「carmen.カルメン」映画製作裏話

「carmen.カルメン」映画パンフレット表紙★映画基礎データー★
「carmen.カルメン」
2003年 スペイン イギリス イタリア映画
監督脚本 ヴィセンテ・アランダ
出演 パス・ベガ レオナルド・スバラグリア

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1830年、フランス人作家・プロスペル(ジェイ・ベネディクト)は強盗ホセ
(レオナルド・スバラグリア)と知り合う。
やがてホセは捕らわれ、自分の運命を狂わせた女性(パス・ヴェガ)について
語り始める。

時代を越えてさまざまな作品の題材にされてきた、
ファム・ファタール、カルメンをスペイン映画界の重鎮、
ビセンテ・アランダ監督が映画化しました。
歌劇ではなく心理ドラマを狙ったのでしょうが、
ホセの側から描かれており、結果としてメロドラマになっています。
カルメンを演じたのは『トーク・トゥ・ハー』のパス・ヴェガです。
(ぴんと来ないかもしれませんが、劇中劇「縮みゆく男」のヒロイン役で
す。)

もともとペネロペ・クルス主演という企画だったようですが、
パス・ヴェガのルックスと芝居の勢いは「アンダルシアの魔女」にはまってい
ます。
(演技力そのものは依然としてペネロペの方が上ですが)
彼女の虜となったホセは、監獄行きの彼女を救うばかりか、彼女のために人殺
しもいといません。
 ビゼーのオペラより無名のメリメの小説から直接脚本を起こそうとしたよう
です。
アランダ監督は、カルメンとホセがバスク地方出身であることを強調し
ホセがメンバーとして加わる山賊の一味は反体制の革命家として描かれている
など
政治的な問題にも触れています。
ふたりともアンダーグラウンドの抵抗者のイメージで
キャラクター造形がなされているのですが、
いかにもジプシー的な彼らが
(“ジプシー”といわれてカルメンは葉巻工場で癇癪を起こし、刃物騒動にな
りますが)
意外とキリスト教の倫理観に縛られているあたりが、
古い時代を感じさせて、場面に登場する教会美術などと世界観があっていて、
良いムードをかもし出していました。
ホセが死の直前に心情を吐露する相手が、原作者のメリメだったという設定に
なっています。
新作とはいえ、とくに新鮮味は無いのですが、美しいアンダルシアのロケーシ
ョンや
衣装、音楽など周到に世界が構築されていて、
ハリウッド映画と一線を期し、レベルの高い作品となっています。
ねたバレ改行です。





序盤から中盤にかけてホセがカルメンに振り回されて
転落していく様子は上手く書き込まれていますが、
ラストのカルメンの死が「お芝居どおり」で私には予定調和のように
感じられました。
うちとは違う某映画MLのオフ会で、その点を口にしたら、
「あのオチこそ、カルメンでしょう?」ときっぱり言い切られて、
「それはその通りだけど」と、もごもご口ごもる羽目になりました。

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