「ボーン・スプレマシー」

「ボーン・スプレマシー」映画チラシ★映画基礎データー★
「ボーン・スプレマシー」
2004年 アメリカ映画
監督 ポール・グリーングラス
原作 ロバート・ラドラム
脚本 トニー・ギルロイ ブライアン・ヘルゲランド
出演 マット・デイモン

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前作から2年。
ジェイソン・ボーン(マット・デイモン「オーシャンズ12」)と
マリー(フランカ・ポテンテ「アナトミー2」…みなさん知らないよね?)は、
インドのゴアで人目を避けて暮らしていた。
しかし、ボーンの記憶は完全には戻らず、毎夜のように過去の悪夢にうなされている。
繰り返し夢に見る記憶の断片は、
コンクリン(クリス・クーパー「遠い空の向こうに」)に
「これは訓練ではない」と言い聞かされている自分の姿や、
ホテルの部屋で立ち尽くす一組の男女の姿だった。
彼らもまた自分の犠牲者なのだろうか?
苦悩するボーンを慰めるマリーだが、
その言葉はボーンの心の奥底まで癒すことはできない。

そのころベルリンでは、
CIAの女性諜報員パメラ・ランディ(ジョアン・アレン「ザ・コンテンダー」)率いる
チームが、
組織内の不祥事の調査に当たっていた。
在野の情報屋がCIA内部での公金横領に関する資料を入手したというのだ。
パメラはこの資料を得るために取引に応じる。
しかし、厳重な警戒にもかかわらず、何者かが取引現場を襲撃、
交渉役のCIAのエージェントと情報屋は殺され、
現金と共に資料も奪われてしまう。
犯人の手がかりは不発だった爆弾に残された指紋だけだった。
しかし、CIAのデータベースに指紋照合をすると、
「トレッドストーン計画。アクセス拒否」という見たこともない表示が現れる。
自分にはアクセスが許されない最高機密一パメラはCIA本部へと飛んだ。

再びインド、ゴア。
ボーンは町で危険な匂いを漂わせる一人の男に気づく。
ボーンの本能が警鐘を鳴らす。
同じプロの暗殺者、ターゲットは自分。
正体を問う間もなく、灼熱と喧騒の街を背景にしてのカーチェイスが始まる。
獲物にあくなき執着を見せる猛禽のようなその男、
キリル(カール・アーバン「リディック」)は、
車では現地に精通しているボーンたちに利があるとみてとると、
ライフルでボーンとマリーの乗るジープに狙いを定める。
そしてジープが橋の上にさしかかったとき、
キリルの銃弾が運転するマリーの胸を射抜く。

ジープごと川に転落したボーンは、必死にマリーを救おうとするが、
すでに彼女は息絶えていた。
キリルの目を逃れ、ボーンはひとり沈みゆくジープから脱出し、姿を消すのだった。

新たな人生をマリーと共に生きると決意していたボーンにとって、
マリーの死は記憶を喪失してからの時間を振り出しに戻すことを意味していた。
フラッシュバックする記憶の断片を確かめること。
それが今のボーンにとって為すべきことだった。

そのころ、CIAではパメラが指紋の主をつきとめていた。
それは、
トレッドストーン計画の最中の事故で死亡したことになっている
ジェイソン・ボーンという男のものだった。
この謎を突き止めるべく、
パメラは、2年前に閉鎖されたトレッドストーンの責任者
アボット(ブライアン・コックス「トロイ」)を問いただし、ひとつの仮説を導きだす。
それは、トレッドストーン計画が極秘裏に始まっていた7年前に、
CIAの2000万ドルが送金途中に消えた事件に関わるものだった。
ロシアの政治家ネスキーによる当時の証言によれば、
犯人はCIAのスパイだということだった。
だが、その直後にベルリンでネスキーは妻に射殺され、妻も自殺。
事件は迷宮へと迷い込んだ。
しかし、今回殺された情報屋が売り込んでいたのは、
まさにこの事件に関する資料で、
この情報屋を殺したのが死んでいるはずのジェイソン・ボーンだとすれば、
大金を奪ったボーンが、事実の発覚を恐れ、情報屋を始末したということになる。

うーっ、うーっ、うーっ
こ、ここまであらすじを追いかけるのに、
映画館で3度は寝ました。
その昔の「ゴッドファーザー・パート2」もそうでしたが
(ちと引用が古すぎますけど)
シリアスものの続編というのは、どうしてこう、話の間口を広げてかかるんでしょうか?
複数のわけありエピソードが同時並行で展開するので、
主人公がドラマ全体のどんな位置に立っているのか判明するまで、
少なくとも30分は我慢せねばならず、
大量の脇役たちの新規登場と、飛び飛びに現れる世界各地の舞台展開の
関連付けに四苦八苦、疲れを催すとあっという間に睡魔に引き込まれます。

映画『 ボーン・スプレマシー (2004)』は、
『ボーン・アイデンティティー (2002)』の続編。
ロバート・ラドラム著のボーン三部作
「暗殺者 The Bourne Identity」(新潮文庫)
「殺戮のオデッセイ The Bourne Supremacy 」(角川文庫)
「最後の暗殺者 The Bourne Ultimatum 」(角川文庫)のうち、
2作目の映画化となります。
『ボーン・スプレマシー』の原題の THE BOURNE SUPREMACY
を直訳すると〔ボーンの主権(至高;覇権)〕になるのだけど、原作タイトルよりも
より映画のテーマに直結する意味深タイトルであります。

第一作「ボーン・アイデンティティー」のキャストに当時ユニバーサルは
ブラット・ピットを予定していたそうですね。(私が知らなかっただけか?)
ブラピがケガで降板してしまい、デイモンくんに話が振られたのですが、
シリーズ第2作も堂々主演し、いまや彼の代表作となりました。

原作「殺戮のオデッセイ」のあらすじは以下のとおりだそうです。

香港は九龍のキャバレーで、中国副首相が無残な姿で発見される。
その床に殴り書きされた血文字は、暗殺者が“ジェイソン・ボーン”であることを
示していた。
各国の指導者達は同じ質問をする。
なぜジェイソン・ボーンが戻ってきた?
誰が奴を雇っている? 次に死ぬのは誰だ?
CIAは動揺する。
なぜなら“ジェイソン・ボーン”は、
CIAエージェントのデイヴィッド・ウェブの偽名だからだ。
誰かがアメリカと中国の外交危機を招くために、
ボーンの名を騙(かた)っているようだ。
もしその人物を止められなければ、
世界は破壊的な損失を被(こうむ)ることになるだろう。
この事件の背後にいる者を突き止めることができるのは、
本物の“ジェイソン・ボーン”。

もう一度、ウェブはその鍛え上げられた技で人を殺さなければならない。
事件に巻き込まれ最愛のアリーは姿を消す。
彼女を見つけ出し、ボーンを名乗る暗殺者を捕らえ、
副主席暗殺の謀略の謎を暴くためウェブは事件の渦中へ。

 というわけで、原作は中国からはじまり、
マリーは殺されるのでなく、拉致されるようですね。
 副首相暗殺という国家の一大事から比べると映画の発端ははるかに地味です。
これは話が小さくなったというより、冷戦時代のような2極、
あるいは中国も交えた3極対立といった単純な構図で国際問題を語りきれなくなった、
という現代世相の反映ではないでしょうか。
どこに敵が潜んでいるか分からない。
スパイといえども国家の大義名分で動くとは限らない。
味方も信用できない。

漠たる不安感の渦中にあって、
人間としてどうけじめをつけるか、を問うテーマです。
本来、だまし騙されるのがスパイというものです。
不思議なことに、ボーンは超人的な身体能力を発揮しつつ
様々なハイテクに通じる知識もあり
どのような状況からも反撃できる力を持ちながら、
普通の青年として、いかに生きるべきか悩み苦しむことになります。
その矛盾、不条理がこの作品の魅力なのでしょうし、
主人公がヒーロー足りうる要件なのでしょう。
悩みもなしに世界を駆け巡る007のようにはゆかぬのです。

2004年の7月の全米公開では初日3日間で
前作の約2倍という5,252万ドルを超える興行収入を上げ、初登場第1位を獲得。
1億7000万ドルを超える全米サマーシーズン後半ヒットを記録しています。

しかし、パメラは情報屋が殺された時、ボーンがゴアにいたことを知らない。
そして、ボーンもあずかり知らない事件の犯人として
CIAに追われていることに全く気づいていなかった。
ナポリでヨーロッパに再び足を踏み入れたボーンを待っていたのはCIAの包囲網だった。
やすやすと網にかかったかに見えたボーンだったが、
尋問する調査官たちを瞬時に倒し、携帯電話のデータを奪い逃亡に成功する。
そして、自分が先週のベルリンの事件の犯人と目されていることと、
追っているのがパメラであることを電話の傍受で知るのだった。

過去を追うよりも、今は解決すべき問題が現実にある。
ボーンはベルリンヘと車を走らせる。
一方、パメラは、アボットに加え、
かつてトレッドストーンに関わっていたニッキー(ジュリア・スタイルズ)も
呼び寄せてベルリンヘ戻った。
ホテルの一室に構えた司令室でボーンの足取りを分析するパメラ。
ボーンはその様子を近くのビルの屋上から双眼鏡で見ていた。
ボーンはおもむろにパメラに電話をかける。
「なぜ俺を追う?」
「あなたはベルリンで2人を殺した」
ベルリン、2人、殺人……その時、
ボーンの心に浮かんだのは何度もフラッシュバックする男女の姿、そして銃声だった。
記憶を失くしたボーンの中で、過去と現在の事件が交錯し、
何者かが自分をスケープゴートにしようとしていることを知る。

CIAとベルリンの警察がボーンを捕らえるべく一斉に動き出す。
トレッドストーン計画は、ボーンのような犠牲者を産み出しただけではなく、
大金が闇へと消えていたのだ。
その謎と被せられた濡れ衣をはらうべく、ボ一ンは反撃を開始する。

前作のボーンは最後に女とくっついちゃったので
甘い印象の映画になってしまいましたが、第2作目では冒頭で恋人を
殺され復讐の鬼と化し、ひたすらストイックに行動します。
なんだかんだ言ってもデートムービーにもってこいだった1作目と
同じノリで劇場にやってきたアベックは戸惑ったのではないでしょうか?
男性うけしても女性同士のお客さんは困りそうです。
旧来の女性のデイモン・ファンには受け入れがたい作品のようにも見えますが、
日本での興行成績もベストテン上位をキープし検討しています。

前作では“追われる身”だったボーンが今作では“追う者”に変わったことが、
際立ちます。
携帯電話からデータを引き出す手際のよさなど恐ろしく緻密なことをするかと思えば、
ボーンの名のパスポートのままでヨーロッパを行き来したりと
危ういまねをしていますが、これは
CIAをおびき出し、常に巧みに先手をとって真相に迫っていくためです。
本人がやたら寡黙で説明なしにこういうことをやってくれるので、
はじめ面食らいました。

で、彼は自分が怪我を負うことを恐れていないのですね。
キャラクターの方向性として防弾チョッキで身の安全を図ると
テーマからずれそうですけど、
それにしても血を流しながら前進する姿は痛々しいです。
そこが泣かせどころでしょうが。

結局それはボーンは殺されたマリーの復讐のためだけに戦ってるのではなくて、
過去に自分が手を下した暗殺の断片と思われる悪夢に悩まされていたボーンには、
その真実を探るという目的もあるためなのですね。
CIAと対峙しながら、自分が過去に犯した過ちを暴いていくボーンの心は揺れ動く
わけですが、
過去話については前作で蹴りが付いていたような気になっていたのですが、
そうでもないらしいと気が付くまで、またまた時間を取られました。
ボーン君、きみは奥が深すぎるのだよ。

前作以上にハードなトレーニングを積み、
さらにたくましくなったマット・デイモンの姿は、
カッコよいのですが、
前作でウリになっていたカリという格闘技は表立って出てきません。
前作のダグ・リーマン監督は、今回は製作総指揮を担当。
新監督は、
イギリス領の北アイルランドで72年に起きた「血の日曜日事件」を再現した
『ブラディ・サンデー』で02年ベルリン国際映画祭金熊賞を獲得した
ポール・グリーングラスという人です。

キリル役のカール・アーバンは「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」で、
ローハンの戦士エオメルをやっていた人ですね。
キャラクターが違いすぎるので劇場ではまるで気が付きませんでした。



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