「キューティーハニー」映画製作裏話
★映画基礎データー★「キューティーハニー」 2003年 日本映画 監督 庵野秀明 原作 永井豪 脚本 高橋留美 庵野秀明 出演 佐藤江梨子 市川実日子 |
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さえない派遣OLのハニー(佐藤江梨子)は
変幻自在に姿を変えられるアンドロイド「キューティーハニー」だった。
そんな彼女を悪の組織パンサークローと女警部の秋(市川実日子)、
記者の早見(村上淳)が追う。
漫画家永井豪原作で70年代に一世を風靡したアニメーションを基に
『新世紀エヴェンゲリオン』の庵野秀明監督が実写映画化しました。
主役はバラエティ、ドラマでおなじみの『プレイガール』で初主演を果たした
佐藤江梨子。
共演は『ラヴァーズ・キス』の個性派市川実日子と
『RED SHADOW 赤影』の村上淳、
テレビドラマ「白い巨塔」の及川光博。
オープニングから、海ほたるの戦いまではめちゃくちゃ面白いです。
しかし そこから後ろはかなり…。(――;)
「デビルマン」「マジンガーZ」とアニメを次々にヒットさせた永井豪先生
のところに
73年ごろ東映動画(現、東映アニメーション)のプロデューサーから
「そろ そろ本領のHっぽいもので何か企画を頼む」と依頼があったそうです。
「ハレンチ学園」ではアニメは無理なので変身もので行こうと。
変身の時にヌ ードがチラリ。
それがハニーの原案に。−分かりやすいですねえ。笑
主人公が戦う変身ヒロインなら、
敵も全員女の軍団でと言うことでパンサー クロウが生まれた。
アニメでは互いを「おねえさま」と呼びあってるんですよ、
女怪人たちは。つまり全員が“そういう関係”。
漫画版もほぼ平行してかれていますが「バイオレンス・ジャック」等と
同時代 に連載されているわけです。
連載もじっくり書き込むことは不可能で、
夏子が惨殺されて復讐に燃えたかと思えば、
風呂場を覗かれて「きゃーっ」てのが出てきたり。
当時の永井先生の時代の気分がハニーと言うキャンパスにぶちまげ
られていた。
それでも破綻しなかったのが、
ハニーが死んだ美少女 如月ハニーを細胞レベ
ルからコピーしたアンドロイドである、と設定されていたこと。
言ってみればアトムの少女版ですが、
年がアトムよりずっと上の多感な十代半ばの少女であり、
その年頃の女の子の感情まで持ち合わせたまま、
永遠に老い ることなく、
敵の軍団と最終戦争を繰りひろげるのですね。
ゆえに当初想定されていた男の子のファンに負けず劣らずたくさんの
女の子のファンを獲得しえた。
その後ハニーは再連続アニメ化され、
コミック版も二度連載されています。
興味深いことに、
二度の連載ではハニー以外の登場人物はどんどん歳を取り、
ハニーだけが元のままという設定になっています。
永井豪先生は、今度の実写映画化に気をよくして
三度目のコミック版の連載を画策中(?)ですが、
三度目は完全に未来の話で、
アンドロイドが当たり前 の世界でハニーがどう自分自身を見つめるかという話だとか。
映画ではアニメとCGを合体させた“ハニメーシュン”なる技術が開発されました。
サトエリのアクションをコマ撮りした素材とセルアニメ、
CGをひとつの画面 に合成したもので、 冒頭の海ほたるの戦闘で、
飛んでくるミサイルの弾幕を飛び上がって素手でハニーが叩き落す場面などで
出てきます。
ハリウッドのCGが無機的なものを如何に現実のものとして見せるかで技術を
競っているのに対し、
“ハニメーシュン”は人間がアニメに近づこうとしてい
る。
「アップルシード」の“トゥーンシェイダー”は実写をスキャンして作った3DCGを
セルアニメ化するソフトですが、
“ハニメーシュン”はその流れとも違っている。
パラパラ漫画のノリです。
表現の模索として興味深いですが、
なにせ目立ちすぎるので繰り返し出てくると飽きます。
これだけでウリになるほど洗練されてはいないけどなぁ。(ウリにしてますが
汗)
庵野監督が認めている通り、ヒーローものが成立しにくいのは、
魅力的な悪の ロジックが描きがたいからです。
テロや個人的な復讐ではリアリティはあってもドラマチックじゃない。
パンサークロウは映画では「エゴイストの集団」らしいのですが、
「エゴイスト」とセ リフとしいて出てきても画面では、
四天王他戦闘員全部がボスのシスタージル (篠井英介)に
絶対服従しているので説得力が無いです。
シスタージルが植物のような根を生やし美女たちの生血(?)をすすって
いのち永らえるのと東京タワーの下から出てくるドリル型のタワーと一体
何の関係があるのか? 生命保持と権力志向は本来別物。
さらにシスタージルは己 の長寿に倦怠感をもよおしてるようで、
ハニーの超能力のみなもと「Iシステム」もあんまり欲
しがってないみたいだし。
ハニーの方も「父のかたき」と叫ぶ後半がえらく唐突。
「にょ〜」って半裸で駆け回る前半とかみ合いません。
しいて言えばハニ ーと夏子の女の子同士の友情がテーマですが、
表現がとても拙いですね。「下妻物語」にも負けてる。
海ほたるの戦いまでの豪快馬鹿映画ぶりはあっぱれですが、
うしろにいくほどしょぼくなります。
庵野監督は予算が足りないと言い訳してますが、
『新世紀エヴェンゲリオン』 の頃から前科のある人なので
にわかには信じられないですね。
映画と同じ設定 の「Reキューティーハニー」というOVAシリーズが
リリースされてるので、とりあえずそっちを見ましょう。
アニメなら予算は関係ないはずですから。
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