「カーズ」
★映画基礎データー★「カーズ」 2006年 アメリカ映画 監督 ジョン・ラセター 脚本 ジョン・ラセター ロバート・L・ベアード 主演 オーウェン・ウィルソン |
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「トイ・ストーリー」ではおもちゃの世界を、
「モンスターズ・インク」ではモンスターの世界を、
「ファインディング・ニモ」ではサカナの世界を。
ディズニー/ピクサーが、2006年7月、
今度は「クルマの世界」を『カーズ』で見せます。
人間の変わりに車が主人公。
自動車がしゃべって、笑って、悩んで、走るというCGアニメです。
主人公ライト二ング・マックイーン(オーウェン・ウィルソン)は
あと1勝で歴代最年少チャンピオンとなるレーシングカー(アスリート)。
決勝レース出場の為カリフォルニアへと向かう途中思わぬ事故に遭い、
気付けばルート66沿いの田舎町に取り残されていた。
その静かな南西部の町で自分のリムジン(大型トラック)を探すうち、
道をズタズタに傷つけたあげく裁判所で裁かれる羽目に。
外部との連絡禁止、食料(ガソリン)制限、行動は町の境界線まで、
そして道を修復するまで町を出られない・・・などの制裁が下された。
拘束中、マックイーンは様々なユニークで興味深い車たちと出逢う。
その新しい仲間達から得た知恵と友情、
更に彼自身の努力を通してマックイーンは物事をゆっくりと進めることの価値を見出す。
そして「道のり」とは「ゴール」と同じくらい大切だということに気づいてゆく。
製作総指揮として数々のアカデミー賞作品を世に送り出したジョン・ラセター
(95年、アカデミー賞特別賞受賞)、
熱狂的な自動車ファンである彼が監督した『トイ・ストーリー2』以来、
自ら5年ぶりに監督を担当した力作になります。
はじめて特報を劇場で見たときの正直な印象は、「がつかり」でした。
「ニモ」で究極の水の表現を見せ、「Mr.インクレディブル」で、
それを超能力人間にまで広げたピクサーが、
なんだか後ろ向きの“マンガ映画”を作ろうとしている、
そんな風に感じてしまったのですね。
確かにドラマはマンガ映画を基調にしていますが、
もっと深く、父と息子、世代交代と故郷の問題を描く、
古き善きアメリカ映画の再確認、といえるような内容でした。
大西部の青い空とだだっぴろい荒野は、我々日本人には、
他の星の世界のような異郷そのものですが、
アメリカ人にとって、そこはかけがえのないカントリー、“我が故郷”なのです。
砂埃ひとつひとつが、愛情をこめて描かれている、というCGの
表現力に改めて舌をまきます。
かつてモンスターの擬人化ぶりに驚嘆した私達ですが、
ただレンズで映してしまえば殺伐としたものとしか映らない風景を、
美しき憧憬を込めて切り取るということが出来るようになったという技術の
向上がこの作品のバックグラウンドにあります。
冒頭に巨大なサーキット場で展開するレースが出ますが、
情報量の大きさに対して、マックイーンを含めて走り回るレーシングカー
達が良く出来たミニカーに見えてしまいます。
これはわざとそう見せているのかな?
ルート66のド田舎ぶりと対比させる為の嫌がらせのような都会的な映像美です。
劇中のラジエーター・スプリングスというのは、
ルート66沿いに実在するカリフォルニア州アムボイという町のことだそうです。
『カーズ』の当初のタイトルは『 ルート66』だったのですが、
往年の人気TV番組 ルート66(1960)と関連があるように聞こえてしまうので
『カーズ』に変更となったという話です。
『カーズ』のためにアニメーター達が描いた自動車のスケッチは
43,000 枚以上にのぼるといいます。
ジョン・ラセター監督は車の町、デトロイトの出身で自動車に対しては、
ひとかたならぬ思い入れがあったようです。ゆえに『カーズ』が制作されたわけですが、
その準備段階で、監督はCGアニメーター達にサーキット場でレーシングカーに乗るよう
指示したといいます。
デスクワーカーであるアニメーター達にとっては、
天国か、地獄か、いずれにせよ人生に二度とない貴重な体験を味わったわけで、
その迫力はレーシングシーンに生かされています。
いつものお遊びですが、「カーズ」の画面のあちこちにはいろんなパロディや過去の作品、
スタッフに関連する落書き、がいっぱいです。
たとえばー
‘主人公’ライトニング・マックィーンの履いているタイヤは「ライトイヤー」社製。
この名は、実際の超大手タイヤメーカー「グッドイヤー」のパロディですし、
『
トイ・ストーリー (1995)』の主要キャラクター「バズ・ライトイヤー」のもじりでもあります。
ライトニング・マックィーンのナンバープレートは当初は「57」で、
ジョン・ラセター監督の誕生年の数字でした。
それが、ラセター監督の『トイ・ストーリー (1995)』封切の年に因んで
「95」に変更になっています。
『カーズ』に登場するフィルモアというフォルクスワーゲン・ミニバスの
ナンバープレート「 51237」というのは、
担当声優ジョージ・カーリンの誕生日「 May 12, 1937 」に由来しているとのこと。
そもそもライトニング・マックィーンというネーミングは、
ピクサー社のアニメーターで2002年に亡くなったグレン・マックィーンの名を
取っているのだそうです。
ラリー・ザ・ケーブル・ガイが声優しているメイターという車のナンバープレート
「 A113」は、ピクサー社のアニメーターの多くが学んだカリフォルニアの
California Institute of the Arts (略称:CalArts )のアニメーションルームの教室番号だそうです。
レーシングカーのうちの白の一台に“the Apple” のロゴが見られるし、
ナンバーは「 G4
」となっている。「G4 」というのはアップルコンピュータ社の
マッキントッシュのモデルの一つです。
これは『カーズ』を製作したピクサー・アニメーション・スタジオ社CEOの
スティーヴ・ジョブスはアップルコンピュータ社の共同設立者の一人でCEOでもあるから
だといわれます。
―重箱の隅をつつくような裏設定話ですが、とりあえず面白いでせう?
(え、くだらない?)
実写では、何をいまさらな話をCGアニメだから感動して見られた、
という気がしないでもないです。
見事に作品世界は完結していますが、この続きの世界というものがイメージできません。
いえ、単にエピソードをひねり出すというだけなら、
キャラクターしだいで幾らでも作れるのでしょうが、語るべきテーマが無い、
ということですね。
愛すべき小品だが、それ以外の何物でもないというのは良いことなのか、
つまらないことなのか、判断つきかねます。
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