「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」映画チラシ■作品基礎データ
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
2008年 アメリカ映画
監督:デビッド・フィンチャー
脚本・映画版原案:エリック・ロス
映画版原案:ロビン・スウィコード
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
出演:ブラッド・ピット

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「私はベンジャミン・バトン。変わった境遇で生まれてきた。
第一次世界大戦も終わり、生まれるには最高の夜だった??」
1918年、ニューオーリンズ。
黒人女性クイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、置き去りにされた赤ん坊を拾う。
ベンジャミンと名づけられたその男の子は、
すぐにクイニーが営む施設の老人たちの中に溶け込んだ。
なぜなら彼は、80歳で生まれてきたからだ……。

“母親”クイニーの惜しみない愛情に包まれて、
ベンジャミン(ブラッド・ピット)は成長していった。
車椅子から立ち上がって歩き出し、しわが減り、
髪が増え……そう、ベンジャミンは日に日に若返っていったのだ。
1930年、感謝祭。
その日、ベンジャミンは、将来自分の人生を変えることになる少女と出会う。
施設の入居者のフラー夫人を訪ねてきた孫娘、6歳のデイジーだ。
ふたりはすぐに心を通わせ、ベンジャミンは自分の秘密を打ち明けるが、
デイジーはそのことを既に魂で感じていた。

ある日、ベンジャミンは働かないかと誘われて
マイク船長(ジャレッド・ハリス)の船に乗り、さまざまな“初めて”を体験する。
海、労働、女性、帰り道に声をかけられた男と飲んだ酒。
男の名はトーマス・バトン(ジェイソン・フレミング)、ボタン製造会社のオーナーだ。
実は彼こそが、ベンジャミンを捨てた父親だった。
出産直後に亡くなった妻との、息子を守るという約束を果たせず、
後悔の日々を送っていた。

1936年、ベンジャミンは皆に別れを告げ、デイジーには
「どこへ行っても葉書を出す」と約束して、再び海へ出る。
やがて、英国のスパイの妻であるエリザベス・アボット(ティルダ・スウィントン)と
恋におち、男として愛される幸せを知る。
だが、その恋は短命だった。 
1941年、太平洋戦争が始まり、エリザベスは消え、
ベンジャミンの船は戦争に駆り出される。
1945年、戦いで大切な友を亡くしたベンジャミンは家に帰り、
すっかり美しく成長したデイジー(ケイト・ブランシェット)と再会する。
彼女は、ニューヨークでモダン・バレエのダンサーとして活躍していた。
心の片隅では、いつもベンジャミンを思いながらも、
若きデイジーはまだ、自分だけの人生に夢中だった。
ふたりはまた、別々の時を進む。

ベンジャミンと再会したトーマスは、遂に自分が父親だと打ち明ける。
不治の病で余命わずかのトーマスは、ベンジャミンの母との幸せな出会いを語り、
ボタン工場や屋敷など全財産を譲りたいと申し出るが、
ベンジャミンは「僕の家に帰る」と静かに立ち去る。
それでもベンジャミンは、父の最期の日々にそっと寄り添うのだった。

1962年、喜びも悲しみも、孤独も知った人生のちょうど真ん中で、
遂にほぼ同じ年齢を迎えたふたりは結ばれる。
愛に満ちた幸せな日々の中で、ふたりは恐れ始める。
やがてまた、時に引き裂かれることを。
日に日に若返るベンジャミンは、ある決意をするのだが……。
果たしてふたりは、求め続けた“永遠”~時を超える愛~を、
見つけることができるのか???

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」見ました。
アカデミー賞13部門ノミネートって数が多すぎんなと思いましたが、
まあ、そんな凄いなら見てやろうと出かけました。
…そんな凄い映画でした。

プラピの相手役にケイト・ブランシェットというのは剣がありすぎるように
思っていたんですが、
なるほど、ベンジャミンより老けていくところが彼女の役の見せどころなので、
若い女優さんじゃ勤まんないですね。

作品の印象は過去作で言うと「フォレスト・ガンプ」に近い。
共通するのは、両方とも人生賛歌だし、命の尊厳だし、
愛情深い母親の登場、
積極的なヒロインに、変った運命を背負っている割に受動的で保守的な主人公。
数十年の年月をアメリカの世相の移り変わりとともに描くところとか、
海と船の登場が中盤のクライマックスになっているところ、神との対話、
子供が出てきて泣かせどころになっていたり、
主人公の名がタイトルになっているところ含めて、いろんなところが似ています。
デビット・フィンチャー版「フォレスト・ガンプ」ですね。
監督の持ち味で、ずっと辛い味わいになっていて、
そこが作品の深みになっていて良いです。

「グレート・ギャツビー」で知られるF・スコット・フィッツジェラルドが、
1920年代に書いた短編を基にした『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、
80歳で生まれ、年をとるごとに若返っていく男の物語。
ほかの人々と同じように、彼にも時を止めることはできない。

ベンジャミン・バトンを演じるのはブラッド・ピット。
年々若返っていくという誰も演じたことのない役どころに挑んだ。
ベンジャミンの生涯の恋人であるデイジーには、
アカデミー賞女優、ケイト・ブランシェット。
監督は、『セブン』『ファイト・クラブ』のデビッド・フィンチャー。
賞レースの口火を切るナショナル・ボード・オブ・レビューでは監督賞を受賞、
作品ベスト10にも選ばれた。
拾った赤ん坊にベンジャミンと名づけて、我が子同然に深い愛を注ぎ続けるクイニーには、
『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のタラジ・P・ヘンソン。
デイジーの一人娘キャロラインには、
『レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い』のジュリア・オーモンド。
ベンジャミンを捨てたことを悔やみ続ける父トーマスには、
『スナッチ』のジェイソン・フレミング。
ベンジャミンが初めて恋におちる女性エリザベスには、
『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞を獲得したティルダ・スウィントン。
脚本は、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞を受賞したエリック・ロス。
音楽は『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のアレクサンドル・デプラ。
独創的な照明を駆使し、観る者の心に詩的な余韻を残す映像を手掛けたのは、
フィンチャー監督の『ゲーム』『ファイト・クラブ』では照明係を務め、
今最も注目されている撮影監督のクラウディオ・ミランダ。

ケイト・ブランシェットとブラット・ピット、デビット・フィンチャー監督の
インタビューでメイキングに関する部分を再録します。

Q:この脚本のどこに一番惹(ひ)かれましたか?

ブラッド・ピット(以下ブラッド):
長時間座ったまま特殊メークされることかな。まあ正直嫌だったけどね(笑)。
それと一人の男の一生を演じられることかな。

ケイト・ブランシェット(以下ケイト):
わたしはとても野心的だと思ったの。一つの人生を形成するさまざまな経験を通して、
ある男の一生という長い期間を追っている。
しかもそれを感傷に流されず堅実に描いている。
それをデヴィッドが監督するんだから、絶対に面白いと思ったわ。

Q:感傷的でなく?

ブラッド: 感傷はなし。
ケイト: 珍しいわよね。
デビッド・フィンチャー監督(以下監督):
その通りなんだ。長年の感傷を捨て……。僕はただストーリーがとても気に入って、
この作品にかかわりたいと思ったんだ。

Q:そのスケール感に意欲を燃やしたということでしょうか?

監督:
そうだね……ここはまじめに答えるけど、
脚本で読むだけだと映像ほど大変そうに思えない。
どれだけの展開なのかは映像で観て初めて気付くんだ。
例えばベンジャミン・バトンは見た目が6歳だけど、外見は85歳という人物だ。
それは実際にその姿を見て初めて彼に対するさまざまな思いが沸くんだ。
だから脚本だけで不可能に挑戦とか、誰を道連れにしようとかは思わなかったよ(笑)。
それより「これは人に自慢したい作品になる」と思ったんだ。

ブラッド:
彼はこう言っているけど、ものすごく大変だった。
これだけ難問があるかもしれないってことが事前にわかっていたら……(笑)。

監督:
抜けられなくなるんだよ。もう2年も取り組んだしな(苦笑)。
すでに2年半……もう3年半だ……ここまで時間をかけたら、もう作るしかないだろう!
でも製作に6年かかると最初に言われていたら、多分やらなかっただろうね(笑)。

Q:深みにハマりましたか?

監督: ああ。

Q:ベンジャミンに影響を与えた人々を演じた共演者について教えてください。

ブラッド: 素晴らしいキャストに恵まれたよ。これは社交辞令じゃなく本当だ。

ケイト:特にベンジャミンの母親代わりになる女性を演じた、
タラジ・P・ヘンソンの演技には本当に胸を打たれたわ。
彼女のキャラクターはとても心が大きいと思ったわ。

ブラッド: そうだね。本当に素晴らしかったよ。

Q:誕生から死まで演じる機会はあまりないと思いますが、
これまでの役作りとどう違いましたか?

ブラッド:
当然混乱しないように気を付けたよ。年齢と経験が逆になるからね。
でも大切だったのは映画自体の本質なんだ。
これはある男の生涯と彼にかかわった人々を描いた映画だということを
デヴィッドは最初に明確にしていた。
そして何を避けたいかも話してくれた。
依存し合う関係を描くのではなく、もっと深いものを観客に伝えたいと。
そこが僕にはとても重要だった。それが僕の答えかな。
ベンジャミンは出会った人々からさまざまな影響を受けて成長する。
その意味を追求することがとても重要だったんだ。
選択には責任が伴うものだし、
難しいのは運命と自分が決めた道の境界線はどこなのかということだ。
そして、それはいつも変化していると思う。

ケイト: この作品がほかの作品と違って独特なのは、
わたしたちがベンジャミンの成長を通して彼を見守れることなの。


ブラッド: 経験からの選択もね。

ケイト: そうね。

Q:原作では、生まれたときに彼はすでに心も大人だという設定でした。
そこが映画版との大きな違いですね?

監督: 読まなくて良かった!

一同: 爆笑

Q:最後に作品を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

監督:
人は皆、年齢を重ねることによって、何かが得られるのではないかと期待する。
知識や教養を身につけて、聡明(そうめい)になっていくこと。
家族や友人を心から愛せるようになることや、経験を重ねて心の平安を得られること。
ベンジャミンの人生は、複雑な旅なんだ。
彼の人生は、愛と死の物語であり、すべての子どもたち、母親たち、
そして父親たちの物語でもある。
また、彼の人生には、わたしたちに人間らしさを取り戻させてくれる
さまざまなものが詰まっているんだ。
ほかの誰もが年老いていく中、ベンジャミンは若返っていく……ずっと、たった独りでね。
その姿を見て、何かを感じてくれればと願っているよ。

―― ベンジャミン・バトンはあなたの父親をモデルにしたとのことですが、
完成した作品を観て、父親の姿を見つけることができましたか?

監督:
ベンジャミンからは感じなかったね。
ブラッドは彼自身のベンジャミンを作り上げてくれたよ。
父は彼が生きた時代について、僕にいろんな話をしてくれたんだ。
世界恐慌をどう生き延びたかも、戦後の時代がどんなものだったのかもね。
ロシアに行ったのも、僕じゃなく父だ。
父は教養があって、ロマンチックな冒険家だった。
父がしてくれた話は、この映画の世界観を作り上げるのに役立ったし、
父の話がこの映画には息づいているね。

―― 脚本家のエリック・ロスの特色がよく出ているせいか、
ロバート・ゼメキス監督の『フォレスト・ガンプ/一期一会』を思い起こさせますが……。

監督:
そうかい?あんまり深くは考えたことはなかったけど、
もしゼメキス監督がこの映画を撮ったら、まったく違う作品になっただろうね。
僕たちは違う人間だから、同じキャラクターを描いたとしても切り取り方が変わってくる。
人々はこの映画をエモーショナルで、複雑な作品だと思うかもしれない。
けれどそれは、すべての人間がかかわった結果であって、
脚本のせいでも、僕が狙ったわけでもないんだ。

―― スリラーが多かった今までとはまったく違うタイプの物語ですが、
どこに惹(ひ)かれましたか?

監督:このストーリーの持つ哀愁とか、テーマとか、とにかくすべてだね。
最も強く惹(ひ)かれたのは、一人の人間の人生をきっちりと描き出せるところ。
最初から最後までブラッドがベンジャミンを演じてくれたおかげもあって、
細かい感情の動きも含めて、しっかりと一人の人間を描き出せたと思うよ。
数年ごとに彼の人生を飛ばした部分もある。それが映画らしいリズムを生み出しているね。
何よりも、このベンジャミンというキャラクター自体にとても惹(ひ)かれたんだ。

――最も苦労した点を教えてください。

監督:
時代に合った雰囲気を出すこととか、CGIとか。
でも、誰もがこの作品のために一生懸命になってくれたし、
率先して助けてくれたんだ。それはこの物語の魅力が、みんなに伝わったからだと思うよ。どこに魅力を感じるか、どんなメッセージを受け取るかは、
世代や体験してきたことによって違うと思う。ぜひ自分自身で、この物語に触れて欲しい。  

監督「僕が監督してきたこれまでの映画では多くの人が死んできたけれど、
今回は人を殺していないんだ(笑)」。
現在46歳のこの奇才は『エイリアン3』('92)で長編映画監督デビューを飾り、
その後はヒット・メイカーとして活躍。
本作では『セブン』('95)、『ファイト・クラブ』('99)に続いて
ブラッド・ピットとタッグを組んでいるが、
「ベンジャミンとデイジーのラブ・ストーリーがメインではあるけれど、
僕が描きたかったのはベンジャミンに関わった様々な愛の形なんだ」と語る。
生みの母の愛、育ての母の愛、人生を共にする人への愛、娘への愛…
…たくさんの愛に満ちたストーリーを紡ぐことは、これまでにない挑戦だったようだ。
もちろん、それぞれの愛に心揺さぶられる。
だが、やはり中心となるベンジャミンとデイジーの
結ばれそうで結ばれないすれ違いは、何とも切なくドラマチックである。
監督「そうだね、サスペンスもので鍵となるのは悪人だけれど、
ラブ・ストーリーにおいては、いつまで愛する2人を別れさせておくか、というのが重要。
今回はスクリプトにその要素が良く描かれていて、僕はそれがとても気に入ったんだ」。
加えて、ベンジャミンとデイジーの最も幸せな瞬間の撮影には苦労もあったと
エピソードを話してくれた。
監督「2人の幸せな瞬間を撮っているとき、僕が幸せな気持ちになったかって? 
例えば、彼らのハネムーンの船上シーンは、日焼けはするし、
朝から晩まで撮影は続くし、みんながもの凄く疲れたシーンだった。
ロマンティックな場面の現実(実際の撮影現場)はそんなものだよ(笑)」。

ベンジャミンは80歳で生まれたからこそ、初恋も仕事も恋愛も、
そのすべてを素晴らしい体験として人生に刻んでいく。
そして、彼の行動が常に観察力に満ちているように感じることについてはこう解説。
監督「彼は老人ホームに育ったということもあって、
現実の世界に関わりながら活発に生活する人が周りにいなかったんだ。
僕の友人に両親の年齢がとても高齢という人がいたけれど、
彼はとても落ち着いた性格だった。
結局のところ、人は周りの状況や環境によって雰囲気や性格が形成されると思う。
ベンジャミンが観察力のある人間に見えたとしたら、
それは老人ホームという環境がそうさせているんだと思う」。

また、デビッド・フィンチャー監督は5年前に父親を亡くし、
その想いが映画にも反映しているのだとか。
制作準備期間の頃はストーリーについて話し始めると、
いつの間にか各々の身の上話になり
監督「このストーリーの不思議なところは…


以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の頁をご覧下さい。



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