「CHICAGO シカゴ」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「CHICAGO シカゴ」 2002年 アメリカ映画 監督 ロブ・マーシャル 脚本 ビル・コンドン 出演 レニー・ゼルウィガー キャサリン・ゼダ=ジョーンズ リチャード・ギア |
「CHICAGO シカゴ」柄のでかい白人女性がズラズラ出てきてぐわわーっと踊りだすとたいした迫力です。
負けソー。!(^^)!
お話そのものは、しょうもない人たちの、しょうもない話、ですが、
軽快な音楽、豪華なコスプレ、スタイリッシュな演出で
小気味良く最後まで見せてくれます。
ではつまらないドラマを演出で観客はだまくらかされてしまっているのかというと、
そういうことでもなくて、これはこれでそれなりに“面白い作り話”になっている。
ストーリーはいわゆる悪漢小説ですね。
中途半端に同情の余地など出さず、徹底的に悪い奴らの悪事の活躍を追っている。
日本にもハードボイルドの巨匠とかがいますが、
アクション主体であったり、敵がより巨悪であったりと、基本的に質実剛健路線で
す。
しかし
CHIKAGOは“口紅とガードルの間のドラマ”、
女が主役で情欲中心の悪漢小説というなかなか珍しいスタイルではあります。
「これはコメディ・ミュージカルだよ」という見方もあってかなり説得力があります
ね。女の虚栄心と欲望をシャレのめした痛快な一作です。
もともとCHIKAGOは1924年のモーリーン・ワトキンズの戯曲の
ミュージカル・ヴァージョンで、
1942年にはジンジャーズ・ロジャーズ主演で映画化されているそうですが。
今日、知られてるのは1975年にボブ・フォッシーがあらたに振り付け・演出を手
がけた作品で、今回の映画の原作はボブ・フォッシーの愛人、アン・ラインキングが
はじめてコンサート・ヴァージョンとして作ったリバイバル版から取っているという
話です。
聞いた話では、ロキシー役選びは最後まで難航し、レニー・ゼルウィンガーは
プロデューサーたちの最初のイメージキャストにはなかったとか。
オーディションを繰り返した末の抜擢で、「ブリジット・ジョーンズの日記」のころ
とは
体格からして別人のように鍛えなおして役に挑んでます。
ヴェルマ役のキャサリン・ゼダ=ジョーンズは、「トラフィック」を見たころには
ダンスをやる人とは知りませんでしたが、
17歳にしてあの「42nd ストリート」の舞台主役を張っていたそうで。
ソロで踊だしたらいきなし上手いので魂消ました。
リチャード・ギアは、「ベント」でシアター・ワールド賞を受賞したりと、
思ったより舞台との関わりの深いアクターなのですね。
今回のタップを「へたっピー」とばっさりやってしまう人もいましたけど、
それなりにかんばってると思いましたがね。タップシーンは、法廷でも「黒を白と言
いぬける法廷話術」のクライマックスとしてドラマ的にも楽しく見れました。
「虚栄と慢心」はいつの時代も変わらぬテーマと言うことでしょうか。
CHIKAGOの映画化の話はずいぶん前からあったようですが、映画「コーラスラ
イン」の興行的な失敗などにより、ハリウッドのプロデューサーはまともにミュージ
カルに投資しようと気がなかったようですね。「ムーランルージュ」の成功にかなり
助けられた格好か?
監督・振付のロブ・マーシャルは舞台「蜘蛛女のキス」「キャバレー」「アニー(T
V版)」「シンデレラ」などで知られた切れ者だそうで、今回映画初進出で、長年脚
本が難航していたCHIKAGOに「ロキシーの白昼夢をダンスシーンに置き換え
る」という手法で映像化のめどをつけて、映画会社を説得、金を出させてます。
ねたばれ改行です。
真冬のシカゴの留置場で裁判を待ち、仲間の絞首刑に震えるロキシーが現実で、
オニキス・シアターのナイトショーは、彼女の空想なのですね。
ロブ・マーシャルはこの手法を「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でビョークが現実逃
避してミュージカルシーンに逃げ込んだり、
あるいは「カイロの紫のバラ」で現実と非現実がごちゃごちゃになって、
笑いを誘うヴッディー・アレンの脚本から学んだと言っています。
―とすると、彼女は現実世界でそれなりのツケを払っていることとなりますが、で
は、
あのラストのヴぇルマとふたりで踊るシーンは、現実か白昼夢か、
はたしてどちらなのでしょうか?
仮にあれが夢だとすると、現実のロキシーは一体どうなってしまったのでしょう?
そう考えると、あれはかなり不気味で不吉なラストとなりますね。
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