「DEATH NOTE デスノート the Last name」
★映画基礎データー★「DEATH NOTE デスノート the Last name」 2006年 日本映画 監督 金子修介 原作 大場つぐみ 小畑健 脚本 大石哲也 出演 藤原竜也 |
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死神のリュークが落とした“デスノート”を手にし、
殺人鬼キラとして凶悪犯を抹殺してきた夜神月(ヤガミライト 藤原竜也)。
恋人が死んだ事件をきっかけに、キラ事件の捜査本部に入り込んだ彼は、
キラ事件を解明せんとする天才青年L(松山ケンイチ)と
壮絶な頭脳戦を繰り広げることになる。
原作は週刊少年ジャンプに連載された同名の漫画作品。
現在単行本は初版100万部(これは漫画単行本最速記録)、
12巻の累計発行部数が2100万部を突破する人気のコミックです。
主演:藤原竜也、監督:金子修介、邦画史上初の前編・後編の連続上映という
プロジェクトです。
前編は、公開後に観客動員数200万人を超える大ヒットを記録し、
2週連続で同時期公開の「ダヴィンチ・コード」を抜いて国内興行成績1位に輝いています。
※
「デスノート the Last
name」は公開前、東京国際フォーラムで開催された
ジャパン・スペシャルプレビューを見ています。
ホールAは客席数5千人の大ホールですが、
ロビーの大階段に盾を持った機動隊が配備されていて「なんじゃこれは?」と驚くと、
実は東宝のエキストラさんたちでした。こうした演出が楽しかったです。
舞台挨拶は、30名以上の機動隊員が舞台袖になだれ込んで開幕。
監督と出演者9人のそろい踏みで、計10名のトークで、
結局4、50分もかかり、映画込みで延べ3時間ものイベントでした。
前作は原作の1巻目から3巻目までをベースに映画化されていますが、
「デスノート the Last name 」は
原作の単行本3巻・4巻・5巻・7巻・12巻の内容を元にしているようです。
(8巻より原作はLの後、ニアとメロにバトンが引き継がれる。
が、映画はあくまでLが最終決着まで月(ライト)と戦う。)
制作費は前後編併せて20億円といいますから、「日本沈没」のリメイク版と同じです。
さくらテレビのトップキャスターの西山冴子(上原さくら)はthe Last
nameの
オリジナルキャラクターですが、
前作で登場したオリジナルキャラクター、月(ライト)の恋人
・秋野詩織(香椎由宇)から比べると
随分と小さな役回りでthe Last nameで初登場の高田清美(片瀬那奈)の引き立て役です。
高田清美は原作ではミス東大に選ばれた才色兼備な女性。
一時期、月(ライト)と恋人関係になるのですが、
(月(ライト)は弥海砂(あまね
みさ 戸田恵梨香)との関係を隠す為、
高田清美と偽装交際をはじめる。)
その後「キラの代弁者」としても登場しますが、
the Last
nameではさくらTVのニュースキャスターとなっています。
さくらTVの出目川は原作では太った大きな男ですが、配役されたマギーは
背が低くて細い人。
どうやらこれは身長の高い片瀬那奈とわざと対比させたかった為のようで、
スタジオ内でマギーが片瀬那奈のお尻に触るセクハラシーンでは、
手を伸ばしたマギーが片瀬那奈に「そこは脚ですけど」と
背が届かないおチビぶりを発揮した。
(スペシャルプレビューの舞台挨拶でマギー本人がエピソードを披露。
ちなみにマギーさん、あの「スペース・トラベラーズ」の原作者でもあります。)
キラ事件で恋人を失った月(ライト)がその復讐を誓って捜査本部入りするというのは、
本来不自然ですが、
Lは前編からしてしつこく月(ライト)を筆頭容疑者として疑っており、
“捜査のために”月(ライト)を自分の縄張り内に招き入れています。
FBIもあごで使っちゃう名探偵
(映画の設定ではICPOが東京に送り込んだ謎の男、と言うことになっているが、
実際にはICPOが自ら事件を捜査したりすることは無い。)
ゆえの特権でしょう。
予告編で公開されている通り、ふたりがチェスをするシーンがあり、
「いま私が死ねば、まっさきに月(ライト)くんが疑われますから」
「君が死んだら、僕がキラか」
とガンガンやりあう陰険漫才バトルが、
このあと手を換え、品を変えて展開します。
前編ではLの捜査拠点は、ICPO(か、警視庁)が
密かに借り受けた高級ホテルのVIPルームだったようですが、
the Last
nameでは、都内某所の高級マンションの地下5階にLが私財を投じて
作った要塞まがいの重装備のキラ対策室が舞台になっています。
ここに海砂が監禁されたり、月(ライト)自身が閉じ込められたりするわけですが、
原作の対策室のイメージをベースにしつつも、
日活撮影所の撮影ステージに準備された対策室のセットは、
壁の色調等に「温かみのある配色」がなされています。
これは美術の創意で、“悪を追求し正義感のつよいLは、実は温かい人柄なのではないか”
という解釈に基づくものです。
脚本のクライマックスからエンディングに掛けてのLの人物像を分析すれば、
それもうなずけます。
それと監禁部屋で使用した拘束具は専門店で購入したものをスタッフがばらして、
いちから作り上げたオリジナルだそうです。(専門店て…、汗)
the Last nameでは、結構笑える場面も提供してくれるLですが、
前編では洋菓子系を食べていたのに対して、the Last
nameでは和菓子系を
食べていたことに気が付かれたファンの方はいるでしょうか?
L役の松山ケンイチはお菓子はまったく好きではないそうです。
あんだけ劇中で食べ続けて太らなかったかとインタビュアーに質問されて、
「太りませんでした」と真顔で答えるケンイチくん。笑
どんなお菓子をどの場面で手にするか、はLの人物像の造形に深い関連があると
考えた彼は、“デスノート”ならぬ“お菓子ノート”を作って、
消え物(撮影用語。劇中で消費されてなくなっていくものの総称。)
を担当するスタッフ(装飾スタッフ、もしくは持ち道具係り、が担当)と
ディスカッションを繰り返して各シーンごとに選定して行ったそうです。
前作ではドラマの立ち上がり近くに集中するモブシーンのエキストラに対する
演出が駄目駄目で、映画の掲示板で総攻撃を受けていましたが、
さすがに今回は、さくらTVまつりの公開処刑場面の演出はがんばっているようで、
第二のキラ、登場シーンの緊張感を何とか維持しています。
大手町のサンケイ広場に300人のエキストラが集められてのロケですが、
ここは、高田清美や出目川ら新登場キャラの活躍含みの本格的な紹介場面でもあるので、
ここでこけると全編が馬鹿っぽくなってしまう危険があります。
中継画面と実写の交錯、スタジオの中と外、対策室の月とLの目線芝居等、
短いカット割や、車両突入のアクションまで何でもありのフル回転演出で、
前半の盛り上がり場所となっています。
サンケイ広場のロケは梅雨期の降雨で、特設舞台や屋台等を準備してはバラしを
2回繰り返す羽目になったとかで、
スケジュールぎりぎりで3回目にようやく撮影に辿りつけています。
原作でも描かれている東応大学のシーンは、八王子にある法政大学のキャンパス内で
ロケーションされています。
ここで月(ライト)とL、海砂(ミサ)が始めて一同に会し、
三つ巴の騙し合い合戦が始まります。
特に注目すべきは月(ライト)で、このシーン以降、
藤原竜也は意図的に黒を基調とした衣装をまとい、
芝居もシェークスピア調になっていきます。
メイキング本のインタビューで藤原竜也は、
「原作の台詞回しとは意識して変えている」と語っています。
劇画セリフは目で見てかっこいいが、生身の人間がそのまましゃべると
違和感がある、からと説明していますが、
コミックファンからも批判の有るとおり、
デスノートは流行のコミックの中では異様なほど、モノローグと説明セリフの
多い、つまり活字だらけのコミックなので、
原作追従ですと、映画ではドラマのテンポが停滞してしまうので、
脚本を立てる段階でよりシャープな演出に耐えうるよう削り込まれています。
セットのように見えて、実はロケで撮影されたのが海砂(ミサ)のマンション。
登場シーンはそう多くはありませんが、
麻生のマンションの一室を借り切って、
原作のイメージに忠実に、赤と黒とを貴重にしたゴシック・ロリータの世界を
再現しています。
人気グロカワ・キャラの「HANGRY & ANGRY」の人形や
人形作家・安藤早苗の妖艶な人形が何気に配されているので、
ミサミサ・ファンは要注意です。
デスノートを月(ライト)が隠してしまう森のシーンは、
八王子の自然公園の森でロケーションされていますが、
沿道からロープで森の中に機材を降ろしていくような環境で、
これまた梅雨の雨に祟られてえらい目にあったようです。
第3のキラ事件の内容が原作とは大きく異なるようですが、
渦中の人、高田清美(片瀬那奈)は私室では黒のキャミ姿。
なんか少年少女で進んできたデスノートが、
なぜかここで大人の女のお色気攻撃。
あられもない姿を盗撮されてマジギレですか!?
既にいろいろ書いてしまっているのですが、ここでいちおうネタバレ改行。
第3のキラ事件は原作から大幅に変更されているようですが
前編を見て以来疑問に思っていた事が、映画の第3のキラ事件の中で
具体的に出てきました。
その疑問とは、“デスノートを現在の司法で裁くことは可能なのか?”
です。
結局、3人のキラはいずれもノートに名を書き込んでいるだけで、
直接手を下すわけでもなければ、共犯者に指令を送っているわけでもありません。
こんなものが、警察が捜査対象とする犯罪の範疇であるものか?
激闘の果てに、Lは第3のキラを捕まえることに成功し、さらに、
デスノートの存在をも知るわけですが、そこで第3のキラは高笑いするのです。
私を逮捕など出来ないっ!
キラの勝ちのように見えましたが
Lはキラの鼻先にノートを突きつけ、
「このノートが人を殺せると証明できれば、お前は死刑だ」
Lが言わんとすることは、
…例えばですね。未知の毒薬があったとして、その毒性が既存の医学で
解析できずとも、
殺傷力があることが実験等により証明できれば、
それを故意に悪意に使用した者を起訴することは、
法的に可能である、というのと同義であろうと推測されます。
殺人を犯したことが罪なのであって、殺人手段そのものの科学的根拠は、
司法学的には法廷で問う筋合いのモノではないという理屈です。
中盤の展開で面白かったのは、月(ライト)とLが協力してキラの捜査をするところ。
これは捜査の振りをする前半と違って、ノートを失った月(ライト)は、
キラの記憶も失っていて、裏表無くLに協力している。
いったいどうなってしまうのだろうと固唾を呑んで見ていると、
それもまた、事前に自分がキラ捜査に躍起になるであろう事を先読みして、
月(ライト)が自分自身をトラップに掛けて、
ノートの隠し場所へと自分を誘導していく…。
まあ、なんて頭が良いんでしょうねぇ。
ですが、月(ライト)は己の人格をも、キラに差し出してしまっている
と言うことに気が付いていない。
あくまで良き父であろうとする夜神総一郎(鹿賀丈史)等とは、
決定的に道を隔ててしまう。
別れの際にLが総一郎に
「ボクは父親と言うもの知りませんが、あなたは立派な父親だったと思います」
と言うセリフには泣かされました。
本当のところ、Lという青年はどれほどの正義感を持ってキラと戦い続けたのかは
計り知れません。
通常アンフェアとみなされる手段を彼も使っていますからね。
駅に迎えに来た月(ライト)の妹、粧裕(満島ひかり)に総一郎が
「月はキラと最後まで戦ったんだ」と言うセリフは、
単に身内に真相を伏せておこうと言う配慮だけだとは思えないです。
心の内なるキラに月は負けたのだ、けれど月は最後まで戦い続けたのだと、解釈すべきでしょう。
そして新作「L change the world」のメイキング情報はmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27922684&comm_id=1299114
にて「L change the world」の頁をご覧下さい。
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