|
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!
題名「耳に残るは君の歌声」はオペラ「真珠採り」に出てくる曲の名だそうです。
『オルランド』『タンゴ・レッスン』の女性監督サリー・ポッターが監督しています。
祖国を離れ、やがて自分の歌声を見つける少女スーザン(フィゲレ)役にクリスティーナ・リッチ。
愛し合う白馬のジプシー、チェーザー役にジョニー・デップ。
ロシア人ダンサーに扮するケイト・ブランシェット。
オペラ歌手ダンテ役のジョン・タトゥーロ。
他に山っ気たっぷりのオペラ興行主に『パリ、テキサス』のハリー・ディーン・スタントン。
『ノスタルジア』『鏡』などの名優オレグ・ヤンコフスキーも父親役で登場。
『タンゴ・レッスン』のダンサー、パブロ・ベロンもゲスト出演し、情熱的なステップを披露しています。
贅沢なキャスティングでありながら、都内公開は2館のみとミニシアター系興行です。
始めに出てくる1927年のロシアの貧しい村でのお父さんの歌声がまず素晴らしいですね。
タイトルになっているくらいだから、
これがチャチだと話にならないですが、
それにしたって、観客は哀切ある調べに呆然と聞き惚れさせられます。
「屋根の上のヴァイオリン弾き」の世界なのですが、
スーザン(フィゲレ)の幼年期を演じるクローディア・ランダー=デュークが良いです。
なんちゅーかわいい。
(いえ、わたしはそっちの気はないのですが。(爆))
父は出稼ぎに渡米することになる。
ユダヤ人迫害の危機が迫り、村は暴徒に襲撃される。
祖母はアメリカへ行こうとしていた青年達に、無事父親に会えるようにとフィゲレを託すのだけれど、
青年たちと引き離されたフィゲレが乗ったのはイギリス行きの客船だった。
ここいら辺、移民と言うより難民のイメージですね。
いかにも貧しげな群集にもまれて、いたいけな少女がたったひとりで海を渡る。
二十世紀にはありふれた光景だったかもしれませんが、
こんな風に祖国を追われた人達の怨念というものが、
いろんな地域紛争の背景になっていると思うと悲しいですね。
ロンドン移民局に引き渡された彼女はスーザンと名づけられ、キリスト教徒の家庭に預けられる。
そこで、最愛の父の写真とお守り代わりに祖母に持たされた金貨を取り上げられる。
ユダヤの言葉が通じず、英語を理解できないスージーは学校でいじめられます。
ある日、学校の前をジプシーの一団が通った。
物悲しげなその一団に向かい、少女の口から声がもれた。
細く透明で痛々しく美しい“歌声”が。
教師はスージーがユダヤの言葉で歌うのを聴き、英語で歌うよう強制する。
よそ者として沈黙していた彼女は、ようやく自分の“声”を見つける。
学校を卒業したスージーは、歌手のオーディションを受け、
ナイトクラブの劇団員としてパリに渡る。
スージーの心にはアメリカに行ってお父さんを探すというのがあるのですが、
劇団の女主人は言うのですよね。
「パリ経由でアメリカを目指すのよ」
ショーガールになる野心があるとはあんまり思えないのだけれど、
他に稼ぐ方法を知らないスージーは、ともかくもパリに渡る。
そこででくるのが野心家でブロンドのロシア人ダンサー、ローラです。
ケイト・ブランシェットって、柄でかそうだし、態度はもっとでかそうだし、
金髪のはではで美人で私はちっとも好みではないのですが、
「エリザベス」といい、「リプリー」といい、
実に自分の使い道を知っている人で、ここでも役にはまり込んでいます。
彼女の野心と言うのが、
良い男捕まえて良い暮らしがしたいというそれだけのものなんです。
ダンサーとして大成したいとか、そういった向上心には無縁の人生です。
でもま、悪い女ではないのですね。
どこか愛嬌のようなものがあって、少なくともスージーとは良いコンビです。
お喋りなローラとシャイで無口なスージーは不思議とうまが合い、同居をはじめます。
二人は、アリアの名手として知られるオペラ歌手ダンテと知り合う。
スージーは始め、父に似た美声に神々しい衝撃を受け、惹かれるんですが、
ローラの方はその財力の虜となる。(~_~;)
しかし、ダンテは日和見主義の俗物でスージーはすぐさま失望。
芸術の神は、善良な人格者に宿るとは限らない、、、。
ローラは彼を誘惑することに成功し、二人はオペラの舞台の仕事を得た。
この3人を見ていたジプシー、白馬に乗って舞台に登場するチェーザー(ジョニー・デップ)は
スージーに惹かれ、
彼女も彼の情熱を秘めた眼差しと優しい馬の扱い方に魅力を感じた。
「ショコラ」でもジプシーやってたジョニー・デップ。
今度は白馬の王子様やってます。
白馬にまたがって、ライトアップされたエッフェル塔を背にコンコルド広場の石畳を
パカパカ疾走するシーンは、かなり馬鹿っぽいのですが絵になってかっこいいです。
監督としては彼のジプシーとしての野性味を見せたかったんでしょうが、
でも結局それは女の色男にやに下がる目線なのですよね。
ナルシズムにどっぷり漬かっているようなシーンで、
女性うけしいても、男には石を投げられそうです。
バイト(?)で舞台の騎士役で出ていたチェーザー達ジプシーをダンテは毛嫌いして
追い出そうとします。
馬が舞台でお漏らししたとか、くだらない理由ですが、
もともと嫌っているみたいです。
ダンテはもともとイタリアの貧乏人の倅なのですが、
這い上がって有名人となった男です。「お前ら怠け者とは違う」とかいって怒ってます。
1939年9月ドイツがポーランドを侵略。
英国とフランスがドイツに対して宣戦布告。
遂にナチスはフランスに侵入しパリへと進軍する。
スージーは、ダンテがナチの協力者となり友人を裏切っているとローラから聞く。
チェーザーの家族も、ナチの突撃兵に襲われる。
街を出るか、ジプシーたちと運命を共にするか、二者択一を迫られるスージー。
公式サイトのストーリー紹介を見ますと、
ドラマのラストまでねたばらしがしてあります
あらすじを明かしたところで、観客のこの映画への興味が失われるものではないという
映画会社側の自信によるものと思われます。
歌は聴かねば分らないし、衣装や当時のパリの風俗など、
スクリーンで見てよりよく堪能できるものです。
普通のハリウッド映画のように、ぶつかって何かを掴み取る話ではありませんね。
それぞれの人物のその後については、どんな風にでも考えられるでしょうが
最後に歌があったと。
万感の思いが歌に結晶したと。
これは大人の映画です。子供にはこの良さは分らない映画です。
映画を見て泣くもよし、過ぎ去りし二十世紀に思いをはせるもよしです。
「耳に残るは君の歌声」に対するあなた自身の感想を映画ファン掲示板にて募集。
トップページ(映画製作裏話、映画と原作比較比較レビュー)に戻る

|