「チキン・リトル」DVD脚本レビュー

「チキン・リトル」映画チラシ★映画基礎データー★
「チキン・リトル」
2005年 アメリカ映画
監督 マーク・ディンダル    
脚本 スティーヴ・ベンチック
声の出演 ゲイリー・マーシャル

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ごく平凡な、どこにでもある穏やかな町、オーキー・オーク。
この町で有名なものといえば、ひとつは、色ツヤともに最高のドングリ。
そしてもう一つは、
町中を大パニックに陥れた《事件》の張本人として一躍名を馳せた、
小さな小さな男の子、チキン・リトル!  

《事件》──ちょうど1年前のこと。
チキン・リトルは警報用の鐘を力いっぱい鳴らし、
「空のカケラが落っこちてきた!」と騒ぎ立てた。
警察や消防隊は緊急配備で出動し、町は逃げ惑う人々で大パニックに。
騒ぎを聞きつけたマスコミは、チキン・リトルにことの次第を聞きだそうと、
本人を直撃取材したのだが、
空のカケラはどこにも見当たらず、見つかったのはドングリの実だけであった。
頭上に落っこちてきたドングリの実を、
空のカケラと勘違いしただけ…誰もがそう決めつけ、
チキン・リトルの言葉を信じてくれる者はいなかった。
父親のバック・クラックでさえも…。  

《事件》の大失敗以来、
チキン・リトルは、町中の笑いものとなってしまう。
バック・クラックは、息子の姿を見るたび胸を痛め、彼を心配するあまり、
ついつい「お前には無理だよ」と
チキン・リトルに言ってしまうのが口グセになってしまう。
町の人に嘲笑されることよりも、
父親に認めてもらえないことの方が、チキン・リトルには何よりも辛かった。 
そんな彼にも、仲の良い友だち3人組がいた。
フィッシュは、陸地で生活するため、潜水ヘルメットをいつもかぶっている。
好奇心旺盛なあまり落ち着きがなく、みんなからケムたがられていた。
ラントは、体は大きいけど、ものすごく臆病で、自分に自信がもてずにいる。
そしてアビーは、チキン・リトルの良き理解者で、占い雑誌が大好きな女の子だ。
彼女のルックスは個性的なあまり、
(それを「醜い」と言うヤツもいる)皆から敬遠されていた。
クラスメートからは“変わり者”扱いの彼らだったが、
チキン・リトルにとってはかけがえのない心の支えだった。  

そんなある日のこと。チキン・リトルはまたしても事件を起してしまう。
体育の授業中にチキン・リトルは、運悪く火災報知機にぶつかり、
スプリンクラーを作動させてしまったのだ!
父親が校長に呼び出され、厳重に注意を受ける。
家路に向かう車のなか、チキン・リトルはなんとか事情を説明しようとするが、
バック・クラックは話を聞いてくれない。 
「なぁ、リトル…これ以上、問題を起さないでくれ」  

それでもチキン・リトルは、くじけなかった。
「チャンスさえあれば、きっと名誉挽回できるはず…」
彼はいつも、そう信じていた。
彼は野球の試合でそのチャンスを手に入れる
それは、長年のライバル・チームとの決勝戦でのこと。
代打で登場したチキン・リトルは、渾身のヒットを放ち、
その活躍によってチームを奇跡の逆転優勝へと導いたのだ!
バック・クラックは「これでみんなも、《事件》を忘れてくれる」と大喜び。
《事件》の時に父が自分を信じてくれなかったことを、
チキン・リトルは忘れることができなかったが、
久しぶりに誉めてもらえたことが嬉しくて、そのことは口にできなかった。
その夜、チキン・リトルは部屋から夜空の星を見上げ、今日のことを感謝する。
だが、その時、最悪の事態が起こってしまう。
──なんと、またしても“空のカケラ”が降ってきたのである!
しかも、チキン・リトルの部屋の中に!  

すぐさま親友のアビー、ラント、フィッシュに助けを求め、
4人でこの空のカケラをどうすべきか話し合っていると、
カケラに興味を示したフィッシュが何かの作動ボタンを押してしまう。
ブルブルと震え始めた空のカケラは、
フィッシュを乗せて空の彼方に飛び去ってしまった!
フィッシュの行方を追って野球場までたどり着いたチキン・リトル達は、
その上空にまばゆい光を放つ宇宙船を発見する!
そして、その宇宙船内には、フィッシュの姿が…。 
未体験の恐怖に震えながらも、
チキン・リトルたちは必死に勇気を振り絞り、
宇宙船内に潜入するのだった。

劇中には町の看板や新聞の記事等が結構出てきますが、
吹き替え版では、それがすべて日本語のCGで書き直されており、
ばんばん出てくる挿入歌もすべて日本語で録音しなおされています。
さすがディズニー、各国公開版にとんでもなく金と手間をつぎ込んでいます。

監督は、「リトル・マーメイド」「アラジン」のスタッフとして頭角を現し、
「ラマになった王様」の監督に抜擢されたマーク・ディンダル。
監督のマークは、かねてよりおとぎ話や寓話をモチーフにした
作品が作れないかと模索していたといいます。
「それらはシンプルで親しみやすく、これを入り口に物語を発展させれば、
面白い作品が出来ると考えました。」
彼なりにおとぎ話の構造を解析すると、人気のあるおとぎ話は、
作品の中で現実の世界を上手く描きこむことでイマジネーションの飛躍に成功している、
という共通項を見つけたといいます。
ディズニー自身の「白雪姫」「ピノキオ」「美女と野獣」といった名作も、
おとぎ話を下敷きに更に一歩踏み込んで作品世界が構築されています。
1700年代のイギリスの田舎町で生まれたとされるお話「チキン・リトル」と出会い、
設定や人物を徹底して作り変え、五年の歳月をかけて
映画「チキン・リトル」は世に出ました。

実際の演出に当たり、手書きアニメーション独自の表現、
「つぶれて伸びる」を3Dアニメーションに取り込むための
ツール・セットとして新たなソフト「チキン・ワイヤー」が開発され
特にキャラクターの表情が豊かになり、
同時に複数のアクションの演出方法を検討できる「セルフ・コントロール」、
人物の動きに合わせて背景の動きも記憶する「エレクトリック・タブレット・スクリーン」の導入により
作業効率の格段の向上を実現しました。

最初の予告編のコピーが「僕にもきっと出来ることがある」だったと思います。
駄目駄目ないじめられっ子が、町の危機に奮起して
逆転ホーマーをかっ飛ばす活躍を遂げる。
そんなドラマかなと思って見たのですが、少し違いましたね。
「狼が来たぞぅ」と村人を欺いた狼少年の名誉回復のドラマでした。
決して悪意からではなく、
むしろ正義感から勇気を奮って町人に呼び掛けたにもかかわらず、
町の笑い者になってしまった狼少年ですが。
そしてこれは仲を取り持ってくれる母親のいない、
不器用な父と息子の関係修復のドラマです。
ディズニーは血のつながりのある場合、擬似的なものの場合を問わず、
あいかわらず家族のドラマにこだわってますね。

いじめられっ子の逆襲という雰囲気も無いわけじゃないです。
クラスメートに狼の女の子がいて、野球が得意なんですが、
こいつがとんでもないいじめっ子で、
チキン・リトルはしょっちゅう餌食になっています。
どきゅーんとリトルを吹き飛ばし、リトルは宙を飛んで体育館の窓にぶち当たったりと、
はちゃめちゃなオーバーアクションの連続で、陰湿さが無いので、
日本的ないじめのイメージからはかけ離れてますけど。
それにしても何度、叩かれようと、激突しようと、墜落しようと、
三秒以内に立ち上がって次の挑戦に挑むリトルのバイタリティも凄いです。
ここいらへんがカートゥーンものの面白さを取り込んだ部分ですね。

「コープス・ブライト」の時に、静止画より動いているときの方が魅力的という
投稿をMLで貰ってますが、
このアニメはそれを更に徹底させて、どんな風にアクションをこなしてみせるかで、
キャラデザインされてるんじゃないかと思いたくなるほど、
個々のキャラクターの“振り付け”が見事です。

見ながらただげらげら笑っていましたが、
映画の掲示板の書き込みにもあったとおり、ディズニーものとしては意外なほど、
他の映画のパロディが多かったです。
異星人たちの戦車(?)は「宇宙戦争」のトライポッドそっくりで、
光線を放って暴れますし、冒頭の給水タンクの転がるところは「レイダース」で、
実写のハリソン・フォードまでもが唐突に出てきます。
ディズニーの宗旨替えですかね? 背景はわからんのですが、
ディズニー自身のパロディで、
冒頭の「ライオンキング」には大いに笑わしてもらいました。

予告編でも出てきますが、
クライマックスで空がバリバリと裂けるようにして、
円盤の大艦隊が町の上空に降下する場面は迫力があります。
異星人関係はデザインが地味ですが、見せ方がみな上手いので後半が盛り上がります。

吹き替え版で中村雅俊さんが声優初挑戦してますが、
ジャパンプレミアで本人を見ていますが、
舞台挨拶で、オリジナル版でバック・クラックを
演じたゲイリー・マーシャルの声のイメージに引っ張られたと告白していました。
ですからちょっと聞いた感じでは、中村雅俊さんの声とは気が付きにくいです。
欠点というほどのことではないですが、
自分自身の芝居で演じてほしかったです。

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