「コールド・マウンテン」DVD脚本レビュー

「コールド・マウンテン」DVDジャケット★映画基礎データー★
「コールド・マウンテン」
2003年 アメリカ映画
監督脚本 アンソニー・ミンゲラ
   原作 チャールズ・フレイシャー著
   「コールド・マウンテン」
出演 ジュード・ロウ ニコール・キッドマン レニー・ゼルウィガー

               
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「コールド・マウンテン」は南北戦争末期が舞台です。
自ら兵隊を志願し戦争に参加してから3年が経ったインマン(ジュード・ロウ)
は、
出征前に1度だけキスをした恋人のエイダ(ニコール・キッドマン)に
渡された銅版写真と本、戦地に届いた彼女からの手紙3通を心の支えに
厳しい戦場でかろうじて生き延びていた。
しかし、<クレーターの戦い>と
その後の戦闘で負傷したインマンは、父を亡くして途方にくれるエイダからの
助けを求める手紙を読んで病院から脱走してしまう。
前線からコールド・マウンテンまで五百キロにも及ぶ過酷な旅が始まる。
そしてコールド・マウンテンで待つエイダにも銃後の苦しい生活との戦いが始
まっていた。

全米図書賞受賞のチャールズ・フレイシャーのベストセラー小説の映画化で
す。
南北戦争の中、
愛する女性の待つ故郷へ旅を続ける脱走兵と彼を待つ恋人の苦難を描いた
壮大なスケールのラブ・ストーリーです。
第76回アカデミー賞6部門でノミネートされています。
(受賞はレニー・ゼルウィガーの助演女優賞のみ)
監督は『イングリッシュ・ペイシェント』でその年の賞を総なめにしたアンソ
ニー・ミンゲラ。
「リプリー」以来の新作となります。

南北戦争に恋愛に女の自立と、裏「風と共に去りぬ」みたいな作品です。
『めぐりあう時間たち』で昨年アカデミー賞に輝いたニコール・キッドマンと
『スターニングラード』ジュード・ロウの美男美女が冒頭十五分くらいで
恋に落ちるのですが、開戦前の時代説明をしているうちに
いつの間にかふたりは恋に落ちている。
先の波乱万丈のドラマと比較してあっさり相思相愛になってます。
ミンゲラ監督はここいら辺にあまり関心がなかったらしい。
色恋の部分より、愛し合う二人のその後の受難にウエートがかかっています。

前半のクライマックスに出てくる<クレーターの戦い>。
予告や映画紹介番組で繰り返し出てきます。
どどーんと地面が噴火したみたいな大爆発が前線で起こって兵隊が大騒ぎにな
る場面を
見た方は多いんではないかな。
北軍側が地下道を南軍の陣地深く掘って火薬で陣地を爆破しますが、
そのあとに大穴が開きます。
かまわず突撃した北軍兵士がこのクレーターに墜落して身動きが取れなくなっ
てしまう。
地面がぶっ飛んでパニック状態だった南軍は、クレーターの底でばたばたやっ
ている
北軍に向かって銃を撃ちおろす。大量虐殺になってしまう。
南北戦争後半でも悪名高き戦闘です。

 撮影のために長さ50メートル、幅20〜25m、深さ10〜15mのクレ
ーターを掘ったそうです。
そこにエキストラの兵隊さんたちを突撃させて、てんやわんやの大騒動を撮影
してます。
映画作りって大変ですねえ。(同情)
アメリカのサウスカロライナとヴァージニアでロケが行われているのですが、
アメリカ国内にも、原作にふさわしい自然風景がなかなかないらしくて、
ルーマニアのブカレスト郊外やトランシルバニアでもロケされています。
過酷なドラマですが、自然は美しい…。
自然が少ない都会人にとっては見ていて癒される面もあるかも。
大穴が掘られたのもルーマニアで、エキストラもルーマニア陸軍だそうです。
ところで、
映画の中で“北軍兵士”という字幕に“ヤンキー”という読み仮名が付いてま
す。
そうか、ヤンキーというのは北部の連中のことをいうんだ(?)

重厚な文学の世界がスクリーンに展開しつつも同時に、
ジュード・ロウの相方となる色ボケ牧師といい、マンガの悪役みたい
な義勇軍といい、基本はシリアスな文芸物なのになぜか場面によって
コメディになったり勧善懲悪アクションになったり、
面白いといえば面白く、ちぐはぐといえばちぐはぐです。
『シカゴ』の演技とは全く違う顔を見せるレニー・ゼルウィガーのルビー役
は、
かなりベタな役どころですが、小気味よく楽しませます。
こういう人物もいてくれないことには、ドラマが弾まない。

人間の限界が描かれているのを見て、それをすばらしいと思う方なら、
きっと気に入ると思います。ちょい役で出てくるナタリー・ポートマンがとて
も良いです。
アメリカ人の自分たちの歴史を折に触れて検証しようとする
姿勢には好感が持てます。
邦画にはこういう視点がありませんからね。


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