「僕の彼女はサイボーグ」

「僕の彼女はサイボーグ」映画チラシ■作品基礎データ
「僕の彼女はサイボーグ」
2008年 日本映画
監督脚本:クァク・ジェヨン
出演:綾瀬はるか
               

mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!

ひとりぼっちで過ごす20歳の誕生日。
寂しい大学 生ジロー(小出恵介)の前に、
突然キュートな“彼女” (綾瀬はるか)が現れる。
新鮮で刺激的な彼女と過ごした数時間は人生の中で最も輝ける時間となるが、
突然彼女は姿を消してしまう。
1年後の21歳の誕生日、
ジローは再び彼女に出会う。
似ているけど去年と何かが違う・・・?
なんと“彼女”の正体は、
未来の自分が現在の自分を守るために送り込んだサイボーグだった!
ジローと“彼女”の不思議だけど楽しい共同生活が始まり、
やがてジローは“彼女”に恋心を募らせていくが、
しかしそれは、決して起こるはずのなかった、
運命を変えてしまう“恋”の始まりだった―。

未来から来たサイボーグと、
彼女に惹(ひ)かれていく青年の奇妙な共同生活を描くファンタジックなラブストーリー。
『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨンが脚本と監督を担当、
大胆な彼女と控えめな彼氏の基本設定に
SFファンタジーとアクション要素を絡めた恋物語を描き出す。
ヒロインに『HERO』の綾瀬はるか、
その相手役に『キサラギ』の小出恵介。
サイボーグの衣装をまとい、本格アクションに挑む綾瀬サン、初主演映画頑張っています。

クァク・ジェヨンという人は毎度、
とんでもなく破綻した脚本を書いて自分で演出しちゃう監督ですが、
今度の作品もSFとして“突っ込みどころ満載”どころか、
ほとんどめちゃくちゃです。
はじめ笑わせ、あとで強引に泣きに持っていくのはいつものパターン。
その泣きの部分で、ロボットモノとタイムとラベルモノの
過去の名作の美味しいアイディアをつるべ打ちで連打します。
オリジナリティはないものの、
これだけ、づだだだだっっっああああっと、
臆面もなしにやられるとかえって爽快です。

綾瀬はるかがかわゆく見えているので、一応、作品としては○(まる)なんでしょう。
めちゃくちゃ強くて、“ご主人様“の男性にひたすら尽くし、
欲得勘定などあり得ないどころか、
裏切られる事はあっても人を裏切るということを知らず、
如何なる自己犠牲もいとわず、
ためらうことなく、危険に身を投ずるし、
その結果、粉々になってしまってもなお、彼を…
というのは、アニメの登場人物のようですし、
実際、小出君が彼女に渡す綾波レイのフィギュアそっくりの髪型とコスプレで
現代にやってきます。
私は試写会に2度参加していますが、
こういう男目線のウケキャラは女の子の側から見て面白いのか疑問でしたが、
試写会場の若い女の子達のウケは2会場とも思ったよりよかったです。

まあ、いまどきの女の子は「セーラームーン」とか見て育った世代ですから、
ああいうのも許容範囲かもしれないです。
その女の子達は「かわいい」と言っているのですが、
でも男の感じる「かわいい」と
彼女らの言う「かわいい」はイコールではないのだろうなあ。

いま民放で男がロボットやって、女の子にまとわりつくドラマをやってますが、
あれがはじめ全裸で現れて、「あいしてる」「Hしよう」を連呼するのに対し、
こっちの彼女は、「愛している」という言葉がいえないし、
小出君がいやらしい妄想を抱いても一切受け付けません。
そして彼氏が純粋に恋して彼女にキスしても、
「何も感じない?」「うん」「していることは理解できるよね?」「うん」
キスシーンはこの一度きりです。
感極まった彼氏が彼女を抱きしめるのが2、3度出てくるのみ。
ラブシーンのないラブストーリーというのは不思議ですが、
そこがこの作品の肝であり、ロマンを感じさせる要です。
愛というのは行為でなくて、心の中にある。
タイトルでゴロが悪いから、ロボットでなくてサイボークなのかなと思ったのですが、
速水もこみちの男ロボットが赤ん坊のような奴であるのに対し、
彼女は彼の過去の記憶を抱いて現代にやってくるから
サイボークなんだ、と。
(セリフの上ではサイバーダインなんとかいう製品名ということになっているけど)
思い出というのは、そこに抱きしめられるということなので、
性愛の部分は逆に邪魔なのでしょう。
脚本がぶっきらぼうすぎるので感じ取りにくいのですが、
人型ロボットがこういう使われたかを映画の中でされるのは、
邦画では初めてじゃないですかね。

綾瀬サン、本作の撮影終了後、二週間後には
女座頭市「ICHI」の撮影に入ったそうです。
柴崎コウから長澤まさみまで、いまどきの若手女優はアクションが
出来ないと商売にならないようですね。たいへんですなぁ。

 クァク・ジェヨン 1959年生まれ。慶煕大学物理学科卒。
89年に「雨の降る日の水彩画」で監督デビュー。
01年「猟奇的な彼女」が大ヒットし、03年に「ラブストーリー」、
04年には「僕の彼女を紹介します」と話題作を次々と発表しています。
クァク監督は制作のいきさつについて
「脚本を書いている時点では、まさか日本で撮ることになるとは考えてもいなかったね。」
とインタビューに答えています。
審査員として参加した03年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で
山本又一朗プロデューサーと意気投合、
その後脚本を見せたら、彼が非常に気に入ってくれたのがきっかけです。
「日本人キャストと韓国人キャストによる合作形式だとか色々案があったが、
本当に紆余曲折あって、結局僕以外はすべて日本人という形になった」
とのこと。
監督以外は日本人ばかりの現場で、
撮影も神戸など日本で行われたことについて
「まさに“冒険”といってもいい、
まったく初めての経験だったけれど、得たものの方が多かったよ。
確かに直接同じ言葉で対話することはできなかったが、
映画を撮るのに最も重要なのは“感情が通じ合う”ことだから。
その点では、スタッフもキャストもまったく問題はなかった。
大変だったのは、プロデューサーだったんじゃないかな。
この数年で韓流ブームが去り、韓国映画の位置づけが下がってしまった影響で、
製作費の確保にかなり奔走していたようだから」
「韓流ブームはTVドラマがスタートで、人気俳優を中心にしたものだ。
だが、そうしたブームに便乗しただけの映画があったのは事実。
とにかく早くお金を儲けようとした人たちのせいで、
韓国映画全体の位置づけ・価値が下がってしまったのは確かだと思う。
韓国で当たったものが、必ず日本でも成功するとは考えていないけれど」

「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」そして今回の「僕の彼女はサイボーグ」も
とても“強い彼女”が出てきますね。そういった女性に対する憧れがあるのですか?
「幼かったころの気持ちに帰って色々想像をめぐらすと、
そういう女性が現れてくるんだよ。そんな型破りな女性は幻想にすぎないんだけど、
きっと子供のころに出会いたかったんだろうね」
振り回されたいですか?
「(爆笑)。確かに、そんな彼女の力を借りたい、助けられたいって思うよね。
カッコよくて完璧なスーパーヒーローよりも、身近にいる“強い女性”。
憧れるなら、断然そっちがいい(笑)」
脚本をはじめて読んだ時の印象を小出恵介は
「「倒れるビルを支える彼女」など、文字で読むだけではイメージがつかめなかった。
でも、スケールが大きい映画だと思った。」と正直に答えています。
綾瀬はるかは初めてのサイボーグ役について
「動きやしぐさに気を使った。目の動きなどは監督が実演してくれたので、まねをした。」
と答えています。
さて現場での監督とのコミュニケーションは。
小出「片言でやり取りしていた。韓国語を覚えようとしたが、
監督が日本語を覚えるスピードの方が速かった。
監督がキムチを持ち歩いていたので、食事の時に一緒に食べたりした。」
アクションシーンが多かったですよね?
小出「ワイヤーアクションで長い距離を瞬間移動したり、死ぬんじゃないかと思った(笑)。
今まで出演した作品で一番大変だったが、刺激的だった。自分にとって分岐点になる作品だと思う。」
さてキャスティングの決定方法について
山本又一郎プロデューサーとクァク監督は次のように対談で述べています。
山本「未来的なストーリーなので、未来があり役に合うイメージのキャストを考え、クァク監督に提案した。」
クァク監督「運命的な出会いがあった。
自分が初めてまともに最後まで見た日本のテレビドラマは「世界の中心で、愛をさけぶ」だった。
山本プロデューサーから提案されたキャストを見て、綾瀬はるかの名前があるのに驚いた。
これは運命だと(笑)。サイボーグという難しい役で、ずいぶん苦労をさせてしまった。
小出恵介は「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンに雰囲気が似ていると思った。
男性的というよりはかわいげがあるタイプだ。実際に撮影に入ったら、
コミカルな演技もまたチャ・テヒョンによく似ていると感じた。」
小出恵介と綾瀬はるかは共演について
小出「この映画の前に違う作品で一緒になったこともあるのですが、
はるかちゃんはちゃんと自分のペースを持ってる人ですね。
自然体だから一緒にいてすごく居心地が良いというか。
全部二人でストーリーを背負っているから撮影は本当に大変だったので、
もう“同士”みたいになってましたね。戦い抜いた同士って感じ。」
綾瀬さんはふんわりしたイメージがあるのですが、実際はどんな雰囲気の方なのですか?
小出「確かにふんわりはしてましたよね(笑)。でも「やるときはやる!」っていうか、
度胸がすごいあるんですよ。
ほんとにハードな撮影だったんですけど、文句も全く言わないし、
本当にタフだなって思いました。あと、
何故かはるかちゃんはしょっちゅういろんなとこにぶつかるんですよ。面白かったです(笑)」
しかし、笑えない話が…。
撮影現場で綾瀬はるかは怪我をしているのですが、
別のインタビューでそのときの状況を当人は次のように話しています。

綾瀬「アクションシーンとは関係なく、黒幕に走って入っていくというシーンで、
黒幕の中に鉄筋みたいなのが入っていたんですね。
それを教えてもらっていなくて、そのまま走っていって、
鼻を「カーン!」と鉄筋にぶつけてしまったんです。
そのまま「バターン!」と倒れちゃって、血がブァーって出て。
周りのスタッフはみんな、何が起こったのかわからなかったみたいで(笑)。
そのうち鼻が腫れてきて、まわりがアザみたいになってしまって。
骨が折れていることもわかったんです。 」
撮影は中止になったんですか?
綾瀬「それが、その舞台を借りている日がその日しかなくて、
「すぐ続けましょう!」って(笑)。
最初は腫れがひどくて、メイクも塗って、なるべくわからないように撮りました。
引き(ロングショット)のシーンを多く撮ったのかもしれない。
多分、腫れがわかるところはカットされてますね。
私も撮った映像を見て、「あ、大丈夫だ」って思ってほっとしました。」

バトンを小出にもどして、
クライマックスの撮影について
「いや本当に体力的にもすっごくキツかったんです!
地震のシーンを撮ってるときとか、朝から晩まで全身粉まみれなんです。
しかも生傷が絶えないし。あれはキツかったなぁ…。
でもそのときに横を見たら、まったく同じ姿をしたはるかちゃんがいるわけですよ。
彼女も朝から晩まで粉だらけで。「この辛さは俺たちにしか分からない!」って、
そういうところから“同士”って言えるんですよね。
もう思い出しただけでも今ツライですから(と、すごく苦い顔に)笑。」
お互いに励まし合ったりされたのですか?
小出「二人ともマイペースですから、
励ますっていうよりは「やろっか」「うん、やるしかないよね」って言うくらいですね。
「よし、頑張るぞぉ!!」みたいな熱い感じにはならない(笑)。」

そして現場を取り仕切る監督は
クァク監督「演出は言葉より行動で示したので、特に難しさは感じなかった。
違いと言えば、韓国は準備しながら撮影を始めるが、
日本は準備を完璧に終わらせてから撮影を始めることだ。
日本は食事を個々で取るが、韓国は一緒に食べる。
今回はみんなで一緒に食べることで団結が強まったかもしれない。」
他国の資本で映画を作るスタイルは、
投資者不足に悩む韓国映画界の一つのモデルケースとなるのではないか、
という問いかけに
クァク監督「いいチャンスだと思う。今後につながればいい。
そのためにはよい作品を作ることが重要…


以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「僕の彼女はサイボーグ」の頁をご覧下さい。


トップページ(映画製作裏話、映画と原作比較レビュー)戻る。