「僕たちは世界を変えることができない。」

「僕たちは世界を変えることが出来ない。」映画チラシ■作品基礎データ
「僕たちは世界を変えることができない。」
2011年 日本映画
監督:深作健太
脚本:山岡真介
原作:「僕たちは世界を変えることができない。But,We wanna build a school in Cambodia.」
葉田甲太著 小学館
出演:向井理

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 医大に通う大学2年生のコータ(向井理)は、
ある日、ふと立ち寄った郵便局でボランティア募金のパンフレットに目がとまる。
そこには「カンボジアの子どもたち学校を。150万円寄付で、学校が建ちます!!」
との見出しが記されていた。

そのパンフレットを手に取ったコータは
「イベントでカンボジアに学校を建てよう!」とサークル仲間に呼びかけたのだった。
学校設立のためのクラブでのチャリティーイベント行うため、
夜のクラブでのナンパ、
学校でのビラ配りなどで人集めに奔走してイベントを何とか成功させ、
今度は現地のリサーチをするためにカンボジアへスタディー・ツアーを敢行する。
到着したカンボジアでは、コータたちが想像している以上の現実が横たわっていた。
自分たちの悩みのなんと小さいことか。
農村の少年に学校を建てると約束したものの、どこかその言葉も虚しく響くばかり。
そして、すっかり非力を感じて帰国したコータたちに追い打ちをかけるような事態が
日本では起きていた。
 
イベントに協力してくれていたIT企業の社長が株式の不正取引で逮捕され、
サークルの評判はガタ落ち。
それぞれが生き方や恋愛や将来に悩むことで、
終には衝突し、仲間割れを起こしてしまう。
果たして、コータたちは目標額を集めることができるのか? 
カンボジアの子どもたちのために学校を建てることができるのだろうか?

2008年に自費出版された現役大学生・葉田甲太の体験記
『僕たちは世界を変えることができない。』(小学館より改訂版発売中)。
普通の大学生がひょんなことから始めたカンボジアでの学校建設ボランティアを通して、自分自身と社会を見つめ直す姿を活き活きと描き出したこのノンフィクションは、
現役大学生ならではのリアルな記述で発売直後からネット等で大反響! 
ついに、最高のスタッフ、キャストの手で映画化されることになった!
カンボジアでの学校建設募金を仲間に説き、
行動に移す主人公の医学生・田中甲太(コータ)役を演じるのは、向井理。
映画『ハナミズキ』『BECK』(10年)などで印象的な演技を見せたほか、
NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(10年)の漫画家=水木しげる役で
お茶の間人気を集めた彼が、新たな出演オファーが殺到する中、
映画初主演に挑むことに決めたのがこの作品。
常々「大切な第二の家族の国」と語るほど、
人一倍カンボジアへの思い入れも深いだけに、
「命を削って作りました」(本人談)と言わしめる作品となった。
撮影は2010年10月17日、国内ロケでクランクインし、
11月には約3週間のカンボジア・ロケを敢行し、
11月26日クランクアップ。2011年9月、全国劇場公開。

「僕達は世界を変えられない」映画の日に見ています。
深作健太監督作品は意識して見たのは
監督デビュー作品の「バトルロワイヤル2」以来です。

もともと脚本として参加していたものの、
父、深作欣二監督の死去により演出を引き受けたのが監督第一作目です。

本作品では、特海外ロケでは大まかな脚本しか用意せず、
若いキャストの自然な反応をフィルムに納める演出が取られています。
つまりドキュメンタリー。

ボルボトの虐殺に衝撃を受ける様子など”とても演技とは思えない”姿が
写されています。

劇場は女の子だらけで、
この作品が原作の知名度より向井理人気でヒットしている映画である事は確かです。

しかし俳優目当てだろうが何だろうと、
見た方がいい作品である事は間違いないです。
150万でカンボジアに小学校を建てようという呼びかけは
郵便局に張り紙を出したNPOがやっている事で、
彼らはそのお金集めをしていた。

NPOの事務局も役員らしき白人もちゃんと登場しているので、
それは明らかなのですが、
お金だけのボランティアという風に描いてしまうと話がつまらなくなってしまうので、
NPOとの係わりは最小限に描かれているのみです。

主人公は医大生で行動力はあんまりない、
(だからって人前ですぐ脱いじゃダメだよ、向井くん)
そこにチャラ夫が加わり、パーティー券を売ってお金を稼ごうという展開になる。
けれど話はトントンとは運ばず、ごたごたが始まる。

それだけだとドラマにするまでもない話ですが、
「じゃあ本物のカンボジアを見てやろう」というので出かけるところから面白くなる。

主人公達が感じる過酷な現実を観客も追体験し、
自分達の住む世界の外に本当のシリアスな世界がある事を垣間見る。
その発見と出会いが作品のキモなのですね。

学校は出来ます。
ですが、カンボジアの人々全部が救える訳ではない。
「僕達は世界を変えられない」とはまさしく、その事を指しているのですが、
同時に”それでも何かせずにはいられない”自分がいる、という指摘でもある訳です。

今回、初共演にして強い絆で結ばれた向井理と松坂桃李に、
作品に込めた思いやカンボジアロケの思い出を語ってもらった。

─カンボジアで撮影が行われましたが、
実際に肌で感じた国の雰囲気や印象はいかがでしたか?
向井「ゴハンがおいしいんですよね。
お米が主食の国なので、おかずもそれに合うものが多くて
食事に苦労をしたことはなかったです。
首都のプノンペンはヨーロッパの人も多いので、欧風料理もおいしかったですね」
松坂「気候がものすごく気持ちよかったです。
スコールとかもありましたけど、青く透き通った空が気持ちよくて開放感もありました」
─カンボジアは決して恵まれた国ではないですが、そこに暮らす人たちの雰囲気は?
向井「物質的には裕福な国とは言えないですけど、
空の抜け感もすごいですし時計を見ない生活をしている人も多いので、
何かに追われて生きているような感じがしないんですよね。
だから、出会う人みんな温厚な方やシャイな方が多くて、
1か月くらい向こうで生活していましたけど嫌な人には会うこともなかったです」
松坂「子どもたちと接して
“これから彼らはいったいなにを学んで生きていくのか”って考えさせられて、
彼らの笑顔を見て素直に喜べない時もありました。
もちろん、子どもたちの屈託のない笑顔に癒されましたけど、
同時にすごくメッセージをこちらに発しているようで重みもありました」
─今回は実在の人物を演じられていますが、
その役作りで心がけていたことを教えてください。
向井「普通の大学生なので、
スーパーヒーローでなければなにかに秀でているわけでもなく、
僕自身も普通の大学生で目立つ存在でもなかったですし…。
結果、彼らはすごいことを成し遂げましたけど、
本人たちはその意識がないんですよね。
カッコをつけず、その場にいることが大事な役だと思ったので、
普通でいようと思いました」
松坂「僕は大学を最近辞めたばかりなので、当時を思い出しながら演じていました」
─今回、初共演のお2人ですが劇中では男同士の友情が印象的です。
その強い結びつきをスクリーンに反映させるために、心がけていたことは?
向井「プールに出かけたりとか、夜ゴハンを食べるとか、
その日の撮影が終わってからもなるべく一緒にいるようにしました。
日本と違って、安心材料のないところで一緒に生活をしたのが大きいです。
それで僕ら自身の距離も縮まって、それが芝居に生かされたんだと思います」
松坂「向井さんはクールな方だとずっと思っていたら、
以前にテレビ番組で少し一緒になったことを覚えていてくださってうれしかったです。
優しいしすごく頼りがいがあって、兄貴的存在でした」
向井「僕のことを“隊長”って呼んでいたもんね(笑)」
─映画のタイトルは“~世界を変えることができない。”ですが、
この映画に出演されて、ご自身に変化はありましたか?
向井「僕がスピーチをするシーンで“人のためになにかをすることは、
自分のためになにかをするよりうれしい”というセリフがあるんですが、
人のためになにかをやって笑顔にして自分も笑顔になれると思うんです。
カンボジアの小学生を見ていて、
この子たちがこんなに笑ってくれるんなら…と純粋に思えました。
笑顔っていうのは人を勇気付けるものなんだなと、改めて実感しましたね」
松坂「僕はいろんなことに興味を持って、行動を起こすことの大切さを実感しました。
カンボジアに実際に行って、なにかを体験することでわかることもありますし…
この映画を通じて“行動することに意味がある”と改めて思いましたね」
─では最後に…。これからこの作品を観る方に向けてのメッセージをお願いします!
向井「カンボジアにただ学校を建てるというだけの話にはしたくなかったんです。
前向きになれる人もいれば、
カンボジアの歴史を映したシーンが生々しくて観るのがつらいという人も
いると思うんです。
“ココを見てほしい”と観客に押し付けるようなことはしたくないですし、
みんなそれぞれがなにかを感じられる作品だと思うので、
タイトルの“but”の先を考えてもらえるとうれしいですね」
松坂「とにかく観てほしいですね。
目の前にあることは先につながっていくと思いますし、いまを一生懸命でありたい。
僕ができるのは芝居で伝えることだと思うので、作品を観てなにかを感じてほしいです」

更に向井理の単独インタビューを採録します。

向井理 プロフィール
1982年生まれ、神奈川県出身。2006年、TVCM出演で芸能界デビュー。
その後、TVドラマ「アタシんちの男子」(09)、「傍聴マニア」(09)、「新参者」(10)、
「ホタルノヒカリ2」(10)など、人気作品に多数出演。
長身と端正なルックスで人気を集めるなか、
2010年のNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で演じた村井茂(水木しげる)役で
大ブレイク。
また、映画では『ハナミズキ』(10)、『BECK』(10)、『Paradise Kiss』(11)など、
人気作に引く手数多と、今後も活躍が期待される俳優の一人である。
2011年は、本作のほかにNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に出演するほか
TBS「夢の扉+」で週代わりでナレーションを勤める。
向井さんがカンボジアを訪れるのは2度目となる。
1度目はデビュー間もない頃、
テレビ番組「世界ウルルン滞在記」の畑作りを手伝うための旅だった。
そして今回は、主人公コータを演じるためにカンボジアへ。
「ドキュメンタリータッチで撮りたい」という深作健太監督の意向に応えるべく、
向井さんは、コータとして彼の素を見せることを意識したという。
演技し過ぎない演技、足し算ではなく引き算の演技、
それは決して簡単なものではなかったはず。
「簡単ではないですよね。普通のことをしながら(何かを)
伝えるということは確かに難しくて…。
コータはヒーローのようなキャラクターではないので、
力技での芝居はしたくなかったんです。
その方が簡単ではあるんですけど、そうしたくない作品でした。
また、カンボジアでの撮影は敢えて台本を読まないようにしたんです。
原作を読んで感情が固定しないようにと思って、原作も読まずにいました。
というのは、シェムリアップ州立病院のエイズ病棟、ツールスレン博物館、
キリング・フィールド…
…今日はどこに行って撮影するのかということは分かっているけれど、
そこで何があるのかは撮ってみないと分からないんです。
(原作者が実際にお世話になった)観光ガイドのブティさんが
どんな説明をしてくれるのかは、その場じゃないと分からない。
だから事前に知識は必要ないなと。
初めて目にするから湧き出てくる感情もある、
その時のリアクションを大切にしたいと思ったんですよね。
ちゃんと感情が自由に動くように、変に身構えないように、
セリフをセリフっぽく言わないということを心がけていました」。
そんな真摯な役の取り組み方で、向井さんはコータの感情を生々しく演じきった。
これは向井理本人のリアクションなんじゃないか?と
勘違いさせるほどのリアルさがあるが、そこにたどり着くためには、
きっと陰ながらの努力があったはず。
けれど、その努力も葛藤も苦しさも役者として当たり前のことだと捉えている、
それが向井理がデビュー当初から貫いている姿勢。実に真面目でプロフェッショナルだ。
カンボジアのロケでは、長回しでスタートからカットまで4時間!という撮影もあり、
撮影時間はトータルで200時間にも及んだという。
つねにカメラを向けられるなか、向井さんを含め、
学生サークル“そらまめプロジェクト”の主要メンバーを演じる、
松坂桃李、柄本佑、窪田正孝の4人それぞれが
自分たちの演じるキャラクターを通して感じたカンボジアとは
一体どんなものだったのだろうか。
4人をガイドするブティさんの話から、カンボジアを知ることができたと語る。

「ブティさんの話を聞いていると、その情景が浮かんでくるんです。
聞いているだけでつらいのに、ガイドという仕事とはいえ、
自分のつらい経験を話してくれたのは嬉しかったですね。
幼少の頃、ポル・ポト政権時代に政府の弾圧で父親を殺されたこと、
自分は学校にいけなかったけれど、
自分の2人の子供には学校に行ってほしくてガイドとして頑張っていることを、
サラッと言えるのが凄い。それが僕の感じたカンボジアという国、
人に対する印象ですね。強い国だなと。
人として、カンボジアに行くことができて、本当に良かった」。
観客もまた、コータたちを通じて切なさや悲しさを味わい、
強く生きるカンボジアの人々の姿から何かを感じ取ることだろう。
幸せとは何か?自分はいま幸せなのか?と深く考えさせられるきっかけとなるのが、
カンボジアの子どもたちの笑顔だ。
「あの笑顔はすごい力ですよね。あの笑顔がこの作品の大切な要素だった」
と顔をほころばせ、映画の核心に迫っていく。
「カンボジア特有ですよね。
日本人はカンボジアに対して、地雷、ポル・ポト政権、アンコールワット…
勝手な偏見を持っていて、発展途上の国として見ている。
僕もそうなんですけどね。そういう中にあの笑顔がある、
だから笑顔が凄いと思うのかもしれない。
彼らは日常的にあの土地で暮らしていて、朝が来て夜が来て、それが普通なのに。
でも、そうではない人たちは、
自分と照らし合わせて考えると(自分が)情けなくなって、
あの笑顔に癒されるだけでなく、何か突き刺さるんですよね。
コータたちは紆余曲折あって小学校を建てますけど、
建てただけではダメだとも思っている。
それでも、子供たちのあの笑顔があることで着地できたのかなと。
撮影中、小学校1~2年の子供たちと一緒に遊んでもらったんです。
楽しいと笑ってくれる、遊んでいると笑ってくれる。
役柄としてだけれど、この子供たちのために学校を建てるんだ!と思うと、
すごく力になった。この子たちのために頑張れると思いました」。
映画のラスト、小学校開校式のコータのスピーチのセリフには
台本にはない言葉が添えられ、感動的なワンシーンとなった。
「誰かのために何かをする喜びというのは、
きっと自分のために何かをする喜びよりも強い」というのは劇中のコータのセリフ。
誰かのために一生懸命になる素晴らしさを再確認させてくれる言葉のひとつだが、
コータを演じながら向井さん自身もそんな熱い感情を抱いたのだろうか。
最後にもう一度、向井理の心の中をのぞいてみたく、問いかけてみた。
「正直、自分が出ている映画でそういうことを感じるのって難しいんですよね。
客観的に見れないというか。撮影後、完成した映画を観ても、
200時間の9割を知っているので、ああいうシーンがあったなとか、
あのシーンカットされたなとか、自分の芝居にダメ出ししたりしてしまう(笑)。
でも、映画の撮影ではあるけれど、自分たちで体験したこと、感じたこと、
心に刺さったことが、もしかしたら映画を観ている人以上にあるのかもしれない。
それをどれだけ純粋に届けられるのかが、今回の撮影のテーマだったと思うんです。
たくさんのメッセージを詰め込んだつもりです。
観て下さった方それぞれに感じるものがあったら嬉しいですね」。
僕たちは世界を変えることができない─かもしれないが、
コータとして向井さんが笑顔になれたように、笑顔が人を幸せにすると気づけること、
それはきっと世界を変える小さな一歩、そう信じたい…



以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「僕たちは世界を変えることができない。」の頁をご覧下さい。



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