「ブルース・オールマイティ」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「ブルース・オールマイティ」 2003年アメリカ映画 監督:トム・シャドック 脚本 スティーブ・オーデカーク 出演 ジム・キャリー |
自分の人生がうまくいかないのは神の怠慢のせい、と悪態をつくTVリポーター、ブ
ルース(ジム・キャリー)の前に本当の神(モーガン・フリーマン)が登場。神の仕
事を肩代わりすることになった彼は、全能のパワーを駆使して数々のスクープをもの
にするが……。
「ブルース・オールマイティ」はお話としては、まったく他愛ないのです。
プログラムピクチャーの範疇ですね。
ノリのよさと、神のモーガン・フリーマンがダンディなのと、
恋人グレースのジェニファー・アニンストンがかわいいとこと、
愛があって笑いがあって、アクション代わりの適度な特撮があって
なかなか楽しめます。
ジェニファー・アニンストンはブラット・ピットの奥さんです。
ドラマ「フレンズ」が二人の馴れ初めで、
彼女はその作品で五度もエミー賞にノミネートされているそうです。
(02年にエミー賞とってます。)
私は映画「ロック・スター」で彼女を見てます。
ほとんど話題にもならなかった小品ですが、結構よかっですよ。
困ったような照れたような笑顔がチャーミングです。
ブラピと並ぶと絵に描いたような美男美女カップルです。
ジム・キャリーは「グリンチ」のコメディぶりと、「マジェスティック」のシリアス
の両方を
この作品で見せてます。
シリアスとコメディの両方の幅があり
演技に安定感があって、安心して見ていられるのですが、
他方で新鮮味が無いいつものジム・キャリーで、凡庸といえば言えなくも無い。
トム・シャドック監督とは「ライアー・ライアー」以来だそうです。
演技そのものはモーガン・フリーマンの方も、いつもどおりで何の発見もないことは
無いのですが、
真っ白なスーツを着て、「私は神だ」なんてぬけぬけと言える役柄で得をしてます。
平凡な幸せを求める彼女と
平凡のままじゃ嫌な彼氏のすれ違いがドラマの前提にあります。
ブルースが不幸なのは、
自分の野心、欲の大きさに比べて現実があまりにささやかだということなんですが、
これは「私たち」自身りありようを暗示してます。
神様はおバカな彼に
天罰を下さないで「では私の代わりに成ってみないか?」と真顔でそそのかし、
自分はバカンスへと出かけてしまいます。
ーという設定なんですが、
この神様、しょっちゅうブルースのそばに現れては、何やかにやと嘴を挟んでます。
休暇説は、どーも眉唾っぽい。
結局、「身近な幸せを見つめ直しなさい」というお決まりのテーマ通りの解決が待っ
ていて、
みんなハッピーになっておしまいなんですが、
そんなことは始まったところから判っていることで、
途中の道中がどれだけ楽しめるか、ですね。
ゴッドパワーを手に入れたブルースがやることが、いちいちせこくってねぇ。
そこがまた思う存分笑えるんですが。
特にストリート・ギャングに復讐を果たすくだりは旧約聖書のパロデイのような気が
するのですが、
信者の方、どうなんですか?
ペットの駄目犬バクスターくんのおトイレとかは、調教とCGの組み合わせだと思い
ますが、
実際どんな具合に撮っていたんでしょうか。
神の力を手に入れても、豪邸に住みたいとか、
世界の美女をはべらせたいとかいうんで無いあたりが、
ブルースを善人の範疇に留めてます。
「せこいアパート」と口に出して文句を言っていたわりには、
そこを離れようとはしないし、
グレースの関心を引こうといろいろやってます。
「ひとの心は操れない」というルールがあるんですが、
仮に操作可能だとしても、ブルースは彼女を操っただろうか、疑問ですね。
いえ、話の中で彼女に「好きになれ、好きになれ」って念力をかけるところがあっ
て、
それは駄目だったと言う展開になってますが、
でも、それが成功したらブルースは最終的に後悔するんじゃないのかな。
つまり、それは彼女の人格をいじくるということですからね。
人柄が代わってしまって、それを愛せるとしたら、
ブルースは神ではなくて、悪魔になっちゃった、ということになります。
蛇足ですがブルースが「タイタニック」をおちょくるセリフがあって、
「どうしてデュカプリオは、彼女と交代で板の上に乗っからなかったんだ?
そうすれば二人とも助かったろうにっ」
には笑わしていただきました。まったくその通りなんだもの。
ーとメーリングリストに投稿したら、まじに反論してくる奴がいて、困った。笑
トップページ(映画の日特選、小説と脚本の比較レビュー)に戻る。