
ファンタジーとして成立させた方が良い作品になったんじゃないかと思っています。
でもいろいろつぎ込まないと、90分の長編アニメに…

以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
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にて「ビー・ムービー」の頁をご覧下さい。

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